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やっはり凄かった天才指揮者ロトの異次元の演奏@サントリーホール 2022.7.4

昨日はちょっと肩透かし気味だったロトですが、今日は本来の姿を見せてくれました。さすが、ロトでしか聴けない素晴らしい音楽でした。

まずはベートーヴェンの序曲『レオノーレ第3番』。冒頭の音の響きを聴いただけで、素晴らしい演奏を確信できました。弱音の見事な音楽表現、そして、強音の素晴らしい響き。どこをとっても素晴らしい。この短い音楽の中に音楽のすべてが詰まっていました。普通は舞台裏で吹くトランペットのファンファーレを2階客席で吹かせたのもよかったです。オペラ《フィデリオ》が凝縮したような演奏でした。

次はサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番。最近、辻彩奈の素晴らしい演奏で堪能しましたが、さすがに樫本大進も負けていませんね。ベルリン・フィルのコンサートマスター就任後、初めて聴くソロ演奏でしたが、少しも腕は鈍っていませんね。これだけ弾けるんなら、やはり、ソロ活動に専念したらとも思いました。ロト指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団のサポートも見事でした。一つ間違えれば、安っぽくなりそうな音楽ですが、樫本大進の気品あふれる演奏には参りました。

後半は期待のシューマンの交響曲第3番「ライン」。序盤はあれっと思いましたが、すぐに素晴らしいレベルのシューマンの世界が始まります。特に第3楽章以降は繊細さの限りを尽くして、まるで室内楽のシューマンを聴く感じです。第4楽章のケルンの大聖堂をイメージする音楽は圧倒的に素晴らしく、第5楽章の祝典的に高揚する音楽も最高です。精神に不調をきたすデュッセルドルフ時代のシューマンもこの作品では、永遠の青春の輝きとロマンを感じさせてくれます。シューマンのそういう面を引き出して、素晴らしい表現をしてくれたロトにシューマニアーナの一人として、感謝を捧げたいと思います。

遂に海外オーケストラの公演が本格的に始まりました。ファンとしては嬉しい限りです。何とケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団は初来日(オペラ以外では)なんですね。コロナ禍以降でドイツのオーケストラの来日も初めてだそうです。この秋は海外オーケストラの来日ラッシュになりそうです。もっとも、個人的には財政的にそうそうは聴けませんけどね。


今日のプログラムは以下のとおりです。


  指揮:フランソワ=グザヴィエ・ロト
  ヴァイオリン:樫本大進
  管弦楽:ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団

  ベートーヴェン:序曲『レオノーレ第3番』 ハ長調 Op.72b
  サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 Op.61
  《アンコール》J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004 より 第3曲 サラバンド

  《休憩》

  シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 Op. 97 「ライン」

  《アンコール》
   ベルリオーズ:歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの序曲『レオノーレ第3番』を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1963年4月5日、クリーヴランド、セヴェランス・ホール セッション録音

素晴らしいアンサンブルです。見事としか形容できません。


2曲目のサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を予習したCDは以下です。

  チョン・キョンファ、ローレンス・フォスター指揮ロンドン交響楽団 1975年5月 ロンドン セッション録音

チョン・キョンファの熱い演奏に心が震えます。凄いヴァイオリニストですね。


3曲目のシューマンの交響曲第3番「ライン」を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1960年10月21日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド セッション録音

これは文句なしに素晴らしい演奏です。



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テーマ : クラシック
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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
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その後、ザル

07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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