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超ロングのアンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタルにへとへと@東京オペラシティ コンサートホール 2022.11.1

思えば、前回、アンドラーシュ・シフのピアノを聴いたのは2年半前。コロナ禍で世の中が騒然となり、我が母の逝去も重なり、色んな意味で忘れ難い2回のピアノ・リサイタルでした。ホールも同じ東京オペラシティ。シフはこうやって海外の演奏家のコンサートが可能になった今、早速、来日してくれました。2年半前は予定していた地方での演奏がキャンセルになり、東京と大阪だけの公演になりましたが、今回は無事、札幌でも公演を終えたようです。

さて、今日のリサイタルは事前に演奏曲目を発表しない覆面コンサート。演奏時にステージでレクチャーしながら、曲目を明かすそうです。レクチャーコンサート自体はザルツブルク音楽祭で何度も聴かせてもらいました。シフ教授の講義を聴きながらのピアノ演奏です。ザルツブルク・モーツァルテウムの小さなホールだったので、マイクも使わずにお話ししてくれました。さほど英語が堪能でないsaraiにも聞き取れる平易な英語、そして、音楽関係の用語が多いので分かりやすい講義でした。事前には地元のおばあさんにあなたはドイツ語が分かるのって、脅かされましたが、さすがに世界中から聴衆が集まるザルツブルク音楽祭では英語での講義でした。ウィーンのレクチャーコンサートはドイツ語での講義だったようです。で、今日は英語で講義した内容を奥様の塩川悠子さんが通訳する形でした。通訳内容が微妙に違っているのがご愛嬌。シフ教授のジョークは一切、通訳なしでした。
こんな形での異例のコンサートで、しかも、曲目が異常に多く、20分の休憩時間を含めると、コンサート時間が何と3時間半。7時に始まったリサイタルも終わった時刻は10時半。ワーグナーの楽劇ほどではありませんが、超ロングのコンサート。saraiが自宅に戻ったのは午前様。実に久々の午前様です。ということで、もう、へとへと・・・リサイタルの中身は明日、書くことにさせてください。もう、寝ます。おやすみなさい・・・でも、ブログランキングのプチは疲れ切ったsaraiのために是非、お願いしますね。


一応、今日のプログラムは以下です。

 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988から アリア
 J.S.バッハ:「音楽の捧げもの」BWV1079から 3声のリチェルカーレ
 モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475
 J.S.バッハ:フランス組曲第5番 ト長調 BWV816
 モーツァルト:アイネ・クライネ・ジーグ K.574
 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から
         プレリュードとフーガ ロ短調 BWV869
 モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
       ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 K.576

   《休憩》

 ハイドン:ピアノ・ソナタ ト短調 Hob.XVI-44
 ベートーヴェン:6つのバガテル op.126
        ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110

   《アンコール》

    J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から
      プレリュードとフーガ第1番 ハ長調BWV846



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       シフ,  

感動の日々、アンドラーシュ・シフの磨き抜かれた響きのベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番は空前絶後@東京オペラシティ コンサートホール 2022.11.1

昨日は疲れ切って、シフのリサイタルの中身に触れることができませんでした。1日明けて、今日、感想を書かせてもらいます。

今日のリサイタルは事前に演奏曲目を発表しない覆面コンサート。演奏時にステージでレクチャーしながら、曲目を明かすそうです。しかし、このリサイタルに大いに期待していたsaraiは既に演奏済の札幌のリサイタルでの演奏曲目をネットでリサーチしていました。その日の気持ちで演奏曲目を決めるとのことでしたが、何と今日の演奏曲目は札幌と同じでした。いかに天才ピアニストのシフといえども、やはり、入念な事前準備は必要だったのでしょう。ならば、数日前でもいいから、演奏曲目を発表しておいてほしかったところです。聴く側のsaraiとて、事前準備をしておきたいですからね。ザルツブルク音楽祭と同じ形式のレクチャーコンサートで何がいけないのでしょうか。

今日のレクチャーコンサートはザルツブルク音楽祭と同様のシフ教授の講義を聴きながらのピアノ演奏です。ちょっと異なるのはシフが英語で講義した内容を奥様の塩川悠子さんが通訳する形でした。
今日はシフが最も敬愛するバッハの作品を軸に演奏するそうです。まず、冒頭はバッハのゴルトベルク変奏曲からのアリアです。飛びっきり、美しい演奏です。アリアが終わったところで、そのまま、第1変奏に移ってほしいところでしたが、それは無理ですね(笑い)。
そこから、レクチャーが始まります。レクチャーでバッハがモーツァルトに影響を与えた例を示しながら、バッハとモーツァルトの作品を交互に弾いていきます。いやはや、どれもベーゼンドルファーの響きが冴え渡り、素晴らしい演奏ばかり。バッハはもちろん、モーツァルトも美し過ぎる演奏です。バッハの「音楽の捧げもの」からの3声のリチェルカーレは初めてピアノの演奏を聴きましたが、曲自体は有名なものなので、美しいピアノの響きに魅了されました。シフの弾くフーガは最高です。モーツァルトの幻想曲 ハ短調、これも有名な曲ですが、こんなに美しくて、たっぷりした演奏は聴いたことがありません。シフの録音したモーツァルトの全集はごく若い頃のものなので、こうして熟成したシフの演奏はまばゆいばかりです。そして、次はバッハのフランス組曲第5番。フランス組曲ほど、シフにぴったりのバッハはありません。saraiには思い出の曲なんです。初めてアンドラーシュ・シフの演奏をCDで聴いたのは、友人が是非聴いてほしいとフランス組曲のCDを貸してくれたときでした。それまではバッハの鍵盤音楽のピアノ演奏と言えば、グレン・グールド、そして、クラウディオ・アラウのファイナル・セッションのパルティータ4曲、それにマルタ・アルゲリッチの若い時のバッハ・アルバムだけを聴いていました。アンドラーシュ・シフのフランス組曲のアルバムを聴いて、いっぺんに魅了されました。すぐにパルティータのCDも購入し、聴いてみましたが、これは今一つ。後年、パルティータは新録音のアルバムが出て、大変満足していますけどね。そういうわけで、シフのバッハ演奏の原点はこのフランス組曲だと思っています。それに以前、紀尾井ホールでのリサイタルで、アンコール曲として弾いてくれたのがこのフランス組曲第5番。それもその中の1曲ではなく、全7曲を一挙に演奏してくれました。本編で聴くのは初めてです(笑い)。ともかく、最高に素晴らしい演奏でした。続けて、モーツァルトのアイネ・クライネ・ジーグ K.574という珍しい曲も弾いてくれました。これは初めて聴く曲です。シフの解説の通り、まるで12音技法のセリーのような主題で始まりますが、曲としてはバッハ風のモーツァルトにちゃんとなっているのが不思議です。シフの演奏は贅沢過ぎるほどの美しさ。
続くバッハも平均律第1巻のロ短調のプレリュードとフーガ。これはもう圧巻というしかありません。哀調のあるプレリュードは何と心に沁みるのでしょう。そして、フーガの迫力。以前、平均律第2巻を聴いたときに、ロ短調のプレリュードとフーガで感動したことを思い出します。バッハのロ短調は素晴らしいですね。シフがロ短調ミサ曲のさわりをピアノで弾いてくれましたが、その素晴らしいこと! ピアノ版でロ短調ミサ曲を弾いてほしいほどです。
前半の最後はモーツァルトのアダージョ ロ短調、そして、ピアノ・ソナタ第17番。シフがベーゼンドルファーから紡ぎ出す音の響きに陶然としていました。このオペラシティにあるベーゼンドルファーはかつて、シフがウィーンで選定したピアノだったそうです。シフとオペラシティはそういうつながりもあったのですね。


前半だけで十分、1回のコンサートに値する演奏を聴かせてもらい、贅沢ではありますが、結構、疲れました。しかし、後半の演奏こそが圧巻だったんです。
まず、ハイドンのピアノ・ソナタ ト短調。虚を突かれるような美しい曲です。多分、初めて聴きます。曲も美しく、演奏も美しい。第1楽章の主題の美しさ、第2楽章でのトリルに装飾されたパートの絶品の演奏。ハイドンの「疾風怒濤Sturm und Drang」期の珠玉のような作品です。
次いで、ベートーヴェンが書いた最後のピアノ曲、6つのバガテル op.126。これはもう凄い演奏。特に第1曲と第3曲のアンダンテの深い精神性には参りました。今日一番の演奏に思えました。
しかし、最後にベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタの第32番と双璧をなす第31番が控えていました。シフのピアノの響きは理想的なベートーヴェンの響きです。第1楽章のパーフェクトな演奏に惹き込まれます。パーフェクトというのは決してミスタッチがないというような低次元の話ではなく、音楽的な表現の話です。実に心に沁みてくるような演奏に感銘を受けます。上昇音型の憧れを感じさせるようなところでは、心が奪われそうです。でも、本当に素晴らしかったのは第3楽章です。大規模な序奏の後、『嘆きの歌』の演奏が始まります。まさにその言葉通りの演奏で、人間の深い悲しみがシフの演奏で綴られていきます。ここに至り、シフとベートーヴェンが一体化し、saraiの心は感動でいっぱいになります。それも束の間、すぐにフーガが始まり、宗教的とも思える救済に音楽は昇華していきます。狂おしく音楽は上りつめていきます。シフの激しいピアノの響きがホール中に満たされます。そして、響きが収まり、再び、『嘆きの歌』に戻ります。さきほど以上に切なく悲しい音楽に心が耐えきれないほどになります。『嘆きの歌』が終わり、再び、素晴らしいフーガが高揚していきます。単なる魂の救済ではなく、人間の究極の悲しみと明日への希望がアウフヘーベンされたような素晴らしい芸術表現のフィナーレに熱い感動を覚えました。ベートーヴェンの最高の音楽、そして、シフのあくなき芸術的な追及が合わさることで、奇跡のような音楽が生み出されたと感じました。

さすがに今日のアンコールは1曲だけ。バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻からプレリュードとフーガ第1番 ハ長調をさらっと弾いてくれました。

こんな形での異例のコンサートで、しかも、曲目が異常に多く、20分の休憩時間を含めると、コンサート時間が何と3時間半。7時に始まったリサイタルも終わった時刻は10時半。昨日は疲れ切って、ブログ記事も書けませんでした。ごめんなさい。コンサートの終わりでは疲れも忘れて、気持ちが高揚していましたが、家に帰り着いたところでぐったりでした。でも、最高のリサイタルでした。明後日のリサイタルももちろん聴きます。同じ曲目でも構いませんが、できたら、違う曲が聴きたいな・・・。特にシューベルトの遺作ソナタを聴きたいです。


今日のプログラムは以下です。

 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988から アリア
 J.S.バッハ:「音楽の捧げもの」BWV1079から 3声のリチェルカーレ
 モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475
 J.S.バッハ:フランス組曲第5番 ト長調 BWV816
 モーツァルト:アイネ・クライネ・ジーグ K.574
 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から
         プレリュードとフーガ ロ短調 BWV869
 モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
       ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 K.576

   《休憩》

 ハイドン:ピアノ・ソナタ ト短調 Hob.XVI-44
 ベートーヴェン:6つのバガテル op.126
        ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110

   《アンコール》

    J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から
      プレリュードとフーガ第1番 ハ長調BWV846


予習はプログラムが未発表だったので、もちろん、できませんでした。



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       シフ,  

感動の日々、メシアンの鳥のカタログ、完璧な演奏に驚愕 ピエール=ロラン・エマール@東京オペラシティ コンサートホール 2022.11.3

連日、長時間のコンサートが続きます。今日はメシアンのピアノ独奏曲の大作、鳥のカタログの全曲です。全曲で150分ほどかかります。2回の休憩を入れて、コンサート時間が3時間半。一昨日のアンドラーシュ・シフのコンサートと同じ時間の超ロングコンサートです。ただし、今日は休日なので、コンサート開始時間が3時。終わったのは6時半。ワーグナーの楽劇に比べると、楽勝ですね。ちなみにバイロイト音楽祭での楽劇《トリスタンとイゾルデ》は2回の休憩時間を入れて、6時間でした。楽劇《パルジファル》はこれよりもさらに長い時間でした。

今日のメシアンの鳥のカタログはメシアンが実際にフランス各地を歩いて、鳥とその生きる自然を取材して、ピアノ曲にしたものです。全13曲、ヨーロッパの鳥、日本ではあまり見ない鳥を主題にしています。実際に登場する鳥たちは13種類ではなく、もっと多くの鳥たちが登場します。まず、この曲を聴きながら、saraiが思ったのはこの音楽自体ではなく、2つの事柄を想起しました。

まずはピアノという楽器のあまりの可能性の高さです。ピアノは常々、人類が作り出した実に精緻で恐るべきマシンだと思っています。今日のステージに置かれたスタインウェイのフルコンサートグランドピアノの巨大で黒光りする存在感の凄さといったら驚異的です。平均律に調律した繊細極まるマシンは演奏前、休憩中にも調律が欠かせません。常に手入れすることでその機能を発揮します。メシアンはこのピアノを使って、鳥や自然を表現するという大胆な挑戦をしました。ピアノの表現力のさらなる開拓がなされたことに驚かされました。鳥や自然を音楽と言うフィルターを通して表現する上でピアノほど適したものはなかったでしょう。ピアノの多彩な響きを聴いているだけでも実に満足できるコンサートでした。(余計なことですが、我が家の防音室の中心にもYAMAHAのグランドピアノが鎮座しています。20年以上も調律していないため、無用の長物となりはてていますが、部屋の半分ほども占める存在感だけはやはり、凄い!)

もうひとつは、この曲の成り立ちです。鳥や自然という観察対象とそれを見ていた観察者(メシアン)、そして、観察者メシアンが再創造した鳥や自然を表現する音楽を演奏する表現者(ピエール=ロラン・エマール)、その演奏するピアノ音楽を受容する聴衆としてのsarai。元々は鳥や自然という現実に存在する客体があったわけですが、作曲家、ピアニストの手を経て、聴き手のsaraiが耳で聴き取ったイメージを心の中で再創造するわけです。saraiは実際の鳥や自然を見ていないわけですから、心の中のイメージはメシアンが実際に見たものとは異なる心象風景になるわけです。さらに言えば、実のところ、具体的なイメージさえ浮かび上がるわけはないんです。ただ、saraiが心の中で勝手に想像し、創造するしかないんです。しかし、この4者はすべて造物主(神?)が作り上げたものにほかならないわけで、造物主という超自然的な存在を共通的な拠り所にすれば、saraiの思い描く心象風景もあながち、的を外したものではないかもしれません。今日、オペラシティに集まった聴衆の各々が心に描いた心象風景はすべて異なるにしても、なにかしらの共通の核はあるかもしれないとあらぬ想像を思ってしまいます。そんなとりとめのない思いが錯綜しながら、このメシアンの奇跡的な作品に聴き入っていました。

実は上記のような妙な思いには駆られたものの、今日配布されたプログラムの懇切丁寧で素晴らしい解説に曲でイメージするべき内容が書き込まれていたので、意外に聴衆はある一定の心象風景を思い描けたのではないでしょうか。解説を書かれた藤田茂氏の労苦には感謝するのみです。全13曲の鳥と自然背景の概要がつまびらかにしてありました。

ピエール=ロラン・エマールは明晰でかつ、ダイナミックなタッチでこの難曲を見事に弾きこなしていきます。自然風景の描写はスケール感のある壮大な演奏、鳥の鳴き声や飛び回る様は高域を中心とした超絶技巧の演奏。時折、低域の鍵盤を物凄い音量で叩きつけるように演奏します。頑強なピアノが壊れるほどの強靭なタッチです。
第1曲のキバシガラスから、エマールの真摯極まりない演奏が続きます。アルプスの風景が主に描き出されます。キバシガラスの叫び声が印象的に響きます。
第2曲のニシコウライウグイスは表題のニシコウライウグイスの美しい声が素晴らしいタッチで弾かれます。庭園のゆったりした雰囲気も素晴らしいです。
第3曲のイソヒヨドリは雄大な海の波が激しく表現されます。そして、中盤以降に登場するメシアンの旋法で南仏の地中海の海の青が美しく響いてきます。青紫(第2旋法第1転回形)、青と緑(第3旋法第3転回形)など、うっとりと聴き入ります。
第4曲のカオグロサバクヒタキはヴェルメイユ海岸に面したワイン畑を舞台に骨太のごつごつした鳥の歌が印象的です。
第5曲のモリフクロウは漆黒の闇の夜のおどろおどろさが前面に表現されて、フクロウの叫びは恐ろしいものです。
第6曲のモリヒバリはモリヒバリのル・ル・ルの美しい鳴き声が表現されます。美しいピアノの響きです。
ここで1回目の休憩。

休憩後、長大な第7曲のヨーロッパヨシキリが圧巻の演奏です。休憩のお陰でsaraiの集中力も高まり、午前0時から翌朝午前3時までの沼沢池のほとりの様子が語られる素晴らしい演奏に魅了されます。この作品の頂点と言えるでしょう。最後のヨシキリの美しく技巧的な鳴き声はピエール=ロラン・エマールの入魂の演奏でした。それにしても、こんなに難しい曲をよく弾きこなせるものだと呆れるほどです。さすがにピエール=ロラン・エマールは12歳でこの曲の初演者にして、メシアンの2番目の妻、イヴォンヌ・ロリオのクラスにはいっていただけあって、メシアンの最高のスペシャリストですね。
ここで2回目の休憩。

休憩後、第8曲から第13曲は詳細は省きますが、ピエール=ロラン・エマールの演奏はさらに冴え渡り、saraiはメシアンの世界に没入することができました。いやはや、凄い演奏でした。ピエール=ロラン・エマールの最後まで緊張感を持続した演奏は一期一会とも思える素晴らしさ。まさにメシアンの伝道者のようです。メシアンが描き尽くした鳥とその生息地の豊かな自然をsaraiの心の中に投影してくれました。


今日のプログラムは以下です。

 ピエール=ロラン・エマール ピアノリサイタル
  メシアン:鳥のカタログ Catalogue d'oiseaux(全曲)

  【第1巻】
    1. キバシガラス(黄嘴烏、Le Chocard des Alpes)
    2. ニシコウライウグイス(Le Loriot)
    3. イソヒヨドリ(磯鵯、Le Merle bleu)

  【第2巻】
    4. カオグロサバクヒタキ(Le Traquet Stapazin)

  【第3巻】
    5. モリフクロウ(La Chouette hulotte)
    6. モリヒバリ(L'Alouette lulu)

  《休憩》

  【第4巻】
    7. ヨーロッパヨシキリ(La Rousserolle effarvatte)

  《休憩》

  【第5巻】
    8.ニシヒメコウテンシ(姫告天子、 L'Alouette calandrelle)
    9. ヨーロッパウグイス(La Bouscarle)

  【第6巻】
    10. コシジロイソヒヨドリ(Le Merle de roche)

  【第7巻】
    11. ヨーロッパノスリ(鵟、La Buse variable)
    12. クロサバクヒタキ(Le Traquet rieur)
    13. ダイシャクシギ(大杓鷸、Le Courlis cendré)



最後に予習について、まとめておきます。

メシアンの鳥のカタログ、全曲は以下のCDを聴きました。

  ピエール=ロラン・エマール 2017年8月 ナレーパシュトラッセ・ベルリン・フンクハウス・ザール1 セッション録音
 
もちろん、ピエール=ロラン・エマールが2017年に録音した3枚のCDを聴きました。録音も演奏も最高です。



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感動の日々、アンドラーシュ・シフの2回の覆面コンサートは計7時間に及ぶマラソンコンサート、その行き着く果ては・・・孤高のシューベルトの遺作ソナタ イ長調 D959@東京オペラシティ コンサートホール 2022.11.4

今日のリサイタルも3日前のリサイタルに続き、事前に演奏曲目を発表しない覆面コンサート。演奏時にステージでレクチャーしながら、曲目を明かしていきます。今日も超ロングのコンサートになりました。

今日もシフ教授の講義を聴きながらのピアノ演奏になります。シフが英語で講義した内容を奥様の塩川悠子さんが通訳する形です。でも微妙に通訳がずれますね。言わないことも言ってくれます。これが夫婦というものでしょう(笑い)。

まず、冒頭はレクチャー抜きで演奏が始まります。バッハの作品です。最初は作品名が分かりませんが、それはともかく、とても美しい演奏に心惹かれます。特に第3楽章の美しさが際立っています。第5楽章に入って、特徴ある郵便馬車のパッセージが出てきて、ようやく曲名の心当たりがしてきます。第6楽章のポストホルンを模したところで、ああ、お兄さんの旅立ちに書いたカプリッチョだと分かりました。演奏後、レクチャーが始まり、バッハのカプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」だと説明があります。珍しい作品なので、もう一度、演奏しましょうと言って、再度、全曲を演奏。実は珍しいと言っても、saraiは5年前の2017年のザルツブルク音楽祭で聴かせてもらいました。今日で2度目と3度目の演奏を聴いたことになります。バッハ18歳の若い頃に書いた作品ですが、シフが弾くととても素晴らしいです。特にアダージッシモの第3楽章のパッサカリアは心のこもった演奏で胸に迫ってきます。若きバッハがお兄さんとの別れを嘆く歌なんですね。

次は前回に続いて、ハイドンのピアノ・ソナタです。シフによると、ハイドンの作品は素晴らしいのに不当に評価が低いので、演奏しまうという宣言です。確かにハイドンのピアノ・ソナタはあまり聴きませんね。でも、ハイドンの弦楽四重奏曲は、最近、実にコンサートで取り上げられる機会が多く、saraiも今や、大のハイドンの弦楽四重奏曲のファンになっています。何種類もCDのコレクションを持つに至っています。ピアノ・ソナタはあまり、食指のわくCDがないような気がします。でも、後で調べたら、シフが2枚組のソナタ集を録音しているんですね。そのCDはsaraiも所有していました。まだ、ちゃんと聴いていなかっただけです。反省して聴いてみましょう。今日は前回と同様にハイドンの「疾風怒濤Sturm und Drang」期のピアノ・ソナタ ハ短調 Hob.XVI-20です。この曲はハイドンが初めて本格的に書いたピアノ・ソナタとされています。第1楽章 モデラート、第2楽章 アンダンテ・コン・モート、第3楽章 フィナーレ:アレグロからなる結構、大規模な作品です。シフはベーゼンドルファーの美しい響きで、シンコペーションやトリル装飾の多い曲を見事に聴かせてくれます。うーん、確かにハイドンのピアノ・ソナタもいいね。

次は、バッハのファンタジーとベートーヴェンのテンペストを聴かせてくれるそうです。ええっ、テンペストと嬉しくなります。saraiは無類のテンペスト好きです。シフによると、バッハの半音階ファンタジーとテンペストの冒頭のレシタティーヴォが類似していて、ベートーヴェンはバッハから影響を受けたそうです。
まずは、バッハの半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903。幻想曲、すなわち、ファンタジーの素晴らしい演奏に魅了されます。幽玄な演奏がどこまでも続き、さすがに長いなと思ったところで、フーガが始まります。フーガ主題も半音階進行の旋律でゆったりしたフーガが波及するように連なっていきます。これは最高に素晴らしいフーガです。シフの演奏に魅惑されます。フーガはどこまで続いても長いなとは思いません。と思っていると、突然、フーガが終了。何とも素晴らしい演奏でした。そして、そのまま、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2 「テンペスト」の冒頭のレシタティーヴォが始まります。たしかに違和感なく続きますね。でも、すぐにベートーヴェンの決然とした世界に変わっていきます。いやはや、シフの弾くベートーヴェンの音の響きの素晴らしいこと。音楽も演奏も最高です。第2楽章のアダージョに入ります。何とも美しい歌が聴こえてきます。第2主題の気高い歌が歌われるところで、合いの手のように、低音域で不気味な響き。不安感をかきたてます。これって、シューベルトの遺作ソナタD960の第1楽章のトリルの雷鳴を想起します。終盤では、ひとつ間違えれば、そのまま、第31番のソナタの嘆きの歌に入っていきそうな気配さえ感じます。中期のソナタはもうすぐ先に後期のソナタの影が見えていたんですね。実に深く味わいのある演奏でした。そして、第3楽章に入ります。まるでソット・ヴォーチェのようにあの有名な第1主題が静謐に、そして、何とも優し気に弾かれます。ここでsaraiの心は崩壊します。じっと目をつむり、そのまるでコラールのように心の襞をいたわってくれるような、タラララ、タラララ、タラララ・・・という主題が反芻されるのを静かな感動で聴き入ります。シフの演奏はこの曲の真髄を見事に表現してくれました。提示部の繰り返しで再び、第1主題のタラララ、タラララ、タラララ・・・が戻ってきます。こんなに優しい表現でこの旋律が弾かれたことがあったでしょうか。展開部でも第1主題が徹底的に展開されて、再現部でも、またも、タラララ、タラララ、タラララ・・・。もう、saraiの心は総崩れ。そして、コーダでは、第1主題が高域に移されて、天上のような響きに舞い上がります。もう、感動で嗚咽するばかりです。
もう、今日はベートーヴェンはこれで十分でしょう。後半はシューベルトにまっしぐらに向かっているようです。
そして、ここで休憩。


休憩後のレクチャーで、もう二人の作曲家と言って、モーツァルトとシューベルトの名を上げます。そう来なくっちゃね。シューベルト、待ってました。遺作ソナタをお願いします!
シフは偉大な5人の作曲家と言って、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの名前を上げます。もちろん、saraiも同意です。でも、シューマンとブラームスはどうするの?
モーツァルトはイ短調の作品・・・えっ、そんなソナタがあったっけ? ソナタではなく、ロンド イ短調でした。
そして、シューベルトはイ長調。変ロ長調のD960かと思っていましたが、イ長調のD959です。まあ、遺作の3つのソナタは同時並行で書かれたものですから、完成度は同じです。どれでも構いません。saraiはとりわけ、変ロ長調のD960に思い入れがありますが、これは今年、これから、ピリスと田部京子で聴くことになっています。イ長調のD959は純音楽的観点から言えば、最高の作品です。saraiは秘かにシューベルトは遺作ソナタでベートーヴェンを超えたと思っていますが、シフはベートーヴェンに近づいたというような表現でした。でも、今回の2回シリーズの締めに持ってきたのはシューベルト。言葉で何と言おうが、プログラム構成から、今回の2回シリーズはこのシューベルトの遺作ソナタに焦点を合わせてきたのは間違いないところで、シフの気持ちがそこに出ていると思います。
ともあれ、まずは、モーツァルトのロンド イ短調 K.511。これは絶句するほど、美しい演奏。これを聴くと、ピアノ・ソナタなどは聴けません。モーツァルトのピアノ曲はこのロンドやアダージョ、幻想曲2曲にこそ、その精華があります。最高のモーツァルトでした。

そして、いよいよ、今回の2回シリーズの締めです。シューベルトのピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959を心して聴きましょう。
シューベルトは第1楽章から、全開モードでとっても素晴らしい演奏です。シフによると、動機はクレドのジャンジャンという2音。実に激しい冒頭の響きです。そして、第2楽章、アンダンティーノの寂しげで美しいメロディーが始まると、saraiの心は感極まります。中間部の凄まじい音響も恐ろしいほど素晴らしく、その後に美しいメロディーに戻ると心がとろけそうです。短い第3楽章のスケルツォを経て、終楽章に入ります。もう、これは言葉での表現ができそうにもありません。最高のシューベルトとしか、形容のしようがありません。終盤に入るころには心がずたずたです。歩を止めるように、何度もパウゼを繰り返すところは、まるでシューベルトが美しいこの世から去り難く思っているような心情が見事に表現されています。そして、圧巻のコーダ。まるでシューベルトとの別れを体験したような深い感動を覚えます。
ベートーヴェンの後期ソナタ3曲は超えることが不可能とも思える傑作群でしたが、シューベルトはその天才的な才能で最晩年に至って、途轍もない別の峰々を築き上げたことを実感させてくれるようなシフの素晴らしい演奏でした。

今日も長大なリサイタルになりました。しかし、アンコールは欠かせないのがシフです。何とブラームスのインテルメッツォを弾くそうです。先ほど偉大な作曲家5人の中に入れなかったブラームスです。この曲は2年半前のリサイタルでも1回はアンコール曲として、1回は本編で弾いた曲です。ブラームスの最晩年の境地の何とロマンに満ちた曲でしょう。これ以上は弾けないというほどのレベルの極美の演奏でした。これでアンコールは終わりと思ったら、いつもアンコールで弾くモーツァルトのソナチネとバッハのイタリア協奏曲。いずれも最高に美しい演奏で、長かった2回のリサイタルシリーズを締めくくりました。シフも69歳。次に聴くのは70歳を過ぎたシフになりそうです。また、素晴らしい演奏を聴かせてくれるのは間違いありません。


今日のプログラムは以下です。

 J.S.バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
 ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ短調 Hob.XVI-20
 J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2 「テンペスト」

   《休憩》

 モーツァルト:ロンド イ短調 K.511
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959

   《アンコール》

    ブラームス:インテルメッツォ Op.118-2
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 K.545から 第1楽章
    J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971から 第1楽章


予習はプログラムが未発表だったので、もちろん、できませんでした。



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       シフ,  

ユベール・スダーンの熱い指揮で東響がシューマンの《ライン》を熱演@東京オペラシティコンサートホール 2022.11.5

この1週間で東京オペラシティで5回目のコンサートを聴きます。ほぼ、毎日のように通っています。まるで初台に通勤しているみたい(笑い)。

今日は東響のオペラシティ定期公演。かつての音楽監督ユベール・スダーンの登場です。

まず、メンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」です。ゲーテの作品を元にした作品で、ベートーヴェンも同名の合唱曲を書いています。メンデルスゾーンもベートーヴェンの作品を意識しつつ、純粋なオーケストラ曲として書き上げています。現在では、このメンデルスゾーンの作品のほうが演奏される機会が多いようです。曲は題名通り、まずは弦楽のみの合奏で静かな海がピアノッシモで表現されます。冒頭は少し、アンサンブルが固まっていませんが、徐々によくなって、第1ヴァイオリンが旋律を静かに奏で始めると、締まってきます。前半の静かな海のパートの雰囲気が素晴らしい演奏です。やがて、急にフルートの大きい響きのソロが入り、賑やかな演奏に変わります。楽しい航海の始まりです。今日は終盤に向かって高潮していきます。東響の合奏はまずまずというところです。最後に少し静かな雰囲気になって終了。満足すべき演奏でした。

次はブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲。これは厳しく言うと、独奏の2人がブラームスをもうひとつ表現しきれていない感じ。それでも、第3楽章になって、きびきびした演奏で挽回してくれたました。東響のサポートはまずまずというところです。独奏のお二人の弦の響きは美しかったので、ちょっと残念な演奏でした。ブラームスの演奏は音楽表現が難しいですね。

休憩後、シューマンの交響曲第3番「ライン」。個人的な好みですが、シューマンはいいなあ・・・東響の弦のアンサンブルの美しさを味わいながら、シューマンの実質、最後の交響曲を堪能しました。この作品はシューマンが非業の死に至る最後の住まい、デュッセルドルフで書かれましたが、シューマンは終生、晩年に向かって枯れていくということのない作曲家でした。永遠のロマンを歌い上げる青年のままの佇まいを貫き通しました。この交響曲も何と瑞々しいことでしょう。それをユベール・スダーンは熱い共感を込めて、東響を鼓舞していきます。東響もそれに応えて、素晴らしいアンサンブルでロマンに満ちた演奏を繰り広げます。第1楽章の怒涛のような勢いに満ちた演奏はデュッセルドルフの町を貫くラインの大河を思わせます。第2楽章もラインのゆらめく波の豊かさを思わせます。第3楽章の牧歌的な風景に続いて、第4楽章はケルンの大聖堂の厳かさを表現したと言われるところです。郷愁に満ちた粛々とした演奏がホールに響き渡ります。この曲の聴かせどころです。うーん、なかなかいいね。そして、第5楽章は引き締まった表現で祝典的な演奏で盛り上がっていき、満足のフィナーレ。とても聴き映えのする演奏でした。もちろん、先月聴いていたジョナサン・ノットが指揮していたときの東響の精緻なアンサンブルまでは達していませんでしたが、それは今月、再来日するジョナサン・ノット待ちですね。ある意味、ジョナサン・ノットの凄さを思い知らされるような演奏でもありました。次に東響を聴くのは、R.シュトラウスの楽劇《サロメ》。ジョナサン・ノットに過大な期待をしていますが、きっと期待を裏切られないでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ユベール・スダーン
  ヴァイオリン:郷古廉
  チェロ:岡本侑也
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  メンデルスゾーン:静かな海と楽しい航海 Op.27
  ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102
  《アンコール》
   マルティヌー:二重奏曲 第2番より 第2楽章 アダージョ

  《休憩》

  シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調Op.97「ライン」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のメンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」を予習したCDは以下です。

  クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団 1986年11月 ロンドン、オール・セインツ教会 セッション録音

アバドがメンデルスゾーンの序曲集を録音しています。彼はメンデルスゾーンに思い入れがあるようですね。


2曲目のブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲を予習したCDは以下です。

 ダヴィッド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1969年5月12,13日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド セッション録音

見事な演奏ですが、録音の古さが少し気になります。


3曲目のシューマンの交響曲第3番「ライン」を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1960年10月21日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド セッション録音

これは文句なしに素晴らしい演奏です。



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尾瀬散策:へとへとになりながらも鳩待峠へ無事に帰還

2022年8月25日(木)@尾瀬/22回目

尾瀬、2日目です。
尾瀬ヶ原の美しい自然を楽しんだ後、ほどほどのところで引き返します。牛首分岐まであと10分くらいのところでした。
帰り道は順調に山ノ鼻まで戻り、ここでしばしの休息をとった後、鳩待峠に向かって、ハードな道を登ります。
しばらくは川上川沿いの緩やかな道を余裕で歩きますが、やがて、本格的な登り道を順調に登り、山ノ鼻から鳩待峠まで全3.3㎞のうち、残り、1.33㎞の地点を過ぎて、ヨセ沢の流れを渡ると、急階段の登りです。
急勾配の階段を登り切っても、勾配の急な木道が続きます。

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木道の先には、また、階段です。

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階段を黙々と登っていきます。

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やがて、木道の傍らには休憩用のベンチがありますが、もう、休む気力もなく、そのまま、登り続けます。ベンチには山ノ鼻から鳩待峠まで全3.3㎞のうち、残り、870mの表示があります。もう、残り少しですが、この先が厳しいことは昨日の偵察でも分かっています。

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木道になったり、階段になったりしますが、急勾配を登っていくことは変わりません。

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しかし、階段が延々と続くのは精神衛生上、よくありません。気持ちがくじけそうになります。

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登っても登っても急な階段が続きます。

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ようやく、木道になり、一息尽きます。少し、ゆっくりめに歩いていきます。

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木道の登り道が延々と続くのも応えます。もう、体力の限界ぎりぎりです。

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それでも頑張り抜いて、残り380mの地点にさしかかります。ハトマチ沢の流れを渡ります。

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しかし、本当にきつかったのはここからなんです。たった380mですが、険しい傾斜で、もう体力も底をついています。一歩一歩足を前に出すしかありません。

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出会う人を励まし、挨拶を交わしながら、己を鼓舞しながらのラストスパート。これくらいの勾配も苦しいの、何の・・・。

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あー、また、この先、急な階段です。

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木道は終わり、濡れた岩の歩きにくい坂道が最後の試練です。

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そして、くたくたになりながらも、鳩待峠に無事に到着です。ばんざーい!

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もう、全然、足が動かないほど疲れ切っています。牛首分岐の手前で無理をしないで戻ってきたのが正解でした。saraiは足を痛めて数か月間、あまり歩いていませんでしたから、山歩きの脚力など、ある筈もありません。これだけ歩けたのも奇跡のようなものです。一昨日のサントリーホールからの帰りはあまりに足の痛さに悲鳴をあげていましたからね。しかし、今日はそれなりに絶好調で山ノ鼻への下りは1時間半もかかったのに、何と鳩待峠への登りは同じく1時間半で登り切りました。
一組の夫婦は既にここで待っていてくれました。もう一組の夫婦は一番元気で牛首分岐の先の竜宮十字路まで行きましたから、まだ、しばらく、戻ってこないでしょう。疲れを取りながら、ゆっくりと待ちましょう。



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クァルテット・インテグラのチャレンジャブルなハイドン、ウェーベルン、ベートーヴェン後期に感銘!@上大岡 ひまわりの郷 2022.11.7

平日のお昼、実に低料金で今、輝きを放つ若手クァルテットのクァルテット・インテグラを聴きました。ほぼ1ヵ月前に鶴見で聴いたばかりです。さすがにそれから成長したとは思えませんが、何とも若々しい演奏に魅了されました。ベテランのクァルテットほどの熟成はありませんが、代わりに生硬とも言える瑞々しさが眩しいほどです。輝かしい将来に向けての無限の可能性が感じられます。その成長過程の今が何とも聴いていて楽しい限りです。

最初の曲はハイドンの後期の弦楽四重奏曲第74番「騎手」Op.74-3。第1楽章と第4楽章は演奏している彼らも聴いているsaraiも弾むように楽しい音楽です。一方、第2楽章のラルゴは美しい抒情の漂う世界を丁寧かつ緊張感高く歌っていきます。弦楽四重奏曲の様式を確立したハイドンの真骨頂を若い彼らが見事に演奏してくれました。

次のウェーベルンは今や彼の十八番の演目。前回のコンサートでも聴かせてくれた無調で幽玄な世界をさらに高い精度で素晴らしく演奏。ともかく、ウェーベルンらしく、極限まで切り詰められた音楽を高い緊張感で演奏してくれて、saraiも集中して拝聴。第3楽章と第6楽章の素晴らしい演奏に魅了されました。

休憩後、今日のメインの演目であるベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」。第1楽章の自由な曲想を弁証法的に弾き進めていきます。ベートーヴェンの晩年の高く深い精神性の込められた音楽が表現されます。若手の音楽家としては実に精度の高い音楽が響き、とても魅了されます。第2楽章も抑えた演奏で密やかな音楽が見事に奏でられます。第3楽章は美しい緩徐楽章。これも素晴らしい演奏です。続く第4楽章はレントラー。特に中間部の美しさが見事です。いよいよ、この作品の中核部である第5楽章に入ります。ベートーヴェンが書いたもっとも美しい音楽であるカヴァティーナです。クァルテット・インテグラの演奏も美しいのですが、これはもっと美しく弾いてほしかった感があります。特に第1ヴァイオリンがもっと自己主張してでも豊かな演奏にしてほしかったと思います。以前、何度も聴いたロータス・クァルテットの美しくて、とろけるような演奏が思い出されます。そして、今日の終楽章は大フーガです。saraiはベートーヴェンが書き直した終楽章よりも、もともとのこの大フーガを終楽章とした演奏を好みます。クァルテット・インテグラはこの雄大な大フーガを冒頭からがんがんと弾き進めます。とてもよいですね。実に長大で深遠な音楽が語られます。素晴らしい演奏ではありましたが、クァルテット・インテグラの演奏はまだまだ熟成への時間が必要だと思えました。

やんやの拍手でアンコールは再び、カヴァティーナ。心なしか、肩の力が抜けて、本編での演奏よりも美しい演奏に思えました。

最近は若手も臆することなく、西洋音楽の最高峰、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲に挑みます。彼らがこの素晴らしい音楽をどう熟成させていくかを聴いていくのも興味深いところです。来年1月には、クァルテット・アマービレの演奏で、このベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」を聴きます。楽しみは尽きません。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ
   三澤響果 vn  菊野凜太郎 vn 
   山本一輝 va  築地杏里 vc

  ハイドン:弦楽四重奏曲第74番 ト短調 Op.74-3「騎手」
  ウェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」
 
   《アンコール》
     ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 から 第5楽章 カヴァティーナ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第74番「騎手」Op.74-3は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ弦楽四重奏団 2003年1月21-23日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 
リンゼイ四重奏団のハイドンはどれも素晴らしいです。


2曲目のウェーベルンの弦楽四重奏のための6つのバガテルは以下のCDを聴きました。

 ラサール弦楽四重奏団 1968年、1970年 ミュンヘン セッション録音
 エマーソン・カルテット 1992年10月  ニューヨーク州立大学パーチェス校、パフォーミングアーツセンター セッション録音

ラサール弦楽四重奏団の新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集は永遠の金字塔です。一方、エマーソン・カルテットの演奏の完成度の高さはウェーベルンが今や、古典であることを実感させます。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 1983年 聖トリニティ教会,ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 
リンゼイ四重奏団の旧盤のベートーヴェンの弦楽四重奏団全集からの1枚です。新盤もいいのですが、旧盤はさらに感銘深い演奏です。第13番の第6楽章は大フーガに差し換えて聴きました。PCのHDDの音源で聴いているので、差し換えは簡単なんです。



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       クァルテット・インテグラ,  

京都の秋の旅の速報、そして、尾瀬散策は完了し、温泉とご馳走を堪能

尾瀬の記事を書いているところですが、今日から秋の京都を訪れます。皆既月食の下、新幹線で京都に向かいます。疾走する新幹線の車窓から、欠け始めた月が眺められます。

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京都駅に到着して、駅前で空を見上げると、赤銅色の皆既月食中の月が見えます。

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残念ながら、ピンボケ写真しか撮れませんでした。まあ、今日は日本中のカメラマンが素晴らしい写真を撮ったでしょうから、それを眺めてくださいね。駅前からタクシーに乗って、烏丸四条近くの町家ホテルに投宿。驚くことにレセプションで待つ二人の女性スタッフのうち一人は外国人。チェックインしていると、後からやってくる泊り客はすべて外国人。まわりで英語が飛び交います。入国規制が緩和された途端にあっという間に海外からの観光客が戻ってきたのですね。その中心はやはり京都のようです。saraiたちは半年前からこの旅を予定していました。これまでの京都は観光客が少なく、閑散としていましたが、また、観光客でごったがえす町になったのかな。
この町家ホテルは10階建ての超近代的なホテル。昔は道具屋さんだったようですが、建て替えて、外国人にも対応できるように日本的でもあり、国際的でもあるホテルになったようです。今日から充実した4泊が始まります。明日からは京都の秋の旅の速報版をお届けします。今回の目玉は予約しないと行けない名刹巡りです。お楽しみに。

さて、今日は尾瀬散策の記事に戻ります。

2022年8月25日(木)@尾瀬/23回目

尾瀬、2日目です。
尾瀬ヶ原の美しい自然を楽しんだ後、山ノ鼻から鳩待峠へのハードな道を登り切り、鳩待山荘に帰着しました。
鳩待峠の広場には尾瀬ヶ原を歩き終えた中学生たちが集合しています。自然の中を歩き切った満足感が漂っていますね。

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そうそう、この旅は、群馬割りの対象。宿泊料も5000円安くなったのですが、一人2000円のお買物券も、もらえました。2人合わせて4000円のお買物券があります。今日中に使わなければいけません。記念にストックを買いましょう。足の痛いsarai用には、昨日購入しています。この鳩待峠のお土産物屋さんには、登山用品コーナーにMont-Bellショップがあります。しかし、Mont-Bell製のストックは昨日の時点で残り2個。既にsaraiが1本購入したので残り1本。ノンブランドのストックに比べて2倍ほど高価なストックですが、潤沢なお買物券を使ってこの残り1本を購入。これでここにはMont-Bell製のストックは在庫が底をつきました。

saraiたち、二組の夫婦で、もう一組の友人夫妻の到着を待ちます。天候はよいのですが、雲が出ていて、至仏山の山頂は時折、姿を見せるだけです。

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まだ、鳩待峠発尾瀬戸倉行のバスの時間には余裕があるのですが、乗り合いタクシーの運転手が、誘いに来ます。友人夫妻が鳩待峠のもう近くまで来ているというメールが来たので、その到着を待って、その乗り合いタクシーで尾瀬戸倉のバスターミナルにあっという間に到着です。
尾瀬ネイチャーセンター 尾瀬ぷらり館の前のだだっ広い広場で今晩泊まるホテルからのお迎えの車を待ちます。

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すぐにやってきたホテルからのお迎えの車で、ホテルへ。今日は温泉を楽しむために尾瀬岩鞍リゾートホテルに泊まります。3時過ぎにチェックイン。このホテルは昨日の山小屋と違って、高級スキーリゾート。お部屋はデラックス。文明社会に戻ってきた感があります。

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当たり前ですが、ちゃんと液晶テレビもあり、何か不思議な気がします。たった一晩の山小屋だったのにね。

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楽しみにしていた温泉に入り、その後、山小屋の夕食とは違う豪華で美味しい夕食をいただきます。

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山と大地の恵みと称する食べきれないほどのご馳走攻めです。

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温泉とご馳走ですっかり尾瀬散策の疲れが癒されました。

友人たちと夜遅くまでおしゃべりをして、オヤスミナサイ!

尾瀬三日目の明日は吹割の滝に寄って帰ります。この吹割の滝が凄かったんです。



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京都特別拝観の旅(速報):究極の日本の美、桂離宮 そして、智積院の等伯

昨日から、京都に来ています。
秋の京都は今、絶好の天気。いつもながら、配偶者の晴れ女ぶりは無敵です。
今回は京都の町の中心に位置する超最新の町家ホテルに滞在中。どこに行くにも交通至便です。今回の京都の旅は予約必須の特別拝観の名所を尋ねます。まず、初日の今日は憧れの桂離宮を尋ねます。予約開始とともに数か月前に予約しておきました。予約申し込みは抽選ですが、当時はまだまだコロナ禍だったためか、スムーズに予約できました。朝11時からの拝観なので、比較的ゆっくりと10時少し前にホテルを出ます。阪急、バスを乗り継ぎ、最後は10分以上歩いて、拝観開始30分前に桂離宮に到着。
予約した拝観客はいくつかのグループに分けられて、ガイドツアーが始まります。我々は最初の11名のグループです。ガイドの方に連れられて歩き始めて、やがて、大きく複雑な形の池の周りに配置された庭園の中に足を踏み入れます。最初にその風景が目の前にパーっと広がったとき、一緒に歩いているメンバーはみな、ああっーと声を上げます。これまでの人生の中で一度も見たことのない美しい風景です。
広大な池の周りを巡りながら、その美しさのすべてを愛でていきます。

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池の周りには数寄屋風の純日本風建築物が配されています。多くは茶室を備えています。これらの茶室や回遊式庭園はなんとすべて、月を愛でるために作られた宮家の別荘だったそうです。なんと風雅なことでしょう。今、季節は秋。この庭園も秋色に染まっていました。

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今日のメインの予定はこれで完了。これ以上の美はないでしょう。それでも欲深いsaraiは京都の東山に移動して、智積院に長谷川等伯親子が残した日本美術の最高の精華を味わうことにします。これは予約不要です。観光客の増えた京都ですが、ここはそれほど混み合っていません。
宝物館に収蔵された長谷川等伯と夭逝した子の久蔵の障壁画をsaraiと配偶者で独り占めして鑑賞しました。残念ながら、障壁画は色落ちして、描いた当時の豪華絢爛な鮮やかさは想像するしかありません。25歳の久蔵が描いた桜図、その久蔵が26歳で急逝した翌年に父長谷川等伯が哀惜の情を振り切って、あるいはその死に手向ける思いを込めて描いた楓図の2枚の障壁画が並んで展示されていました。ずーっと前から、いつかは見たいと念願していた作品をたった二人だけで鑑賞できて本望です。写真撮影禁止なので、ここに掲載できません。
名勝庭園のある講堂に移動すると、庭園を鑑賞する大広間になんと先ほどの桜図と楓図の復元画が襖絵になっています。往時の姿の一端が垣間見えます。それにここは写真撮影ができるようです。どうぞ、ご覧ください。手前が楓図、その先に続くのが桜図です。

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京都駅で夕食の食材を買い込んで、ホテルに戻ります。あー疲れた! 今日は1万5千歩も歩きましたからね。

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京都特別拝観の旅(速報):自然の美、修学院離宮 そして、〆はお気に入りの詩仙堂

秋の京都、三日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所です。今日は修学院離宮を尋ねます。抽選予約でとれたのは朝9時からの拝観なので、早起きして、地下鉄、バスを乗り継ぎ、最後はちょっと道に迷って、犬を連れて散歩中のご夫婦日に案内してもらって、拝観開始20分前に修学院離宮に到着。
修学院離宮は比叡山の麓、東山連峰の山裾に造られたものです。桂離宮の人工美とは異なり、自然の地形を生かした美しさが真骨頂です。桂離宮に遅れること30年で造営されたとは、なんとも贅沢なものです。
今日もガイドツアーでの見学です。ガイドの方に連れられて高台に登り、そこから、絶景を見下ろします。池と島の周りには秋の気配が濃厚です。

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池の水面はまったく波もなく、鏡のように空の雲を映しこんでいます。まるでウユニ塩湖のようですね。

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美しい紅葉をたっぷりと楽しみました。

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そして、修学院に来たのなら、絶対に外せないのが詩仙堂。今や、名所・名園の多い京都の中でsaraiの一番の推しがこの詩仙堂です。
観光客が以前よりは増えていましたが、やはり、ここは穴場なのか、それほどではありません。お庭に面した広間の縁で秋の風景を眺めます。


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saraiの心になんとも言えないやすらぎの時間が流れます。じっと座って、心を無にして、30分以上も無上の時を過ごしました。

一乗寺に行けば、食い気が騒ぎます。安らぎの時間の後はやっぱりラーメン。美味しくいただきました。
出町柳近くの桝形商店街で夕食の食材を買い込んで、ホテルに戻ります。今日は超疲れました! 2万2千歩も歩いてしまいました。それも起伏のある地形を歩いたので、最後はほとんど足が動かない状態。ふーっ・・・。

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京都特別拝観の旅(速報):西芳寺の美しき苔庭 そして、嵐山の屋形船で紅葉見物

秋の京都、四日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねます。昔は予約なしで訪れたものですが、苔の保護のために予約制になっていました。今回、往復はがきで予約申し込みをして、無事に予約できました。数十年ぶりに西芳寺を訪れます。拝観予約時刻10時の15分前に西芳寺に到着。すると、そのまま、通してもらえます。まずは、紙一枚の写経。すぐに終わり、いよいよ、久しぶりの苔寺のお庭を拝観。
拝観人数が限定されていて、森閑とした雰囲気のお庭は実に素晴らしい苔の状態です。もう昔の記憶はありませんが、青々とした苔庭に魅了されます。

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庭園の中央には大きな庭があり、鏡面のように輝く水面には周りの緑の風景が映り込んでいます。

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お庭の紅葉も素晴らしく色づいています。

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さすがの西芳寺のお庭を拝見し、京都の奥深い文化を堪能しました。

さて、この後はクルーズ好きのsaraiに配偶者が嵐山の屋形船クルーズを提案してくれました。それはいいね。
透き通るような桂川の水面を船頭さんの竿で屋形船はすべるように進んでいきます。川の流れはゆったりしています。この先が保津川下りの急流であることは信じられません。色づき始めた嵐山の紅葉を堪能しました。

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屋形船を降りた岸辺の先は天龍寺。となれば、湯豆腐をいただきたいですね。行列に並んで、美味しい湯豆腐に舌鼓を打ちました。

今日もまたまた超短い記事ですが、なにとぞ、ブログランキングのポチ、よろしくね。明日はこの旅の最終日、予定はありません。どう過ごしましょうね。



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京都特別拝観の旅(速報):おまけの最終日は53年ぶりの奈良散策

秋の京都、五日目です。

予定が未定の最終日。もう、京都はたっぷり見たし、saraiと配偶者の思い出の地を再訪することにしました。53年ぶりの奈良の飛火野とその周辺を巡ります。
京都駅から近鉄特急で35分。あっという間に奈良に到着。早速、奈良公園を抜けて、飛火野へ。昔のイメージと現在の映像がダブります。

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配偶者によると、夕景の飛火野を鹿が走る光景が素晴らしいのだそうです。そう言えば、昔もそう言われた記憶が蘇ります。

さて、ここから、春日大社、若草山と周って、最後は高台にある二月堂まで登っていきます。最後は息も切れて、足もがたがた。それでも二月堂の「舞台」からの眺めは最高です。東大寺大仏殿とその向こうに広がる奈良の町が一望できます。

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最後はもちろん、東大寺の大仏殿。壮大なスケールの建物は圧巻です。天平の昔にこんなに凄い建造物が造られたとはね・・・(現在の建物は江戸時代に再建)。

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大仏殿の中に収まる盧舎那大仏とは半世紀ぶりの再会です。いやはや、凄いね!

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毎年恒例の正倉院展も開かれている奈良は大変な人出です。見るべきものを見て、へとへとに疲れて、退散します。今日も2万3千歩も歩いて、足ががたがたになって、横浜に帰ってきました。

今日もまたまた超短い記事ですが、なにとぞ、ブログランキングのポチ、よろしくね。

秋の京都の5日間の詳細編は尾瀬散策が終わり次第の報告になります。しばし、お待ちください。



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今後が期待できる若手ピアニスト、三浦謙司のピアノリサイタル@上大岡 ひまわりの郷 2022.11.13

日本人の若手ピアニストが次々と楽壇に登場していますが、この三浦謙司も有望株の一人のようです。saraiは初めてこの人の演奏を聴きます。

前半は緊張していたのか、少し、固い印象で、ピアノの響きももう一つに感じられます。それでもブラームスの3つの間奏曲はなかなか美しい演奏でした。

後半になると、ピアノの響きがみちがえるように美しくなります。ドビュッシーのベルガマスク組曲は最初のプレリュードの低域の響きが素晴らしく、次いで高域の響きも改善されます。リズムのノリもスムーズになり、見事な演奏。第3曲の有名な《月の光》は夢見るような美しいタッチの演奏です。特に中盤以降の冴え渡る演奏に魅了されます。そして、圧巻だったのは、最後に弾いたバッハ(ブゾーニ編)のシャコンヌ。熱のこもった演奏でアーティキュレーションも素晴らしい。長大な難曲を素晴らしいテクニックと音楽表現で弾きこなして、圧倒的な印象を与えてくれました。
さらにアンコールで弾いたヘンデルのメヌエットの美しく端正な演奏はこの日の一番の出来でした。
今日の演奏だけではまだまだ、その力量は判断できませんが、今後の活躍が期待できる一人であることは間違いありません。


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:三浦謙司


  J.S.バッハ:パルティータ 第1番 BWV825
  ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
  ショパン:バラード 第3番 Op.47

   《休憩》

  ドビュッシー:ベルガマスク組曲
  ボルトキエヴィチ:10の前奏曲 Op.33~No.3,6,8
  J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
 
   《アンコール》
     ヘンデル:メヌエット ト短調(鍵盤楽器のための組曲(クラブサン組曲) 第2巻第1番 変ロ長調(HWV.434)より)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のバッハのパルティータ 第1番は以下のCDを聴きました。

 クラウディオ・アラウ 1991年3月26日~4月7日 セッション録音

ピアノの巨匠クラウディオ・アラウが齢88歳にして、死の2か月前に初録音したバッハのパルティータ集からの演奏です。残念なことに第4番と第6番は録音する前に亡くなってしまいました。saraiのすべての愛聴盤のうち、こんなに繰り返し聴いた演奏はほかにはありません。何十回聴いたでしょう。久しぶりに聴いて、またその演奏に魅せられました。老齢故におぼつかなげな指回しすらも魅力です。何と言ってもその美しい響きはまさに天国の音楽です。これからも聴き続けることになりそうです。


2曲目のブラームスの3つの間奏曲 Op.117は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 2013年7月 & 9月 新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音
 
メジューエワのブラームス後期作品集からの演奏です。何とも美しい演奏に魅了されます。


3曲目のショパンのバラード 第3番は以下のCDを聴きました。

 ジャン=マルク・ルイサダ 2010年7月26日~29日 岐阜サラマンカホール セッション録音

これは実に見事な演奏です。それに録音も素晴らしい。


4曲目のドビュッシーのベルガマスク組曲は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 2012年5月 & 9月、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音
 
メジューエワの力強く、そして、美しいドビュッシーです。とりわけ、《月の光》は何とも美しい演奏です。


5曲目のボルトキエヴィチの前奏曲は以下のCDを聴きました。

 スティーヴン・クームズ 1996年&1998年 セッション録音

なかなか美しい演奏です。まるでショパンみたい。


6曲目のバッハ(ブゾーニ編)のシャコンヌは以下のCDを聴きました。

 エレーヌ・グリモー 2008年8月 ベルリン、フンクハウスナレーパシュトラーセ、ザール1 セッション録音
 
これは何とも凄まじい演奏です。オリジナルのヴァイオリン版とは一線を画す演奏になっています。グリモーの個性が爆発し、ロマン派の音楽を演奏するようにバッハを弾いています。



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尾瀬岩鞍の朝、そして、吹割の滝へ

2022年8月26日(金)@尾瀬岩鞍~吹割の滝/1回目

尾瀬、3日目です。
今日も晴れています。遠くの山に雲はかかっていますが、雨は降りそうにはありません。一際高い山は、日光白根山かな。

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尾瀬岩鞍リゾートホテルの朝食は8時。ゆっくり起きだして、レストランに行くと、仲間たちはすでにスタンバイ。いつも出遅れます。ごめんなさい。
盛りだくさんなメニューです。選べるジュースの中に、ここの名産のトマトジュースがあります。ホテルの案内にもあったものです。飲んでみると、美味しい!

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このホテルも、群馬割の対象で、お買い物券の2000円×2もいただけるとのことなので、このトマトジュースを2本購入。家に帰ってからの楽しみが出来ます。
さて、帰る準備ですが、重いトマトジュースもあるので、宅配便を利用することにします。段ボールを頂いて、ほとんどの荷物を詰め込みます。今日の歩きに必要な最低限のものをいれたリュックは軽く、しっかり歩けそうです。
群馬割で5000円引き、夕食のワイン代はお買物券が使え、ルンルンでチェックアウトします。

今日は、上毛高原駅までの路線バスの路線の途中にある吹割の滝を見に行きます。関越交通バスの鎌田営業所まで、ホテルが送ってくれるそうです。昨夜の宿泊客は、我々6人の他にはたった1人だけ。全従業員の方が、我々のためにせっせと働いてくださいます。ありがたい!
バスの時間にあわせて送っていただけるので、それまで、ホテルの周りを散策しましょう。ここは大きなスキー場のようです。広いゲレンデとリフトがあります。冬は賑わうのでしょうね。

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ひまわりが綺麗に咲いています。尾瀬も夏ですね。

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今は美しい草原ですが、冬は素晴らしいゲレンデになりそうです。

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ここからは長いリフトが山の上まで続いています。広大な岩鞍スキー場です。

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後ろを振りむくと、ホテルの建物が見えます。まさにスキーの基地のようなホテルです。

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駐車場の隅にあった空気注入型の滑り台も、今日は膨らんでスタンバイ。金曜日の今日が、お客さんも多いのでしょう。

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時間になり、出発です。玄関前で、6名全員の記念撮影もお願いし、元気よく出発。
ホテルの送迎車は気持のよい木立の中を走り抜けて、関越交通バスの鎌田営業所に到着。ここは路線の拠点で、バス会社の事務所にもなっています。来るときに、両替をしてもらったり、おトイレに行ったりしたところです。

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到着と同時に、バスの時間と料金の確認をします。6人が、不慣れな様子でばたばたしているのを、待合室のベンチで見ていた地元の方が、見かねて、乗車や降車、料金の払い方などを教えてくださいます。さらに、吹割の滝に行くなら、吹割の滝のバス停の1つ手前の追貝上(おっかいかみ)で下車した方が便利だよと教えてくださいます。これは地元民しか分からない情報です。ありがとうございます。
発車までにちょっと時間があるので、目の前の笠科神社に、好天へのお礼と今日の無事をお祈りしてきましょう。

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鳥居を抜けて、神社に向かいます。

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旅の無事を願って、パンパン。

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鳩待峠への入口の尾瀬戸倉温泉よりやってきたバスは、空っぽ。我々と親切な地元の方、数名の客を乗せて出発。親切な地元の方は2つ目のバス停で降りて行かれます。追貝上(おっかいかみ)で下車しようとすると、運転手さんが、吹割の滝へ行くお客さんだと事務所の者から言われているとのこと。ここで大丈夫かと訊いてきます。皆さん、我々のことを心配してくださっていますね。ここで降りるというと、ちょっと前に進んだ先に滝への下り口があると教えてくれます。感謝!
ここまでバスで15分ほどでした。バスを見送り、滝に向かいます。すぐ目の前にある吹割の滝遊歩道は今日は何故か、閉じています。

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仕方がないので、少し歩いて、滝の入口に周り込みます。さすがに観光地。お土産物屋さんやドライブインなどが並んでいます。

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地下道をくぐると、滝に向かう散策道に出ます。

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散策道を下って、滝のある川辺に向かいます。

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もうすぐ、滝です。この滝が凄いんです。



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エスメ・クァルテット、慟哭のメンデルスゾーンを熱演@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.11.15

韓国出身の女性4人からなるエスメ・クァルテットはドイツを中心に活躍中。今回、初めて聴きます。

まずはベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第6番。第1楽章は物凄い勢いで飛び出します。活きのいい演奏で好感が持てます。音量もこのホールでは響き過ぎくらいですが、元気でよろしいですよ。第2楽章にはいると、一転して、じっくりと味わい深い演奏に変わります。ベートーヴェンの魂に深く陶酔していくような熟成した演奏に魅了されます。実に表現力が豊かです。第3楽章は再び、飛び跳ねるような演奏です。第4楽章は序奏のアダージョでまたしても、じっくりと深い演奏に変わります。そして、主部のアレグレットは意外にもおとなしい普通のテンポでの演奏です。時折、パウゼも表現力豊かに入れながら、最後は勢いよく終わります。実に個性的な素晴らしい演奏でした。

次は滅多に聴けないコルンゴルトの弦楽四重奏曲 第2番。第1楽章から、自在な魅惑的な演奏です。第2楽章のインテルメッツォも表現力豊かな演奏。第3楽章のラルゲットは纏綿たる演奏でうっとりと聴き入ります。うーん、いいね。第4楽章はウィーン風のワルツで勢いよく締めくくります。彼女たちの表現主義的ともいえる演奏スタイルにぴったりの作品でした。

後半はメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲 第6番。第1楽章から激しい悲哀に満ちた叫びが聴こえてきます。メンデルスゾーンが最愛の姉、ファニーが亡くなった2か月後に作曲に着手したときの心情を吐露しているかの如くです。悲劇的な雰囲気を湛えたまま、曲が進行します。こういう暗い情熱を帯びたメンデルスゾーンはほかには知りません。エスメ・クァルテットの爆発力のある演奏はさらに悲哀をかきたてます。第2楽章に移っても、それは変わりません。深い嘆きの歌が続きます。第3楽章のアダージョでようやく落ち着きを取り戻しますが、やはり、翳りを帯びた雰囲気で、エスメ・クァルテットの抑えた演奏が美しく悲哀の抒情を表現していきます。いったん、高まりを見せますが、最後は静かに曲を閉じます。第4楽章も落ち着きはありますが、慟哭は収まることがありません。強い慟哭が盛り上がる中、不意に曲が閉じられます。何とも哀し過ぎる曲と演奏だったことか! メンデルスゾーンはこの曲の完成後、2か月ほどで姉のあとを追うように生涯を閉じます。この曲は姉と自分のためのレクイエムのように思えます。衝撃的な演奏でした。

アンコールのピアソラは実に美しい演奏でした。そして、アンコールの最後のサティのジムノペディ第1番を編曲した作品はフィルハーモニクス ウィーン=ベルリンのメンバーであるベルリン・フィルのチェロ奏者のシュテファン・コンツによるものです。これも極め付きのような凄い演奏でした。

エスメ・クァルテットは個性的で表現力のあるカルテット。まだまだ成長過程にあるようですが、今後も個性を殺さずにさらなる高みを目指してほしいものです。これからも注目していきたいクァルテットです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:エスメ・クァルテット
   ペ・ウォンヒ vn  ハ・ユナ vn
   キム・ジウォン va  ホ・イェウン vc

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第6番 変ロ長調 Op.18-6
  コルンゴルト:弦楽四重奏曲 第2番 変ホ長調 Op.26

   《休憩》

  メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 Op.80

   《アンコール》
   ピアソラ:天使へのイントロダクションIntroduccion Al Angel
   シュテファン・コンツ:A New Satiesfaction(サティのジムノペディ第1番による)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第6番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ弦楽四重奏団 1982年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン全集の旧盤です。後期弦楽五重奏曲も素晴らしいですが、この前期の作品も素晴らしい演奏です。


2曲目のコルンゴルトの弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 ユーセビアス四重奏団 2018年12月19-20日 ワセンホール、セントポールズスクール、ロンドン セッション録音

ユーセビアス四重奏団は2016年に結成された若手の四重奏団ですが、実に美しい演奏を聴かせてくれます。


3曲目のメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲 第6番は以下のCDを聴きました。

 エロイカ四重奏団 2002年10月20-23日 セッション録音
 
エロイカ四重奏団はロンドンの4人の若い古楽器演奏家で、ロマン派のオリジナル演奏を目指しています。この演奏も実に美しい演奏です。



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吹割の滝:凄い迫力に言葉もなし!

2022年8月26日(金)@吹割の滝/2回目

尾瀬、3日目です。
尾瀬から上毛高原駅へのバス路線の途中にある吹割の滝を訪れています。滝への散策道を下りていくと、木々の間から片品川の流れが見えてきます。

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散策道の傍らには遊歩道案内図があります。滝の周りをぐるっと周遊する道が整備されているようです。

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すぐに片品川の川岸の道に出ます。もう既に物凄い滝の音が聞こえています。滝はこの川の先にあるようです。

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やがて、滝が見えてきます。おおっ、川の中ほどが割れて下に落ち込んでいます。凄い迫力ですね!

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上流から流れてくる豊かな水量の水が轟々と割れ目に流れ落ちていきます。こういう滝を見るのは初体験です。

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だんだん、割れ目の近くに寄っていきます。観光客がいっぱい来ていますね。人の姿が豆粒のように見えるくらい、滝のスケールが大きいです。

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凄い!こんなに凄い滝とは思っていませんでした。きっと、しょぼい滝だと思っていましたが、とんでもない思い込みでした。

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滝の割れ目に向かって、川の水があふれんばかりに殺到していきます。感動するばかりです。

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どうです。この迫力。割れ目の幅は20mほどで、その割れ目が数十メートル続いています。

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割れ目に川の水が流れ落ちる様は素晴らしいです。吹割の滝とは、言い得て妙です。ここでは滝の下は見えていませんが落差は7mです。

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もう、唖然として、この自然の造化を見入るばかりです。

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ここは千畳敷とも思える川の中の岩のテラスです(実際の千畳敷は少し上流の中洲ですが、こちらのほうが千畳敷と呼びたくなるような広大な岩のテラスです)。この岩は溶結凝灰岩。溶結凝灰岩は、凝灰岩が溶結(熔結)したものです。。
まだ熱い状態の火山灰や火砕流が一度に大量に積もると、自分の重さによって火山灰が伸びて、溶けてお互い結合して(溶結)、硬い岩石になります。名称からは“火山灰が溶けて固まった岩石”という意味にとられますが,実際にはガラス片が溶けたように引き伸ばされてくっつきあうプロセスで形成されます。国内では、他に層雲峡・中山七里・深耶馬渓・由布川渓谷に見られます。
この岩のテラスですが、このような平坦な地形は、川の浸食が進み、河床の勾配が緩やかになると、河床を削るより、両岸を削る力の方が強く働くのでできるものです。ですから、滝と同様な浸食作用でできたものです。

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岩のテラスの上から眺めた吹割の滝です。

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ここからは滝の水の落ちる先まで見えます。先ほど書いたとおり、落差7mです。

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岩のテラスから下を眺めると、滝から流れ落ちた水が狭い水路を流れていくのが見えます。

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その先はまた、急流のようになっています。周りは岩の壁になってそそり立っています。屏風岩と言われている、溶結凝灰岩の壁です。これも川の浸食作用で出来上がったものです。

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このあたりは吹割溪谷と呼ばれ、滝が、上流へ浸食を続けていった際にできた渓谷です。崖の高さは数十mもあります。滝は上流に今も浸食を続けています。その浸食速度は7㎝/年です。15年後に行くと、滝は上流に1mほど前進していることが確認できるでしょう。なお、この渓谷と滝は1万年前にできたそうで、1万年かけて、7㎝×1万年=700mも上流に浸食・前進したそうです。壮大な自然の歴史に眩暈がします。

川沿いの遊歩道をなおも先に進みます。



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素晴らしい音楽を堪能するものの演出はちょっと・・・ 《ボリス・ゴドゥノフ》@新国立劇場 2022.11.17

新国オペラ、開場25周年記念公演ということで力の入った公演でした。音楽面はムソルグスキーのロシア的で深みのあるものが最高の形で聴けました。とりわけ、ピットに入った都響の美しい響きが見事。オーケストラだけが鳴っているシーンでは耳をそばだてて聴き入りました。大野和士の指揮も的確なものでした。そして、このオペラで目立つのが合唱。新国立劇場が誇る大合唱団がフルに機能した素晴らしい合唱が一番の聴きものでした。独唱者は海外勢がさすがの歌唱で唸らせられました。【ボリス・ゴドゥノフ】役のギド・イェンティンスの苦悩に満ちた音楽表現、【ヴァシリー・シュイスキー公】役のアーノルド・ベズイエンの表現力のある歌唱、そして、【ピーメン】役のゴデルジ・ジャネリーゼの実に深い歌唱が一番、魅せられました。日本人歌手たちもきっちりと役割をこなしていました。特に【クセニア】役の九嶋香奈枝の透明な声がとても印象的。これから、この人の歌唱に注目しましょう。
いいこと尽くめでしたが、問題は演出。凝り過ぎて自爆気味に感じました。特に【ボリス・ゴドゥノフ】の息子【フョードル】の扱いが難しく、それはそのまま、【聖愚者】まで巻き込んでしまったようです。また、このプロダクションがポーランド国立歌劇場との共同制作で演出もポーランド人だったからか、リトアニア・ポーランドが偽ドミトリーを擁してロシアに攻め入るシーンがカットされて、唯一のヒロインのマリーナが登場しないという困ったことに。ポーランドのシーンはやはり聴きたいですね。

ということで、音楽には満足したものの公演全体は消化不良だった思いです。まあ、この演出は賛否両論あるのかもしれません。少なくとも舞台装置は立派なものでした。衣装はちょっとね・・・。


今日のキャストは以下です。

  新国立劇場 開場25周年記念公演
  モデスト・ムソルグスキー
   ボリス・ゴドゥノフ<新制作>

【指 揮】大野和士
  【演 出】マリウシュ・トレリンスキ
  【美 術】ボリス・クドルチカ
  【衣 裳】ヴォイチェフ・ジエジッツ
  【照 明】マルク・ハインツ
  【映 像】バルテック・マシス
  【ドラマトゥルク】マルチン・チェコ
  【振 付】マチコ・プルサク
  【ヘアメイクデザイン】ヴァルデマル・ポクロムスキ
  【舞台監督】髙橋尚史
  【合唱指揮】冨平恭平
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団
  【管弦楽】東京都交響楽団

【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス
  【フョードル】小泉詠子
  【クセニア】九嶋香奈枝
  【乳母】金子美香
  【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン
  【アンドレイ・シチェルカーロフ】秋谷直之
  【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ
  【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真
  【ヴァルラーム】河野鉄平
  【ミサイール】青地英幸
  【女主人】清水華澄
  【聖愚者の声】清水徹太郎
  【ニキーティチ/役人】駒田敏章
  【ミチューハ】大塚博章
  【侍従】濱松孝行
  【フョードル、聖愚者(黙役)】ユスティナ・ヴァシレフスカ


最後に予習について、まとめておきます。

以下のヴィデオを見ました。

 ボリショイ劇場公演 歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」
  ボリス・ゴドノフ:ミハイル・カザコフ
  クセニヤ:アルビーナ・ラティポワ
  フョードル:エカテリーナ・ヴォロンツォーワ
  クセニヤの乳母:アナスタシア・ビビーチェワ
  シュイスキー公爵:マキシム・パスター
  シチェルカーロフ:アンドレイ・ポタトゥリン
  ピーメン:デニス・マカロフ
  グリゴリー:ティモフェイ・デュボヴィツキー
  マリーナ:アグンダ・クラエワ
  ワルラーム:アンドリイ・ゴニュコフ
  ミサイル:イワン・マキシメイコ
  シンカルカ:エレーナ・マニスティーナ
  ユロディヴィ:ベフゾド・ダヴロノフ
  ニキーティチ:ニコライ・カザンスキー
  ミチューハ:アレクサンドル・ボロディン
  貴族:ザハル・コヴァリョフ
  〈合 唱〉ボリショイ劇場合唱団
       ボリショイ児童合唱団
  〈管弦楽〉ボリショイ劇場管弦楽団
  〈指 揮〉トゥガン・ソヒエフ
  〈演 出〉イーゴリ・ウシャコフ

   収録:2019年12月17・19日 ボリショイ劇場(モスクワ)
   NHK BSプレミアムで2020年9月13日(日)に放映したものの録画

豪華絢爛な舞台が印象的。トゥガン・ソヒエフの指揮もさすがです。



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史上最強の《サロメ》 美女にして強靭な響きの美声を誇るグリゴリアンに深く感動 ノット&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2022.11.18

初めに関係ない話を一つ。今日はマルセル・プルーストの没後100年でした。今年の年頭から読み始めた《失われた時を求めて》全14冊はようやく半分読み終えて、8冊目の《ソドムとゴモラ》を読み進めているところです。没後101年までには読み終えたいものです。それにしても、何とも面白い小説です。読み終えるのが恐いような気さえしています。いつまでも読んでいたいなあ。

で、今日の《サロメ》ですが、これは音楽を超えた芸術です。迫真の愛と死の狭間の饗宴。原作を書いたオスカー・ワイルド。作曲したR.シュトラウス。恐ろしいほど、人間の本質に迫った芸術の中の至高の芸術であるとしか言えません。
加えて、今日、サロメを歌ったアスミク・グリゴリアン。それを支えたジョナサン・ノット指揮の東響。何と素晴らしい音楽を作り出したことでしょう。もう、息ができないほどの緊張感を持続したままで、最後は頭が真っ白になるほどの陶酔感に浸ってしまいました。

少女の面影を感じさせるようなアスミク・グリゴリアンが強烈な歌唱を歌い上げたことがすべてです。この一点に向けて、すべてが集中していたことが今日の圧倒的な音楽の成功につながっていたと思われます。グリゴリアンのようなまるでサロメを歌うために生まれてきたような歌手はいまだかっていなかったように思えます。まずは強靭な高音の叫びの凄まじさ。そして、美しく幻惑するような透明な歌唱。ドラマチックな表現力。これらがモデル体型のスリムな肉体から発していることは奇跡のようです。前半のヨカナーンに唇へのキスをせがみ続けるときの迫力と愛情表現の凄まじさが音楽的頂点を作ります。そして、ヘロデ王に執拗に銀皿にのせたヨカナーンの首をせがむ表現力。最後はその銀皿の上のヨカナーンの首を手をに入れた後の陶酔したような絶叫まじりの圧倒的な歌唱。この最後の10分間がすべてでした。R.シュトラウスが描き出した狂乱の場を完璧に歌い上げました。最後の絶叫で、聴いているsaraiは心臓が止まりそうになり、強烈な感動に至りました。まさに今日はサロメを歌ったグリゴリアンの一人舞台。彼女を盛り立てるためにすべてが機能したかのようです。これが初めて日本で披露されたアスミク・グリゴリアンの歌唱ですから、何と素晴らしい公演を聴けたことでしょう。

本来、ジョナサン・ノットが東響を鼓舞して、如何に素晴らしいサロメのオーケストラ演奏を聴かせてくれるのかが最大の楽しみでしたが、今日に限っては、その迫力ある演奏はグリゴリアンの歌唱を盛り立てるための役割に終始しました。saraiとしては、もっとオーケストラが前面に出たほうがより素晴らしかったと思いますが、今日のグリゴリアンの歌唱を聴けば、サポート役にまわったのも納得ではあります。実演奏を聴いていないので断言できませんが、BDで聴いたザルツブルク音楽祭でのグリゴリアンのサロメでもあのウィーン・フィルもサポート役に聴こえました。ウィーン国立歌劇場で生で聴いたウィーン・フィルは実に輝かしい演奏を聴かせてくれましたが、ザルツブルク音楽祭でのグリゴリアンと共演したウィーン・フィルは別物に聴こえました。それほど、グリゴリアンの歌唱が強烈だということです。

ヨカナーンを歌ったトマス・トマソンも思い切り声を張り上げた歌唱でグリゴリアンに対峙しましたが、最後は力尽きた感じ。グリゴリアンの迫力に押し負けたようです。

ヘロデ王を歌ったミカエル・ヴェイニウスはグリゴリアンに十分、対峙できていました。これはまるでワーグナーを歌っているような圧倒的な歌唱。後半の舞台は彼が盛り立てました。だからこそ、最後のグリゴリアンの狂乱の場の高潮がありました。

ヘロディアスを歌ったターニャ・アリアーネ・バウムガルトナーもヘロデ王のミカエル・ヴェイニウスとともに素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。この役はあまり目立たないことが多いですが、こんなに存在感のある歌唱は初めて聴きました。圧倒的な声量に感銘を受けました。

演出監修のサー・トーマス・アレンがどれほどの仕事をしたのか、うかがい知れませんが、コンサート形式でありながら、この迫力の舞台を作り上げたのですから、見事としか言えません。冒頭でサロメがナラボートを篭絡するシーンなどは素晴らしかったです。また、ヘロデ王の迫真の演技にはどれほど関与したのでしょう。

明後日も同じプログラムをサントリーホールで聴きます。今日聴いたサロメ以上のものは想像できませんが、実に楽しみです。きっと、今年最高の音楽体験になるでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  演出監修:サー・トーマス・アレン
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  サロメ:アスミク・グリゴリアン
  ヘロディアス:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
  ヘロデ:ミカエル・ヴェイニウス
  ヨカナーン:トマス・トマソン
  ナラボート:岸浪愛学*
  ヘロディアスの小姓:杉山由紀
  兵士1:大川博*
  兵士2:狩野賢一
  ナザレ人1:大川博
  ナザレ人2:岸浪愛学
  カッパドキア人:髙田智士
  ユダヤ人1:升島唯博
  ユダヤ人2:吉田連
  ユダヤ人3:高柳圭
  ユダヤ人4:新津耕平*
  ユダヤ人5:松井永太郎
  奴隷:渡邊仁美


最後に予習について、まとめておきます。

 ザルツブルク音楽祭2018ライヴ、R.シュトラウス『サロメ』

  アスミク・グリゴリアン(サロメ/ソプラノ)
  ジョン・ダスザック(ヘロデ王/テノール)
  アンナ・マリア・キウーリ(ヘロディアス/アルト)
  ガボール・ブレッツ(ヨカナーン/バス)
  ユリアン・プレガルディエン(ナラボート/テノール)
  エイヴリー・アムロー(ヘロディアスの小姓/アルト)
  マテウス・シュミットレヒナー(ユダヤ人1/テノール)
  マティアス・フレイ(ユダヤ人2/テノール)
  パトリック・フォーゲル(ユダヤ人3/テノール)
  イェルク・シュナイダー(ユダヤ人4、奴隷/テノール)
  ダヴィッド・シュテッフェンス(ユダヤ人5/バス)
  ティルマン・レンネベック(ナザレ人1/バス)
  パヴェル・トロヤク(ナザレ人2/バリトン)
  ネヴェン・クルニッチ(カッパドキア人/バス)
  ヘニング・フォン・シュールマン(兵士1/バス)
  ダション・バートン(兵士2/バス・バリトン)

  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)

  演出・装置・衣裳・照明:ロメオ・カステルッチ
  振付:シンディ・ヴァン・アッカー

  収録時期:2018年7月28日
  収録場所:ザルツブルク、フェルゼンライトシューレ(ライヴ)
  映像監督:ヘニング・カステン

グリゴリアンがザルツブルク音楽祭でサロメを歌ったBDを聴きました。いやはや、凄いですね! ウィーン国立歌劇場で聴いたカミラ・ニュルンドも凄かったですが、まあ、これは異次元の歌唱ですね。ただし、このBDではウィーン・フィルの艶やかな美しい響きが録り切れていません。あくまでもグリゴリアンの絶唱を聴くものです。



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       ジョナサン・ノット,  

吹割の滝:屏風岩と鱒飛の滝、そして、美味しいかき氷

2022年8月26日(金)@吹割の滝/3回目

尾瀬、3日目です。
尾瀬から上毛高原駅へのバス路線の途中にある吹割の滝を訪れています。吹割の滝の凄い景観に圧倒されました。
さらにその先に進みます。片品川の対岸は頑強で切り立った崖が聳えています。屏風岩です。

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この屏風岩の下に急流が流れています。その急流沿いの川岸を進んでいきます。

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屏風岩は溶結凝灰岩の壁です。凄い強固な岩壁ですね。

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屏風岩の前を流れる急流に沿う川岸に狭い散策路が続いており、そこを歩いてきています。ちょっと恐いですね。

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片品川はいったん川幅が広がって、流れも落ち着きますが、その先はまた、急流になっています。

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この急流の先にまた、別の滝があります。鱒飛(ますとび)の滝です。

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これが鱒飛(ますとび)の滝です。激しい水しぶきを上げながら、水が流れ落ちていきます。

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この滝は15mの落差があります。

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危険なために滝壺を直接見下ろすところは立ち入り禁止になっています。こちらも決して落下したくないので、それで結構です。

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ここから上り道になって、遊歩道は川から外れていきます。いったん、滝見は終わります。

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吹割の滝の周辺の説明板があります。ということは、我々は本来とは逆の経路で滝見をしたのかな。

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川の上の自動車道路に登っていく急な階段です。下の川の水面が遠くなってきます。ひーひー言いながら、登っていきます。

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滝の遊歩道の周りにはお決まりのお土産物屋さんがあります。もう少しで登り切ります。

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自動車道路まで登ってきました。いやはや歩き疲れました。それに、暑い。かき氷の看板が嬉しい!

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本来下車すべき吹割の滝のバス停の横にある道の駅のようなお店があります。ここに入って、一休みしましょう。

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皆、それぞれに、お気に入りのかき氷を注文。saraiは、メニューにない「抹茶小豆ミルク」をお願い。saraiの我儘にも応えてくださって、特別メニューの一品が出来上がります。

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一服して、元気回復。今度は、滝を上から見下ろす山肌を歩くコースに向かいます。と、お店の横の売店のお姉さんが、我々が最初に滝に下りたところから行った方が、山肌の道への上り坂が楽だよとのアドバイス。地元の方のアドバイスは有難いです。その通りにして、また、最初のところに戻ります。

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道路をくぐるトンネルに向かいます。

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道の傍らに咲くコスモスが綺麗です。ここはもう秋です。

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滝を見下ろすコースへ歩み出します。



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史上最強の《サロメ》2回目 聴けば聴くほどグリゴリアンは凄い! ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2022.11.20

初めに関係ない話を一つ。昨日はシューベルトの没後194年の命日でした。何か聴こうと思ったのですが、時間がなくて聴けませんでした。まあ、聴くとしたら、ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960しかありません。田部京子か、クララ・ハスキルかな。頭の中ではいつも鳴り響いています。今年はその遺作ソナタをピリスと田部京子のリサイタルで聴きます。

で、今日の《サロメ》は一昨日のミューザ川崎に続いて2回目です。いずれも運よく、最前列のほぼ中央の最高の席で聴くことができました。コンサート形式ですから、歌手がすぐ目の前で歌うので、ともかく声がよく響きます。いつもの舞台形式のオペラだと、舞台上で歌う歌手の手前にピットにはいったオーケストラがいます。歌手の声を聴くには、コンサート形式が最高です。そして、今日はサロメを歌ったアスミク・グリゴリアン、ヨカナーンを歌ったトマス・トマソン、ヘロデ王を歌ったミカエル・ヴェイニウス、ヘロディアスを歌ったターニャ・アリアーネ・バウムガルトナーの4人が物凄い声量の歌唱を聴かせてくれて、最高の感動を味わわせてくれました。そうそう、ナラボートを歌った岸浪愛学もミューザ川崎のときと比べて、格段の歌唱を聴かせてくれました。ジョナサン・ノット指揮の東響はやはり、歌手の物凄い歌唱に音響が引っ込んだ感じでしたが、歌唱の合間ではまるで間奏曲のような響きで見事な演奏を聴かせてくれました。やはり、サントリーホールの音響はsarai好みです。

前回も書きましたが、この《サロメ》は音楽を超えた芸術です。その戦慄のドラマは後半に向かって、上り詰めていき、これは愛なのか、狂気なのか、命をかけた迫真の芸術が聴くものの実存に襲い掛かってきます。サロメがヨカナーンの生首に口づけするシーンはおぞましいとも、愛の陶酔とも、愛の不毛とも、すべての感情がないまぜになって、強い衝撃を受けるのみです。R.シュトラウスの芸術的創作力が頂点に達していたからこその一大傑作です。それを完璧に歌い切ったアスミク・グリゴリアンの恐ろしいほどの歌唱は・・・絶句するのみです。これだけは断言できますが、これ以上の歌唱はあり得ません。saraiがこの歳になって、こんな凄い歌手に出会えたのは奇跡ではないかと思うほどです。
サロメが最後に歌う一節、

 Ich habe ihn geküsst, deinen Mund.(私はお前の口にキスしたわよ・・・)

アスミク・グリゴリアンの歌唱の集大成に、深く深く、感動しました。これを歌って、舞台を去るアスミク・グリゴリアンの姿の崇高さたるや表現できないほどのものです。このシーンは決して、忘れることのできない映像となって、saraiの脳裏に焼き付きました。(不意に《薔薇の騎士》の第3幕で元帥夫人が立ち去るシーンを連想しました。)


サントリーホールは賞賛の嵐で包まれました。熱狂の嵐です。その立役者、アスミク・グリゴリアンとジョナサン・ノットが中央に立ち、賞賛を一身に受けます。

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今年最高の音楽を聴き、音楽を聴く幸せを嚙みしめています。

来年のジョナサン・ノットのR.シュトラウス、コンサート形式オペラシリーズは《エレクトラ》。きっと、素晴らしい演奏をきかせてくれることを確信しています。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  演出監修:サー・トーマス・アレン
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  サロメ:アスミク・グリゴリアン
  ヘロディアス:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
  ヘロデ:ミカエル・ヴェイニウス
  ヨカナーン:トマス・トマソン
  ナラボート:岸浪愛学*
  ヘロディアスの小姓:杉山由紀
  兵士1:大川博*
  兵士2:狩野賢一
  ナザレ人1:大川博
  ナザレ人2:岸浪愛学
  カッパドキア人:髙田智士
  ユダヤ人1:升島唯博
  ユダヤ人2:吉田連
  ユダヤ人3:高柳圭
  ユダヤ人4:新津耕平*
  ユダヤ人5:松井永太郎
  奴隷:渡邊仁美


最後に予習について、まとめておきます。もちろん、一昨日と同じです。

 ザルツブルク音楽祭2018ライヴ、R.シュトラウス『サロメ』

  アスミク・グリゴリアン(サロメ/ソプラノ)
  ジョン・ダスザック(ヘロデ王/テノール)
  アンナ・マリア・キウーリ(ヘロディアス/アルト)
  ガボール・ブレッツ(ヨカナーン/バス)
  ユリアン・プレガルディエン(ナラボート/テノール)
  エイヴリー・アムロー(ヘロディアスの小姓/アルト)
  マテウス・シュミットレヒナー(ユダヤ人1/テノール)
  マティアス・フレイ(ユダヤ人2/テノール)
  パトリック・フォーゲル(ユダヤ人3/テノール)
  イェルク・シュナイダー(ユダヤ人4、奴隷/テノール)
  ダヴィッド・シュテッフェンス(ユダヤ人5/バス)
  ティルマン・レンネベック(ナザレ人1/バス)
  パヴェル・トロヤク(ナザレ人2/バリトン)
  ネヴェン・クルニッチ(カッパドキア人/バス)
  ヘニング・フォン・シュールマン(兵士1/バス)
  ダション・バートン(兵士2/バス・バリトン)

  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)

  演出・装置・衣裳・照明:ロメオ・カステルッチ
  振付:シンディ・ヴァン・アッカー

  収録時期:2018年7月28日
  収録場所:ザルツブルク、フェルゼンライトシューレ(ライヴ)
  映像監督:ヘニング・カステン

グリゴリアンがザルツブルク音楽祭でサロメを歌ったBDを聴きました。いやはや、凄いですね! ウィーン国立歌劇場で聴いたカミラ・ニュルンドも凄かったですが、まあ、これは異次元の歌唱ですね。ただし、このBDではウィーン・フィルの艶やかな美しい響きが録り切れていません。あくまでもグリゴリアンの絶唱を聴くものです。



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       ジョナサン・ノット,  

吹割の滝:浮島に架かる二つの吊り橋を渡って、対岸へ

2022年8月26日(金)@吹割の滝/4回目

尾瀬、3日目です。
尾瀬から上毛高原駅へのバス路線の途中にある吹割の滝を訪れています。吹割の滝の凄い景観に圧倒されました。
かき氷休憩の後、滝を上から見下ろす山肌を歩くコースを歩き始めます。
まずは最初に歩いた滝への入口に向かう地下道に入ります。お店屋さんの店先が入口です。

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地下道を抜けます。

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片品川を見下ろす遊歩道に入ります。

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ここから下れば、再び、吹割の滝ですが、下らずに先にある浮島観音堂のほうに向かいます。

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遊歩道の先に川を渡る吊り橋が見えてきます。

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吊り橋は川の中の浮島に通じています。

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浮島橋という吊り橋です。

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吊り橋の上から、片品川の上流を眺めます。長閑な風景です。

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下流のほうは流れが速く、千畳敷の岩が見えています。その先には吹割の滝がありますが、見えませんね。

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川の東側は岩壁がそそり立っています。これも溶結凝灰岩の壁ですね。

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吊り橋を渡り切ると、浮島に入ります。

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浮島の中の遊歩道を進んでいきます。

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また、橋に差し掛かります。

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片品川の対岸に渡る橋、吹割橋です。

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浮島の中には浮島如意輪観世音というお堂があります。遠くから失礼して、お参りさせてもらいます。

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吹割橋を渡ります。

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橋の上から見た片品川の上流です。穏やかです。

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下流の眺めです。千畳敷の手前左に夫婦岩が見えています。大きな岩が二つ並んでいるだけですけどね。

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真下を見下ろすと、岩の川床が見えるほどの清流です。浅瀬を勢いよく水が流れています。

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少し進んで、もう一度上流を見ると、赤い橋が見えています。そちらのほうへも遊歩道が続いているようです。

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対岸の吊り橋を支える大きな柱の前に出ます。

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ここから、山の中腹の遊歩道に向かいます。吹割の滝が見下ろせる筈です。



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吹割の滝:観爆台からの滝の大迫力の眺め

2022年8月26日(金)@吹割の滝/5回目

尾瀬、3日目です。
尾瀬から上毛高原駅へのバス路線の途中にある吹割の滝を訪れています。吹割の滝の凄い景観に圧倒された後、滝を上から見下ろす山肌を歩くコースを歩きます。
浮島に架かる二つの吊り橋を渡って、片品川の対岸に出ます。
で、いきなり、急な登りの階段です。

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この階段は絶好調のsaraiが1分少々で一気に登り切ります。

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第1観爆台まで480mあります。

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遊歩道の歴史が書いてあります。当初は生活道路でしたが、平成になってから、遊歩道として整備したようです。

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緑の中の平坦な道が続いています。楽に歩けそうですね。

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どんどん、快調に歩いていきます。気がかりなのは樹木に遮られて、川を見下ろす眺めが一切ないことです。

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第1観爆台まで200mです。

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一気に歩いて、第1観爆台に到着。

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えっ、吹割の滝が木々に邪魔になって見えない!

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少しずつ動いて、何とか木々の隙間から吹割の滝を眺めることができます。このポイントが唯一のビューポイントです。

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上流の千畳敷のあたりも眺められます。

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吹割の滝をズームアップして眺めます。凄い迫力ですね。

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ここは木が邪魔しています。

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もう一枚、迫力の滝です。

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ここでずい分長く滝を眺めていましたが、saraiが見つけたビューポイントは誰も気づかずに通り過ぎていきました。もちろん、saraiの仲間たちはこのビューポイントからの素晴らしい眺めを楽しみました。



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ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年を飾る、名匠レナード・スラットキンの見事な交響曲第5番の名演 NHK交響楽団@サントリーホール 2022.11.23

レナード・スラットキンの落ち着いた棒の下、ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年を記念した演奏が繰り広げられました。

最初はヴォーン・ウィリアムズの《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》。初めて聴く曲ですが、グリーンスリーヴスによる幻想曲と同様に英国の民謡をもとにした美しい作品です。N響の美しいアンサンブルが冴え渡りました。とりわけ、終盤の弦のソロによるしみじみとした演奏が光りました。

次はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。新鋭のヴァイオリニスト、レイ・チェンの初聴きです。ツボを押さえた演奏でこの有名曲を堪能させてくれました。オーケストラとの息もぴったり。とりわけ、細かいパッセージの演奏が卓抜でした。願わくば、ヴァイオリンの響きがさらに美しく磨き上げられればとも思いました。まあ、余裕の演奏でした。

休憩後、ヴォーン・ウィリアムズの交響曲 第5番。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲の中では最も知られている作品です。第1楽章は独特の響きが妙なる色彩を感じさせてくれます。とても印象的な音楽です。第2楽章のスケルツォを経て、第3楽章は瞑想的な雰囲気で始まり、思わず、はっとさせられます。美しい音楽が進行し、やがて、音楽は高揚していきます。祈りを感じさせるような哀感のある音楽は何かを訴えかけるようです。第2次世界大戦の戦時下の英国で書かれた作品ですが、激しさや緊張感はなく、むしろ、哀悼の音楽に思えます。同時期に書かれたバルトークの限界状況を感じさせる作品やショスタコーヴィチの戦争交響曲というものとは一線を画しています。第4楽章は古典的なパッサカリア。低弦を中心に美しい旋律が歌われます。最後は静謐に曲を閉じます。後半の2つの楽章の演奏が見事でした。ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年にこの作曲家の存在感を訴えるようなレナード・スラットキン、渾身の名演に感銘を覚えました。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

 ヴォーン・ウィリアムズ生誕150年

  指揮 : レナード・スラットキン
  ヴァイオリン : レイ・チェン
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:伊藤亮太郎

  ヴォーン・ウィリアムズ:「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント
  メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
   《アンコール》パガニーニ:『24の奇想曲』から第21曲イ長調

   《休憩》

  ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲 第5番 ニ長調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヴォーン・ウィリアムズの《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》を予習したCDは以下です。

  アンドルー・マンゼ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 2019年6月2,4日 リヴァプール、The Friary セッション録音

美しい演奏です。


2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  アンネ=ゾフィー・ムター、クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2008年3月 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス ライヴ録音

ムター独自の境地のメンデルスゾーンです。最後には納得してしまう美しい演奏です。


3曲目のヴォーン・ウィリアムズの交響曲 第5番を予習したCDは以下です。

  ジョン・バルビローリ 指揮フィルハーモニア管弦楽団 1962年5月8-9日 ロンドン、キングズウェイホール セッション録音

バルビローリ、さすがの演奏です。



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吹割の滝の周遊コースを歩き終えて、旅も終了

2022年8月26日(金)@吹割の滝/6回目

尾瀬、3日目です。
尾瀬から上毛高原駅へのバス路線の途中にある吹割の滝を訪れています。吹割の滝の凄い景観に圧倒された後、滝を上から見下ろす山肌を歩くコースを歩いています。
第1観爆台でビューポイントを見つけて、吹割の滝の迫力ある風景を眺めることができました。
さらに山肌の道を進みます。傍らにアジサイが見えます。タマアジサイ(玉紫陽花)ですね。

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第3観瀑台から吹割の滝を見下ろします。あまり、見えませんね。

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山道を進むと、最後に急な下りの階段があります。下るのさえ大変です。もし、逆のルートを来ていれば、地獄の登り階段になった筈です。これが売店のお姉さんのアドバイスだったんですね。アドバイスに従って、大正解でした。
最後の最後に少しだけ、上りの階段がありますが、これくらいは何てことはありません。

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階段を上がると、真っ赤な神社があります。十二山神社です。やたらに神社が多いですね。この神社は山神様を祭った神社です。12という数字は豊穣を表すものだそうです。

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国道120号線の前に出てきました。

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国道を歩いて、さきほどかき氷を食べたお店のほうに向かいます。

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片品川を渡っていると、激しい急流が見えます。吹割の滝から流れ出てきた水の流れです。

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ここにもちょっとした滝があります。激しい水しぶきがあがっています。

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素敵な散歩道でした。最後に見えた滝もなかなか素晴らしかった。

ちょっと遅めのお昼にしましょう。小奇麗なお蕎麦屋さんに入ります。

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お蕎麦と夏野菜の天ぷらを美味しくいただきます。

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売店で、新鮮な野菜や果物をお土産に買って、バスに乗り込みます。皆、ウツラウツラするうちに、上毛高原駅に到着。予定の新幹線の電車より1つ前の電車の発車まで10分。当初予定の電車までは、1時間30分あります。乗れるものなら、一つ前の電車に乗りましょう。駅の窓口に駆け込むと、駅員さんは、慌てることなく、さっとチケットをチェンジしてくれます。余裕で新幹線ホームに出ます。

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すぐにたにがわ412号がやってきます。

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流線形の車体がホームに滑り込んできます。

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無事に、新幹線の車内に乗り込みます。もちろんグリーン車。車内はがらがらです。

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足を上げて、寛ぐうちに、東京駅に到着。ホームで仲間とは解散です。
東京駅に降り立ち、あまりの暑さに眩暈がします。やはり、高原の尾瀬は涼しかったんですね。
東京駅構内で夕食のお寿司を買って、自宅へ帰ります。お風呂に入り、汗を流して、体重計に乗ると、何と2キロも増加。いっぱい歩き、スリムになったかと期待したのに、健康な3日間で太った!
ともあれ、初めて尾瀬の自然を満喫して、満足感いっぱいです。

それにしても、よくぞ、saraiの痛む足が持ちました。実は出かける前日の夜、サントリーホールを出ようとすると足が痛くて、1歩1歩が激痛で崩れ落ちそうになっていたんです。
旅の間中、鎮痛薬(ロキソニン)を飲みながらの歩行でした。鎮痛薬のせいか、3日間、足はほとんど痛みませんでした。奇跡的でした。奇跡と言えば、前日まで雨続きだった尾瀬の天候がこの3日間、好転したのも僥倖でした。

これにて、尾瀬散策の記事は終了です。



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京都特別拝観の旅をスタート

2022年11月8日(火)@横浜~京都

京都特別拝観の旅の詳細なレポートを開始します。

今日から秋の京都を訪れます。もう京都訪問はsarai夫婦の毎年の行事になっています。今日はsaraiが長年続けてきた地域コミュニティ活動のPC相談の実施日。その活動を終えた後、急いで、夜の新幹線に乗ります。
夕食はもちろん、汽車弁。京都に着くのは遅くになりますからね。saraiは米沢牛、配偶者は貝尽くしのお弁当を選びます。

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電車が新横浜を出ると同時にお弁当を開いて、食べ始めます。なかなか、美味しいですよ。

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お弁当を食べ終わると、もう始まっている筈の皆既月食が気になります。疾走する新幹線の車窓からは月を撮影するのはなかなか難しいです。何とか、欠け始めた月をカメラに捉えます。

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京都駅に到着して、駅前で空を見上げると、赤銅色の皆既月食中の月が見えます。タクシーに乗る前に急いで写真を撮りますが、残念ながら、ピンボケ写真しか撮れませんでした。まあ、今日は日本中のカメラマンが素晴らしい写真を撮ったでしょうから、それを眺めてくださいね。

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駅前からタクシーに乗って、烏丸四条近くの町家ホテルに投宿。驚くことにレセプションで待つ二人の女性スタッフのうち一人は外国人。チェックインしていると、後からやってくる泊り客はすべて外国人。まわりで英語が飛び交います。入国規制が緩和された途端にあっという間に海外からの観光客が戻ってきたのですね。その中心はやはり京都のようです。saraiたちは半年前からこの旅を予定し、この町屋ホテルを予約していました。これまでの京都は観光客が少なく、閑散としていましたが、また、観光客でごったがえす町になったのかなと複雑な思いです。
この町家ホテルは10階建ての超近代的なホテル。昔は道具屋さんだったようですが、建て替えて、外国人にも対応できるように日本的でもあり、国際的でもあるホテルになったようです。今日から充実した4泊を楽しめそうです。
チャックイン後、部屋に入ると、とても綺麗な部屋でルンルン気分になります。これが第1ベッドルーム。ぐっすり眠れそうです。

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おおっ、これは何だ? どうやら、壁面テレビです。ちょっとリモコンで操作すると、テレビサーバーに接続できて、テレビが壁面に映ります。電器マニアのsaraiも初体験で仕組みがよく分かりません。

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後で配偶者に指摘されましたが、天井灯の中にプロジェクターが巧みに仕込んであります。本体もそのあたりにあるようです。ともあれ、初体験のTVシステムです。
これがダイニングとリヴィングです。リヴィングの壁が壁面テレビです。

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コンパクトながら、ちゃんとキッチンもあります。基本は自炊スタイルです。一通りのものは揃っており、さらにレセプション前に無料レンタルの食器類も揃っています。調理器具も無料レンタルできるという至れり尽くせりです。

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これは第2ベッドルーム。今回は二人だけの宿泊なので、使いません。もったいない・・・。

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明日からは京都の秋の旅を本格的に開始します。今回の目玉は予約しないと行けない名刹巡りです。まずは桂離宮です。



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ジョナサン・ノットの知的なアプローチのシューマン、ベートーヴェン 文句なし! 東京交響楽団@サントリーホール 2022.11.26

今月、ジョナサン・ノット&東響はあの素晴らしかった《サロメ》に続いて、今度はサントリーホールでの定期演奏会。R.シュトラウスの《サロメ》とは趣きを変えて、シューマンとベートーヴェンを聴かせてくれます。このコンビでのベートーヴェンの交響曲は今回の第2番で全9曲を演奏し終えたそうです。saraiは4,5,6,8を聴き逃がしました。第7番はティーレマン&ウィーン・フィルをも超える最高の名演でした。そのほかのベートーヴェンの交響曲もいずれも素晴らしい演奏でした。来月はまた、第9番を聴きます。

最初はシューマンの「マンフレッド」序曲。シューマンがバイロンの詩劇《マンフレッド》にインスピレーションを得て書き上げた作品。文学にも精通していた芸術家シューマンの真髄をジョナサン・ノットが見事にスコアを読み切った上で素晴らしい音楽を聴かせてくれました。いつものような精密なアンサンブル重視ではなく、知的なアプローチでシューマンの世界を表現してくれました。音楽のどの部分も詩的な雰囲気が漂い、ノットとシューマンの魂が融合したような素晴らしいものでした。もう、うっとりとして、得も言われぬようなロマンの上質な音空間に浸るのみでした。やっぱり、シューマンは素晴らしい! 納得の演奏でした。

次はシューマンのヴァイオリン協奏曲。この作品がオリジナルな形で演奏されるようになったのは1980年代になってからだそうで、シューマンの新作のような作品です。saraiも聴き始めたのは最近のことです。手つかずの新鮮さがあります。今後は演奏機会がどんどん増えてきそうです。ヴァイオリンのアンティエ・ヴァイトハースは手堅い演奏を聴かせてくれました。第2楽章の抒情的な音楽、そして、第3楽章のポロネーズの舞曲的な音楽が素晴らしく心に響いてきました。

休憩をはさんで、後半はベートーヴェンの交響曲第2番。もしかしたら、ベートーヴェンの交響曲の中で一番聴いていない作品かもしれません。少なくとも、ここ15年くらいで実演で聴いたのはティーレマン指揮のウィーン・フィルのベートーヴェン交響曲チクリスで1回聴いただけです。フルトヴェングラーの録音でもひとつしか演奏が残っていないという扱いの作品でもあります。
今日の演奏はどうだったか・・・最高でした。古典的なフォルムがしっかりと表現されて、堂々とした押し出しの威厳のある音楽が響き渡りました。第1楽章の序奏から素晴らしいハーモニーが響いてきます。そして、颯爽とした主部が演奏されます。ジョナサン・ノットの指揮は自在なもので活き活きとした音楽を奏でていきます。第2楽章は何とも美しい! 魅惑に満ちた音楽に聴き惚れているだけです。第3楽章は一転して、小気味よいリズムに乗ったスケルツォ。東響のアンサンブルがピタッと決まります。第4楽章は印象的な第1主題の提示の後、音楽は劇的に展開していき、最後は高潮して、感動のフィナーレ。やはり、ジョナサン・ノットのベートーヴェンは聴き応えのある素晴らしい演奏でした。このまま、第3番「英雄」を聴きたくなります。随所に「英雄」を予感させるような音楽が潜んでいました。

来シーズンはベートーヴェンの交響曲は年末の第9番は別にして、第6番《田園》を聴かせてくれるようです。みしろ、第5番《運命》を聴かせてほしかったところです。

いずれにせよ、今日もジョナサン・ノットは素晴らしい演奏を聴かせてくれました。来月は第9番で締めてもらいましょう。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ヴァイオリン:アンティエ・ヴァイトハース
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  シューマン:「マンフレッド」序曲
  シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
  《アンコール》J. S. バッハ:パルティータ第2番よりサラバンド

  《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲 第2番 ニ長調 Op.36


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューマンの「マンフレッド」序曲を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1959年1月21日 セヴェランス・ホール、クリーヴランド セッション録音

いやはや、なんとも正確無比な演奏です。


2曲目のシューマンのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  ギドン・クレーメル、ニコラウス・アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1994年7月 オーストリア、グラーツ、シュテファニエンザール ライヴ録音
 
クレーメルの集中力のある見事な演奏です。


3曲目のベートーヴェンの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1964年 セヴェランス・ホール、クリーヴランド セッション録音

実に引き締まった演奏で音楽を堪能させてくれます。。



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       ジョナサン・ノット,  

岡本誠司、実に美しいヴァイオリンの響きのモーツァルト「トルコ風」と驚きのトルコ行進曲 ネトピルは圧巻のドヴォルザーク「新世界から」 読売日本交響楽団@東京芸術劇場 2022.11.27

今日はとっても充実したコンサートに満足のため息。いい音楽を聴けるのは何よりの人生の楽しみの極みです。

最初のマルティヌー(ヴォストルシャーク編)の歌劇 「ジュリエッタ」 組曲はマルティヌーらしいモダンで不思議な音響が響き渡りますが、読響のいつもは素晴らしい音響が今日は不発に終わります。ネトピルはお国もののマルティヌーの筈で得意のオペラものですが、マルティヌーはチェコ人というよりもインターナショナルな無国籍人とも言えますから、お国ものとは言えないかもしれません。同じチェコ出身のフルシャは都響時代に見事なマルティヌーを聴かせてくれていたので、ネトピルにも期待していましたが、まあ、作品自体がレアもの過ぎたのかもしれません。それでも、第3曲の後半からは弦楽合奏やチェロ独奏など、聴き映えのするところはあったんです。音楽自体はマルティヌーのモダンな音響が謎めいたストーリーのオペラにぴったりで、ミステリアスな不条理な作品に仕上がっています。そのうちにこのオペラ自体も再評価されて、メジャーなオペラとして上演される時代もくるような予感がします。

次はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」。一転して、超有名曲です。昨年、ミュンヘンのコンクールで優勝したヴァイオリンの岡本誠司の登場です。第1楽章はまず、オーケストラの演奏が続きます。久しぶりに日下紗矢子がコンミスで、見栄えも音楽も素晴らしいです。彼女がコンミスを務めると読響のアンサンブルが一段階上がったように聴こえます。というよりも彼女のヴァイオリンの響きが際立って聴こえてくるように思えます。耳の錯覚?
そして、満を持して、岡本誠司の独奏ヴァイオリンがちょっと長いパウゼの後、入ってきます。ううっ、何と美しい響きでしょう。呆然と彼の美しいヴァイオリンの音色に聴き入ります。最近の日本人の若手ヴァイオリニストでは、辻彩奈と金川真弓が大の注目株ですが、彼もそれに割って入りそうな傑物のように感じます。まだ、第1楽章をちょっと聴いただけでそう感じてしまいます。もう、第1楽章は彼の演奏に魅了されてしまいます。美しい響きだけでなく、ギャラントな音楽表現も素晴らしいです。第2楽章の抒情的な演奏も美しい響きで飾られて、モーツァルトの天国的な音楽に昇華していきます。圧巻だったのは第3楽章。中間部の有名なトルコ風の音楽に心が高揚します。読響の弦楽アンサンブルも素晴らしい響きで、岡本誠司の独奏ヴァイオリンも一緒にトルコ風のメロディーを合奏します。この曲は独奏ヴァイオリンもここを一緒に演奏するんだっけ?と唖然とします。
実に楽しく、心が高揚して、素晴らしい演奏に聴き入りました。カデンツァは聴きなれないものでしたが、どの楽章も素晴らしい演奏でした。どうやら、これらのカデンツァは岡本誠司の自作のようです。いやはや、音楽的才能に優れていますね。アンコール曲は驚くべきことにピアノ・ソナタのトルコ行進曲のヴァイオリン編曲版です。超絶的に見事な演奏に驚嘆しました。もちろん、今日の演奏曲が「トルコ風」だったので、それに合わせたサプライズ演奏です。これも彼の編曲のようです。凄いね!
実は岡本誠司の演奏を聴くのは2回目。今年のフェスタサマーミューザKAWASAKI2022 閉幕コンサートでコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を聴いていました。その時も好印象ではありましたが、彼はコルンゴルトを演奏するのは初めてだったようで、まだ、こなしきれていない演奏でした。で、ちゃんと評価できていませんでした。お恥ずかしい・・・まあ、saraiの耳もその程度の感度だということですね。今後は辻彩奈と金川真弓と同様に注目していきましょう。来月、トッパンホールでシューマンとブラームスのヴァイオリン・ソナタを演奏するようなので、早速、駆けつけようと思いましたが、残念ながら、その日はルイージがN響を振り、河村尚子がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾くので、無理と分かり、がっくり。次の機会を待ちましょう。


後半のドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」はトマーシュ・ネトピルと読響の圧巻の演奏。期待通りの内容でした。ネトピルはマルティヌーのときと違って、暗譜で渾身の指揮。読響もその指揮に応えます。第1楽章、郷愁に満ちた序奏の後、主部が始まると、見事なアンサンブルで強奏がピタッと決まります。うーん、素晴らしい! 激しい勢いの音楽と郷愁に満ちた音楽が交錯しながら、楽興を盛り上げます。何故か、勢いに満ちた音楽のほうが素晴らしい出来です。第2楽章のラルゴは有名な旋律(家路)がイングリッシュホルンで奏でられます。もちろん、演奏するのは北村貴子さん。アランフェス協奏曲や幻想交響曲などでこの北村さんの名演奏はたっぷりと聴かせてもらっています。終盤はこの旋律が弦楽パートの前列8人で弦楽8重奏で奏でられます。そして、さらに絞られて、コンミスの日下紗矢子のヴァイオリン、対向位置にいる鈴木康浩のヴィオラ、遠藤真理のチェロになります。読響の飛びっきりの名人3人ですね。文句なしの演奏です。第3楽章は活発なスケルツォ。これも素晴らしいアンサンブルです。そして、第4楽章のアレグロ・コン・フオーコ。金管が見事に響きながら、有名な勇壮な旋律が奏でられます。鉄道の機関車を模したとも言われますが、何か雰囲気が違うというのがsaraiの意見です。第2主題に移る前に、これまた有名なシンバルの一打があった筈ですが、聴き洩らしました。まさか、打ち損じたわけではないですよね(笑い)。全曲中、シンバルはこの一打だけなので、色んな笑い話がありますが、そんなことはどうでもよく、第2主題はクラリネット、フルート、そして、弦楽が代わる代わる演奏し、第1主題とは一転した静かな雰囲気を漂わせます。この楽章は金管(ホルン、トランペット)の素晴らしい響きと弦楽合奏のがっがっという激しい響きが耳に心地よく、そして、第1主題が激烈な再現で音楽は高潮します。素晴らしい演奏です。saraiは気持ちが高揚し、爆発しそうな気分です。そして、圧倒的なコーダ。最後に管楽器だけがフェルマータし、ディミヌエンド。今日のフェルマータは短かかったですが、静謐に名残をもたらして、音楽を閉じます。超有名曲ですが、今日の演奏は素晴らしかった。さすが、ネトピルです。saraiが次期のチェコ・フィルの音楽監督の候補はこのネトピルか、フルシャ、あるいは大穴の若手の指揮者ペトル・ポペルカと思っています。いつか、ネトピル指揮のチェコ・フィルを聴いてみたいという願望があります。

とても満足できるコンサートでした。岡本誠司というお気に入りのヴァイオリニストを発見し、ネトピルのドヴォルザークの名演が聴けましたからね。ネトピルはもう一度、5日後に聴く予定です。ヤナーチェクが楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:トマーシュ・ネトピル
  ヴァイオリン:岡本誠司
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートミストレス:日下紗矢子(ダブルコンマス、長原幸太)

  マルティヌー(ヴォストルシャーク編):歌劇 「ジュリエッタ」 組曲
  モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K. 219 「トルコ風」
   《アンコール》モーツァルト:トルコ行進曲(岡本誠司編)

   《休憩》

  ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界から」



最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマルティヌー(ヴォストルシャーク編)の歌劇 「ジュリエッタ」 組曲は以下のCDを聴きました。

  ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1983年11月16日 セッション録音

マルティヌーのモダンな音響を見事に演奏しています。


2曲目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」は以下のCDを聴きました。

 アルテュール・グリュミオー、サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団 1961年11月27-29日、ロンドン、ウォーザンストウ・アッセンブリーホール セッション録音
 
モーツァルトを十八番にしていたグリュミオーがモノラルの全集録音の10年後にステレオ録音の全集を再録音したものです。ギャラント風な魅力にあふれた演奏にうっとりとします。


3曲目のドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」は以下のCDを聴きました。

 カレル・アンチェル指揮チェコ・フィル 1961年12月6日、プラハ、芸術家の家(ルドルフィヌム) セッション録音
 
これはアンチェルが亡命前にチェコ・フィルと演奏した素晴らしい演奏です。今でも、これを超える演奏はなさそうです。




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桂離宮:阪急とバスを乗り継いで、桂離宮の受付に到着

2022年11月9日(水)@京都/1回目

京都、2日目です。
秋の京都は今、絶好の天気。穏やかで快晴の続くパターンに入り、好天続きの旅になりそうです。いつもながら、配偶者の晴れ女ぶりは無敵です。
というわけで、真っ青に晴れ上がった朝です。障子を開けると、目の前にお寺!京都にいることをいやがおうにも感じてしまいます。このお寺は因幡薬師さんという名前で親しまれている平等寺さんです。

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今回は京都の町の中心に位置する超最新の町家ホテルに滞在中。どこに行くにも交通至便です。部屋の窓からは、烏丸通りが見えています。四条通りまで歩いて5分ほどの距離です。

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今回は、予約必須の特別拝観の名刹を訪ねる旅で、今日も桂離宮を予約しています。ということは、予約時間に遅れることなく出かけなければいけません。が、ホテルが滅茶苦茶、便のよいところにあるので、助かります。
まずは、昨夜、ホテルから数分のセブンイレブン仕入れた朝食を頂きます。

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壁面テレビを横目に見ながら、チャッチャと美味しくいただき、出かけます。

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ホテルのカウンターで、バスの一日乗車券を購入。何かと便利なホテルです。ホテルを出るとすぐ烏丸通り。通りから、ホテルの前の路地を振り返ります。因幡薬師さんも見えています。

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烏丸通りを四条に向かって歩いていきます。

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ホテルから数分で、阪急電車の最寄り駅に到着。

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この辺りは地下鉄路線です。SUICAが使えるので切符を買う必要もありません。便利になったものですね。特急に乗って、たった6分で桂駅に到着。さっと改札を抜けます。

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駅前のバス乗り場に向かいます。

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桂離宮へのバス乗り場に到着。バスを待っているのは地元の方たちばかりですね。

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すぐやってきたバスに乗り、順調に、桂離宮前のバス停に到着。

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バスから降りると、目の前に、左に行くようにとの矢印が目に入ります。スマホのマップでは、右に進むようになっているのですが・・・案内には逆らえないので、左に進みます。

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案内板は次々にあるので、間違ってはいないようです。が、15分もかかるようです(マップでは6分)。

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既に畑の前の塀の中は桂離宮のようです。

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道の傍らの草原にハクセキレイがいますね。

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桂離宮への案内板があります。ちょっと迂回するようです。

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住宅地の中を進みます。

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下桂御霊神社の前を過ぎます。

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長閑な村の中を進むと、桂離宮の大駐車場に到着。なんだか、桂離宮の周りをぐるっと一周したような感じです。離宮前の広い樹林の中に入ります。気が引き締まります。

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向こうに、当日受付や待合のベンチなどが見えています。すでに、何人か待っています。
皆さんに倣って、ベンチで一服しながら待ちます。入口がそこに見えています。

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参観許可通知書を出して、確認します。これがないと入れてもらえません。11時の参観です。

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いよいよ、桂離宮に入場のスタンバイです。ホテルを出て、たったの45分です。



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復活のマリア・ジョアン・ピリス、純粋無垢のシューベルトを弾く@サントリーホール 2022.11.29

今日のサントリーホールは4年前に引退した筈のマリア・ジョアン・ピリスの復活コンサートを聴こうとするファンが押しかけて、ほぼ満席。ずい分、人気がありますね。かくゆうsaraiもその一人です。

引退の経緯、復活の経緯なんていう下世話なことはどうでもよく、久し振りに聴くピリスの演奏に集中しましょう。

まずはピアノ・ソナタ第13番。ピリスが軽く弾き出した第1楽章の第1主題のあまりの美しさにうっとりします。いやはや、全曲、素晴らしい演奏でした。とても御年78歳とは思えぬ演奏。むしろ、熟達した名人の域でしょうか。しかし、そのピアノの響きはピュアーで彼女が若い頃と同様のものですし、音楽表現も瑞々しいものです。8年ほど前に聴いたシューベルトと同様の演奏で、彼女は一貫して、率直で偽りのない純粋な心の演奏を聴かせてくれます。そのひたむきさがピアノの音と演奏に込められていて、音楽を超えて、心のコミュニケートを感じます。

次はドビュッシーの名曲、ベルガマスク組曲です。ますます、ピリスのピュアーな音の響きが冴え渡ります。それが頂点に達したのが第3曲の《月の光》です。そこには純粋無垢な魂の発露があります。第4曲の「パスピエ」もきびきびした美しい舞曲が表現されます。かつて、モーツァルト弾きだったピリスのピュアーな音楽表現の延長がこのドビュッシーの音楽にあります。

休憩後、今日最大の期待を持っていたシューベルトの遺作ソナタ、第21番 変ロ長調です。先ほどまでは椅子に座るなり弾き始めたピリスもしばし、鍵盤の前で沈黙。saraiも今までにない緊張感を持ちます。そして、あの耳について離れない素晴らしいメロディー、タラララララーン、タラランランランラナラーが奏でられます。優しくて、心の襞をなでられるような演奏です。その後のトリル、雷鳴もおどろおどろしくはなく、優しさを秘めています。これを皮切りに長大な第1楽章が弾かれていきます。ピリスがピアノの鍵盤を通して、訴えてくるのは何か不思議なものです。これは音楽というよりも、心の表現、彼女の人生のすべてを伝えてきているように感じます。でも、そもそも、音楽と言うのはそういうものかもしれません。美しいとか、そういうことではなくて、魂の内部をさらけ出して、聴くものと魂の交流を図るものです。ピリスの演奏は内省的と言われますが、その意味はそういうことではないでしょうか。長大な第1楽章は一音も聴き逃がさないような緊張感と集中力で魂のコミュニケートができたような感じます。演奏も素晴らしいですが、シューベルトの音楽の崇高さにも感銘を覚えます。これも西洋音楽の到達点の一つでしょう。第2楽章も永遠の憧れに満ちた素晴らしい音楽です。ピリスの繊細過ぎるガラスのように壊れやすい神経の演奏はまるで彼女の少女時代のような透明感に包まれています。高齢になって、体は老いを迎えても、心はむしろ、若返っていくようです。ここまで多分、30分を超える演奏。saraiの緊張感はもう持ちません。第3楽章、第4楽章の演奏はsaraiの色んな夢想の上をすっと通り過ぎていきます。素晴らしい演奏でした。8年前にもピリスのこの曲の演奏を聴きましたが、もちろん、基本的には同じようなピリスの音楽世界です。が、そのけがれを知らない純粋無垢な音楽表現は天上の世界の音楽に近づいてきているようです。80歳を超えたピリスはどのような境地でこの音楽を演奏するのでしょう。もし、許されるのなら、もう一度、聴いてみたい・・・


今日のプログラムは以下です。

 ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

 シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 Op. 120, D. 664
 ドビュッシー:ベルガマスク組曲

   《休憩》

 シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D. 960

   《アンコール》

    ドビュッシー:2つのアラベスク第1番 ホ長調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューベルトのピアノ・ソナタ第13番は以下のCDを聴きました。

 マリア・ジョアン・ピリス 2004年5月 ポルトガル、カシアス セッション録音

郷愁に満ちた美しい演奏です。


2曲目のドビュッシーのベルガマスク組曲は以下のCDを聴きました。

 ニコライ・ルガンスキー 2018年7月 ドッビアーコ(イタリア) セッション録音
 
ルガンスキーの恐るべき極美の演奏です。《月の光》の煌めくような美しさは驚異的です。


3曲目のシューベルトのピアノ・ソナタ第21番は以下のCDを聴きました。

 マリア・ジョアン・ピリス 2011年7月 ハンブルク=ハールブルク セッション録音

味わいのある素晴らしい演奏です。



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       ピリス,  

桂離宮:美しいお庭を巡るガイドツアーの始まり

2022年11月9日(水)@京都/2回目

京都、2日目です。
11時予約の桂離宮の受付に25分前にスタンバイしました。
時間通りに案内があり、受付開始です。予約票を示し、身分証明書を提示し、料金を支払って、待合所に入ります。なかなかかたぐるしい雰囲気です。番号順にいくつかのグループに分けられます。我々は最初の11名のグループです。番号札を首から下げ、11名グループで、案内ガイドと最後を歩く人に挟まれてお庭に入ります。さすが宮内庁!という感じです。

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お庭への戸をくぐって、お庭の中に入っていきます。

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一瞬で、引き締まった空気が流れ、全く乱れがない雰囲気のお庭に、感動します。参加者の間にも感嘆のおおっという声が出ます。池の周りに美しい風景が広がっています。これまでの人生の中で一度も見たことのない美しい風景です。

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しかし、これは予告編みたいなものだったようで、一瞬垣間見た池の周りの美しい風景はさっと通り過ぎて、紅葉の美しい道を進んでいきます。この道は御幸道と名付けられています。

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御幸道の両側は、青空の下に紅葉が美しく映えています。

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少し進むと、御幸門の前に出ます。

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ここは格式の高い方しか通れない表門を入り進んだ位置にあります。本来は表門からガイドツアーが始まるところですが、それは一般人には許されないようです。この御幸門がガイドツアーの出発点になります。
茅葺切妻の屋根に「あべまき」という木の皮をかぶせた丸太の柱の趣のある質素ながらも上品な門が御幸門です。ここからガイドツアーが始まります。

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本当にあたりは美しく紅葉しています。

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御幸門から表門に至る道の周辺は美しい竹林になっています。

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御幸門から表門を眺めます。美しく掃き清められた道の先に表門がありますが、そこへは近づくことも許されないようです。

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再び、御幸門をくぐって、先ほど歩いてきた御幸道を戻ります。いったん、出発地点の御幸門に来るために歩いてきた道ですが、その道がガイドツアーのルートだったんですね。

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すぐに御幸道を曲がって、お庭を巡るルートに進んでいきます。すると、お庭の樹木に藁を巻きつけている作業の現場を見ることができました。

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1年に一回の作業の日にあたっていたようです。九州の薩摩島津家から献上された木だそうで、寒さに弱いために冬に向かって、藁を巻いているそうです。この木は蘇鉄のようですね。

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この作業の様子を見ながら、ガイドの説明を聞いている場所は外腰掛という簡素な建物の中です。

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これがその外腰掛の建物です。茅葺寄棟造りの深々とした感じの屋根を皮付き丸太の柱で支えるだけの吹き放しの建物です。お茶室松琴亭に向かう前にここで待ち合わせる場所です。ここからはあえて、まだ、お庭の風景が見えないように演出されているとのことです。日本文化の奥深さです。ですから、我々もまだ、本当のお庭の風景が見えていないんです。

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そして、この外腰掛を離れるとすぐにお庭の絶景が見えてきます。先ほども一瞬、この池の周りの風景を垣間見ましたが、ガイドツアーとしては、ここで初めて、美しいお庭の風景に出会う演出だったんです。

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何とも美しいお庭の風景です。これから、桂離宮に広がる日本の美を堪能するツアーが本格的に始まります。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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