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ハイドンの最高傑作《天地創造》、完璧とも思える演奏に深く感動! バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2022.7.16

今日は2つの素晴らしいコンサートを聴きました。まず、このバッハ・コレギウム・ジャパン(以下、BCJ)のハイドンの最高傑作、オラトリオ《天地創造》です。その次に聴いたジョナサン・ノット指揮東京交響楽団のベルクとマーラーは別稿でアップします。

このハイドンのオラトリオ《天地創造》は最近はオリジナル楽器による演奏が多くなってきましたが、その中でこのBCJの演奏は最も期待できるものです。今日も粒よりのメンバーがBCJとしては大編成で演奏します。そして、何と言っても、BCJの合唱の素晴らしいこと! ハイドンがその人生の終わりに書いた素晴らしいフーガを圧倒的な迫力で歌い上げます。
3人の独唱者も見事な歌唱を聴かせてくれました。とりわけ、ソプラノのジョアン・ラン。彼女はいつもは若干、表現過多の場合もありますが、この作品の場合はそれがいいほうに作用して、実に祝典的な雰囲気を醸し出します。第3部のイヴ役での天国的とも思える歌唱の見事さには、ただただ魅了されるのみでした。バスのクリスティアン・イムラーも安定した歌唱を美声で聴かせてくれました。これまた、第3部のアダム役の歌唱は素晴らしいものでした。テノールの櫻田 亮はいつもの美しい声を聴かせてくれて、しっかりと声楽アンサンブルの基盤を支えていました。
そして、何と言っても、鈴木優人の指揮の素晴らしかったこと。バッハの指揮のとき以上の見事さです。ハイドンの何たるかを理解し尽くした素晴らしい音楽作りで、ステージを支配していました。

演奏も以上のように素晴らしかったのですが、やはり、ハイドンのこの作品の素晴らしさに触れておいたほうがいいでしょう。天地創造という素晴らしい事象をハイドンらしい明るく明快な音楽で描き尽くしています。そして、彼の書いたフーガの見事さは筆舌に尽くし難いものです。晩年に至って、その瑞々しい感性の作品を生み出したのはハイドンが天才以外の何ものでもなかったことを証明するものです。モーツァルト、ベートーヴェンはハイドンなくして、あの高みに達することはなかったと実感しました。今日の演奏でも感じましたが、第2部の最終コーラス、ハレルヤから、第3部のアダムとイヴの誕生と最終コーラス、アーメンの素晴らしさはただただ、感動するのみです。最後に、アーメン、アーメンと合唱が締め括ると、深い感動を覚えました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木優人
  ソプラノ:ジョアン・ラン
  テノール:櫻田 亮
  バス:クリスティアン・イムラー
  合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン


  ハイドン:オラトリオ《天地創造》Hob.XXI-2

  《休憩》 2部と3部の間


最後に予習について、まとめておきます。

以下のCDを聴きました。

 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ 1995年2月、ロンドン セッション録音
  シルヴィア・マクネアー(ソプラノ、ガブリエル)、ドナ・ブラウン(ソプラノ、エヴァ)、ミヒャエル・シャーデ(テノール、ウリエル)
  ジェラルド・フィンレイ(バス、ラファエル)、ロドニー・ジルフリー(バス、アダム)、モンテヴェルディ合唱団

素晴らしい演奏です。特にソプラノの二人、シルヴィア・マクネアーとドナ・ブラウンが傑出した出来です。録音も美しいです。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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