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これはもう神の領域 アラン・ギルバート&東京都交響楽団のモーツァルト@サントリーホール 2022.7.25

今月聴いた26歳の天才新鋭指揮者クラウス・マケラと都響のマーラーの凄い演奏の記憶がまざまざと残る中、今日はアラン・ギルバートと都響が入神のモーツァルトを聴かせてくれました。都響の鉄壁のアンサンブルはマーラーでもモーツァルトでも最高の音楽を奏でてくれます。矢部達哉と四方恭子のダブルコンマスも凄い! 今日は矢部達哉がコンマス、前回は四方恭子がコンマス(コンミス)。2人が入れ替わっただけです。彼らがダブルコンマスのケースはたびたびありますが、そのたびに素晴らしい演奏を聴かせてくれます。この2人がいる限り、都響のアンサンブルは万全です。

今日のモーツァルトは最後の3つの交響曲、第39番、第40番、第41番。アラン・ギルバートと都響の演奏もさることながら、この3曲の傑作が凄いことを実感しました。いつもはモーツァルトはオペラとピアノ協奏曲が最高だと思っていますが、これらの交響曲3曲をまとめて聴くと、オペラを一つ聴いたほどの充実感があります。アーノンクールがこの3交響曲をまとめて、一つのオラトリオと評したことも納得できます。
第39番の美しい序奏の見事な演奏に魅了され、第40番で心が高揚し、第41番の終楽章はもう神の領域の如き、輝きに満ち溢れた音楽にただただ嬉しくなって、これぞ、音楽の悦楽と深い感慨にふけりました。
今日の演奏の素晴らしかったのはそれぞれの第4楽章で都響の弦のアンサンブルが最高の響きで天才モーツァルトの音楽を完璧に演奏したことに尽きます。アラン・ギルバートの指揮も見事だったことはいうまでもありません。弦のアンサンブルを的確にインスパイアしていく様は見ていて、感嘆しました。そして、それが頂点に達したのが第41番の終楽章でした。その最終のコーダで二重フーガが響き渡るところでは圧倒的な感動を覚えます。弦の各声部がフーガで交錯する様はもう神の領域の音楽としか思えません。ここへ至る布石は第40番の各所でフーガの展開があったところも重要でした。弦のアンサンブルが次第に磨き上げられて、透明感を獲得していきます。とりわけ、対向配置されたヴァイオリンの響きの美しさは圧倒的です。その核はもちろん、ダブルコンマス。管も見事でした。クラリネットは第39番だけですが、第3楽章のトリオでのクラリネットの2重奏は聴きものでしたし、フルートの柳原佑介も美しい演奏でした。

2015年のウィーン・フィルの来日公演でモーツァルトの最後の3交響曲の凄い演奏を聴きました。その時の感想は以下です。

 https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-1360.html

その凄い演奏に優るとも劣らずという今日の素晴らしい演奏でした。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:アラン・ギルバート
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉(隣の席はコンミスの四方恭子)

  モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K.543
  モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550

    《休憩》

  モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551 《ジュピター》


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの交響曲第39番を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1960年1月8日/10日、3月3日 セヴェランスホール、クリーヴランド、オハイオ州 セッション録音

素晴らしい演奏。無駄なものは一切ありません。


2曲目のモーツァルトの交響曲第40番を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1967年8月25日 ロンドン セッション録音
  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年5月22日、東京文化会館 ライヴ録音

1967年の録音は素晴らしい演奏。完璧です。
1970年の録音はセル最初で最後となった来日公演で唯一残された貴重な公演記録で、離日後2ヶ月で亡くなったセルにとっては現存する最後の実況録音でもあります。これは実にシンフォニックな演奏で、大きな感銘を受けます。


3曲目のモーツァルトの交響曲第41番《ジュピター》を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1963年10月11日/25日、3月3日 セヴェランスホール、クリーヴランド、オハイオ州 セッション録音

何とも、これほど完成度の高い演奏に出会うことはまず、ありません。これを完璧と言わずしてという思いに駆られます。だからと言って、決して、人間的な温もりが欠けているわけではありません。第2楽章の深い抒情には参ります。もちろん、第4楽章の目くるめき演奏には感動あるのみです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

知床の旅:女満別空港~メルヘンの丘~網走湖~道の駅、流氷街道網走

2022年7月6日(水)@女満別~知床/2回目

知床、1日目です。今、北海道の女満別空港に着いたところです。
飛行機から降りて、振り返って、乗ってきたプロペラ機を眺めます。空は雲で覆われています。何とまだ、朝の10時半です。

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女満別空港の搭乗待合室の前を歩き、出口に向かいます。なかなか立派な空港ですね。

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ベルトコンベアーの前で荷物を待ちます。

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無事、荷物を受け取り、空港ロビーに出ます。今回はレンタカーを予約してます。やはり、北海道は広いので、車がないと不便です。レンタカーのカウンターで予約している旨を告げると、お迎えの車でレンタカーのオフィスに送るので、しばらく待ってほしいとのこと。ちゃんと予約の名簿には名前がありました。

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やがて、お迎えの車の到着を告げられて、空港の建物の外に出ます。外はがらんとしています。駐車場はいっぱいのようです。いかにもローカル空港ですね。

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レンタカーを借りる人はお仕事に使うのか、一人での利用も多いようです。北海道での移動は、車が便利でしょう。久しぶりに、プリウスとご対面。ここ10年はプリウスだけに乗っていたので、ほかの車は自信がありません。あえて、プリウスの車種指定をしておきました。それでも、最初はちょっと戸惑いましたが、すっかり体に馴染んだプリウスとは、すぐに一体化できます。北海道の地を走り出します。向かうは知床ですが、途中、網走付近の景勝地にも寄っていきましょう。
走り出して10分足らずで、大歓声を上げます。なんともメルヘンチックな景色。その名もメルヘンの丘。見透かしたように、道路脇には駐車スペースが用意されてます。車を停めて、撮影モード。北海道の美しい大地に、がっしりと心を掴まれてしまいます。

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感動している配偶者の意見では、丘の先に立つ数本の木がとっても綺麗な景色を作り上げているとのことです。この木々がなければ、間抜けな風景になるそうです。

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それに・・・何と何とこの風景に見とれていると、青空が見えてきます。

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緑の畑の右手には黄色いっぽい畑もあり、パッチワークの風景になっています。

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いきなり出現した美しい風景を心に刻み付けておきましょう。

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メルヘンの丘を離れ、網走方面に走ると、森の中に湖が現れます。

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また、湖寄りに駐車スペースがあります。車を停めて、湖を鑑賞。

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網走湖です。

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細長く続く湖の風景を眺めます。

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さて、網走湖を出発。今日は、網走周辺を観光して、知床のウトロに向かいます。まずは、ちょっと早めですが、道の駅、流氷街道網走で腹ごしらえです。朝は機内でサンドイッチをつまんだだけですからね。
道の駅流氷街道網走に到着。二階がレストランになっています。目の前にドーンとオホーツク海が広がっています。

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レストランに入る前にベランダから、その景色を楽しみます。風が気持ち良いです。夏なのに小寒いくらいです。埠頭には観光船が停泊しています。

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さて、レストランへ。この旅の第一食目ですから迷います。干貝柱ラーメンとホタテ釜飯をお願いします。目の前の景色を楽しみながら待ちます。釜飯にしては出来上がりが早いなと思ったら、どうも炊き込みご飯を釜飯風に盛り付けたもののようです。でも、味はなかなか美味しい。

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干貝柱の出汁のきいたラーメンのスープは絶品です。

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オホーツク海を眺めながら、海の幸を美味しくいただきます。

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ふと、周りに目をやると、お店は超満員。お昼時になったからでしょう。美味しくいただいたところで席を立ちます。このフードコートはキネマ館という名前。網走番外地の映画にちなんだ命名なのでしょう。人気のレストランなのでしょう。何と待ち時間30分の張り紙がしてあります。

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また、プリウスに乗り込みます。さて、次はどこに向かいましょうか。能取岬(のとろみさき)に行ってみましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

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08/04 21:31 G線上のアリア

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思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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