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ティーレマンが豊かな響きのシュターツカペレ・ベルリンで圧巻のブルックナーの交響曲第7番を凄演@東京オペラシティコンサートホール 2022.12.6

バレンボイムが降板して、ティーレマンがシュターツカペレ・ベルリンを振るというので、少し悩んで、売れ残りのチケットを購入。しかし、これは聴かねば、一生の悔いを残すような凄いブルックナーでした。

前半はワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死。これは2012年のシュターツカペレ・ドレスデンの来日公演でも聴き、そして、2018年にはバイロイト音楽祭に遠征して、全曲を聴きました。それはsaraiの最高の音楽体験の一つになりました。で、今日の演奏はシュターツカペレ・ベルリンがどんな演奏をするのかと固唾を飲んで、聴き始めましたが、さすがにティーレマン。このオーケストラを自在にドライブして、愛と陶酔の音楽で酔わせてくれました。見事な演奏であっという間に時間が経ち、イゾルデの愛の死で高潮して、音楽を静かに閉じます。シュターツカペレ・ベルリンのアンサンブルも素晴らしいです。特に低弦の深い響きは古きドイツの伝統を感じさせる重心の低い演奏を聴かせてくれます。

後半は満を持して、ブルックナーの交響曲第7番。ティーレマンが振ると、シュターツカペレ・ベルリンが世界最高のオーケストラの響きを聴かせてくれます。低弦の深い響きの上に高弦の透明な響き。木管も美しく、金管の迫力も最高です。これでブルックナーの全曲チクルスを聴けば、死んでもいいと思うほどです。
ブルックナーの交響曲第7番はブルックナー開始といわれる弦のさざ波のなか、低弦の美しい旋律がたっぷりと歌われます。弦のユニゾンが多く、シュターツカペレ・ベルリンの弦の響きに耳を奪われます。低弦は深い精神性を感じさせます。美しくきらめく高音弦は清らかでピュアーな精神を感じさせます。実に精神性に満ちた音楽が展開されます。これがブルックナーです。チェリビダッケではありませんが、ブルックナーは美しく、それもとびっきり美しく演奏されなければなりません。それがここに実現されており、saraiは充足感に浸っています。この美しい世界が延々と続きます。いつまでたっても第1楽章は続いていきます。これもブルックナーの世界です。ただ、退屈することはありません。真正のブルックナーの音楽の深い精神に包み込まれているんですからね。それでも頂点を極めて、第1楽章は終了しました。
次は一番の楽しみである第2楽章です。管楽器で主題が提示された後、弦楽器が極上の演奏を繰り広げます。美の極致がまさに永遠に続きます。やがて、後半にはいり、第1ヴァイオリンの上昇音型が始まります。例えようもなく、美しいです。この部分を美しく表現できるのはヨッフムとチェリビダッケしかいませんでした。そして、ティーレマンはそれを凌駕するかのような演奏です。上昇音型が頂点に達し、下降音型に変わります。そして、音楽はさらなる高みを目指し、高揚していきます。その頂点でシンバルの一撃! あれっ、これはハース版の筈ですが、ここだけはノヴァーク版を採用していますね。最後は静かに消えるように第2楽章が終わります。通常の交響曲ならば、もう、このあたりで終わってもいいくらい。第3楽章はまさにティーレマンが豪腕で剛速球を投げ込んできます。力んでいるわけではないのに、高揚した音楽でインスパイアーされます。一転、中間部はまた静かな瞑想的な音楽となります。豪腕ですが、しなやかな感性も併せ持ち、流麗な音楽を展開してくれます。また、最初の部分に戻って、豪壮に第3楽章を閉じます。第4楽章が始まります。中庸のテンポで荘重な音楽を進めていきます。他の指揮者の多くはここは切れのよい演奏で早いテンポで進めていくところですが、ティーレマンは個性が違います。十分に美しい流麗な響きを醸し出していきます。実に聴き応えがあります。何度も頂点を上り詰め、圧倒的なフィナーレ。完璧なブルックナーでした。何も言うことはありません。こんなリッチで美しい響きのブルックナーを聴いたことはありません。ウィーン・フィルをも凌駕する勢いです。

やんやの喝采で指揮者コールは2回でした。次はサントリーホールに場所を変えて、ブラームスの交響曲です。saraiは1日目のチケットは入手できず、2日目の第3番と第4番を聴きます。大いに期待できそうです。3年ぶりに聴くティーレマンはやはり破格の音楽を聴かせてくれます。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:ベルリン国立歌劇場管弦楽団≪シュターツカペレ・ベルリン≫

  ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死

  《休憩》

  ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB 107(ハース版、ただし、シンバル付き)



最後に予習について、まとめておきます。

ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死を予習したCDは以下です。

  クリスティアン・ティーレマン指揮フィラデルフィア管弦楽団 1997年4月 ニュージャージー セッション録音

ティーレマンの初期の録音ですが、むせるような官能の音楽を聴かせてくれます。


ブルックナーの交響曲第7番を予習したブルーレイディスクは以下です。

  クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン 2012年9月1日 ゼンパーオーパー、ドレスデン ライヴ録画

ティーレマンのシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者就任記念コンサートの録画で素晴らしい演奏を聴かせてくれます。この直後、来日公演でも素晴らしい演奏を実感しました。



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テーマ : クラシック
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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
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