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気品高さと熱い情熱のエベーヌ弦楽四重奏団の演奏に深く感銘@紀尾井ホール 2022.6.16

今日と明日、フランスのカルテット、エベーヌ弦楽四重奏団の演奏を聴きます。実演で聴くのは初めてです。このところ、ようやく、海外の音楽家の演奏が聴けるようになり、クラシック音楽にも日常が戻ってきたと感じます。嬉しいですね。

初聴きのエベーヌ弦楽四重奏団ですが、実に端正な演奏に聴き惚れます。最初の曲目、ハイドンの弦楽四重奏曲第34番 Op.20-4は典雅なバロック的な響きも聴こえてきます。このところ、ハイドンの弦楽四重奏曲を聴く機会が増えていますが、聴けば聴くほど、その完成度の高い音楽に魅了されます。このハイドンの弦楽四重奏曲があったから、モーツァルト、ベートーヴェンも続いたのが得心できます。今日の作品は比較的、初期のものですが、既に深い音楽性を獲得した作品になっています。第1楽章、第2楽章と典雅な響きが聴こえてきますが、深い音楽性も感じられます。エベーヌ弦楽四重奏団の演奏はバリバリ弾くのではなく、節度のある精密な演奏です。アンサンブルが揃っているのはもちろんですが、各声部の音がしっかりと聴こえてきます。第4楽章も緻密な演奏です。気品高いハイドンが聴けました。

次はヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番《クロイツェル・ソナタ》。ハイドンとはまったく趣きが異なって、熱のこもった演奏です。ただし、節度のある演奏です。しかし、第2楽章あたりから、熱い情熱が高まってきます。圧巻だったのは第4楽章。それも後半あたりから、一気にテンションが上がります。気持ちよく、ぼーっとして聴いていたsaraiも背筋を伸ばして、その高揚した演奏に集中します。そもそも、この作品はトルストイの短編小説《クロイツェル・ソナタ》に触発されて作曲したもので、不倫した主人公の妻が最後には主人公に殺されますが、その殺される場面が第4楽章です。エベーヌ弦楽四重奏団はその節度をかなぐり捨て、熱く激しい情念をこめて、高揚していきます。凄まじい演奏に息を呑みました。何とも素晴らしいヤナーチェクでした。今日、一番の演奏でした。

休憩後、シューマンのロマンに耳を傾けます。これは節度のある演奏ですが、美しいロマンに満ちた演奏です。とりわけ、長い第1楽章の明るい春の日差しを思わせる美しい演奏に心惹かれました。第4楽章は熱いロマンでしめくくられます。なかなかのシューマンでした。

明日もモーツァルト、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲で楽しめそうです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:エベーヌ弦楽四重奏団 Quatuor Ébène
   ピエール・コロンベ(第1ヴァイオリン)Pierre Colombet, violin
   ガブリエル・ル・マガデュール(第2ヴァイオリン)Gabriel Le Magadure, violin
   マリー・シレム(ヴィオラ)Marie Chilemme, viola
   ラファエル・メルラン(チェロ)Raphaël Merlin, cello

   ハイドン:弦楽四重奏曲第34番ニ長調 Op.20-4, Hob.III-34
   ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番《クロイツェル・ソナタ》

   《休憩》

   シューマン:弦楽四重奏曲第2番ヘ長調 Op.41-2
   
   《アンコール》
    シューマン:色とりどりの小品より 3つの小品第1曲 Op.99-1 (弦楽四重奏編曲版)


最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第34番 Op.20-4は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 1997年9月26日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ四重奏団のハイドン、素晴らしいです。


2曲目のヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番《クロイツェル・ソナタ》は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 1991年 ケンブリッジ大学音楽学部コンサートホール ライヴ録音
 
濃厚で熱い演奏です。


3曲目のシューマンの弦楽四重奏曲第2番は以下のCDを聴きました。

 ロータス・カルテット 2003年1月29-30日 リリスホール、横浜市 セッション録音
 エマーソン弦楽四重奏団 2019年1月23,24日 ニュージャージー州マディソン、ドリュー大学 セッション録音
 
いずれも素晴らしい演奏です。ロータス・カルテットはシューマンのロマンを前面に打ち出した演奏、エマーソン弦楽四重奏団はいつもの明快な演奏をこの最新のCDでも聴かせてくれます。なお、エマーソン弦楽四重奏団はこのCDが初のシューマン全曲アルバムです。来年、2013年10月に解散するのが残念です。その前に日本に来ないのかなあ。まだ、一度も実演を聴いていません。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
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その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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