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プラジャーク・クァルテットのベートーヴェン・チクルス第4夜 超感動!!魂を浄化する弦楽四重奏曲第15番の極美の世界@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.6.2

15日連続コンサートの14日目です。残りは遂に1日。ほぼ聴き通しました。

プラジャーク・クァルテットのベートーヴェン・チクルスの第4夜です。第3夜だけは浮気して金川真弓のヴァイオリンを聴きにいきました。

前回、第2夜でベートーヴェンの創作した音楽の最高峰、弦楽四重奏曲 第14番を聴いてしまいました。もう、それ以上の感動はないと思っていたら、今日の第15番はそれ以上の演奏で強い感動を覚えました。結局、ベートーヴェンの後期の3作、第13番~第15番はすべて最高傑作ですから、比べられるようなものではないことを痛感しました。高邁な精神の第14番に対して、魂の浄化を感じさせる第15番。ベートーヴェンは何と言う音楽を創作したんでしょう。最終日に聴く第13番&大フーガもきっと感動を与えてくれるでしょう。
今日の第15番は第1楽章から第5楽章まで、最高の演奏でした。曲は第3楽章を頂点として、第1楽章と第5楽章、第2楽章と第4楽章が関連付けられて、対称形のアーチ構造になっています。バルトークが弦楽四重奏曲第4番と第5番でも同様のアーチ構造の5楽章構成を用いたのは、この曲を念頭に置いたからでしょう。100年の時間を挟んで大きな峰をなすベートーヴェンとバルトークの弦楽四重奏曲の傑作はこの曲なしにはあり得ませんでした。
冒頭、抑え気味に入った第1楽章の序奏から只ならぬ雰囲気を感じます。主部に入ると、何とも胸に沁み入る音楽が展開されます。ベートーヴェンの哲学めいた瞑想が表現されるのは後期弦楽四重奏曲の特徴ですが、音楽がこれほど主観に満ちた魂の声の吐露であることに強い感銘を受けます。音楽を通して、そこにベートーヴェンの魂を感じてしまいます。肉体という牢獄に縛られた人間が芸術の力で肉体の呪縛を解いて、魂を解放したのだと悟ります。芸術によって、不死の生命を得たベートーヴェンの魂がそこに存在していることを確信します。音楽というよりもベートーヴェンの魂と共にあるという実感で強い感銘を受けます。そんな音楽でsaraiの魂も浄化されながら、長大な第1楽章が終わります。第2楽章に入ると、スケルツォ的な音楽で一息つきますが、トリオ部分でまたしても瞑想的な音楽に感銘を受けます。そして、この曲の音楽的頂点をなす第3楽章が始まります。「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」"Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart"という表題の通り、腸の病で作曲を中断していたベートーヴェンが病が癒えたことを敬虔に感謝する長大な音楽です。まさにベートーヴェンの魂の歌です。深い思いでその音楽に耳を傾けます。saraiの魂も一緒に溶け合って、刻一刻、魂が浄化されていくのが分かります。そして、感謝から新しい力に代わって、音楽が高揚していきます。魂の浄化を経て、前に向かって進む魂の高揚です。いつ果てるともない音楽が続き、深い感動を受けます。この第3楽章が終わったとき、この後、それに続く音楽があるとは思えません。この音楽はここで最高の形に高まりました。しかし、ベートーヴェンはさらなる素晴らしい音楽を提示します。第4楽章は短い間奏曲ですが、これも前進性のある深い音楽です。そして、休みなしに第5楽章に入ります。この音楽の素晴らしさは表現できません。またしても魂を浄化するような音楽が続き、最後は圧倒的なコーダで曲を閉じます。深い感動で息ができないほどになります。確かにこの小さなホールにベートーヴェンの魂は存在していました。そして、我々の心を優しく包み込んでくれました。


前半の第4番、第11番「セリオーソ」もとびっきりの傑作です。プラジャーク・クァルテットの演奏も素晴らしいものでした。ベートーヴェンの高邁な精神に満ちており、聴くものをインスパイアしてくれます。これも長々と感想を述べたいところですが、もう、その力は残っていません。先日、上大岡 ひまわりの郷でこの2曲は聴いて、感想は書いておきましたので、それを参照していただければと思います。


全曲チクルスも残り2夜となりました。やはり、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は素晴らしいです。プラジャーク・クァルテットも見事な演奏を聴かせてくれています。最後まで楽しませてもらいましょう。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:プラジャーク・クァルテット
          ヤナ・ヴォナシュコーヴ vn   ヴラスティミル・ホレク vn
          ヨセフ・クルソニュ va   ミハル・カニュカ vc

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 Op.18-4
           弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 Op.95「セリオーソ」

   《休憩》

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 Op.132
   
   《アンコール》
    なし

最後に予習について触れておきます。

今回の予習はお気に入りのリンゼイ四重奏団の全集を聴いています。彼らは2度、全集を録音していますが、今回は新盤(2000年~2001年録音)を聴いています。

1曲目の弦楽四重奏曲 第4番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2000年3月7-8日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

名曲を素晴らしい響きで演奏した名演。


2曲目の弦楽四重奏曲 第11番 「セリオーソ」は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2001年6月25-27日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
 
彼らにかかるとまさに後期の四重奏曲に聴こえて、こくのある演奏です。


3曲目の弦楽四重奏曲 第15番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2001年6月4-5日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
 
うーん、素晴らしい演奏です。非の打ちどころなし。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
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