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saraiの元旦

明けましておめでとうございます。

元旦の朝もsaraiはいつものように朝寝坊。起きてみると、配偶者はすっかり、食卓に元旦のお節料理をセットして待っています。大晦日のジルヴェスターコンサートを一緒に聴いた娘夫婦は、sarai宅で大晦日ディナーを一緒に食べて、そのまま、sarai宅に泊まり、もちろん、既に起きて、saraiの起床を待っています。

早速、娘夫婦が持ってきてくれたシャンパンを抜いて、乾杯!

さあ、配偶者が30年以上、手作りしてくれているお節料理をいただきましょう。

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これがお重に詰めたお節料理。基本はずっと変わりませんが、年々、ちょっとずつ工夫されています。毎年、娘が味の品評役です。今年はおおむね高評価でした。

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我が家では、saraiの実家の伝統を引き継ぎ、必ず、お刺身が付きます。今年は5品。マルタ産のマグロの中トロ、伊根のマグロの赤身、ぶりの腹と背、紋甲イカです。静岡の田丸屋のわさび漬けも定番です。

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これが今年のシャンパン。ルイ・ロデレール コレクション 242 [マグナムボトル] です。2022年11月に発表されたシャンパーニュ&スパークリングワイン世界選手権2022にて、見事ワールドチャンピオンを受賞し、イギリスの専門誌ドリンクス・インターナショナルの「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2022」にて、3年連続の第1位に輝いた逸品です。さすがに美味しいです。

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美味しいシャンパンを飲みながら、お節料理を楽しむ一時を過ごします。シャンパンが空になった後はボルドーのメドック地区のマルゴー村のシャトー、シャトー・プリューレ・リシーヌの赤ワインを開けます。saraiの秘蔵の逸品です。一通り、料理をいただいたところで、最後はお雑煮で〆。saraiの実家のお雑煮を配偶者が引き継いでくれています。つまり、saraiは生まれてからずっと、このお雑煮を食べ続けています。配偶者に感謝するしかありませんね。鶏肉のはいった醤油味のお雑煮は絶品です。福井の勝山産のさといもがはいっているのがポイントですが、これは配偶者のアイディア。これなしにはこのお雑煮は成立しません。毎年、お取り寄せの逸品です。

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夕方、みんなで近所で初詣。しっかりと願い事をしました。願いが成就されるかな。

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夕食はこれも我が家の伝統のぶりすきをいただきます。ぶりすきとは、ぶりのお鍋料理。またまた、ワインをいただきます。娘夫婦が持ってきてきてくれたブルゴーニュの白ワイン。白ワイン好きのsaraiの嗜好に合わせてくれたものです。シャルドネのドライな味の美味しいワインです。

美味しい料理と美味しいワインで元旦の一日が過ぎました。

昨日のジルヴェスターコンサートは明日のブログで書きましょう。

では、今年も当ブログによろしくお付き合いくださいね。



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テーマ : 新年のご挨拶
ジャンル : 日記

 

若手音楽家の饗宴で華やかなジルヴェスターコンサート 秋山和慶&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2022.12.31

一昨日はミューザ川崎のジルヴェスターコンサートでした。2年前からみなとみらいホールのジルヴェスターコンサートが開催されなくなって、当初はリニューアル工事期間が終われば、再開することを期待していましたが、結局、工事が完了した今年も再開されず、がっかり。今回も前年に引き続き、ミューザ川崎のジルヴェスターコンサートを聴くことになりました。ミューザ川崎のジルヴェスターコンサートは年越しのコンサートではないのが残念なところです。

ジルヴェスターコンサートとは言え、お祭り的な要素はほとんどなく、若手の新進音楽家をソリストに迎え、直球勝負的なコンサートです。

最初のモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲はフルートの瀧本実里が瑞々しい響きのまことに見事な演奏で、ハープの後藤里緒もとても少女とは思えぬリズム感のよいノリのよい演奏で、実に幸福感に満ちた音楽を聴かせてくれました。この曲はこうした新鮮な演奏が一番似合っています。東響も少人数の弦楽アンサンブルを中心にした構成で素晴らしい演奏を聴かせてくれました。もっとヴィルトゥオーゾ的な演奏もあるかもしれませんが、やはり、この曲はこういう演奏が最高です。パリ時代のモーツァルトはこの曲を作曲した後、最愛の母を亡くすという悲劇にも見舞われますが、そんな予感は微塵も感じさせない幸福感にあふれた演奏にsaraiは感動で胸がいっぱいになりました。独奏のお二人の最高の演奏にブラヴォー!

2曲目はこれまた有名曲のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリンの荒井里桜は思い切りのよい演奏でとても魅力的な音楽を聴かせてくれました。ヴァイオリンの響きが少し粗っぽい感じもありますが、それ以上に率直な音楽表現は好感の持てるもので、終始、飽きさせない魅力を発散する演奏でした。今後、よりよい楽器を手に入れて、音に磨きをかけていけば、素晴らしいヴァイオリニストに育ってくれそうな気がします。持って生まれた音楽性は練習だけでは手に入れることのできないものです。これから精進して、大成してもらいたいものです。中音域・低音域を中心にした安定感は十分ですから、高音域の響きを磨いていけば、数年後には魅惑に満ちた演奏でsaraiを感動させてくれそうです。まあ、今日の演奏も十分に楽しめるレベルではありました。注目していきたい若手の一人です。

休憩後、最後は超難曲のラフマニノフのピアノ協奏曲 第3番です。正直、大丈夫かなと思いながら聴きます。うんうん、なかなかの演奏です。この難しい曲を思い切って、弾きこなしています。甘い旋律も魅惑的だし、フォルテッシモのパートも思い切り、鍵盤を叩きつけています。難しい超高速パートもなんなく弾きこなしています。それにオーケストラとの息もぴったり。素晴らしいと言いたいところですが、この曲はいつも凄いピアニストで聴いているので、つい、そのレベルの演奏と比べてしまいます。若手には辛い曲目です。圧倒的な気魄やロシア的なやるせなさという高難度の音楽性の要素までは盛り込めきれていないというのが正直な感想です。もちろん、通常レベルでは素晴らしいと言っても問題ないレベルではありました。まあ、最近のピアニストはみなさん、上手いですね。

2022年の〆のコンサート、152回目のコンサートは日本人の若手音楽家のレベルの高さを実感するものとなりました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:秋山和慶
  フルート:瀧本実里
  ハープ:後藤里緒
  ヴァイオリン:荒井里桜
  ピアノ:黒木雪音
  管弦楽:東京交響楽団(コンサートマスター:小林壱成)

  モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
  チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35

   《休憩》

  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

金沢八景の夕日の景観と富士山の眺め

今日はお正月も3日。美しい風景を見に出かけることにします。配偶者の提案で金沢八景の夕照橋(ゆうしょうばし)の夕日を見に行くことにします。
モノレール(金沢シーサイドライン)の野島駅で降りて、痛む足を引き摺りながら、夕照橋に向かいます。やがて、平潟湾に出ます。まだ、3時半過ぎですが、美しい平潟湾に夕日が傾きかけています。

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かつて、徳川光圀によって水戸に招聘された明の僧・東皐心越(とうこうしんえつ)が能見堂(今の能見台)から、金沢八景の風景を眺めて、故郷の中国の西湖の風景を思い起こしたそうです。そこから、金沢八景の景観が8つの詩にまとめられました。その後、歌川広重が8つの錦絵を描き上げました。この平潟の風景は平潟落雁(ひらかたのらくがん)として、残されています。

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出典:国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1305449


やがて、平潟湾に架かる夕照橋の前に着きます。

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橋の袂には、夕照橋の名前が刻まれています。

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橋からは小高い野島が見えています。

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この夕照橋は野島夕照(のじまのせきしょう)から名付けられたものです。歌川広重はこのように描きました。

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出典:国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1305445

やがて、名高い夕照の時です。

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しばらくして、平潟湾の黄昏時です。平潟橋のあたりの水面に光が広がります。

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おおっ、平潟湾越しに富士山のシルエットが茜空に浮かび上がっています。

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富士山の周りには薔薇色に染め上がった雲が美しいです。

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初春には富士山が似合いますね。

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富士山のシルエットを背景に金沢シーサイドラインのモノレール電車が走ってきます。

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そろそろ、モノレールに乗って帰りましょう。たびたび眺めに来たくなるような金沢八景の美しい景観でした。



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テーマ : 国内、史跡・名勝巡り
ジャンル : 旅行

 

修学院離宮:上離宮の浴龍池の周りの絶景

2022年11月10日(木)@京都/5回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を巡っています。
ここまでのお庭の拝観ルートを地図で確認しておきましょう。
御幸門から下離宮、中離宮と巡ってきたところです。

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中離宮を出て、また、松並木の道を戻っていきます。

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松の木の間からは修学院離宮の周りの保護された自然と農地が広がっています。

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下離宮を出たあたりの、上離宮への分かれ道に着きます。ここから上離宮への松並木の道を登っていきます。

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道の途中に柵があります。人の立ち入りも禁止するのでしょうが、動物が出入りしないようにしているのでしょう。このあたりは自然の真っただ中ですからね。

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やがて、上離宮の入口、御成門の前に到着。ずい分、歩いてきました。御成門越しに綺麗に色づいたモミジが見えます。

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ここは既に高台で、かなり下方に市街地が見えています。

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一通りの説明の後、いよいよ、御成門から上離宮に入っていきます。

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御成門を抜けると、急な石段が待っています。どんどん登っていくと、急に視界が開け、大きな池が見えてきます。

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真っ赤に色づいたモミジに彩られて、見事な景観が広がっています。この大きな池は浴龍池。上離宮はこの浴龍池を中心とした庭園です。

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浴龍池には中島も造り込まれて、美しい姿を見せています。うっとりとこの絶景に見入ります。

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これが今登ってきた急な石段です。頑張って登ってきたからこそ、絶景が眺められます。

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今いるのはこの丘の頂上にある隣雲亭です。ここの小さなお庭から、浴龍池の絶景を見下ろしています。

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ここからの絶景はずっと見ていたい風景です。浴龍池の向こうには洛北の山々が見渡せ、遠くには市街地も見えています。

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真っ赤なモミジはまさに見頃。京都の秋を彩っています。

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修学院離宮は、桂離宮とは、まったく趣の異なるものですね。桂離宮のように人工的に美にこだわった庭園というものではありませんが、広大な自然に溶け込んだ広大なお庭は素晴らしいものです。それにモミジが実に素晴らしいです。特別に時期にこだわった予定ではありませんでしたが、モミジの時期にぴったりだったようです。上離宮の自然の美しさを存分に味わいます。



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テーマ : 国内、史跡・名勝巡り
ジャンル : 旅行

 

修学院離宮:上離宮の隣雲亭から浴龍池を巡る苑路へ

2022年11月10日(木)@京都/6回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を巡っています。
ここまでのお庭の拝観ルートを地図で確認しておきましょう。
御幸門から下離宮、中離宮と巡り、今は上離宮の美しい浴龍池の絶景に魅了されているところです。

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浴龍池の景観に見入っていると、龍ならぬ鴨がゆうゆうと泳いでいます。

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風もなく好天に恵まれ、木々が池に映り込む景色が素晴らしいです。それに何と言っても真っ赤に色づいたモミジが秋を彩っています。

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足元を見ると、隣雲亭の深い軒下のたたきには、漆喰に小石が一つ、二つ、三つと埋め込まれており、これは俗に「一二三石(ひふみいし)」と呼ばれているそうです。案内人の説明がなければ、見落としますね。小石の色合いも微妙に変えられています。

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隣雲亭の中を覗きます。実に簡素な造りで一切の装飾を排しています。こんな絶景の中にあるのですから、人の作り込む装飾の意味はないという潔さです。板の間に続いて、六畳の一の間があります。

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別の角度から眺めますが、棚のひとつさえ、ありません。心はすべて外の風景に向かっています。

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案内人の説明の間中、下に広がる絶景を眺めていました。その説明も終わり、この隣雲亭を離れて、丘の下のほうに向かいます。

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やがて、谷川のせせらぎの前に出ます。この谷川の水を堰き止めて、浴龍池を造ったようです。

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谷川の水は浴龍池に流れ込んでいきます。

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案内人に連れられて、一行は浴龍池のほうに向かいます。

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道の先は浴龍池のほとりに出るようです。

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浴龍池の前に出ました。間近に見る池の水面はまったく波もなく、周りの木々だけでなく、鏡のように空の雲を映しこんでいます。まるでウユニ塩湖のようですね。

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行く手を眺めると、2つの中島を繋ぐ屋根付きの橋が見えています。千歳橋です。

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池を巡る苑路を歩いていきます。近くから見る浴龍池もとても美しく、気持ちのよい散策が続きます。



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修学院離宮:上離宮の浴龍池を巡る苑路は中島の窮邃亭へ

2022年11月10日(木)@京都/7回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を巡っています。
ここまでのお庭の拝観ルートを地図で確認しておきましょう。
御幸門から下離宮、中離宮と巡り、今は上離宮の浴龍池を巡る苑路を歩いているところです。

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苑路から眺めた浴龍池です。空の雲が静かな池の水面に映り込んでいます。

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静かな池の水面を魅入られたようにうっとりと眺めて立ちすくんでいます。

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浴龍池の正面には、2つの中島の間に架けられた橋、千歳橋が存在感を示しています。この中国風の橋は橋脚の上に宝形造りと寄棟造りの四阿風な建物から成っています。

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苑路の先に真っ赤なモミジに包まれた楓橋が見えてきます。中島に渡る橋です。

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千歳橋を後方に見ながら、楓橋に向かっていきます。

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楓橋を渡って、中島に渡ります。

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楓橋の上からの浴龍池の風景です。橋の名前にふさわしい紅葉の風景です。

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橋を渡って、中島の石段を登って、頂上に出ます。そこからの池の眺めです。

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頂上からはもう一つの中島(万松塢(ばんしょうう))に架かる千歳橋が見下ろせます。

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中島の頂上にある窮邃亭(きゅうすいてい)の説明が始まりますが、どうも、千歳橋のことが気になって、そちらのほうに視線がいってしまいます。

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中島の頂上にある窮邃亭です。宝形造りの茶屋です。18畳の一間だけの茶屋です。奥に上段が設けられています。

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別の角度から覗きます。上段の西側いっぱいに低く一枚板を渡して御肘寄としてあります。障子を開け放した開口部には長い軒が出してあります。

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その障子の開口部からは真っ赤に色づいたモミジが見えています。秋ですね。

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窮邃亭を出て、ルートを進みます。眼下には気になる千歳橋が見えています。

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どうやら、千歳橋はガイドツアーのルートからは外れているようです。老朽化した橋の保存のためなのでしょうが、残念です。せめて、その景観だけはしっかりと目に焼き付けましょう。



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修学院離宮:上離宮の浴龍池を巡る苑路の秋の風景は最高!

2022年11月10日(木)@京都/8回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を巡っています。
ここまでのお庭の拝観ルートを地図で確認しておきましょう。
御幸門から下離宮、中離宮と巡り、今は上離宮の浴龍池を巡る苑路を歩き、窮邃亭を過ぎたところです。

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秋色に染まった浴龍池は美しさの限りです。

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千歳橋も美しさに包まれています。この屋形橋は、手前が宝形造り、奥が寄棟造りの屋根になっていて、宝形造り屋根には金銅の鳳凰が飾られています。そして、モミジに彩られた風情は言葉に尽くせぬ素晴らしさです。

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浴龍池の水面は鏡面に磨き上げられて、紅葉が美しく映り込んでいます。

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魔法にかけられたような水面の美しさに魂が引き込まれそうです。

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池の水面は見る角度によって、万華鏡のように風景が変わります。こちらは空の雲が映り込んでいます。

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おおっ、水面に映り込んだ空と本当の空が一体化しています。見事な眺めです。

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池の周囲の紅葉は今、一番の見頃です。

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この素晴らしい紅葉にも魅了されます。

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苔の緑もその紅葉に競い合うような美しい色彩です。

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美しい自然に包まれた苑路をゆっくりと散策していきます。

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最高の季節に修学院離宮を訪れたようです。絶景に魅了されるだけです。池と中島の周りには秋の気配が濃厚です。



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修学院離宮:上離宮の浴龍池の西浜からの眺め

2022年11月10日(木)@京都/9回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を巡っています。
ここまでのお庭の拝観ルートを地図で確認しておきましょう。
御幸門から下離宮、中離宮と巡り、今は上離宮の浴龍池を巡る苑路を歩き、ルートの最終点に向かっているところです。

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浴龍池の静かな水面をかきみだすのは鴨の群れだけです。

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ここは船着き場。かつて舟遊びを楽しむ拠点でした。

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浴龍池を巡る苑路もほぼ一周して、池の水鏡には東山の山影が映り込んでいます。

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対岸の岸辺にはアオサギが佇んでいます。そういえば、昨日も桂離宮でアオサギを見ましたね。

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アオサギはじっと立って、鴨の群れのほうを眺めています。

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先ほどとは逆のほうから、千歳橋の印象深い姿が見えます。修学院離宮の雰囲気とは似合わないような感じですが、景観のアクセントにはなっています。その千歳橋もモミジとともに水面に映り込んでいます。

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庭園と水面が一体化して、幻想的な風景を醸し出しています。

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対岸のモミジの向こうに小高い丘の上に建つ隣雲亭の姿が見えています。あそこからの眺めは絶景でした。

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紅葉に包まれた千歳橋は浴龍池の風景に美しく溶け込んでいます。

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千歳橋の左手には、中島の頂上に建つ窮邃亭が木立の陰から顔を出しています。

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少し歩くと、その窮邃亭がはっきりと見えてきます。かみ

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今は浴龍池の西浜から、東山の山麓に抱かれた上離宮の姿を眺めています。

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上離宮の散策も終わりを告げようとしています。



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修学院離宮:上離宮の浴龍池の西浜を歩いて、参観は完了

2022年11月10日(木)@京都/10回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を巡っています。
ここまでのお庭の拝観ルートを地図で確認しておきましょう。
御幸門から下離宮、中離宮と巡り、上離宮の浴龍池を巡る苑路も終わりに差しかかっています。

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浴龍池の西浜からは小高い丘の上に建つ隣雲亭の姿がよく見えています。

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そして、西浜からの浴龍池の美しい眺めに魅了されます。

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浴龍池は紅葉したモミジに彩られ、水面には東山の山影が映り込んでいます。

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西浜には美しい木々が並んでおり、古木も見事な枝ぶりを見せています。

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西浜の端までやってきました。山影の映る浴龍池の美しい風景を目に焼き付けます。

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浴龍池の堰止めがあります。昔の谷川の名残りでしょうか。水が多いときにはここから水を放流するのでしょう。

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上離宮の外に出ます。美しい紅葉をたっぷりと楽しみました。

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長い、修学院鑑賞が、終了。出口には、既に次の回の人が多く集まっています。

さて、修学院に来たのなら、絶対に外せないのが詩仙堂。今や、名所・名園の多い京都の中でsaraiの一番の推しがこの詩仙堂です。そちらに向かって、歩き始めます。

途中には、曼殊院があるので、そこにも寄っていきましょう。まだ、修学院離宮に沿って歩いているときに立派なお寺の門前を通り掛かります。
禅華院(ぜんげいん)というお寺で、山号は解脱山(げだつさん)というんだそうです。山門(鐘楼門)が印象的で、二層は鐘楼となっています。実はこの山門の建物は修学院離宮の建物を移築したものだそうです。

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修学院離宮内の畑に入る入口があります。ここから農作業する人は自由に出入りできるんですね。一応、立ち入り禁止とはなっています。

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修学院離宮の端までやってくると、曼殊院の案内もあります。12分だそうですが、saraiの足では20分はかかるでしょう。

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山道を歩いて、曼殊院に向かいます。



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曼殊院門跡

2022年11月10日(木)@京都/11回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能しました。上離宮の浴龍池周りの絶景は最高でした。

次はsaraiの一番のお気に入りの詩仙堂に向かいながら、途中にある曼殊院にも寄っていきます。
ぶらぶら歩いていくと、大きなお濠のような流れにぶつかります。

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これは比叡山に源を発する音羽川で、修学院離宮の横を流れて、この先、高野川に合流します。ちなみに京都には音羽川という名前の川が3つあるので、この川は区別するときは修学院音羽川と言うんだそうです。

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音羽川を突っ切って、狭い路地を進んでいきます。曲がり角には親切に曼殊院の案内があり、さらに路地を直進します。

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やがて、路地は突き当り、そこで左に曲がって、山道を登っていきます。ところどころに曼殊院の案内があります。

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ずい分、登っていくと、関西セミナーハウスというホテルにぶつかり、そこで案内に従って、右に折れます。

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山の中腹を進んでいきます。車とのすれ違いにも気を付けなくてはいけないような細い山道です。でも、それぞれのお宅の前に植えこまれている花々にはセンスが感じられます。素晴らしいです。
それなりに歩かされましたが、ようやく到着です。
曼殊院の駐車場近くには、真っ赤な実がたわわに成った果樹園が広がり、壮観です。

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あまりの眺めに驚きます。その時は何の実か分かりませんでしたが、後で調べると、サンシュユの実なんだそうです。滋養強壮の薬効があるそうです。

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曼殊院の入口に向かいます。

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ここもモミジが美しいです。

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曼殊院はなかなか大きな門跡寺院です。奥に進むと、大書院前に遠州好みの枯山水庭園があります。
その枯山水の中に2つの島があります。これは鶴島です。鶴島にある樹齢400年の五葉松は鶴を表現しています。

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これは亀島です。

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大書院から見た庭園全景です。

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再興された宸殿の前庭の「盲亀浮木之庭」です。大きな白砂清松のお庭です。

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これで曼殊院門跡の見学は終了。お庭以外は撮影禁止でした。

さて、詩仙堂に向かいましょう。



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詩仙堂の前に、またまた、圓光寺に寄り道

2022年11月10日(木)@京都/12回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能しました。上離宮の浴龍池周りの絶景は最高でした。

次はsaraiの一番のお気に入りの詩仙堂に向かう途中、曼殊院門跡にも寄りました。
曼殊院のお庭を拝見した後、外に出たところです。モミジが綺麗ですね。

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曼殊院の塀に沿って、歩きます。立派な石垣と巨木に囲まれた道が続きます。

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周辺の案内があります。詩仙堂までは15分とのことです。saraiの足では20分以上かかりそうです。頑張って歩きましょう。

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おおっ、立派な門があります。曼殊院の勅使門です。一般人は通れません。

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ここから、曼殊院道を下っていきます。すぐ左手に武田薬品工業 京都薬用植物園という施設があります。こんなところにこんな施設が・・・とちょっと驚きます。

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しばらく詩仙堂と思しき方に歩きますが、案内が少なく不安になります。やがて、圓光寺の案内があります。その先に詩仙堂があるようです。では、この圓光寺にも立ち寄っていきましょう。

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しっかりした案内板が出てきます。

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またまた、案内板。助かります。

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圓光寺の前に到着。立派な門構えです。

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山門を抜けて、境内に入ります。

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境内を進んでいくと、早速、お庭に出ます。


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枯山水のお庭、奔龍庭です。なかなか斬新なデザインですね。

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平成にできた新しい枯山水のお庭です。この奥には圓光寺の古いお庭もあるようです。鑑賞していきましょう。



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濃厚なロマンのシェーンベルクの浄められた夜 小泉和裕&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.1.12

今日が音楽の聴き始め。やっぱり、サントリーホールです。久々のコンサートです。ほぼ、2週間ぶり。いきなり、シェーンベルクの浄められた夜とは刺激が強過ぎます。昨年はピアノ三重奏曲版で聴きましたが、大規模な弦楽合奏版で聴くと、また、味わいが違いますね。次は原曲の弦楽六重奏版で聴きたいものです。

小泉和裕が練り上げた都響の演奏はやはり、見事なものです。この曲は標題音楽で2人の男女が月の夜に深刻な話で葛藤するものですが、saraiはむしろ、絶対音楽として、後期ロマン派の一つの到達点の音楽を味わった気分です。ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」やマーラーの交響曲群のような究極の情念の音楽の極みに比類するものです。デーメルの詩にインスパイアされた音楽は美しさと情念が織り上げられたもので、その凄まじさはまともに聴いていると、感覚がおかしくなりそうです。都響のメンバーもいつも以上に真摯な姿勢で入れ込んだ演奏です。指揮者の小泉和裕だけが冷静に音楽をコントロールしているように感じられます。何度も熱い情念が激しく燃えさかり、最後はやさしくカタルシスに至ります。お正月明けに聴くような音楽じゃありませんね。でも、やっぱり、音楽は素晴らしい!と実感しました。都響の圧倒的な弦楽アンサンブルの美しさにも感嘆しました。

休憩後はブラームスのピアノ四重奏曲第1番をシェーンベルクがオーケストラ用に編曲したものです。実演で聴くのは多分、2回目でしょうか。原曲の室内楽版はフォーレ四重奏団の素晴らしい演奏を3回聴きました。3回とも凄い演奏でした。それを超える演奏は無理でしょう。シェーンベルクがこの曲を気に入って、 オーケストラ用に編曲した気持ちは理解できます。都響の大編成のオーケストラが素晴らしい響きで演奏します。特に弦楽合奏のパートはブラームスの素晴らしさを満喫します。曲が盛り上がったのはやはり、第3楽章からです。盛大な音楽が響き渡り、中間部の行進曲は何とも威風堂々たるものです。そして、第4楽章の速い動きの音楽はロマ風に盛り上がります。まるでハンガリー舞曲みたいに響きます。勢いよくフィナーレ。フォーレ四重奏団を聴いていなければ、特上の音楽だったかもしれません。どうしても、フォーレ四重奏団の演奏が脳裏をよぎりながら聴いてしまいました。

今日はお正月明けでシェーンベルク三昧とは面白い始まりになりました。きっと、今年は新ヴィーン楽派の音楽をたくさん聴けるのかもしれません。100年経っても彼らの音楽は新鮮で刺激的です。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:小泉和裕
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:四方恭子(隣の席は矢部達哉)

  シェーンベルク:浄められた夜 Op.4

    《休憩》

  ブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25(管弦楽版)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシェーンベルクの浄められた夜を予習したCDは以下です。

  ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団 1992年 セッション録音

いつもカラヤンとかブーレーズでは面白くないので、シノーポリを聴きました。シノーポリは新ヴィーン楽派の作品をこの後、まとめて、シュターツカペレ・ドレスデンと録音していますが、フィルハーモニア管と録音したこの作品は録音しませんでした。シノーポリらしい濃厚な演奏です。ある意味、マーラー的かもしれません。


2曲目のブラームスのピアノ四重奏曲第1番 (管弦楽版)を予習したCDは以下です。

  ロバート・クラフト指揮シカゴ交響楽団 1967年 セッション録音


現代音楽のスペシャリストであるクラフトの精密な演奏。シカゴ響も素晴らしい演奏。



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圓光寺のお庭を眺めて、いざ、詩仙堂へ

2022年11月10日(木)@京都/13回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能しました。次はsaraiの一番のお気に入りの詩仙堂に向かいます。途中、曼殊院門跡に寄り、さらに圓光寺にも寄っているところです。
枯山水のお庭、奔龍庭を眺めながら、中に進んでいきます。

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中門を抜けます。この先に十牛之庭があります。

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緑がまぶしいくらい、爽やかなお庭です。

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モミジがありますが、まだ、見頃には早いでしょうか。

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それでも十牛之庭はとても美しいお庭です。

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本堂前には水琴窟があります。「圓光寺型」と呼ばれる珍しいものです。

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お庭の奥には素晴らしい竹林があります。

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この先には家康を祀った東照宮もありますが、saraiが無理して行くこともないでしょう。

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お庭の南側には、ひょうたん型の栖龍池(せいりゅうち)があります。池に映る紅葉も見事です。 栖龍池は洛北最古の池といわれています。

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モミジが見頃になれば、このお庭ももっと綺麗だったでしょうね。

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なかなか面白いお寺でした。

さて、いよいよ詩仙堂に向かいます。

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詩仙堂の入口の前に出ます。

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なんだか、ひっそりとしていますね。これから、存分に詩仙堂の味わい深い雰囲気に浸りましょう。



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詩仙堂の秋の風景と心が一体化した無上の時

2022年11月10日(木)@京都/14回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能しました。次はsaraiの一番のお気に入りの詩仙堂です。途中、曼殊院門跡に寄り、さらに圓光寺にも寄り、ようやく、詩仙堂に到着。
今や、名所・名園の多い京都の中でsaraiの一番の推しがこの詩仙堂です。
入口の門をくぐり、石段を上って、生垣の続く道を進みます。

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やがて、茅葺の雰囲気のある門、老梅関の前に出ます。

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この門を抜けて、受付に向かいます。

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受付をすませ、縁の間を抜けて、まずはお座敷に向かいます。お座敷から見るお庭が素晴らしいです。お庭自体よりもここの空間が醸し出す雰囲気が見事で、しーんと静まりかえった空気感に何とも不思議な落ち着きを感じます。

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観光客が以前よりは増えていましたが、やはり、ここは穴場なのか、それほどではありません。お座敷の一番眺めのよい場所に腰を下ろし、秋の風景を眺めます。

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saraiの心になんとも言えないやすらぎの時間が流れます。じっと座って、心を無にして、自然と人工の美が織り成す空間とsaraiの心を一体化させます。

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詩仙堂の秋の風景は初めて体験します。ほどよく紅葉した木々が心に沁みます。

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微妙な色合いのハーモニーが秋の自然の美を堪能させてくれます。

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お庭の風景を眺めることはsaraiにとって、美しい音楽を聴いているときと同様の没入感を覚えます。次第に風景はsaraiの心象風景に変わっていきます。

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ふっと時の流れが止まって、美しい風景が心に流れ込んでくるような無上の感覚を覚えます。

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秋の柔らかい陽光が木々の色彩を浮かび上がらせます。美術品を鑑賞するようにその美を堪能します。

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ゆったりと心を開き、この素晴らしい空間に心を浸していきます。すると、空間の中に自分がいるのか、自分の中に空間があるのか、定かでなくなります。こうして、無上の時が過ぎていきます。



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詩仙堂の秋の風景を眺めて時を忘れ、忘我の境地

2022年11月10日(木)@京都/15回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能した後、saraiのお気に入りの詩仙堂で至福の時間を過ごしています。
実際に過ごした時間は現在、20分ほどですが、ほんの一瞬だったような気さえしています。
気を取り直して、秋の気配を味わいます。

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庭の傍らにあるつくばいを眺めたりもします。

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横手のお庭を眺めたりして、気持ちの余裕が出てきます。

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切り石と剪定した緑の取り合わせの妙を眺めたりします。

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縁先のお庭の砂の掃き目の文様にも目を遣ります。

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お庭の緑の手入れが見事なことに感嘆します。

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お庭の周りの紅葉がとても美しいです。

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再び、お庭をゆったりと眺めて、その空間との一体感を高めます。

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もはや、写真を撮るのをやめて、お庭の空間の中に自分の存在を溶け込ませていきます。使い古された表現ですが、まさに悠久の時を刻んでいきます。
saraiが自分の存在を無にして、お庭を悠然と眺めているとき、配偶者はsaraiの傍らからいなくなり、お庭の散策に出かけています。

お庭に出る前に、配偶者は詩仙堂の建物の中にある「詩仙の間(詩仙堂)」(4畳半)を見学します。この「詩仙の間」は詩仙堂創建当初のままに保存されています。この「詩仙の間」には狩野探幽(1602年~1674年)が描いた中国の漢晋唐宋時代の詩人、三十六歌仙(李白、杜甫など)の肖像画が掲げられています。各詩人の肖像画の頭上には、石川丈山が隷書体にて記した漢詩が書かれています。

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配偶者はお庭に下りて、庭先から建物を眺めます。簡素な造りの縁側です。

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お庭には秋の草花が咲いています。

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シオンの花です。

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コムラサキ、あるいはムラサキシキブです。

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モミジが見事です。

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お庭には茶室があります。昭和期(1926-1989)に建てられた「残月軒」です。扁額「残月軒」は、1958年11月に国語学者・新村出が揮毫したそうです。新村出は『広辞苑』の編纂・著者として知られていますね。

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センリョウです。

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配偶者がお庭の散策から戻ってもsaraiはまだ一心不乱にお庭を眺めています。

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saraiはお庭とともに30分以上も無上の時を過ごしました。

ゆっくり味わい尽くしましたが、まだ、いつまでも眺めていたい気分です。配偶者に促されて、重い腰を上げます。

ここまで、お茶をするところもなく、朝から歩きっぱなし。お腹もすいてきました。一乗寺はラーメンの街。山を下って、一乗寺のラーメン屋さんまで、もうひと踏ん張りしましょう。



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瑞々しく強靭でシンフォニックなブラームスの弦楽四重奏曲第2番、クァルテット・ディオティマ@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2023.1.16

今年の室内楽聴き始めです。前半のツェムリンスキー、リゲティもなかなかよい演奏でしたが、後半のブラームスのストレートな表現に魅了されました。

クァルテット・ディオティマはフランスの四重奏団で、初めて聴きますが、なかなかの実力です。特に第1ヴァイオリンのユン・ペン・ヂァオの直線的で美しい響きは見事の一語。強靭な音楽表現も好感を持てます。

前半のツェムリンスキーは初めて聴きますが、後期ロマン派の美しい音楽にうっとりします。見事な演奏です。続くリゲティの弦楽四重奏曲 第2番は最近のはやりなのか、聴く機会が多いですね。テクニック的には素晴らしいのですが、もう少し、幽玄な雰囲気も欲しいところです。聴く機会が多いので、少し、厳しい耳で聴いてしまいます。第5楽章は見事な演奏でした。

後半のブラームスの弦楽四重奏曲 第2番。まず、長大な第1楽章から、素晴らしい演奏に魅了されます。ブラームスが書いた室内楽作品の中でも傑作であることを実感させる熱いロマンが見事に表現されます。いかにもブラームスだと感じる魅力がストレートに演奏されます。第1ヴァイオリンのユン・ペン・ヂァオの演奏がとても魅力的に響いてきます。第2楽章、第3楽章も魅力的なメロディー、響きがストレートに表出されます。その演奏を引っ張るのは第1ヴァイオリンのユン・ペン・ヂァオです。彼を中心にだんだんとシンフォニックな響きになります。だからと言って、交響曲に近いかと言えば、あくまでも室内楽的なシンフォニックさです。スケール感のある響きがこの鶴見の小さなホールの空間を満たしていきます。そして、第4楽章は勢いよく飛び出して、圧巻の音楽が高潮していきます。何とも素晴らしいブラームスでした。実に満足。新年早々、いいものを聴きました。

アンコールはイギリスの現代作曲家のトマス・アデスの作品。現代音楽とは思えない密やかな音楽に聴き惚れます。これもとてもよい演奏。抒情的な音楽を抒情に流されないで演奏するのが彼らの持ち味のようです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・ディオティマ
   ユン・ペン・ヂァオ vn   コンスタンス・ロンザッティ vn
   フランク・シュヴァリエ va   ピエール・モルレ vc


  ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲 第1番 イ長調 Op.4
  リゲティ:弦楽四重奏曲 第2番

   《休憩》

  ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op.51-2

   《アンコール》
   トーマス・アデス:オ アルビオン(アルカディアーナOp.12 第6楽章)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のツェムリンスキーの弦楽四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

  ラサール四重奏団 1980年12月5-10日 ハンブルク、フリードリヒ・エーベルトハレ セッション録音
 
美しい演奏です。ツェムリンスキーの弦楽四重奏曲全4曲の全集盤からの1枚です。


2曲目のリゲティの弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

  ラサール四重奏団 1970年 セッション録音
 
この曲を献呈され、初演したラサール四重奏団の見事な演奏です。


3曲目のブラームスの弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

  アマデウス四重奏団 1959年9月 ハノーファー、ベートーヴェンザール セッション録音
  ベルチャ・カルテット 2015年3月6-7日 ブリテン・スタジオ、スネイプ・モルティングス、サフォーク州オールドバラ、英国 セッション録音
 
アマデウス四重奏団の定評ある演奏も見事ですが、気鋭のベルチャ・カルテットのテンポを遅めにとった主情的な演奏に魅了されました。



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一乗寺と言えば、やっぱり、ラーメンと唐揚げ! そして、出町の桝形商店街へ

2022年11月10日(木)@京都/16回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能した後、saraiのお気に入りの詩仙堂で至福の時間を過ごしました。

さて、もうお昼を過ぎました。一乗寺に来たのですから、当然、ラーメンを食べ逃してはいけません。山を下って、ラーメン屋さんのある一乗寺の街のほうに向かいます。
と、途中で「でっち羊羹」と書かれた看板を発見。多くの客で賑わっています。配偶者が、友人へのお土産に購入するとのことで、立ち寄ります。簡素な昔懐かしいような羊羹です。私たち用も含め3本を購入。一乗寺中谷という老舗和菓子店です。

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では、ラーメン屋を目指します。もうクタクタになりながら辿り着いたのは、前回と同じラーメン屋さん、高安です。やはり、行列をしています。人気は相変わらずですね。ここにしましょう。でも、だいぶん待つようです。ならば、その間に、でっち羊羹をお友達に送ってしまいたいと配偶者が言い出します。行列に並んでいる地元の方と思われる人に、郵便局の場所を尋ねると、スマホで検索してくれます。今どきですね。感謝! ここから歩いて5分のところにあるようです。配偶者は急いで行ってしまいます。saraiは行列に並んで待ちます。配偶者によると、教えられたところに小さな郵便局があったそうです。郵便局員さんに相談して、レターパックで送ることにします。うまくすれば、明日には届くようです。お友達に喜んでもらえるかな。
配偶者の帰りを待つ間にsaraiは店内に入れます。配偶者にメールして、注文だけして帰りを待ちます。配偶者は既に帰る途中だったそうで、急いで戻ってきました。
定番のラーメンとやはり定番の鶏の唐揚げをいただきます。

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あっさり目のラーメンは、やはり美味しいです。でも、結構、量があって、唐揚げは少し手をつけただけ。もちろん、唐揚げの残りはお持ち帰りとしてもらいます。

さて、帰りは叡山電車に乗ります。一乗寺駅は改札もなく、ICカードリーダーでタッチするだけ。電車の到着を待ちます。

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電車に乗ると、すぐに終点の出町柳駅に着きます。この近くにある桝形商店街のことが、友人と話題になったので、立ち寄って、夕食の買い物をしていきましょう。
出町柳駅を出ると、すぐに鴨川デルタです。

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駅前には駅名の通り、立派な柳があります。

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通りを渡ると、高野川に架かる河合橋があります。

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河合橋の上から、高野川の上流を眺めます。

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高野川と賀茂川の合流地点は下賀茂神社のある糺の森の入口です。今日はここはパスします。

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次は賀茂川に架かる出町橋を渡ります。

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出町橋の上から賀茂川の上流を眺めます。

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河原町通りに出ると、通りの向こう側に物凄い人出です。何でしょうね。

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その物凄い人出の右側に桝形商店街のアーケードの入口が見えます。

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通りを渡ると、物凄い人出に見えたのはお店に並ぶ行列だということが分かります。

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お店に近寄ってみると、京の生菓子ふたばという和菓子店です。そこに並ぶ行列だったんです。

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豆大福の有名なお店でいつも行列ができているそうです。生菓子なので、賞味期限が当日限りなので、遠方へのお土産には向きません。地元のかたのお茶のお供ですね。

さて、行列の謎が分かったところで桝形商店街の探訪を開始しましょう。



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出町の桝形商店街をぶらぶら

2022年11月10日(木)@京都/17回目

京都、3日目です。
修学院離宮の秋色に彩られたお庭を堪能した後、saraiのお気に入りの詩仙堂で至福の時間を過ごしました。その後、一乗寺名物のラーメンを堪能し、叡電で出町柳に移動。
出町の桝形商店街にやってきたところです。商店街は、少しさびれている感じです。

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舗道の路面には面白いプレートが埋め込まれています。ここは日本海の小浜から始まる鯖街道の終点にあたるところです。鯖街道はかつて、主に魚介類を京都へ運搬するための物流ルートでしたが、最も割合が高かったのが鯖であったことから、鯖街道と呼ばれるようになったと言われています。

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商店街に入るとすぐにお総菜のお店があります。てんぐと言うお店です。美味しそうなおばんざいが並んでいます。どれも美味しそうでどれにしようか迷います。値段も手頃です。

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天ぷら、フライの揚げ物も揃っています。

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選びに選んだおばんざいを買い込みます。これで夕食の買い物は完了。あとはぶらぶらと商店街をのぞきましょう。
京都の古い商店街に似合っている古本屋さんがあります。こういうお店に入り込むと抜け出ることができなくなりそうです。

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おおっ、こちらにも一軒ありますね。

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飴を売っているお店があります。佐久間のドロップ、懐かしいですね。子供の頃、佐久間のドロップ缶をいつも手に持っていたことを思い出します。

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楽し気な商店街が続きます。

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町の魚屋さん、果物屋さんも気になります。

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豆腐屋さんがあります。京都と言えば、湯葉が食べたいですね。

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商店街と言っても、今はやはりスーパーが主役なんでしょう。

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一通り、商店街を見て回りました。
また、ものすごい行列の和菓子屋さん、「ふたば」を眺めながら、帰途に就きます。この行列に並んで、和菓子を買う元気はありません。それに先ほど、でっち羊羹を買ったしね。

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再び、出町柳に戻ります。鴨川デルタが見えてきます。鴨川デルタで高野川と賀茂川が合流して、その先は鴨川になります。

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鴨川デルタには川岸から飛び石を歩いて渡れます。saraiには無理でしょう。川にポチャンとなりそうです。

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出町柳に到着。

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ここからはバス1本で、ホテル前のバス停に到着。なんとも便利なホテルです。
今日は超疲れました! 2万2千歩も歩いてしまいました。それも起伏のある地形を歩いたので、最後はほとんど足が動かない状態。ふーっ・・・。
でっち羊羹でお茶をしてお昼寝です。

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ようやく生気を取り戻し、おばんざいを食べながら、冷えた白ワインをいただきます。

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軽く夕食を食べて、長い一日が完了。明日も予約したお寺、西芳寺、通称、苔寺を尋ねます。50年ぶりくらいの再訪です。



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山田和樹と読売日本交響楽団の明快な響きによる矢代秋雄とR.シュトラウスの会心の演奏@サントリーホール 2023.1.19

山田和樹のこだわりの日本人作曲家の作品を組み合わせたプログラムです。矢代秋雄とR.シュトラウスを組み合わせた妙がなかなか秀逸ですね。

まず、矢代秋雄の交響曲です。以前、河村尚子と組んだ矢代秋雄のピアノ協奏曲では、弦の響きの浅さがどうにも気になりましたが、今回は響きの明快さがうまく表現されて、見事な演奏になりました。この作品はミニマリズムを思わせる旋律の繰り返しが曲の軸になっていますが、弦と管、それぞれの単一の響きのシンプルさが表現されて、明るく明快な音楽に仕上がっています。曲自体は矢代独特の夜を思わせる音楽ですが、その明るい表現でほのぼのと白みがかった暁、あるいは黄昏の雰囲気を醸し出しています。これは山田和樹の独自の解釈なのでしょう。第4楽章の後半はそういう雰囲気を一変させて、激しく燃え上がる音楽に高潮していき、フィナーレ。なかなか面白い音楽を聴かせてくれました。音楽自体はやはりピアノ協奏曲の芸術性が上回るように思えます。

後半は管弦楽の構成が大きくなって、R.シュトラウスのアルプス交響曲が壮大に演奏されます。ここでも山田和樹のストレートな音楽表現が印象的です。作曲家のスコアをそのまま表現するという姿勢なのでしょう。標題音楽的な表現よりも絶対音楽的な表現に軸を置いた演奏がうまくはまったような気がします。R.シュトラウスの人生観を音楽に込めたという雰囲気は残るものの、それを強調し過ぎないような音楽表現は山田和樹の持ち味として、評価できると思います。R.シュトラウスの音楽ファンとしては、正直、若干の物足りなさも残りますが、こういう演奏もあっていいのだと思います。読響のアンサンブルはいつものように素晴らしいです。それをうまく引き出したのも山田和樹の功績。全体として、素晴らしいアルプス交響曲でした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:山田和樹
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原幸太(ダブルコンマス、小森谷巧)

  矢代秋雄:交響曲

   《休憩》

  R.シュトラウス:アルプス交響曲 Op.64


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の矢代秋雄の交響曲は以下のCDを聴きました。

 湯浅卓雄指揮アルスター管弦楽団 2000年9月4-7日  アルスター・ホール、ベルファスト、北アイルランド セッション録音

湯浅卓雄の矢代秋雄の音楽の表現は素晴らしい!


2曲目のR.シュトラウスのアルプス交響曲は以下のCDを聴きました。

 フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団) 2014年11月5,6日 フライブルク、コンツェルトハウス セッション録音
 
ロトの精密で精妙な音楽作りが光ります。R.シュトラウス交響詩全集(全5枚)からの1枚です。



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天才指揮者カーチュン・ウォンのバルトークの管弦楽のための協奏曲は真髄を抉り出す超名演 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.1.20

カーチュン・ウォンの凄い評判は聞いていたので、一体、バルトークをどう演奏するのかと思って、初めて聴いてみました。まさに驚天動地の凄まじい演奏でした。昨年のマケラの春の祭典にも優るとも劣らないような圧倒的な名演でした。昔、ベルティーニが都響を指揮して、みなとみらいホールでマーラーの交響曲第5番を演奏したときに受けた衝撃を思い出しました。指揮者によって、日本フィルがシカゴ響レベルにグレードアップするのを目の当たりにして、驚かざるを得ませんでした。もう、これ以上は書くことがありませんが、それもなんですから、もう少し書いてみましょう。

前半は昨日に続いて日本人作曲家の作品が演奏されます。伊福部昭のシンフォニア・タプカーラです。まず、たっぷりした抒情が歌われますが、その響きの素晴らしさに圧倒されます。そして、さらにテンポアップしたパートのノリに乗った演奏と指揮にあっけに取られます。カーチュン・ウォンは完璧にこの曲を掌握し、最高の演奏を聴かせてくれました。素晴らしい作品に素晴らしい演奏です。もっとも初めて聴くので比較はできませんが、きっと最高レベルの演奏だったでしょう。日本的でもあり、インターナショナルでもある曲と演奏です。演奏後、カーチュン・ウォンはスコアを持ち上げて、作品を讃えていました。saraiとしては指揮したカーチュン・ウォンを讃えたい気持ちです。そうそう、第4楽章はまるでバルトークを思わせるパートもあり、この後に演奏されるバルトークに期待してしまいます。

で、そのバルトークの管弦楽のための協奏曲は無論、細部に至るまでsaraiも把握していますから、十分に演奏のレベルを評価することができます。しかし、そのsaraiを嘲笑うようにカーチュン・ウォンは聴いたこともないようなフレーズを深く掘り下げた演奏で驚嘆させます。ううっ、これは本当はこんな曲だったのかと次から次へと新しい驚きを繰り出してきます。しかも日本フィルの響きの素晴らしさにも驚嘆します。目をつぶって聴いていれば、世界のビッグ5のオーケストラのひとつが演奏していると思ってしまいまいそうです。特にヴィオラのパートの素晴らしさには目を瞠ります。管も絶好調です。
第1楽章は完璧でした。ここまでの完成度の演奏は聴いたことがありません。実演でもCDでもそうです。第2楽章は部分的に少しレベルが落ちたところもありましたが、それは第1楽章が凄過ぎたせいでしょう。第3楽章以降は持ち直し、またもや、完璧の上をいくレベルです。第3楽章の夜の歌のダークな演奏も秀逸です。第4楽章のノリは異常に凄いとしか言えません。こんな演奏が可能だとは想像だにできません。第5楽章の急速なパッセージははらはらするようなスピード感ですが、見事に弾きこなしていきます。凄いぞ!日本フィル。特にヴァイオリンとヴィオラは凄まじい! そして、対位法的な音楽が見事に構成されていきます。緊張感で息もできないほどですが、演奏者、特に指揮者は緊張感だけでなく、楽興的でもあります。これが真のバルトークですね。神業のような演奏が高潮して、圧倒的なフィナーレ。一瞬の沈黙がありました。振り向いたカーチュン・ウォンを見て初めて気が付きましたが、彼は暗譜での指揮でした。そうですね・・・これって、暗譜でなくてはあんな指揮はできませんね。

こんな凄い指揮者がこれから日本フィルの首席指揮者になるとは何と言う僥倖でしょう。カーチュン・ウォン&日本フィルはジョナサン・ノット&東響と並ぶ存在になりそうです。saraiの心の中で日本フィルの位置づけが大きくなりました。2023年シーズンから、定期会員になろうかな・・・そのためには、どこかのオーケストラと縁を切らないとね。


今日のプログラムは以下です。


  指揮:カーチュン・ウォン[首席客演指揮者]
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:田野倉 雅秋

  伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ

   《休憩》

  バルトーク:管弦楽のための協奏曲


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の伊福部昭のシンフォニア・タプカーラを予習したCDは以下です。

 広上淳一指揮日本フィルハーモニー管弦楽団 1995年8&9月 セッション録音

伊福部昭の芸術シリーズのCDで、作曲家自身の立ち合いの下、録音された記念碑的なCDです。実に熱のある素晴らしい演奏です。


2曲目のバルトークの管弦楽のための協奏曲を予習したCDは以下です。

 フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1955年 セッション録音

実は新たにユニバーサルプレーヤーを購入し、このSACDを初めて聴いてみました。ハイブリッドCDなので、これまでは通常のCD面を聴いていましたが、70年ほど前の録音とは思えない瑞々しさに改めて、感銘を受けました。50年前にレコードでこの演奏を聴いて、バルトークに夢中になっていた日々が蘇りました。



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       カーチュン・ウォン,  

モーツァルトの魔笛ハイライト 川瀬賢太郎&東京交響楽団:モーツァルト・マチネ~川崎市・ザルツブルク市友好都市提携30周年記念@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.1.21

ハイライトとは言え、まるでオペラを聴いたくらい満足しました。

まずは川瀬賢太郎指揮の東京交響楽団の素晴らしい響きに魅了されました。特に序曲の素晴らしかったこと。弦の響きの透明さは秀逸でした。

演出/ナレーションの宮本益光のまとめかたも見事です。幾分、本来のストーリーから逸脱しているところもありましたが、ハイライトにまとめるには致し方ないところでしょう。
歌手もきちんと歌っていました。針生美智子の夜の女王は大健闘と言った感じです。見事なコロラトゥーラを聴かせてくれました。嘉目真木子のパミーナも魅力たっぷり。ヒロインの役目を果たしてくれました。
近藤 圭のパパゲーノは歌も演技も素晴らしいものでした。澤原行正のタミーノは声は出ていましたが、音程が若干、不正確だったのが残念です。

全体にユーモアも交えた楽しいオペラに仕上がっていました。そうそう、衣装がちゃんと用意されていたのは素晴らしいです。コンサート形式の枠を大きく超えるものでした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:川瀬賢太郎
  共演 モーツァルト・シンガーズ・ジャパン (MSJ)
  演出/ナレーション:宮本益光
  タミーノ:澤原行正
  パミーナ:嘉目真木子
  夜の女王:針生美智子
  パパゲーノ:近藤 圭
  パパゲーナ:鵜木絵里
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  モーツァルト:歌劇『魔笛』ハイライト ※日本語字幕付き

  序曲
  「オイラは鳥刺し」
  「何という美しい絵姿だろう」
  「恋を知るほどの男の方々は」
  「なんと不思議な笛の音だ」
  「立派な男が誰も皆」
  「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」
  「愛の喜びは露と消えて」
  「娘っ子か恋女房を」
  「私たちは炎を通り抜けた」
  「パパパの二重唱」

  《アンコール》なし

   休憩なし


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの歌劇「魔笛」(ハイライト)を予習したCDは以下です。

 ベルナルト・ハイティンク指揮バイエルン放送交響楽団 1981年4月1~13日 ミュンヘン・ヘラクレスザール セッション録音
  パミーナ:ルチア・ポップ
  タミーノ:ジークフリート・イェルザレム
  パパゲーノ:ウォルフガング・ブレンデル
  パパゲーナ:ブリギッテ・リントナー
  夜の女王:エディタ・グルベローヴァ 
  ザラストロ:ローラント・ブラハト
  モノスタトス:ハインツ・ツェドニク
  合唱:バイエルン放送合唱団

ハイティンク指揮バイエルン放送交響楽団の演奏が素晴らしく、また、何と言ってもグルベローヴァの夜の女王が最高です。ルチア・ポップのパミーナももったいないくらい素晴らしいです。



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緊急報告:箱根の温泉でほっこり

お正月を過ぎたある日、saraiが配偶者に「温泉でゆっくりしたいね。」と持ちかけました。配偶者もすぐに「それもいいわね。」と応じます。
早速、検討開始。温泉でゆっくりしたいという趣旨なので、あまり、遠出はしたくありません。となれば、熱海か、伊豆か、箱根あたりになります。手軽さでは熱海がよさそうです。saraiのコンサートのスケジュールの空いた日で平日がいいですね。意外に候補日が絞られます。生憎、熱海の適当なホテルは空いていません。今、熱海は人気なんですね。伊豆もなんだか気乗りしないので、結局、箱根に落ち着きます。なんだかんだ言いながら、箱根は交通の便もいいし、落ち着きます。

そして、今日、箱根の温泉に出かける日になりました。あくまでも温泉に入るのが趣旨ですから、夕食は早めに乗換駅の小田原で鰻を食べてから箱根に向かうことにします。早過ぎる夕食なので、ちゃんと大船駅で大船軒の鯵の押寿しを夜食用に確保しておきました。

小田原に着いて、予約済の鰻屋さん、つきじ宮川本廛に急行します。まず、うな重(松)を注文して、さらに思い直して、うまきを追加注文。
まずはうまきが運ばれてきます。これが熱々で美味しかったんです。

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次いで、うな重が運ばれてきます。

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ふたを開けると、美味しそうな匂いがパーっと立ってきます。そして、ふわっとした鰻がパリパリに焼けた表面とともにとても美味しいです。

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うな重を堪能して、満腹で小田急の小田原駅に向かいます。駅に着き、湯元行きの電車に乗り込みます。

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この時刻に湯元に行く電車はがらがらです。

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湯元駅に着き、寒い思いをしながら箱根登山鉄道の電車を待っていると、やがて、折り返しの電車がやってきます。

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電車から大勢の乗客が降りていき、この始発の空の強羅行きの電車に乗り込みます。

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この電車もガラガラ。どうなっているんでしょう。

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電車は急勾配の坂を何度もスイッチバックしながら、登っていき、強羅駅に到着。次は早雲台行きのケーブルカーに乗ります。

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このケーブルカーは最初はがらがらでしたが、発車の時刻になると、結構、乗客が乗り込んできました。

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中強羅駅で降りて、ホテルに向かいます。

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ホテルで温泉に浸かり、ほっこりです。やっぱり、冬の日本は温泉が一番ですね。



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緊急報告:箱根の温泉でほっこり、2日目は大行列の田むら銀かつ亭で豪華ランチ

昨日から、箱根の強羅の温泉でほっこりしています。今朝も起きてすぐに温泉に浸かり、ほこほこの足を配偶者にマッサージしてもらいます。ぎんぎんに足が痛みますが、これも治療の一環。

ゆっくり、昨日仕入れていたクロックムッシュのパンを朝ごはんとしていただきます。そして、11時のチェックアウト時間まで粘って、ようやくホテルを後にします。既に朝降っていた雪も止んでいます。
来るときは強羅から中強羅までケーブルカーで登ってきましたが、帰りは急坂を強羅まで下っていきます。痛む足を引き摺りながら、ゆっくりと下っていきます。
途中、箱根美術館の前を通りますが、前回、しっかりと鑑賞したので、今回はパス。その先の強羅公園を見ていきましょう。
強羅公園はケーブルカーの公園上駅から公園下駅までの斜面に作られているので、公園の中を見物しながら、公園下駅まで下っていきます。
公園上の西口を入ると、音楽堂からパノラマの景色が楽しめます。残念ながら、公園の中は冬枯れでほとんど花がありません。本来はバラ園が美しい筈なんです。それでも正面にはシンボルツリーのヒマラヤ杉が綺麗な姿を見せています。

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バラ園の中はクリスマスローズだけが可憐な花を咲かせています。

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バラ園、ヒマラヤ杉を過ぎると、正面に噴水池が見えてきます。これは冬枯れとは無縁です。

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噴水池を過ぎると、満開の花の木があります。ミツマタですね。

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熱帯植物園の温室があるので、入ってみます。少し温かいですね。あまり、花は咲いていませんが、ブーゲンビリヤとハイビスカスは美しい花を咲かせています。

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温室の中は迷路状態。抜け出すのに一苦労。saraiがベンチで待っていて、配偶者が出口を発見してくれました。ほっ・・・。

強羅公園を抜けて、公園下に出ます。このまま、下って、強羅に出ます。お昼時になったので、強羅の人気グルメ、田むら銀かつ亭に向かいます。行列必至の人気店です。
お店の前には、受付機で受付を済ませて待つようにとのメッセージボードがあります。

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おおっ、噂通り、大勢の人が入口付近に群がっています。

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受付機で受付すると、53番の受付シートが印刷されてきます。現在、受付の先頭は30番台です。15組以上待つ必要があります。途中、1組で10人ほどの団体が入ったりして、なかなか、順番が進みません。
結局、待つこと1時間ほどでようやく店内のテーブルに案内されます。最初から覚悟していたので、それほど待たされた感覚はありませんでしたけどね。

店内は外で待っているときの想像とは異なり、広々とした古民家風の佇まいです。ともかく、天井が高いことに驚きます。

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さて、メニューを吟味します。ここには普通のとんかつもありますが、名物は豆腐かつ煮です。せっかく1時間も待ったので、この豆腐かつ煮にしましょう。メニューには、豆腐かつ煮は2種類あって、豆腐かつ煮定食と豆腐かつ煮御膳があります。その価格差が千円ほどです。豆腐かつ煮を食べたいので、お安い豆腐かつ煮定食でいいのですが、写真を見ると、豆腐かつ煮の鍋の入れ物が違います。スタッフの方に違いを訊くと、熱々で食べるには豆腐かつ煮御膳の豆腐かつ煮鉄鍋だということです。2,640円もしますが、SNS映えしそうな豆腐かつ煮御膳に惹かれます。ええい、ここは贅沢しましょう。昨日はうな重で贅沢したばかりですが、せっかく、箱根の温泉でほっこりしたのだからいいでしょう。というような訳の分からない理屈で散財します。
何とすぐに料理が運ばれてきます。みんな同じような決断で選択するので、準備ができているんですね。
ほほう、鉄鍋は下の炎で熱せられて、それ以外の盛りだくさんの贅沢料理が並びます。

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準備が整ったところで、鉄鍋のふたが開けられます。美味しそうなカツが玉子でとじられて、ぐつぐつ煮えています。早速、いただきます。ううっ、何だか美味しいような気がします。実際、美味しいんです!

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食べてみて、初めて分かりましたが、普通のカツ煮ではなく、カツの中身はお豆腐で挟んだひき肉です。でも、食べている感覚はヘルシーなトンカツなんです。 食べ終わりの段階で分かりやすくなった中身をご紹介しましょう。

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saraiも配偶者も完食して、満腹です。とりわけ、配偶者はずっと苦しいを連発していました。
食後はコーヒーとデザート。満足、満足!

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もう、これで箱根でやり残したことはありません。田むら銀かつ亭を出て、強羅駅に向かいます。
と、お豆腐屋さんがあります。その名も銀豆腐。このお豆腐屋さんの銀豆腐を使っているので、銀かつ亭なのかなと妙に納得します。箱根の豆腐は有名ですからね。

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強羅駅に着くと、すぐやってきた箱根登山鉄道の電車に飛び乗ります。ちなみに強羅駅はSuicaが使えます。また、箱根はどこでもクレジットカードが使えるので、ずい分散財しましたが、現金は全然使っていません。
箱根登山鉄道はまるでスイスの登山鉄道みたいです。半径30mの大きなカーブでは後ろの車両が眺められます。

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実際、箱根登山鉄道はスイスのベルニナ鉄道を路線に含むレーティッシュ鉄道と姉妹鉄道提携をしています。
箱根登山鉄道の建設の際、困難を極めたのが早川鉄橋でした。鉄橋からははるか下に早川渓谷を見下ろせます。

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湯元駅に到着すると、何と小田原行の電車の乗り換えが0分です。saraiが動かない足を酷使して、最後に電車に駆け込むと直後にドアが閉まります。saraiが最後の乗り換え客でした。それでも、saraiが乗り込むまで、ドアを閉めるのを待ってくれたようです。配偶者が手を振って合図したからでしょう。箱根は最後までドラマに満ちていました。



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苔寺(西芳寺):数十年ぶりの再訪

2022年11月11日(金)@京都/1回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねます。昔は予約なしで訪れたものですが、今は苔の保護のために予約制になっています。今回、往復はがきで予約申し込みをして、無事に予約できました。数十年ぶりに西芳寺を訪れます。
予約時間は10時。
行き方を調べてみると、なんとホテルの目の前のバス停、烏丸松原を通る73番のバスが苔寺行きです。なんとも便利なホテルです。とはいえ、乗車時間が1時間近くかかりますから、8時39分のバスに乗らなければいけません。saraiにとっては、連日の早起きを強いられます。7時半には起き出して、朝食を頂き、出発です。ホテルを出るとすぐに烏丸通りです。

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バス停は通りの向かい側なので、横断歩道のある烏丸高辻の交差点に向かいます。

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通りの向かい側に渡り、ちょうど、ホテルの向かい側のところから、ホテルのほうを眺めると、ホテルの路地の奥にある平等寺が見えています。

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歩道の横には掲示板があり、烏丸松原界隈の今昔というモニュメントが設置されています。これは、この地が高島屋の創業の地であり、今は京都銀行の本店があることから、髙島屋・京都銀行創業記念モニュメントとして設置されたものです。昔の写真を交えながら、町の歴史、通りの歴史を伝えています。興味深く、京都の歴史の一端を眺めます。

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さて、バス停に到着です。

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バス停、烏丸松原で、バスを待つ人は2~3人です。

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待つことしばし。予定通りバスがやってきます。

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早速、バスに乗り込むと、立っている人はいないのですが、空いている席が1つもありません。あら~。このバス停まで、たった6分の京都駅始発のバスですが、京都駅で満席になることもあるかもと懸念していたことが起きてしまいました。同じバス停で乗り込んだ3組の計6人だけが立ち状態で、バスは走り出します。座っている人全員が苔寺に行く人という最悪の事態もあり得ます。でも、これから街中を走っていくのだから、降りる人もいるどろうと期待して待ちます。と、3つ目のバス停で一人が下車。その席を無事にsaraiがゲット。で、この後、全く降りる人も乗ってくる人もいません。嵐山方面に行くバスなので、嵐電への乗換駅では降りるだろう、太秦映画村では降りるだろうと予想してみますが、ダメ。結局、嵐山で若い人たちが下りていくまで、動きはありませんでした。
バスは嵐山の渡月橋を渡ります。

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渡月橋の上からは嵐山の風景が広がります。

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嵐山の紅葉はまだ早いようですね。

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桂川を渡り終えます。

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やがて、終点のバス停、苔寺・すず虫寺に到着。
ここで下りた乗客は、若い女性は鈴虫寺へ、高齢者は苔寺へと向かっていきます。
バスターミナルから西芳寺川沿いに苔寺に向かうと、ここも美しく紅葉が始まっています。

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さらに西芳寺川に沿って、苔寺の門前に向かいます。

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やがて、苔寺の門前に着きます。

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門前では、まだ9時半の予約受付中です。

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時刻は9時45分ですが、10時予約の人も拝観OKということで、一人3000円を支払って、入ります。高い!と思っていたのですが、人数を絞り込んだ完全予約制なので、広大な庭園では人とすれ違うことも少なく本当にゆっくり楽しめるので、こういうやり方もありだと思います。

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さあ、秋の苔寺の“美”を満喫しましょう。



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アミハイ・グロスがバルトークのヴィオラ協奏曲を瑞々しく演奏 トゥガン・ソヒエフ&NHK交響楽団@サントリーホール 2023.1.25

バルトークの絶筆で未完に終わったヴィオラ協奏曲は50年前にバルトークの熱烈なファンになって以来、ずっと聴きたかった曲でしたが、今日、初めて実演で聴くことができました。ベルリン・フィルの首席ヴィオラ奏者のアミハイ・グロスの実力をまざまざと実感させられる瑞々しい演奏で、このバルトークの作品の素晴らしさに今更ながら驚嘆しました。バルトークの絶筆とはいえ、決して晩年を思わせる作品などではなく、新たな挑戦に満ちた作品で、それまでのバルトークにはなかった響きや音楽性にあふれていました。バルトークはその人生の最後まで、独自の音楽領域を開拓し続けたんですね。ハンガリーの民俗音楽的な要素をいい意味で切り捨てて、次なる世界に乗り出そうとしていたんだと思います。バルトークの見果てぬ夢の一端を聴かせてもらいました。ほとんど手つかずに終わったオーケストラパートは同じハンガリー出身の作曲家ティボル・シェルイが補筆完成したとのことで、どこまでバルトークの音楽になっているかは想像するしかありませんが、少なくともトゥガン・ソヒエフの指揮したN響の響きは素晴らしいものでした。第3楽章のパシュート的な音楽は紛れもなく、バルトークそのものに思えました。全編、ヴィオラの独奏パートが多く、アミハイ・グロスの美しい響きの演奏と音楽表現に魅了されたヴィオラ協奏曲でした。今日はこれが聴けただけで、大満足です。
アンコールのバルトークのデュオも秀逸な演奏でした。

後半は、ラヴェルとドビュッシーの作品。これまでソヒエフはウィーン・フィルとトゥールーズ・キャピトル管弦楽団で聴きましたが、オーケストラから鮮やかな色彩の響きの音楽を引き出す能力には舌を巻きました。日本のオーケストラで聴くのは初めてですが、やはり、彼の色彩感あふれる演奏はそのまま、あてはまります。何とも素晴らしい響きでフランスの2人の作曲家の作品を演奏してくれました。N響がこんな響きを出せるのですね。特にラヴェルの「ダフニスとクロエ」組曲 第2番は圧巻の演奏でした。ドビュッシーの交響詩「海」も第3曲の盛り上がりは最高の響きが冴え渡りました。

ところで、音楽には直接関係ありませんが、ロシアのウクライナ侵攻でロシア人音楽家は苦悩し、様々な対応を迫られていますが、その中でトゥガン・ソヒエフの潔さは賞賛されて、然るべしでしょう。長年指揮してきたフランスのトゥールーズとロシアのボリショイの音楽監督の職をいずれも辞して、個人としての責任をとった形です。なかなかできないことです。リスペクトできる音楽家だと思いました。


今日のプログラムは以下のとおりでした。


  指揮:トゥガン・ソヒエフ
  ヴィオラ : アミハイ・グロス
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:白井圭

  バルトーク:ヴィオラ協奏曲(シェルイ版)
   《アンコール》バルトーク(ペーテル・バルトーク編):44のヴァイオリン二重奏曲(ヴィオラ版)第37曲「プレリュードとカノン」

   《休憩》

  ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲 第1番、第2番
  ドビュッシー:交響詩「海」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のバルトークのヴィオラ協奏曲を予習したCDは以下です。

  キム・カシュカシアン、ペーター・エトヴェシュ指揮オランダ放送室内管弦楽団 1999年 セッション録音

キム・カシュカシアンの現代的なヴィオラの切り込みの演奏が素晴らしい。文句ない演奏です。


2曲目のラヴェルの「ダフニスとクロエ」組曲 第1番、第2番を予習したCDは以下です。

  ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィル 1996年1月、ムジークフェライン セッション録音

「ダフニスとクロエ」組曲 第1番の録音は決して多くはない中、ウィーン・フィルの素晴らしい響きに陶然となります。第2番も予想外に素晴らしい演奏です。


3曲目のドビュッシーの交響詩「海」を予習したCDは以下です。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2012年4月13日 ローマ、聖チェチーリア音楽院 セッション録音

ロトと手兵のピリオド楽器オーケストラ、レ・シエクルの演奏で、初演時の響きを再現してくれた貴重な録音。でも、それほどの違いは分かりません。むしろ、演奏そのものの質が高く、聴き映えします。



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苔寺(西芳寺):まずは写経。心を静めて庭園へ。

2022年11月11日(金)@京都/2回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねます。
予約時間は10時でしたが、到着したのは9時45分。すぐに入れてもらえます。
中に入ると、いきなり、美しい紅葉のお出迎えです。

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石畳の通路を奥に進んでいきます。

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通路の左には本堂が見えています。1969年に落成した新しい建物です。

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通路の傍らには小さな池があり、紅葉が美しいです。

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ちょっとした枯山水のお庭もあります。

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お堂の受付があります。ここで、まずは、写経です。

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ずらっと並んだ机の前に腰かけて、渡された紙一枚の写経です。プリントされた文字をなぞって、筆ペンで書いていきます。
心を静めて、一文字ずつ書いていく行為も、なかなかいいもんですね。これから、自宅でも続けてみようかという気持ちになります。書き上げたものを納めます。
これはsaraiが書いた写経。なかなかのものに見えます。

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こちらは配偶者。それぞれ個性が出るから不思議です。上手い、下手なんて、比べるものではありません。どう心を込めたかの問題です。

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いよいよ、久しぶりの苔寺のお庭を拝観。
お庭拝見に向かいます。
まずはお庭を見る心得が書いてあります。無心の呼吸が大事なんだそうです。そして、無用の会話はご法度。

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目の前には見事な竹林があります。

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その先に通路が伸びています。

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写経した本堂から庭園への案内図があります。

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庭園入口に向かって、木々の間の通路を抜けていきます。

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既にこのあたりにも見事な苔がありますが、まだ、庭園は先です。

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美しい紅葉が見えてきます。

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紅葉が見事です。

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もうすぐ庭園入口でしょう。



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苔寺(西芳寺):紅葉に覆われた美しい緑の苔の庭

2022年11月11日(金)@京都/3回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
写経を終えて、いよいよ、庭園に向かっているところです。
庭園の入口近くになると、美しい紅葉に包まれます。

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庭園の塀沿いに続く美しい径の周りは緑の苔で覆われています。

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おや、こんなところに綺麗なセンリョウが赤い実を付けています。

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紅葉を愛でながら、庭園入口に近づきます。

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塀の一部が開いていて、そこから庭園に入ります。

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今度は赤い実をつけた南天があります。

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苔寺の名に恥じない素晴らしい苔がびっしりと庭園を覆っています。

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その苔の中に散策路が続いています。広大な庭園の中を歩いていきます。

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その苔の周りでは、かなり紅葉が進んでいます。美しい苔の緑とのコントラストがなんとも見事です。

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拝観人数が限定されていて、森閑とした雰囲気のお庭は実に素晴らしい苔の状態です。もう昔の記憶はありませんが、青々とした苔庭に魅了されます。

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庭園ではたまに人影を見ますが、ほとんど気にならない程度です。美しい苔のお庭をほぼ独占している感じです。

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庭園の中央には大きな池があります。池の周りには紅葉が美しく映えています。

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池の周りを散策していきましょう。



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クァルテット・インテグラの充実したアンサンブルのベートーヴェン、バルトーク、ブラームスの弦楽四重奏曲第1番セット@第一生命ホール 2023.1.28

この第一生命ホールは勝どき駅近くの晴海トリトンスクエアの中にあり、建物の4階から上のフロアに作られた新しいホールです。座席767席という中規模のホールですが、オーバル型という結構、横長の形をしていて、室内楽としては大きめのホールです。残響の少ないデッドな響きで、音響的にあまり響くとは言えませんが、その変わり、響きが明瞭に聴き取れます。そのせいかもしれませんが、若手クァルテットのクァルテット・インテグラのいつもの生硬とも言える瑞々しさがそれほど感じられずに、代わりにベテランのクァルテットのような熟成さが感じられます。ホールの特性なのか、それとも現在、活動拠点をアメリカに移しているためなのか、判然としません。5月にいつもの鶴見サルビアホールで聴くので、はっきりと分かるでしょう。

今回は3大Bのシリーズの1回目ということで、ベートーヴェン、バルトーク、ブラームスの弦楽四重奏曲の第1番をずらっと並べたプログラムです。来年の第2回は第2番、再来年の第3回は第3番ということだそうです。ブラームスはそれで結構ですが、バルトークが6曲のうち、半分だけというのは中途半端ですね。いっそのこと、バルトークの第4番~第6番を並べたコンサートを企画してほしいですね。

最初はベートーヴェンの第1番。これは安定した響きのたいそう素晴らしい演奏でした。ベートーヴェンの後期よりもよい演奏です。やはり、彼らはベートーヴェンの後期四重奏曲はしばらく後に演奏したほうがいいのではと余計な心配をしてしまいます。それにベートーヴェンの作品18の6曲は後期ほどでないとしても、音楽的に大変充実していて、saraiは大好きです。そういう意味でも、この3大Bのシリーズはクァルテット・インテグラのベートーヴェンの第1番~第3番が聴けるといういい機会になります。しかし、そうなると、残りの第4番~第6番も聴きたくなりますね。

次はバルトークの第1番。これは最高に素晴らしい演奏でした。落ち着きと緊張感が融合して、素晴らしいアンサンブルが展開されました。とりわけ、各楽章でチェロが主導するところで、築地杏里が深い響きで魅了してくれました。全体的に緊密なアンサンブルが見事に機能し、後期ロマン派の輝きをみせるバルトークの名曲に酔いしれました。終楽章である第3楽章の後半はさらにアンサンブルの精度が高まり、ありえないような演奏を聴かせてくれました。

休憩後、ブラームスの第1番。実はこれがとてもよかったんです。バルトークよりもよかったかもしれません。ブラームスとしては最初の弦楽四重奏曲として、交響曲第1番と同様に、練りに練った作品です。saraiはこういう力の入り過ぎた作品は苦手ですが、クァルテット・インテグラはほどよいバランスで素晴らしいブラームスを聴かせてくれました。第2楽章のそこはかとない抒情など、素晴らしい演奏です。ところが第4楽章に入ったところで、saraiの集中力はぷっつりと切れてしまいます。ここまで結構、重たい曲が続きましたからね。第4楽章をちゃんと聴けていれば、このブラームスが今日一番の演奏だったかもしれません。まあ、第3楽章までは素晴らしい演奏が聴けたので、いいでしょう。

アンコール曲は最近も聴かせてもらったハイドンの弦楽四重奏曲第74番「騎手」Op.74-3。第2楽章のラルゴは美しい抒情の漂う世界を丁寧かつ緊張感高く歌っていきました。ハイドンの真骨頂を若い彼らが見事に演奏してくれました。

クァルテット・インテグラの着実な前進が感じられたコンサートでした。次、どれほどの演奏を聴かせてくれるか、楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ
   三澤響果 vn  菊野凜太郎 vn 
   山本一輝 va  築地杏里 vc

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 Op.18-1
  バルトーク:弦楽四重奏曲 第1番 Sz.40 BB52

   《休憩》

  ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.51-1
 
   《アンコール》
     ハイドン:弦楽四重奏曲第74番 ト短調 Op.74-3 Hob. III: 74「騎手」から 第2楽章

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 ベルチャ四重奏団 2011年 オールドバラ、スネイプ・モルティングス、ブリテン・スタジオ セッション録音
 
これがベルチャ四重奏団のベートーヴェンu弦楽四重奏曲全集の聴き始めでしたが、過大な期待ほどの演奏ではなく、少々、残念です。もっと、抒情に満ちた演奏を期待していました。


2曲目のバルトークの弦楽四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 ベルチャ四重奏団 2007年 セッション録音

ベルチャ四重奏団はこちらのバルトークは大変、素晴らしい演奏ですっかり魅了されました。響きの美しさと幽玄な音楽表現は新たなバルトーク像を表出したものです。


3曲目のブラームス:弦楽四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 ベルチャ四重奏団 2003年 セッション録音
 
ベルチャ四重奏団はブラームスの弦楽四重奏曲第2番が大変素晴らしい演奏だったので、期待して聴きましたが、この曲は相性が悪かったようで、もう一つの演奏。聴く側のsaraiの趣味の問題もありますが、どうもベルチャ四重奏団は曲によって、出来、不出来が極端にぶれます。どうやら、抒情的な作品への大胆な踏み込みがよいようです。かっちりした作品は今一つに思えます。しばらく、ほかの曲も聴いてみましょう。



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       クァルテット・インテグラ,  

後半に尻上がりに調子を上げた上原彩子のパガニーニの主題による狂詩曲の耳でも目でも圧巻の演奏 大友直人&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.1.29

今日はミューザ川崎&東京交響楽団の名曲全集。今日の演目が名曲全集にふさわしいとは思えません。特にエルガーの交響曲第2番はクラシック音楽通を自任するsaraiでさえ、これまで聴いたことがなく、初聴きの曲です。ともあれ、大友直人指揮の東響は素晴らしい響きで名曲全集にふさわしい演奏でした。もっともsaraiのお目当ては上原彩子のピアノを聴くこと。とりわけ、彼女が得意にしているラフマニノフとあらば、駆けつけざるを得ません。そして、まったくsaraiの期待通りの上原彩子の会心の演奏でした。

前半が上原彩子が弾くラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲。saraiと配偶者の席は左側の前方の席。上原彩子がピアノを弾く後ろ姿を眺める感じですが、指が鍵盤の上を動きまわる様はよく見えます。演奏は第1変奏から淡々と平穏に進んでいきます。なかなか切れのよいタッチですが、上原彩子ならば、当然のこと。東響の弦の響きも冴え渡ります。第10変奏のグレゴリオ聖歌の「怒りの日」の旋律が登場するあたりから、音楽は徐々にヒートアップしていきます。そして、いよいよ、有名な第18変奏にはいります。まず、ピアノ独奏であの甘美な旋律(パガニーニの主題の反行形(上下を反対にした形))が奏でられます。上原彩子の抒情味を帯びたクリアーな音色の演奏の美しいこと、この上なし。うっとりと魅了されながら聴き惚れます。そして、その甘美な旋律がオーケストラに受け継がれ、東響の弦が美しく演奏します。そして、ピアノが分散和音的に修飾していきます。saraiの耳には上原彩子のピアノの響きだけが聴こえてきて、そのピアノの響きをオーケストラが修飾しているように感じます。いやはや、素晴らしい! うっとりしているうちに第18変奏も終盤にはいり、ピアノの独奏が甘美な旋律を回想します。第19変奏以降はピアノの超絶技巧が炸裂しまくり、圧倒的です。鍵盤の上を動き回る上原彩子の手のかっこよさにもしびれます。第23変奏で主題が明快に回帰して圧倒的な音楽の高まりになり、最後の第24変奏ではオーケストラが強烈に「怒りの日」を演奏した後、独奏ピアノが主題をさりげなく弾いて、おしゃれに音楽を閉じます。うーん、今日も上原彩子のピアノは凄かった!! 魂の燃え上がる燃焼度の高い演奏に加えて、クリアーなピアノの響きと抒情味のある音楽表現・・・言うことがありません。東響の弦と木管の美しさも華を添えました。

後半のエルガーの交響曲第2番は大友直人の素晴らしい指揮のもと、東響の素晴らしいアンサンブルが美しい響きで魅了してくれました。第4楽章の後半、東響の素晴らしい響きが盛り上がり、その後、静謐に曲が終わります。早過ぎる拍手で一気に楽興をそがれましたが、それがなければ、とてもよいイギリス音楽が聴けました。音楽は演奏家と聴衆が作り出すものですが、今日はそれが裏目に出ましたね。エルガーはよくも悪くもイギリス音楽の真髄を抉り出した作品を作ったことが感じられました。まさにBBCプロムスの世界そのものです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:大友直人(東京交響楽団 名誉客演指揮者)
  ピアノ:上原彩子
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op. 43
  《アンコール》 ラフマニノフ:前奏曲集 Op.23-2

  《休憩》

  エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 Op. 63


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を予習したCDは以下です。

 アンドレイ・ガヴリーロフ、リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団 1989年4&5月 セッション録音
 ユジャ・ワン、クラウディオ・アバド指揮マーラー室内管弦楽団 2010年4月 フェラーラ,テアトロ・コムナーレ セッション録音

ガヴリーロフは昔はテクニックは凄かったですが、実に端正な演奏をしていました。今なら思いっ切り、したい放題の演奏をするでしょう。そこがもう一つ、物足りません。
ユジャ・ワンは凄い演奏です。テクニック抜群で音も美しいです。そして、煌めくような音楽表現に魅了されます。アバド指揮のマーラー室内管とのバランスも見事です。これ以上の演奏はないでしょう。


2曲目のエルガーの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

 アンドレ・プレヴィン指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1992年 アムステルダム、コンセルトヘボウ ライヴ録音

大変、美しい演奏です。



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       上原彩子,  

苔寺(西芳寺):苔と池と紅葉の織り成す極上の美の世界

2022年11月11日(金)@京都/4回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
庭園を始め、中央の池の前に出たところです。
この池は黄金池(おうごんち)と名付けられ、心の字を描いた形であることから心字の池とも呼ばれます。その池の周りは素晴らしい紅葉で彩られています。

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池の前にある観音堂の廂の下で美しい庭園の景色を眺めています。

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池の水面と紅葉と緑の苔が織り成す美しさに魅了されます。

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びっしりと苔むした緑の中に紅葉が映えますね。

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木々と点在する岩の間には緑の苔が見事に景色を作っています。想像できないような絶え間ない庭師さんの手入れの産物なのでしょう。その労苦には感謝するのみです。

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美しい緑の苔の上には、さりげなく、落ち葉が点々と落ちています。あえて、そのままにすることで、自然らしさを演出しているのでしょう。これも心憎いばかりの心配りですね。

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その落ち葉をもたらした木々は淡い色彩を放っています。

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池の周りの苔の庭の中を巡る散策路を進みます。

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人の姿も見えない森閑とした空間の中にどこまでも苔に覆われた庭園が広がっています。苔寺の美しさの中で心が洗われていく思いです。

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苔に覆われた地表の間に池に続く水路がさりげなく、現れます。西芳寺川の水が池に引かれているのでしょう。

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鏡面のように輝く水面には周りの緑の風景が映り込んでいます。木漏れ日もまだら模様を作り、複雑な味わいを感じさせます。

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池は周りの苔の緑を反映して、緑の池と化しているかのようです。見る角度によって、池は色々な表情を見せます。

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木々で空間が分割されて、その分割された空間に池や紅葉が配置され、一幅の名画を鑑賞する思いです。もし、セザンヌがこの風景を見たら、どんな絵を描くのでしょうか。この風景にふさわしい画家はセザンヌを置いて、他に思いつきません。

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saraiの美的感覚がいたく刺激されながら、苔寺の庭園の散策が続きます。



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初期、中期、後期弦楽四重奏曲・・・いずれも見事なアンサンブルと気魄に納得の演奏 ベートーヴェン・チクルス第3回 カルテット・アマービレ@王子ホール 2023.1.31

王子ホールで進行中のカルテット・アマービレのベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスの第3回です。今回も素晴らしい充実度の演奏。初期、中期、後期、それぞれの弦楽四重奏曲はたっぷりとした中身のある音楽で、カルテット・アマービレはますます熟成し、けれども瑞々しさを湛えた渾身の演奏を聴かせてくれました。今回で中期の作品はすべて弾き終えて、残りは初期の3曲と後期の4曲を来年以降の3年3回のコンサートで弾くことになりました。来年は1月21日。ますます、名曲に挑戦することになります。楽しみですね。

さて、今日のコンサート。まずはみなさん、黒いお洒落なドレスで登場。ヴィジュアルさは音楽には関係ありませんが、音楽だけでなく、姿の美しさにも磨きがかかってきました。クラシック音楽界のアイドルみたいです。
冒頭はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第2番。作品18の2です。今回のチクルスでは、作品18の6曲を作曲順に弾いています。これまで第3番、第1番と弾いてきました。次回は多分、第5番、作品18の5を弾くのでしょう。
第1楽章を弾き始めると、挨拶の主題が爽やかに響きます。美しいアンサンブルにぐっと惹き込まれます。ベートーヴェン初期の作品とは言え、とてもそうは思えない完成度の高さでsaraiもとっても好きな曲です。素晴らしいアンサンブルの中、第1ヴァイオリンの篠原悠那の美しい響きが光ります。第2楽章は抒情的な音楽がカルテット・アマービレの美しい響きで精緻に演奏されます。第3楽章、第4楽章は軽快に気持ちよく音楽が流れます。最上級の演奏でした。

次はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番。「ラズモフスキー第3番」で知られているベートーヴェン中期の傑作です。明るく、勢いに満ちた作風の傑作です。カルテット・アマービレの演奏は最高に素晴らしいものでした。とりわけ、第4楽章のフーガは圧倒的な迫力でどこまでも突き進むという風情で魅力たっぷりの演奏でした。古典派の弦楽四重奏曲の総決算として、どこまでも音楽の高みに上り詰めるという音楽を若い4人は瑞々しい感性で歌い上げてくれました。

休憩後、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番 Op.130。終楽章はオリジナルの大フーガ Op.133を演奏します。実に長大な作品です。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中でもっとも演奏時間の長い作品です。カルテット・アマービレの4人の充実した演奏が最高の形で結実しています。ただただ、魅了されるのみです。第4楽章までの熟達した演奏はその後の第5楽章と終楽章の前座だったのかと思わせるほど、第5楽章のカヴァティーナが何とも思い入れたっぷりに奏でられます。作曲したベートーヴェンが凄いのですが、カルテット・アマービレのメンバーたちは思いつめたような深い感情を込めて、切々と音を紡いでいきます。彼らを突き動かしていたのは、愛の思い出か、単に音楽への深い傾倒なのか。老年のsaraiとて、平静な気持ちでは聴いていられません。曲が終わり、うーん、何も弾けませんね。彼らもちょっとチューニングで時間をとります。無論、普通の終楽章ならば、きっと、そのまま弾き進めたでしょうが、今日はここから長大かつ壮大な大フーガです。美しいカヴァティーナと対極をいくような音楽です。そして、彼らは意を決したように大フーガを弾き始めます。静かに始まった音楽も凄い迫力で盛り上がっていきます。カルテット・アマービレ、渾身の演奏です。そして、また、静謐な音楽が始まります。今日、最高の演奏です。精緻なフーガが見事に演奏されていきます。その果てで音楽は高潮し、再び、静まった後に圧倒的なフィナーレ。うーん、今日、最高の演奏でした。

カルテット・アマービレは聴くたびに彼らの音楽に魅了され、彼らの成長が楽しみで、そして、それ以上に若々しい音楽の精華に共感します。ソロ活動が増えた彼らですが、今後もこのカルテット・アマービレとしての室内楽の活動に軸を置いてもらいたいと老年ファンの一人として願うばかりです。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
         篠原悠那(第1ヴァイオリン)
         北田千尋(第2ヴァイオリン)
         中 恵菜(ヴィオラ)
         笹沼 樹(チェロ)


  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第2番 ト長調 Op.18-2
  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 Op.59-3 「ラズモフスキー第3番」

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130/大フーガ 変ロ長調 Op.133


   《アンコール》
     ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 から 第6楽章 Allegro 変ロ長調 Op.130-6


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第2番を予習したCDは以下です。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1979年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤です。新盤よりもしっくりくる演奏です。


2曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番「ラズモフスキー第3番」を予習したCDは以下です。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1984年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤です。これも新盤よりもしっくりくる演奏です。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番 Op.130/大フーガ Op.133を予習したCDは以下です。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1983年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
  リンゼイ弦楽四重奏団 2000年7月25-27日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤と新盤です。これは新盤のほうがしっくりきました。


アンコールのベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 から 第6楽章 Allegro 変ロ長調 Op.130-6を予習したCDは以下です。そうです。当然、アンコールはこれしかないと予想して、予習しました(笑い)。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1983年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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その後、ザル

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

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