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プラジャーク・クァルテットのベートーヴェン・チクルス第6夜 大フーガの熱い情念、カヴァティーナの美し過ぎる世界@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.6.6

のベートーヴェン・チクルスの第6夜です。これでチクルスは完了です。

今日の前半は第6番で始まります。偉大なベートーヴェンを感じさせる素晴らしい演奏に今夜も酔い痴れます。第2楽章のアダージョが素晴らしいです。

前半を締めくくるのは、ベートーヴェンの奇想の傑作、大フーガです。この曲は当初、今日の後半に演奏される弦楽四重奏曲第13番の終楽章として作曲されました。しかし、あまりに時代を超越した曲のため、受け入れられず、別の曲が代わりに作曲されて、出版されました。現在では、元の形、弦楽四重奏曲第13番の終楽章として演奏されることも多く、saraiもそれが好みです。第5楽章の極美のカヴァティーナの後に似合うのは断然、この大フーガだと信じて疑いません。残念ながら、今日はベートーヴェンが残した最終の形、独立した曲として、大フーガが演奏されます。冒頭から、激しいフーガが燃え上がります。フーガの大家、バッハでさえ、こういう熱いフーガは作っていません。プラジャーク・クァルテットの演奏は圧倒的で、このよく響くホールに大フーガの凄まじい音楽が満ち溢れます。いったん、静まった音楽が再び終結部で燃え上がり、物凄い頂点を作ります。最終日にふさわしい熱演でした。

後半は弦楽四重奏曲第13番。第15番、第14番と並び、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の頂点をなす作品です。ここまでのレベルにくると、3作のうち、どれが一番素晴らしいかという評価は意味がありません。いきなり、長大な第1楽章が素晴らしいベートーヴェンの精神世界を表現し尽くします。これだけで人間の人生のすべてを語りつくしたような音楽です。そして、比較的、短い第2楽章から第4楽章を経て、第5楽章のカヴァティーナに入ります。saraiはかねてからベートーヴェンの作った一番美しい曲だと思っています。単に美しいだけでなく、深い精神性を湛えています。プラジャーク・クァルテットは誠心誠意、その音楽の表現にすべてを捧げます。とりわけ、中間部を過ぎた後半の美しさは鳥肌が立つような出来栄えでした。そして、第6楽章。ベートーヴェンが最後に作曲した弦楽四重奏曲の楽章です。なんと古典的な味わいの軽みに満ちたものでしょう。プラジャーク・クァルテットは全力でこの楽章を駆け抜けます。これでチクルスは終了。素晴らしい響きで全曲を演奏してくれました。これが現メンバーでの最終公演とは・・・感慨深いものです。創立50年のプラジャーク・クァルテットはこれで消え去るのでしょうか。

全曲チクルスでは第15番の魂の浄化を感じさせる素晴らしい音楽が一番、心に残りました。そして、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲はすべての作品が素晴らしい!!


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:プラジャーク・クァルテット
          ヤナ・ヴォナシュコーヴ vn   ヴラスティミル・ホレク vn
          ヨセフ・クルソニュ va   ミハル・カニュカ vc

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第6番 変ロ長調 Op.18-6
           大フーガ 変ロ長調 Op.133

   《休憩》

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130
   
   《アンコール》
    なし

最後に予習について触れておきます。

今回の予習はお気に入りのリンゼイ四重奏団の全集を聴いています。彼らは2度、全集を録音していますが、今回は新盤(2000年~2001年録音)を聴いています。

1曲目の弦楽四重奏曲 第6番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2000年6月26-29日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

美しい演奏です。


2-3曲目の大フーガ&弦楽四重奏曲 第13番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 2000年7月25-27日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
 
大フーガを第13番の終楽章に据えた演奏です。一方、大フーガの代わりに作曲されたアレグロはカヴァティーナ(別録音)と共にCDの最後に収録されています。とても充実した演奏です。それにとびっきり美しいカヴァティーナが2度聴けるのもいいですね。もっとも、2回演奏されたカヴァティーナはさほど違いはありません。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

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06/18 08:33 五十棲郁子
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