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苔寺(西芳寺):絶妙に作り上げられた苔の庭園の味わい深い散策

2022年11月11日(金)@京都/5回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
庭園散策を始め、黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りを歩き、苔と紅葉で彩られた風景のあまりの美しさにため息をもらし、極上の美の世界に耽溺しています。
木漏れ日の陽光の作り出す苔の絨毯の模様も自然の造化の妙に思えます。

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緑色に染まる池は苔の絨毯との境界線も定かでなくなっています。そして、黒々とし木々の幹がその風景を区切っています。saraiはこれをセザンヌの絵画の構図に連想してしまいます。セザンヌがジャポニズムの影響で画面を大胆に区切っていたことを思い出したからです。

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お庭の紅葉も素晴らしく色づいています。緑の木々との対照も美しく感じられます。

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木の根元で盛り上がっている苔は光の効果でまるで雪のような白さに見えます。モネならば、光で変化する苔の風景を連作しそうですね。

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水路と木々で苔の風景が区切られ、池と紅葉がアクセントを付けています。どの風景も絵画で描かれた風景のようです。一瞬、一瞬、自然の絵画を鑑賞しながら、散策を続けます。

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水路で仕切られた苔の絨毯さえも一幅の絵画を思わせます。

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地表に伸びた木の根っこも苔の絨毯を区切る役割を果たしています。

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無造作に並ぶ大小の石や岩も苔と相俟って、抽象絵画の世界を形作っています。

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散策路はさきほど入ってきた塀に沿ったルートに引き戻されます。

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池沿いだった径は苔に覆われた地面ばかりが広がる世界にはいっていきます。

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苔の絨毯の中に大きな岩がごろごろと並び、水路の石垣のような風情です。

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塀が直角に折れ曲がっています。その角にあるのは西芳寺川に面する中門です。正面の塀は西芳寺川に沿って伸びており、塀の外は先ほど苔寺の門に向かって歩いてきた道になっています。しかし、まったく、外の世界と隔絶して、苔寺の庭園だけを切り取った独立した世界になっています。低い塀は確実に庭園の独立性を守りつつ、外の空間への広がりも感じさせます。塀の絶妙な高さは巧妙に計算された結果に思えます。

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人工的に切り取った苔寺の苔の庭園の自然の素晴らしさに感嘆しながら、散策は続きます。感じ入るところが多過ぎて、その歩みは一向に早まりません。



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テーマ : 国内、史跡・名勝巡り
ジャンル : 旅行

 

苔寺(西芳寺):庭園の美を深く味わい尽くす喜びに浸っています

2022年11月11日(金)@京都/6回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
庭園散策を始め、黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りを歩き、そのあまりに美しい風景にしばしば足が止まります。
ところどころ起伏のある地面も分厚い苔で覆われ尽くしています。拝観者を制限し、手入れの行き届いた苔の美しさは比類のないものです。

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木漏れ日を浴びた木々は絶えず表情を変えています。ひとところに留まって景色を眺めていても決して飽きることはありません。庭園を散策する歩が緩くなるのは致し方がないことです。

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西芳寺川に沿って立つ塀も中ほどまで来て、湘南亭茶室が近くなります。この湘南亭は安土桃山時代の茶室で重要文化財です。千家の二代目の千少庵翁の作と云われています。ここから池に映る月を愛でるのが風流だったようです。桂離宮の茶室との類似を思い起こします。

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散策路はこの先、池に向かいます。池と離れたり、近づいたり、景色の変化を味わうのがこの散策路の醍醐味です。

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木々が密になっていて、池が見通せないように工夫されています。この先、急に池の景色がぱーっと広がるという算段のようです。

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そのとおり、一気に池の風景が眼前に広がります。軽い感銘が心の中に湧き起ります。庭園の設計者の仕掛けた罠に素直に乗ります。

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秋の陽光に照らされた池の水面には周りの風景が見事に映り込んでいます。高い秋空の青も映り込み、水面に白い雲がぽっかりと並びます。夜になると、暗い空に浮かぶ月が水面で輝くのでしょう。ここに立てば、誰でも詩人になりそうです。

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池の水面に反射した光が苔の絨毯の上に模様をつけています。西欧の人は室内で窓からの光が絨毯に模様を描くのを楽しむのでしょうが、日本の美的感覚は屋外の自然と一体化した景色を心象風景として、心に投影させることを旨とします。

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池と苔が光の饗宴を作り、秋の赤や黄の木の葉が彩を添えます。

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コロナ禍で3年もヨーロッパの旅から遠ざかっていて、saraiの気持ちが日本の美に向かっています。今まで見てこなかった日本人の美的感覚に深く傾倒しています。桂離宮といい、この苔寺の庭園といい、何と日本人の精神性が連綿として受け継がれていることでしょう。日本人のひとりとして、この日本の美しい文化を味わえるのは、実に幸福なことです。ということを考えながら、まだまだ、苔寺の庭園散策は続きます。



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苔寺(西芳寺):深い味わいの庭園の美を堪能しつつ、深遠な空気を呼吸

2022年11月11日(金)@京都/7回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の前で、その池の水面に周りの木々や空が映り込む美しい眺めにうっとりと魅了されているところです。

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一方、うららかに差し込む光に照らされた苔の分厚い絨毯の緑の美しさもこの世の風景とは思えない素晴らしさです。

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西芳寺川に沿った塀の前に苔がびっしりと生い茂っています。そして、早くも塀の東端の総門が見えてきています。

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池には小島がいくつも浮かび、複雑な風景を形作っています。真っ赤な紅葉もその景色を彩って、saraiの心を魅了してくれます。

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真っ赤なモミジを中心に据えて、池の風景を眺めます。正面に見える朝日ヶ島に明るい陽光が差して、まさに黄金池の雰囲気を醸し出しています。

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視線を少し左にずらすと、池のほとりの苔の美しさに目が沁みます。ほとんど、先ほどと同じ風景なのに、視線をずらすだけで急に別の風景のように感じます。

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総門に近づきます。総門は閉じられていて、一般の人の出入りはできないようです。

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おおっ、総門の前の木の枝が芸術的な形にうねっていますね。まるで茶道か華道の世界のために存在するかごとくです。

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さて、池の形に沿って、歩いていきます。相変わらず、池の水面は鏡のように輝き、周囲の景色を映り込ませて一体化しています。

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散策路の周りの苔は木の根元から這い上がって、美しくグラデーションしています。石の上にもうっすらと苔が覆っています。

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池と苔と紅葉に包まれながらの散策が続きます。

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ようやく、庭園の東の端に達し、庭園散策もほぼ3分の1くらい進んだことになります。森閑とした庭園は汲めども尽くせぬ深い深い味わいに満ちています。



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アンチヒーローが聖なる愛で救済される壮大なドラマ 《タンホイザー》@新国立劇場 2023.2.4

実に素晴らしいワーグナーの楽劇を堪能。《タンホイザー》って、こんなにも素晴らしいとは思っていませんでしたから、とても魅了されました。ハンス=ペーター・レーマンのシンプルで素直な演出だと、《タンホイザー》の本質が見えてきます。これまでタンホイザーは何を聴いてきたのか調べると、実演では、バイエルン国立歌劇場の豪華キャスト(ギャンビル、キーンリサイド、ピエチョンカ、マイヤー、メータ指揮)、ヴィデオではバイロイト音楽祭(ディヴィス指揮)で、どうやら、演出が分かりにくいものだったようです。そのため、saraiは《タンホイザー》の素晴らしさを見誤っていたようです。本来は今回の公演のように、聖と俗の狭間でアンチヒーローのタンホイザーが揺れ動き、聖なる女性エリーザベトの天使のような献身的な祈りが神に聞き届かれて、罪人タンホイザーが堕落の寸前で救われるというというシンプルなストーリーが、ワーグナーの奇跡のような音楽で描き出されるものです。予習したバーデン・バーデン祝祭劇場でレーンホフが演出したものは今回の公演と驚くほど似た印象で、いずれも天使のような乙女エリーザベトの死を覚悟した祈りでタンホイザーが救済されるところが感動的に描き出されています。それにしてもワーグナーの音楽の天才的な崇高さには圧倒されるのみです。最近のバイロイト音楽祭の演出はどうやらひどいもので、とても聴きに行く気が起きるようなものではありません。平凡な鑑賞者であるsaraiには、バイロイト音楽祭よりも新国立劇場の公演のほうがよほど好ましいと思えます。《タンホイザー》は《パルジファル》とかなりの点で似たところが多く、とても聴き映えがします。無論、この路線では《パルジファル》は最高傑作に間違いありませんが、親しみやすい旋律やストーリーのシンプルなところでは《タンホイザー》を好む人も多いのではないでしょうか。

総論は以上ですが、今日の公演の具体的な中身を見ていきましょう。アレホ・ペレスの指揮はワーグナーの音楽を実に明快に描き出しました。序曲の出だしこそ、金管の響きが弱く、あれれと思いましたが、全般には東響の美しい弦の響きをいかした壮麗で豊かな音楽を聴かせてくれました。特筆すべきはやはり、新国立劇場合唱団の素晴らしい合唱です。再三登場する《巡礼の合唱》の厳かさには感銘を受けました。そして、最後の幕切れの大合唱には感動しかありません。
タイトルロールのタンホイザーを歌ったステファン・グールドは文句なしに最高の歌唱でした。素晴らしい美声に圧倒されます。ただし、役どころがある意味、情けない男なので、何となく、むなしく響きます。
ヴェーヌスを歌ったエグレ・シドラウスカイテは思いのほか、よく歌っていたと思います。十分に男を魅了するという役どころを歌い切っていたと思います。
最高に素晴らしかったのはエリーザベトを歌ったサビーナ・ツヴィラク。第2幕のアリア《歌の殿堂》もさることながら、第3幕の巡礼者の中にタンホイザーの姿が見いだせなかった後に聖母マリアに願って歌うアリアの清らかさはうるうるものでした。透明でありながら、芯のある歌唱は見事の一語。
ヴォルフラム役のデイヴィッド・スタウトは高潔さを表出した歌唱。少し硬質な響きですが、有名なアリア《夕星の歌》は圧巻でした。
ヘルマンを歌った我らが妻屋秀和は堂々たる歌唱で海外の歌手たちにひけをとりません。
牧童を歌った前川依子は美しい声で素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。彼女が巡礼たちの歌声と交錯して歌うシーンの見事さには聴き惚れました。

ドラマが盛り上がったのは第2幕の歌合戦。次第にタンホイザーの破局に向かう場面の迫真性。そして、罪を告白したタンホイザーの助命を懇願するエリーザベトの迫力と純真さを兼ね備えた歌唱に感銘を覚えます。そして、ローマに巡礼に行くことになったタンホイザーの哀れな姿にスポットがあてられながらの第2幕の終わりに音楽が高潮します。

最後は第3幕の幕切れのシーン。エリーザベトの死でタンホイザーに神の救済が与えられたところで一気に音楽は盛り上がり、圧倒的な合唱で感動のうちに幕。

ワーグナーの音楽の聴きどころは随所にありました。これほど、ワーグナーの音楽の崇高さを感じられるオペラはないかもしれません。罪の痛み、清らかな祈りなどが織り交ぜられて、静かで厳かな感動に満ちた音楽が素晴らしい独唱、アンサンブル、合唱で描き出されました。新国オペラのワーグナー作品の名演といっても過言ではないでしょう。


今日のキャストは以下です。

  リヒャルト・ワーグナー
   楽劇 タンホイザー 全3幕

【指 揮】アレホ・ペレス
  【演 出】ハンス=ペーター・レーマン
  【美術・衣裳】オラフ・ツォンベック
  【照 明】立田雄士
  【振 付】メメット・バルカン
  【再演演出】澤田康子
  【舞台監督】髙橋尚史
  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【バレエ】東京シティ・バレエ団
  【管弦楽】東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

【領主ヘルマン】妻屋秀和
  【タンホイザー】ステファン・グールド
  【ヴォルフラム】デイヴィッド・スタウト
  【ヴァルター】鈴木 准
  【ビーテロルフ】青山 貴
  【ハインリヒ】今尾 滋
  【ラインマル】後藤春馬
  【エリーザベト】サビーナ・ツヴィラク
  【ヴェーヌス】エグレ・シドラウスカイテ
  【牧童】前川依子
  【4人の小姓】和田しほり/込山由貴子/花房英里子/長澤美希


最後に予習について、まとめておきます。

以下のヴィデオを見ました。

・ワーグナー:歌劇『タンホイザー』全曲
 タンホイザー:ロバート・ギャンビル(T)
 エリーザベト:カミラ・ニュルンド(S)
 ヴェーヌス:ヴァルトラウト・マイヤー(S)
 ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ:ローマン・トレケル(Br)
 領主ヘルマン:スティーヴン・ミリング(B)
 ヴァルター:マルセル・レイヤン(T)、他
 ウィーン・フィルハーモニア合唱団
 ベルリン・ドイツ交響楽団
 フィリップ・ジョルダン(指揮)
 演出:ニコラウス レーンホフ
 装置:ライムンド・バウアー
 照明:ドゥアン・シューラー

 収録時期:2008年
 収録場所:バーデン=バーデン祝祭劇場(ライヴ)

シンプルな演出で素晴らしいタンホイザーが楽しめます。エリーザベトのカミラ・ニュルンドの歌唱が最高です。ジョルダンの指揮も見事。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

苔寺(西芳寺):黄金池と名付けられた池の美しさを堪能

2022年11月11日(金)@京都/8回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策しているところです。
庭園の東の端まで歩いてきて、またまた、池の水面に映り込む周りの木々や秋の空の素晴らしい眺めに感嘆しています。すっかり色づいたモミジも興を添えています。

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散策路の周りの盛り上がった斜面には分厚い苔の緑が美しく、そこへ秋の日が差して、明るい模様を描き出しています。

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散策路は池に沿って、左に緩くカーブしていきます。庭園の東の端に差し掛かり、東端に沿って、北に進みます。散策路の先には珍しく人の姿が見えます。実は写真には写っていませんでしたが、時折、人の姿はあったんです。あえて、写真に人影が入らないようにしていたんです。ちょっと気に掛ければ、写真に人影が写り込まないくらい、入場制限している庭園には人がまばらです。人の少ない森閑とした庭園の雰囲気はとても素晴らしいです。拝観料3000円も安いくらいに感じます。

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少し歩けば、また、池の景色の表情も変わります。今、秋の日は左のほうから差しています。池の右側の地面の苔が明るく光っています。池の水面も右側のほうが明るく輝いています。

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秋の日を真正面から受けている池の中の小島は明るく輝き、手前の水面の輝きと一緒になって、得も言われぬ美しさです。

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その小島の前に近づくと、苔むした石橋の先に苔に覆われた優美な姿を見せています。小島の先の右手には、その先の朝日ヶ島に架かる石橋も見えています。朝日ヶ島も秋の日を受けて明るく輝いています。島の周りの池の美しさと相俟って、極楽浄土のような風情です。

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小島の正面に立つと、小さなモミジの真っ赤な紅葉がアクセントになり、一段と美しさが際立ちます。

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小島の前を過ぎると、美しい水面越しに正面に朝日ヶ島が見えます。手前の真っ赤なモミジと相俟って、何とも美しい眺めが広がります。美しさに魅了されて、立ち尽くします。

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また、セザンヌ風の構図を気取って、木の幹で空間を区切って、美しい池の眺めを楽しみます。左手が小島、中央が朝日ヶ島、右手が夕日ヶ島です。

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今度は同じ風景を画面の左に太い木の幹を入れて、眺めます。ずい分、印象が変わりますね。

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最後に邪魔な木を除いて、すっきりとした画面で美しい水面を眺めます。池に映る逆さの風景の美しさはいかばかりでしょう。

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黄金池と名付けられた池の美しさを堪能しながら、ゆっくりと散策を続けます。



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苔寺(西芳寺):池の島々が構成する美しさはまさに天国的

2022年11月11日(金)@京都/9回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策しているところです。
配偶者から、いい加減、苔も見飽きたと言われていますが、庭園散策はほぼ半周したところ。まだまだ、続きますから、この天国的な眺めの散策にしばし、お付き合いくださいね。
庭園の東端の真ん中あたりから、池と島々の美しい眺めに魅了されています。池の水面に映り込む風景と紅葉したモミジが何とも素晴らしいです。

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池の周りの苔の緑が秋の日を浴びて、美しい風景になっています。

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苔の緑から池の中の夕日ヶ島へ苔むした石橋で渡れるようになっています。しかし、残念ながら立ち入り禁止です。苔を踏んで痛めてしまいますからね。

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夕日ヶ島を過ぎると、また、池の水面が広がっています。

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再び、池の水面に映り込む風景に魅了されます。ここでは、秋の日が木々を通して、縞模様になって、水面を照らしています。2重の光の饗宴になっています。

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夕日ヶ島は強い日差しを受けて、苔の緑が白く光っています。木々の間から奥にある鎮守堂が垣間見えています。

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先ほど通り過ぎた夕日ヶ島に架かる石橋が美しい風景の中心になっています。風景の主役は白く輝く苔です。池の水面以外はすべて苔で覆い尽くされています。そして、池の水面も苔の緑を反映して、淡い緑色で光っています。

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石橋をズームアップしてみます。あれっ、石橋ではなく、木橋のようですね。苔むしているので、分かりませんでした。

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その向こうにある朝日ヶ島に架かる橋もズームアップしてみます。これも木橋ですね。すると、池の中の島に架かる橋はみな木橋のようです。

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再び、木橋を中心にした美しい風景をじっと眺めます。池泉回遊式庭園の傑作ですね。

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ただでさえ、苔で美しい庭園は秋の季節になり、紅葉が彩を添えて、最高の眺めになっています。

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お寺のパンフレットによると、晩年のスティーブ・ジョブズがこの西芳寺をたびたび訪れていたようです。むべなるかなです。洋の東西を問わず、この庭園の美しさには誰しも魅了されるでしょう。
もう、庭園の北東の端までやってきました。ほぼ、4分の3周近く歩いてきました。残りの風景も心残りのないように味わいましょう。



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苔寺(西芳寺):庭園の美はなんと感動的!

2022年11月11日(金)@京都/10回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策しているところです。
池と島々の美しい眺めに魅了されていますが、夕日ヶ島をズームアップして眺めると、美しい苔がそのまま池に落ち込んでいるように見えます。無論、そんなことはなく、池の水面に苔が映り込んでいるんです。その水面に揺蕩う光が素晴らしいです。

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いやはや、水面は映り込む風景と秋の日の光が重なり合って、ファンタスティックな世界を演出しています。

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池の端を周り込んでいくと、夕日ヶ島に架かる木橋(石橋ではありません(笑い))が正面に見えてきます。周りの苔の世界が広がり、アクセントになるモミジが可愛いですね。

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このあたりは苔に覆われた地面が池に半島のように突き出して、変わった雰囲気を醸し出しています。

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半島の突端の先には夕日ヶ島がこんもりと盛り上がっています。

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弧を描いている池の岸辺の先には一艘の舟が繋がれています。昔は舟を漕ぎ出して、月を愛でていたのでしょう。桂離宮と同じ感性の古人(いにしえびと)たちですね。

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美しい苔の間の小径を苔を痛めないように慎重に歩いていきます。小径には木漏れ日が差しています。風情がありますね。

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美しい紅葉越しに秋の日に照らされている池の水面を眺めます。これぞ日本の秋ですね。

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モミジ、光る苔、光が揺蕩う水面、心に沁み入る風景です。

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緑の苔と緑色に輝く水面という緑の世界と対照をなす赤く染まったモミジの作り出す光景に魅せられます。これ以上の美はないでしょう。

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思わず立ち止まって、この奇跡のような風景をじっと眺めます。

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しばらく、動けそうにありません。深い感動の波に襲われます。



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天才、藤田真央のゾーンにはいったような最高のモーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会の掉尾を飾る@王子ホール 2023.2.8

藤田真央のモーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会の第5回。今日がチクルス最後の演奏会になります。前回は抽選漏れで聴けませんでした。結局、全5回のうち、3回だけ聴いたことになります。
で、今日は最高の演奏でした。最初のピアノ・ソナタ 第3番の冒頭の1音から素晴らしいタッチの演奏で、まったくもって素晴らしい演奏が最後まで続きました。アンコールの2曲はさらに素晴らしく、モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会の掉尾を飾る見事な演奏。さすがに、ソニークラシカルと専属レコーディングのワールドワイド契約を締結し、世界デビュー・アルバムでモーツァルトのピアノ・ソナタ全集を録音した藤田真央の特別な天才ぶりを感じることができました。

前半の第3番~第5番の演奏の素晴らしかったこと! 間違いなく、saraiがこれまで聴いた中でベストの演奏です。このまま、ライヴ録音のCDにしたいくらい。とりわけ、第5番の演奏にはしびれました。第3楽章のアレグロの奔放で闊達な演奏は心に瑞々しく響いてきました。それにしても、藤田真央のピアノの音は弱音から強音まで、歯切れよく、そして、本当によく響きます。まるでピアノに特別の仕掛けがあるみたいに思えます。ペダルは軽く踏む程度のようです。

後半は前半の初期作品から一転して、後期作品になります。藤田真央のピアノの素晴らしい響きは前半と同様ですが、作品の充実度が違います。
まず、ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K333。耳慣れた有名な作品です。第1楽章から魅了されます。普通に演奏しているだけですが、何か、オーラのような輝きを放っています。安定した演奏でありながら、瑞々しく感じるのは何故でしょう。ともかく、ピアノの響きが美しいこと、この上ありません。第2楽章のアンダンテ・カンタービレは抒情に満ちた演奏。シューベルトのように長大に感じますが、実際はそれほどの長さではない筈です。第3楽章のアレグレット・グラツィオーソは圧巻の演奏です。実に華麗な響きがこだまします。即興的にも感じる演奏は音楽性にも満ちて、深く感銘します。
最後はモーツァルトの最後のピアノ・ソナタの第18番 ニ長調 K576。第1楽章はバッハとの関連を思わせる対位法的な書法で、まるでトッカータみたいです。藤田真央のピアノは闊達にこのバッハ風の調べを水際立った演奏で弾き進めます。素晴らしいテクニックと音の響きに驚嘆します。藤田真央のピアノでバッハのパルティータが聴きたくなります。妙な想像をしているうちに圧巻の第1楽章が終わります。緩徐楽章の第2楽章はまだ、第1楽章の印象を引きづりながらも抒情の極みが聴けます。こういうところでも藤田真央の高い音楽性が感じられます。そして、いよいよ、最後の第3楽章。ロンド・フィナーレの音楽はモーツァルトのチクルスの最後を締め括る技巧と即興性に満ちた藤田真央の渾身の演奏。とは言え、余裕もあり、音楽の楽しさをあふれんばかりの感性で極め尽くすという風情の見事な演奏。モーツァルトの音楽も成熟の極みに達したことを我々に告げるかの如き演奏でした。

アンコールのフランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲 ハ長調 K265 (きらきら星変奏曲)は凄い演奏。クララ・ハスキルの格調高い演奏にもひけをとらない凄い演奏です。実演でここまでの凄い演奏は聴いたことがありません。技巧も音楽性も両立した名演です。そして、最後のアンコール曲。最初は何?と思いますが、極めて美しいアヴェ・ヴェルム・コルプスです。チクルスの掉尾を飾る素晴らしいプレゼント。格調高く、美しさの限りを尽くした演奏に聴き惚れました。

日本人にも、ここまでのモーツァルトを弾ける天才が出現したことをただただ嬉しく思うばかりです。
藤田真央は次はベートーヴェン、シューベルトのソナタですね。 行け! 藤田真央!


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:藤田真央

  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K281
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K282
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K283

   《休憩》

  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K333
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第18番 ニ長調 K576

   《アンコール》
     モーツァルト:フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲 ハ長調 K265 (きらきら星変奏曲)
     モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

最後に予習について、まとめておきます。

モーツァルトのピアノ・ソナタ5曲を予習したCDは以下です。

  マリア・ジョアン・ピリス 1974年1~2月 東京、イイノ・ホール セッション録音
  イリーナ・メジューエワ 2011~2014年(第3番~第5番)、2015年11月~12月(第13番、第18番)、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音


若きピリスが純粋無垢なモーツァルトを聴かせてくれます。後にDGで再録音したものとは一味違っています。saraiが最も愛好してやまないモーツァルトのピアノ・ソナタ全集です。
そして、メジューエワの豊かな響きのモーツァルト。中でも第5番が素晴らしい演奏。全体にはモーツァルトにしては響かせ過ぎかもしれませんが、モーツァルト弾きではないメジューエワの渾身のモーツァルトのピアノ・ソナタ全集です。



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       藤田真央,  

苔寺(西芳寺):庭園は苔の中の散策路に変容

2022年11月11日(金)@京都/11回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策しているところです。
美しい緑の苔と光り輝く池の水面、そして、真っ赤なモミジの織り成す妙なるハーモニーにうっとりと見入っています。

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このあたりに広がる苔の表情に驚嘆します。一様に分厚い緑の絨毯ではなく、もこもことした苔の塊が連なって異様な光景です。苔の表面には光が作用して、白く光って、雪の塊のようにも見えます。

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苔の平原はずっと先の小島の中まで続いているように錯覚します。壮大なスケールの庭園を思わせます。

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このあたりの苔はまさに緑の絨毯を敷き詰めた感があり、光を受けても緑色に光っています。木々の向こうには散策の起点となった観音堂が見えています。

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まわりは様々な種類の苔に覆われています。その苔の中に続く散策道を後ろの風景を振り返りつつ進んでいきます。庭園内の苔の種類は120種類もの青苔があるそうです。

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水路の前の苔むす樹林の先には広大な竹林が広がっています。実に奥深い庭園です。

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苔の庭園はこの辺りでは池の水面が見えず、一帯、樹林が広がっているように見えます。樹林の一角にはまばゆい光が差しています。秋の日もお昼近くになると強烈な日差しをもたらします。

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苔の樹林の中の散策路を人が行き交います。人が立っているのは池の水面が美しく見えるあたりです。saraiも呆然として絶景を眺めていました。こうした人の姿を見るのも稀な森閑とした庭園です。

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樹林の中に一木だけのモミジが赤く染まっています。モノクロームな世界の中のアクセントのようです。まるで自然の芸術ごとく、目を楽しませてくれます。

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苔の樹林の美しさに呆然としてしまいます。人が作り出した自然でありながら、既に自立した自然のようにも思えます。和の心なのでしょうか。

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苔の間に水路が作られています。水路を挟んで両側の苔は種類が異なり、微妙な対比を見せています。

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散策路は池から離れていて、しばらくはまわりは苔の緑ばかりです。黄金池の風景から庭園は表情を変えています。こういう変化も苔寺の庭園散策の醍醐味です。



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苔寺(西芳寺):庭園散策も無事、一周し、再び、黄金池の絶景が蘇ります

2022年11月11日(金)@京都/12回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策しているところです。
今はいったん、散策路は池を離れたところに差し掛かっています。小径の傍らには竹林が広がっています。西芳寺の上段の庭のほうへと続くあたりのようです。

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池は遠く左手のほうにあります。ここからは水面は見えません。池までは苔の庭が続いています。

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苔の庭の樹林の上からは秋の強い日差しが降り注いでいます。今日は絶好の好天です。

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やがて、行く手に再び、池が見えてきます。今、庭園の北西の端あたりを歩いています。

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木々の間から、黄金池の水面がはっきりと見えてきます。苔寺の池泉回遊式庭園の美しさは池とともに極まりますから、期待の念が高まってきます。もう、十分に見尽くしたのですが、決して見飽きたわけではありません

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散策の起点だった観音堂に近づいてきます。庭園散策もほぼ一周したことになります。saraiの足の痛みも庭園のあまりの美しさに魅了されて、忘れていました。

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上段のお庭への通路、通宵路の入口、向上閣の前に出ます。上段のお庭は非公開なので、この先は立ち入り禁止です。上段のお庭は現存最古の枯山水の庭園なので、見たいものですね。

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観音堂前の池のほうに向かいます。

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苔の間に岩を並べた水路があります。水路際には植物が繁茂しています。

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苔に覆われたお庭の中にある池の水面はここでも鏡面のように輝き、周りの景色を映り込ませています。

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ここで苔寺の庭園散策は終了ですが、最後に美しい景色を存分に楽しんでおきましょう。



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苔寺(西芳寺):庭園散策の最後は観音堂前の美しいモミジ

2022年11月11日(金)@京都/13回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策していましたが、ほぼ一周して、観音堂のあたりに戻ってきました。
観音堂の前の池の水面も美しい風情です。

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池の横に広がる樹林の地面を覆う苔も美しい緑で瑞々しい風景を作っています。

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観音堂の前の美しい紅葉を楽しみましょう。このあたりはまだ淡く色づいています。

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右手にある小さなモミジが真っ赤に色づいています。

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観音堂の廂の下からは秋空の青と色づいたモミジの対照が美しさを極めています。

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観音堂と色づいたモミジの絶景を堪能します。

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真っ赤なモミジをズームアップ。とっても綺麗です。

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淡く色づき始めたモミジも爽やかです。

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さあ、これで苔寺の庭園も見尽くした感ありというところです。ここに来る途中でバスの車窓から見た嵐山の桂川遊覧船が気になっていました。スマホで検索して、遊覧船の会社に電話して、乗船予約とかの状況を訊いてみます。どうやら、直接、遊覧船乗り場に行けば、そう待たずに乗れるようです。
森閑とした庭園内で電話していたのが迷惑だったようで、外国人の女性が眉をひそめます。外国人にこの庭園の和のテーストが分かるのかなんて、勝手なことを言っていたsarai自身がマナー違反を犯していました。反省します。
その外国人ご夫妻がモミジの美しさをじっと見つめています。ごめんなさい。ゆっくり、日本の美を楽しんでくださいね。

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美しいモミジを眺めながら、庭園を出ます。

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さすがの西芳寺のお庭を拝見し、京都の奥深い文化を堪能しました。



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ニコラ・アライモの演技とヴォリューム感のある歌唱、そして、素晴らしいアンサンブル 《ファルスタッフ》@新国立劇場 2023.2.12

演出家ジョナサン・ミラーの作り出したステージはシンプルでオーソドックスなもの。特筆すべきは17世紀オランダをもとにした舞台の古色蒼然とした美しさ。舞台転換のスピーディーさもドラマ展開の連続性を損なわない見事なもの。2019年に亡くなったジョナサン・ミラーの残してくれた遺産です。

音楽自体はセリフ回しのようなコメディーで、これがヴェルディの総決算とはね。それでも、オーケストラの分厚い響きでの聴かせどころもあり、東響が存在感を出していました。
そして、歌手では、タイトルロールのファルスタッフを歌ったニコラ・アライモの演技力と朗々たる歌唱の見事さが一番でした。場をしめくくるシーンで再三、張り上げた歌唱の圧倒的な響きに感銘を覚えました。「行け、老練なジョン」"Va, vecchio John" は聴かせどころですが、見事に決まっていました。彼の歌唱を聴くのは、2014年のザルツブルグ精霊降臨音楽祭での《チェネレントラ》のダンディーニ役以来です。そのときは、その巨体から出るボリュームのある声の響きとテクニックに加え、演技力も抜群でパスタを食べるシーンでは死ぬほど笑わせてくれました。バルトリとカマレーナの圧倒的な歌唱にもかかわらず、アライモの素晴らしさが目立ちました。今日も流石の歌唱と演技に納得しました。
アリーチェを歌ったロベルタ・マンテーニャは初聴きですが、その美声に魅了されました。この役は聴かせどころはほとんどありませんが、アンサンブルのソプラノの要となります。彼女の張りのある美声、そして、潤いを感じさせる美しいヴィブラートは輝きを放っていました。透明感のある歌唱はナンネッタ役の三宅理恵の歌唱と共通していて、この2人の歌唱はこのオペラを盛り上げてくれました。
さて、そのナンネッタ役を歌った三宅理恵ですが、今日も美しい高音の歌唱で期待に応えてくれました。もっとも最初、saraiはナンネッタ役を三宅理恵が歌うことを知らなかったので、あれっ、この綺麗で透明な高音は誰だろうとびっくりしてたんです。第3幕のアリア「夏の風に乗って」はまさに妖精の女王にふさわしい素晴らしい歌唱でうっとりと聴き入りました。今日、最高の聴きどころでした。
クイックリー夫人のマリアンナ・ピッツォラートは安定した歌唱もさることながら、演技で魅せてくれました。
フォード役のホルヘ・エスピーノは渋い歌唱が見事。アンサンブルの軸の一人としての役目を果たしました。

ヴェルディが生涯の最後で作り上げた野心的なオペラを新国立劇場が素晴らしい音楽、そして、演出で公演してくれました。アリアが主体でない劇と音楽の総合作品の真髄をしっかりと受け止めることができました。やはり、ファルスタッフは奥深いオペラです。


今日のキャストは以下です。

  ジュゼッペ・ヴェルディ
   ファルスタッフ 全3幕

【指 揮】コッラード・ロヴァーリス
  【演 出】ジョナサン・ミラー
  【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
  【照 明】ペーター・ペッチニック
  【再演演出】三浦安浩
  【舞台監督】髙橋尚史
  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

【ファルスタッフ】ニコラ・アライモ
  【フォード】ホルヘ・エスピーノ
  【フェントン】村上公太
  【医師カイウス】青地英幸
  【バルドルフォ】糸賀修平
  【ピストーラ】久保田真澄
  【フォード夫人アリーチェ】ロベルタ・マンテーニャ
  【ナンネッタ】三宅理恵
  【クイックリー夫人】マリアンナ・ピッツォラート
  【ページ夫人メグ】脇園 彩


最後に予習について、まとめておきます。

以下のヴィデオを見ました。

ヴェルディ:歌劇『ファルスタッフ』全曲

 アンブロージョ・マエストリ(ファルスタッフ)
 ステファニー・ブライズ(クイックリー夫人)
 アンジェラ・ミード(アリーチェ)
 リゼット・オロペーサ(ナンネッタ)
 ジェニファー・ジョンソン・カーノ(メグ・ペイジ)
 パオロ・ファナーレ(フェントン)
 フランコ・ヴァッサッロ(フォード)
 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団,
 ジェイムズ・レヴァイン(指揮)

 ロバート・カーセン(演出)
 ポール・スタインバーグ(美術)
 ブリギッテ・ライフェンシュトゥール(衣装)

 収録時期:2013年12月14日
 収録場所:メトロポリタン歌劇場(ライヴ)

うーん、やっぱり、オペラだから、もう少し、キャストの見栄えも大事かなと頭を捻りました。特にアリーチェの容姿がね。音楽的にはレヴァインがしっかりと仕切っていました。



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苔寺(西芳寺)の次は鈴虫寺

2022年11月11日(金)@京都/14回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねています。
黄金池(おうごんち)と名付けられた池の周りの美しい眺めにうっとりとしながら散策していましたが、その素晴らしい散策も終えました。
庭園を出たところも秋色に色づいた木々が秋の日に映えています。

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本堂の前に戻ってきました。

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西芳寺の衆妙門を出ました。門に向かって一礼。大変、美しい庭園を見て満足です。

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再び、西芳寺川に沿った道を歩き、戻っていきます。

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やがて、西芳寺の総門の前を過ぎます。ここが庭園の東端でした。

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これが西芳寺川。すっかり、コンクリートで固められていますね。水量もほどほどです。

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すぐ近くの鈴虫寺も気になるのですが、1時間ごとの入場で説法を聞くというやり方なのでいつも長蛇の列。なので、訪問は諦めていました。ですが、ちょっとだけ様子を見ていきましょう。お寺に続く長い石段の前に来ると、全く人がいません。今日は休み? 時間を確認すると、11時の部が開始されたばかりのようです。次の1時間後まで待つ気にはなりませんが、とにかく、様子を見に石段を登ってみましょう。

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玄関前に出ても、まったく人の姿がなく、がらんとしています。

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と、玄関前の係の人が、10分ほど説法は進んでいるけど、よろしければどうぞ!とのご案内。それはありがたいですね。さっそく中に入ります。説法の始まっている部屋に入ると、とんでもない大きな鈴虫の声。てっきりスピーカーで流しているものと思い、少々がっかりしたのですが、よく見ると、部屋の周りにずらりと並べられたケースからの鈴虫の鳴き声でした。凄い数の鈴虫だと思いますが、とんでもなく大きな声になるのですね。ここ鈴虫寺では、秋に鳴く鈴虫が季節に関係なく、ケースの中で鳴いているそうです。確かに鈴虫寺という名前のとおりです。もっともお寺の正式名称は華厳寺(けごんじ)です。
とんでもなく大きな鈴虫の声ですが、何故か説法の邪魔にはなりません。不思議ですね。お話を聞き始めます。なかなか面白おかしい説法です。最後に拝観者にどこから来たのかと尋ね始めます。東京や福岡など遠くの人がいます。関西だと、ちょっとがっかりという素振りで拝観者を楽しませます。そろそろ終わりにしたいときの拝観者の答えが高槻からということで、和尚さんが最後はびしっと決めたいからと声をかけますが誰も返事がありません。と、配偶者が、ハイ!と元気よく手を挙げて横浜からというと、和尚さんは嬉しそうに、気持ちよく終われたと言われて、お話は終局に進んでいきます。楽しい30分ほどの説法でした。
お土産のお菓子を頂いて、お堂の外に出ます。ここからの眺めは素晴らしく、遠くに京都タワーまで見通せます。

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この見晴台はさっきの説法したお堂のすぐそばです。

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もう一度、絶景を眺めます。

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これで鈴虫寺を後にします。石段を下りるところまで来ると、この大行列。凄い人気ですね。

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石段を下りると、行列は石段の下まで続いています。

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ここに鈴虫の寺という石柱が立っています。

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次は嵐山に向かいます。狙いは屋形船です。



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滅多に演奏されないフローラン・シュミットとショーソンの隠れた名曲を熱演 ヤン・パスカル・トルトゥリエ&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.2.14

今日はまさにフランス系の隠れた名曲尽くしの感があります。演奏された3曲ともsaraiは初聴きです。実演だけでなく、CDでも聴いたことがありません。それどころか、こういう曲があることすら知らない有様。フローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲に至っては、この作曲家と初遭遇です。こういう隠れた名曲を紹介してくれる指揮者ヤン・パスカル・トルトゥリエはその名前でうーん。やっぱり、そうでした。往年の名チェリスト、ポール・トルトゥリエのご子息です。とは言え、saraiよりも年上の老境にはいる指揮者です。ちなみに父親のポール・トルトゥリエの実演に接したことはありませんが、バッハの名曲、無伴奏チェロ組曲の1982年録音の新盤を聴いて、その素晴らしい演奏に納得した覚えがあります。

冒頭のフォーレの歌劇『ペネロープ』前奏曲はフォーレらしい静謐な音楽にじっと聴き入りました。さほど面白味のある作品ではありませんが、しみじみとした抒情が伝わってきます。都響の弦楽アンサンブルが今日も美しい演奏を聴かせてくれました。高潮するパートでの管も素晴らしい演奏です。

次はフローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲。ピアノ独奏は若手の俊英、阪田知樹。この難曲を素晴らしく切れのある美音で弾きこなしました。この作品は3楽章とも、バルトーク的な音楽で始まりますが、すぐにフローラン・シュミットの独自の音楽書法に切り換わり、最後は熱く高潮します。フローラン・シュミットの独自の音楽書法と思えたのは、若干、無調のテーストで色彩感あふれる音響で切れのあるリズムの音楽ということです。少々、騒がしい音響という感じもあり、これが聴く人の好き嫌いに分かれるところかもしれません。saraiはニュートラルな立場です。現代音楽に通じるものと思えば肯定的にも聴けますし、 精神性を求めれば否定的にも思えます。バルトークのパロディー的な音楽はなかなか好ましいと思います。第2楽章の冒頭のバルトークの夜の音楽、第3楽章の冒頭のバルトークのピアノを打楽器的に扱うバーバリズム的な音楽あたりはなかなか好ましいです。バルトークのピアノ協奏曲第2番・第3番を想起します。そして、これらのパートを阪田知樹は見事に演奏します。彼の弾くバルトークが聴きたいですね。フローラン・シュミットの独自の音楽書法のピアノとオーケストラが渾然一体となった各楽章の終結部分は阪田知樹と都響が熱く燃え上がり、圧巻の演奏でした。トルトゥリエの指揮の捌き方も見事なものでした。

休憩後、ショーソンの交響曲 変ロ長調。これはフランクの交響曲にも匹敵する隠れた名曲です。軽く循環形式にもなっていることはさておいて、何と言っても格調高い美しいメロディーが横溢しており、聴くものを惹き付ける魅力にあふれています。トルトゥリエの的確な指揮のもと、都響の素晴らしいアンサンブルがこの名曲を奏でていきます。第2楽章の抒情にあふれた音楽は素晴らしい魅力を感じさせる演奏。,
そして、第3楽章で第1楽章の序奏のモティーフが金管でコラールとして回帰する輝かしい部分以降の高らかな高潮には思わず、身が引き締まる思いに駆られます。圧巻のコーダに感銘を覚えました。

いやはや、こんなに充実した隠れ名曲を聴く機会はそうはありません。こういう企画をたて、そして、それを素晴らしく演奏した都響に惜しみない喝采を送りたいと思います。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:ヤン・パスカル・トルトゥリエ
  ピアノ:阪田知樹
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:四方恭子(隣の席は山本友重)

  フォーレ:歌劇『ペネロープ』前奏曲
  フローラン・シュミット:管弦楽とピアノのための協奏交響曲 Op.82

    《休憩》

  ショーソン:交響曲 変ロ長調 Op.20


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のフォーレの歌劇『ペネロープ』前奏曲を予習したCDは以下です。

  ロビン・ティチアーティ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団 2017年1月5-7,9日 ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

若きイタリア系イギリス人の俊英指揮者ロビン・ティチアーティがベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督に就任して早々の録音アルバムに含まれている曲です。瑞々しい演奏に思えます。


2曲目のフローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲を予習したCDは以下です。

  フセイン・サーメット(p)、デヴィッド・ロバートソン指揮 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 1993年6月 セッション録音

録音が少ない曲だけに貴重なアルバムです。フセイン・サーメットのピアノの切れは素晴らしいです。


3曲目のショーソンの交響曲 変ロ長調を予習したCDは以下です。

  ジャン・フルネ指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 1988年 セッション録音

ジャン・フルネの明快な指揮で美しい演奏です。この曲もそんなに録音が多くないので、名匠フルネの録音で聴けるのは僥倖です。



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フルシャがブラームスを振るとN響の響きが変わって繊細さと精妙さの極致、アンデルジェフスキのピアノが冴え渡るシマノフスキ NHK交響楽団@サントリーホール 2023.2.15

ヤクブ・フルシャを久々に(5年ぶり)聴きましたが、その精緻さの極まる指揮はますます磨きがかかり、オーケストラへの要求水準の高さも並々ならぬものでした。驚いたことにN響はフルシャの高い要求をほぼ満たしていました。コンサートマスターの白井圭の力量もなかなかのものとみました。いい意味でN響が別のオーケストラに思えるほどの変身を遂げていました。

冒頭はドヴォルザークの序曲「フス教徒」。最初のコラールは管楽器だけで奏でられますが、フルシャの節回しとテンポ感がたまらなく素晴らしいです。多分、フルシャは心の中で歌っており、それをオーケストラで演奏させていたのでしょう。タクトの振り方も絶妙でした。そして、このコラールは弦楽器に移りますが、爽やかな味わいの響きが最高です。その後、いくつもコラールが演奏されて、音楽も高潮していきますが、フルシャの指揮の見事さに心を奪われます。N響がまるでチェコ・フィルになったかのごとくの演奏に舌を巻きます。チェコ国民の熱狂の嵐の中にいつしかsaraiも巻き込まれ、陶酔の中に曲は終わります。1曲目から大変な演奏です。これだけでもよほどリハーサルを重ねたんでしょう。

次はシマノフスキの交響曲 第4番 Op.60「協奏交響曲」。交響曲とは名ばかりで、まさにピアノ協奏曲で協奏交響曲のテーストもはいっています。まるで昨日、都響で聴いたフローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲みたいですね。ピアノの超絶技巧といった点も同じです。第3楽章ではバルトーク風の民俗舞曲も登場します。無論、シマノフスキの作風はバルトークとは異なりますが、時代背景などで底面でつながるものはあるようです。久々に聴くピョートル・アンデルシェフスキの軽やかでノリのよいピアノのタッチは健在で難曲のシマノフスキを見事に弾きこなします。彼が先導する形で先鋭的な曲を弾き進めていきます。シマノフスキらしい幻想的な雰囲気のパートもあり、複雑さはあるもののストレートな音楽表現で聴きやすく、耳ざわりもよい作品です。ピアノとオーケストラが交錯して高潮する圧倒的な響きでは、昨日のフローラン・シュミットの作品を思い出してしまいます。全体的にアンデルシェフスキ独特の切れのよいピアノの響きに終始、魅了されました。
アンデルジェフスキのアンコール曲は明らかにシマノフスキ。民俗的な要素もあったので、マズルカ風に感じました。実際、シマノフスキのマズルカでした。ショパンのマズルカと違って、とてもモダンな仕立ての音楽でした。


後半はブラームスの交響曲 第4番。フルシャのブラームスはドイツ流のがっちりした堅固な演奏とは異なり、高弦でメロディーラインを爽やかに奏でる演奏です。しかも精緻な指揮で絶妙な味わいの音楽を醸し出します。パステル画で精妙に描き出すような雰囲気で、油絵のようなこってりしたものではありません。よく見ると、先ほどまでと違って、スコアを置かずに暗譜で指揮しています。フルシャはブラームスに思い入れが深いようです。そう言えば、都響の首席客員指揮者の最終公演でもブラームスの交響曲第1番の素晴らしい演奏を聴かせてくれました。ともかく、フルシャ独自の解釈のブラームスは説得力もあり、素晴らしい演奏です。ぐっと引き入れられるようにsaraiも集中します。あの有名な第1主題がともかく美しいです。何度も出てくるたびに聴き惚れます。第2楽章にはいり、ますます、桃源郷のようなロマンの世界が広がります。底堅さはありませんが、高弦や木管が絶妙なメロディーを聴かせてくれて、枯れたというよりも爽やかなブラームスです。新たなブラームス像が出現したような感じです。ぽわーんとして聴き惚れていたら、第3楽章はいきなり、力強い音楽で切り込んできます。ぐんぐん推進力の強い音楽で雰囲気は一変。そして、第4楽章は力強い主題で開始。バッハのカンタータ150番の終結合唱の低音主題によるパッサカリアです。力強さと繊細さが織り交ぜられたような絶妙な演奏で最高の味わいです。フルシャの素晴らしいタクトに見事に反応したN響の渾身の演奏でまことに結構なブラームスを聴かせてくれました。N響がこんなに精妙なブラームスを演奏するとは驚きです。


今日のプログラムは以下のとおりでした。


  指揮 : ヤクブ・フルシャ
  ピアノ : ピョートル・アンデルシェフスキ
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:白井圭

  ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」Op.67
  シマノフスキ:交響曲 第4番 Op.60「協奏交響曲」
   《アンコール》シマノフスキ:20のマズルカ Op.50 第3曲

   《休憩》

  ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のドヴォルザークの序曲「フス教徒」を予習したCDは以下です。

  イシュトヴァン・ケルテス指揮ロンドン交響楽団 1966年10月11,12日 ロンドン、キングズウェイホール セッション録音

ドヴォルザークのスペシャリストだったケルテスのドヴォルザーク交響曲全集に含まれる録音ですが、もうひとつ精緻さに欠けます。


2曲目のシマノフスキの交響曲 第4番を予習したCDは以下です。

  レイフ・オヴェ・アンスネス、サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団 1996年10月 セッション録音

シマノフスキの音楽の普及に努めたラトルのシマノフスキ全集の中の1曲です。アンスネスのピアノが素晴らしいです。


3曲目のブラームスの交響曲 第4番を予習したCDは以下です。

  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1949年6月10日 ドイツ、ヴィースバーデン ライヴ録音(グランド・スラム(平林直哉復刻))

この曲はフルトヴェングラーに限ります。1948年のベルリン・フィルとの演奏は最高の名演ですが、今回は別の演奏を聴きました。これも凄いロマンティックな演奏。



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嵐山の屋形船へ

2022年11月11日(金)@京都/15回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねました。
その後、若い女性に大人気の鈴虫寺を訪問。聞きしに優る名和尚さんの見事な説法でした。鈴虫の鳴き声もよかったしね。
鈴虫寺を出ると、素晴らしい竹林があります。

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嵐山に戻るためにバスターミナルに出ます。地蔵院に登る階段があります。地蔵院はちょうど5年前の紅葉時に行きました。

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さっき、鈴虫寺でもらったお菓子を確認します。寿々むしというお菓子です。

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すぐにやってきたバスで嵐山に移動。早速、屋形船乗り場に行ってみます。桂川を屋形船で楽しむというのがあるのは知っていましたが、今まで気にも留めていませんでした。でも、今日は水上からモミジを眺めるのも一興ではないかということになりました。この屋形船乗り場からの渡月橋の眺めはなかなかのものです。風光明媚というのは、このような景色のことを言うものですね。

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乗り場には人影もなく、空いているようです。楽勝で乗れるようです。

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近くには手漕ぎボートの乗り場もあります。昔はsaraiはやたらにこのボートが好きで配偶者を各地で乗せていました。今日は屋形船モードです。

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嵐山に、観光客が戻ってきたようです。渡月橋の上は、多くの人で賑わっています。

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船着き場で様子を聞くと、15分後に乗船できるとのこと。それはラッキー。屋形船からの景色を楽しみましょう。

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船上でのお茶の楽しむお菓子を求めてブラブラ。ここにも屋形船がありますが、ここは星のや専用の渡し舟。星のやは陸路から行けないので、ここから渡し舟に乗るしか手段がありません。いつかは泊まってみたいと言うと、配偶者から、そんな贅沢は駄目というご託宣。最もです。

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結局、生八つ橋オタベをゲットして、乗り場に戻ると、乗客が集まっています。

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これが乗り場の事務所になっている小屋です。飲み物の自販機も並んでいます。

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既に我々の乗る屋形船も準備を終えて、待っています。

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いよいよ、乗船します。嵐山の紅葉を船上から楽しみましょう。



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金川真弓の曇り後晴れの会心のブラームス、そして、ヴァイグレの見事なシューマン  ヴァイグレ&読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.2.17

金川真弓が遂にブラームスのヴァイオリン協奏曲に挑むというので、これは聴き逃がせません。saraiにとって、この曲はヴァイオリニストの力量を計る試金石だと思っています。失礼ながら、幾多のヴァイオリニストをこの曲で評価してきて、合格した人と不合格の人を選り分けています。最高点で合格したのは、庄司紗矢香やヒラリー・ハーンなどです。さて、今日の金川真弓は第1楽章が合格ラインすれすれ、第2楽章以降は最高レベルで合格です。第1楽章はどうやら極度の緊張感で力が入り過ぎて、高域の響きはよかったのですが、低域の響きが全然だめ。音楽表現も固いもので音楽への没入感に乏しく、saraiははらはらしながら聴いていました。事実、彼女自身も第1楽章の後、体をリラックスするしぐさをしていました。頑張れと声援を飛ばしたくなるような状況でした。第2楽章は冒頭、オーケストラの前奏でオーボエの美しい独奏が続きます。この読響の美しい演奏に触発されたのか、金川真弓は柔和な表情で美しいヴァイオリンを奏で始めます。第1楽章とはまったく次元の異なる素晴らしい演奏です。美しい高域の響きだけでなく、低域の響きも実にリッチです。そして、何よりもブラームスの描いたロマンの世界が素晴らしく表現されています。saraiはすっかり安心して、ブラームスの美しい音楽に没入し、うっとりと魅了されます。実に素晴らしい第2楽章でした。そして、一気に第3楽章に突入していきます。金川真弓の勢いあるヴァイオリンはもうゾーンにはいったかのごとく、会心の出来栄えです。彼女を先頭にして、ヴァイグレ指揮読響も続いていきます。圧巻のフィナーレでした。いやー、よかった、よかった。金川真弓の応援団のような気分のsaraiはすっかり上機嫌です。

順番は逆になりますが、冒頭で演奏されたベートーヴェンの「コリオラン」 序曲は最初のトゥッティの素晴らしい響きに始まり、ヴァイグレの素晴らしい指揮で古典派のきっちりした音楽を存分に味わわせてくれました。何とも 構築力に満ちて、アンサンブルも最高のベートーヴェンでした。

休憩後、シューマンの交響曲第2番。詳しくは述べませんが、精神的に苦しかったシューマンが渾身の力で創造した傑作をヴァイグレの見事な指揮、読響の素晴らしいアンサンブルで描き尽くしたという感でした。とりわけ、第3楽章の抒情に満ちた演奏は今日の白眉とも言えるものでした。演奏機会の少ないシューマンの名作を素晴らしい演奏で聴けて、シューマニアーナのsaraiは大満足でした。
それにしても、読響はいつ聴いても最高の演奏をしてくれます。凄いオーケストラだと感服するのみです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原幸太(ダブルコンマス、林悠介)

  ベートーヴェン:「コリオラン」 序曲 Op.62
  ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

   《休憩》

  シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの「コリオラン」 序曲は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1966年10月29日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール セッション録音

実に見事な演奏です。


2曲目のブラームスのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 リサ・バティアシュヴィリ、クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン 2012年6月 ドレスデン セッション録音
 
バティアシュヴィリの最高のヴァイオリン、そして、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンの見事なサポート。しかし、2013年4月にゼンパーオーパーで映像収録された演奏はまったく同じメンバーながら、バティアシュヴィリがさらに素晴らしい入神の演奏を聴かせてくれました。それ以来、saraiはバティアシヴィリにはまっています。


3曲目のシューマンの交響曲第2番は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1985年11月 ウィーン、ムジークフェラインザール ライヴ録音

バーンスタインがウィーン・フィルの豊かな響きで描き出したシューマンの濃厚な世界です。



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       金川真弓,  

嵐山の屋形船は静かな水面を紅葉に向かいます

2022年11月11日(金)@京都/16回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねました。
その後、鈴虫寺を訪問した後、嵐山に向かいました。一番の目的は桂川を屋形船で楽しむことです。
早速、屋形船に乗ると、屋形船は岸辺を離れます。

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船頭さんが竿さすと屋形船は船着き場をぐんぐん離れていきます。

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岸辺には色づいた木もありますが、のんびりした雰囲気です。秋空の青さが目に沁みます。

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船着き場には、屋形船がまだ何艘も係留されています。まだ、観光のピークではないようです。

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上流方向には紅葉が見えています。かなり先ですね。

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後方には観光客で賑わう渡月橋が見えています。川の中から、渡月橋を眺めるのは初体験です。

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緋もうせんの敷かれた屋形船の船内には10人ほどの船客が眺めを楽しんでいます。長閑です。

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渡月橋に本当に人の流れが戻ってきましたね。

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岸辺では紅葉した木の前で記念撮影中の人がいます。秋ですね。

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貸しボート屋さんの前を通過します。その先には黄色と赤の秋のハーモニーが見えてきます。

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このあたりの川面はさざ波さえもなく、まったく静かな状態で、船も静かに進んでいきます。まるで池の中のようです。

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両岸の紅葉が綺麗になってきました。このあたりはまだ手漕ぎボートも多いですね。

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桂川の屋形船クルーズはまだ始まったばかりですが、楽しくなってきました。



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ガヴリリュクのパーフェクトな演奏でグリーグのピアノ協奏曲 原田慶太楼&東京交響楽団@サントリーホール 2023.2.19

今日は現代日本の作曲家の作品の間に有名曲のグリーグのピアノ協奏曲を挟み込むという創意工夫のある(苦心の)プログラム。聴衆を集めるのが難しいと思いましたが、意外に集客できていました。よかったですね。

最初の曲は東京交響楽団委嘱作品で世界初演の小田実結子のKaleidoscope of Tokyo。いきなり、感想を書くのも難しいのですが、印象はガーシュウィンの「パリのアメリカ人」の東京版を連想してしまいました。聴くのに困難さを伴う現代作品ではありませんが、何故、この時代にこういう作品が・・・という疑問は解けません。無調の作品が時流でないのは分かりますが、現代の音楽はどこを目指すのでしょうか。saraiにはアデスのように無調と調性音楽を融合させたものやジョン・アダムズのようなミニマル音楽まではそれなりに理解できますが、調性べったりというのも今更に思えます。やはり、リゲティあたりの時代がよかったような気がします。折角の新作にケチをつけるのも何ですが、現代の時流が理解できない年寄りの愚痴と思って、聞き逃してください。演奏は見事でした。

次のグリーグのピアノ協奏曲は超有名作品。こういうのはかえって、演奏が難しいものですが、アレクサンダー・ガヴリリュクは素晴らしいテクニックと美しい響きで見事に正面突破。細部まで磨き上げられた演奏で魅了してくれました。第1楽章はあの有名な主題を手垢を感じさせない瑞々しい演奏で納得させてくれます。聴き惚れているうちに長大な楽章も終了。第2楽章はオーケストラの長い序奏の後、ガヴリリュクの美しい弱音で抒情に満ちた音楽が歌われます。うーん、とてもいいね。気持ちよく聴き入ります。ガヴリリュクはいい意味でプロの職人芸を聴かせてくれます。それも超一流の技です。そして、勢いよく第3楽章に突入していきます。まるでショパンの音楽にチャイコフスキーの音楽をないまぜにしたような耳に心地よい音楽です。グリーグの第3楽章はこんな感じの音楽だったでしょうか。抒情と高揚を繰り返しながら、圧倒的なフィナーレ。うーん、納得の演奏です。原田慶太楼のサポートも素晴らしく、東響のアンサンブルが最高に機能しました。超有名曲を違和感なく聴けるのはこんなにも楽しいんですね。
アンコールはてっきり、グリーグのピアノ曲と思ったら、何とショパンの夜想曲。これが途轍もなく美しい演奏。後で調べたら、この曲を火曜日のオペラシティでのリサイタルで弾くんですね。予告編といったところでしょうか。saraiもそのリサイタルに駆けつけたいところですが、生憎、その日は久しぶりの来日で楽しみにしているアヴデーエワのリサイタルがあります。残念です。

休憩後はまた、日本人作曲家の現代作品です。内容的にはさきほどと同様の感覚が蘇りますが、ともかく、原田慶太楼の指揮と東響の演奏が素晴らしい。特に第3楽章の弦楽を中心にした美しい演奏は予習した曲と同じと思えないほどの素晴らしさ。第4楽章もまた、美しい演奏が弦楽を中心に繰り広げられます。素晴らしい演奏に聴き惚れるのみでした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:原田慶太楼
  ピアノ:アレクサンダー・ガヴリリュク
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  小田実結子:Kaleidoscope of Tokyo(東京交響楽団委嘱作品/世界初演)
  グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
  《アンコール》ショパン:夜想曲第8番 Op.27-2

  《休憩》

  菅野祐悟:交響曲 第2番“Alles ist Architektur"-すべては建築である


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の小田実結子のKaleidoscope of Tokyoは今日が世界初演なのでもちろん予習は不可能。


2曲目のグリーグのピアノ協奏曲を予習したCDは以下です。

  田部京子、小林研一郎指揮東京交響楽団 2018年6月10日 ミューザ川崎シンフォニーホール ライヴ録音
 
田部京子の繊細かつダイナミックなピアノが素晴らしいです。ライヴとは思えない完成度です。第2楽章の抒情に満ちたピアノの響きはきらきらと光る水滴が零れ落ちる風情に思えます。


3曲目の菅野祐悟の交響曲 第2番を予習はYOUTUBEで聴きました。

  藤岡幸夫指揮関西フィル 2019年4月29日 大阪、ザ・シンフォニーホール ライヴ録音

きっちりした演奏ではありますが、ちょっと一本調子の演奏に思えました。今日の東響の演奏では格段上の音楽に聴こえました。



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嵐山の屋形船は何やら楽しいものです

2022年11月11日(金)@京都/17回目

今日は書く時間がないので、ショートバージョンにします。ごめんなさい。

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を尋ねました。
その後、鈴虫寺を訪問した後、嵐山に向かい、桂川を屋形船で楽しんでいます。
屋形船は桂川の上流の紅葉スポットに向かっています。このあたりは手漕ぎボートがたくさんいます。

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先ほどゲットした生八つ橋おたべとお茶をいただきましょう。

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秋空の下、桂川はほとんど波も立たず、屋形船も揺れもせず、船頭さんの竿だけで静かにゆっくりと進んでいきます。

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行く手の両岸の山は錦模様に色づいています。

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おや、岸辺に浮かべた船2艘の上にステージを作って、綺麗なお姉さんが何やらイベントをやっていますね。なかなかのサービスです

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賑やかな岸辺を眺めながら、屋形船は音もなく、すべるように川面を進んでいきます。

(今日はショートバージョンでこのあたりまでにします。下のプチはお願いしますね。)



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凝縮したピアノの音のきらめき! ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@王子ホール 2023.2.21

ユリアンナ・アヴデーエワのソロ・ピアノ・リサイタルはおよそ4年ぶりに聴きます。コロナ禍は長かった・・・。待望の演奏でした。今回を皮切りに横浜みなとみらいホール、トリフォニーホールでも聴きます。やはり、彼女のピアノは凄かった!! ピアノの演奏の素晴らしさを満喫しました。ピアノは一瞬、一瞬の音の響きがたまらなく、心に響きます。それを実感させてくれるアヴデーエワのピアノでした。一瞬に込められた凝縮した音の塊が何とも素晴らしい音楽に昇華します。アヴデーエワの演奏は次の一瞬にどういう音の塊が投げかけられるかわからないので、気が抜けない演奏です。新しい驚きに次々と感動させられます。音楽全体の構造はある意味、どうでもよくなってきます。瞬間の芸術に対峙するという感じで演奏を味わいました。

前半の武満 徹は楽譜を置いての何か、たどたどしい感じの演奏です。と思っていると、急に素晴らしいパッセージが響いてきます。油断ならない演奏です。全体には弾きこみ不足に思えますが、彼女の音楽的センスでまとめ上げた演奏です。

次はリストです。最初の2曲は晩年の作品で難解な曲想です。ここからアヴデーエワは暗譜の演奏に変わります。演奏は滑らかになりますが、つかみどころのない曲想は武満 徹と共通するものがあります。
最後の3曲目、「伝説」より 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ はリストの全盛期の作品。これは物凄い演奏です。ロ短調ソナタにも匹敵するような素晴らしさ。ピアニズムの極致をいくような圧巻の演奏に圧倒されました。

休憩後、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」。これはもう何も語る必要のない素晴らしい演奏でした。何故にこんなに美しい音が出るのかな! 高音の強音の美しいきめきに魅了されます。それに鍵盤の端から端までの動きの鍛え上げられた様と出てくる音の響きの素晴らしさ。ピアノは手と指だけで弾くのではなく、体全体を使って、躍動感あふれる演奏をするのだと強烈に印象づけられました。ピアノを弾くために鍛え上げられたアヴデーエワの美しい体に驚嘆しました。

今週、あと2回、アヴデーエワのピアノを聴けると思うと、嬉しくなります。


今日のプログラムは以下です。

  武満 徹:雨の樹 素描
  武満 徹:リタニ ―マイケル・ヴァイナーの追憶に
  リスト:調性のないバガテル S216a
  リスト:凶星! S208
  リスト:「伝説」より 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S175-2

   《休憩》

  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106 「ハンマークラヴィーア」

   《アンコール》

    シュピルマン:マズルカ
    シュピルマン:組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」より トッカティーナ


最後に今回の予習について、まとめておきます。

武満 徹の作品は、以下のCDで予習しました。

  小川典子 雨の樹~ピアノ作品集 1996年7月11,12日 スウェーデン、ダンデリド・ギムナジウム セッション録音
  
小川典子の「BIS」デビュー盤。武満 徹とも親交を結んだ小川典子の会心の演奏。


リストの調性のないバガテルは以下のCDで予習しました。

  スティーヴン・ハフ 2018年12月10-14日、ロンドン、ケンティッシュ・タウン、殉教者聖サイラス教会 セッション録音

何とも見事な演奏です。


リストの凶星! は以下のCDで予習しました。

  マウリツィオ・ポリーニ 1989年6月 ミュンヘン セッション録音

文句なしの素晴らしい演奏。


リストの「伝説」より 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコは以下のCDで予習しました。

  ヴィルヘルム・ケンプ 1974年9月2-4日 ハノーファー、ベートーヴェンザール セッション録音

78歳のケンプがリストのベストアルバムを録音したものです。実はケンプはリストを得意にしており、中でもこの曲や「巡礼の年」のような宗教色の濃い曲をよくコンサートでも取り上げていました。ハイレゾで聴くこの演奏は奥深いものがあります。


ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」は以下のCDで予習しました。

  イリーナ・メジューエワ  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 2020年6月~7月、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

新コロナウィリスで中止になったベートーヴェンの全曲演奏会の代わりに録音した2度目のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集です(1度目の全集は2007年~2009年に録音。10年ほどの時間を置いての再録音です。)。saraiもチケットを購入し、全曲演奏会を聴く予定でしたが、1~4回が中止になり、5~8回の半分だけ聴きました。中でもこの「ハンマークラヴィーア」は圧巻の演奏でした。録音で聴く演奏は実演ほどの迫力には欠けますが、素晴らしい演奏です。



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       アヴデーエワ,  

アンナ・ラキティナの清新なデビュー、そして、ルノー・カプソンの美しい響きのベルクのヴァイオリン協奏曲 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.2.22

ウクライナかロシアかの出身の若手女性指揮者アンナ・ラキティナが読響の指揮台に立ち、可憐な姿で清新な指揮を見せてくれました。右手に持つタクトで拍をきっちりと刻み、大袈裟過ぎない素直な指揮でいかにも新人指揮者の風情です。これからどんな未来が待っているのでしょう。saraiがその成熟を見ることはきっとないでしょう。

冒頭の曲はエレナ・ランガーの歌劇「フィガロの離婚」組曲。モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」のその後を描いた歌劇「フィガロの離婚」から6曲を抜き出した組曲です。いかにもゲテモノのようなオペラですが、音楽は意外にもちゃんと聴けるものです。もっとも現代性のある作品とは思えませんが、まあ、こんなものでしょう。読響の美しいアンサンブルとコンミスの日下紗矢子のソロが聴けたので、よしとしましょう。

次はベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」。すっかり、コンサートでお馴染みの曲になりました。しかし、どう聴けばいいのか、意外に難しい曲でもあります。いかにポピュラーになったと言っても12音技法を駆使した作品ですからね。プログラムの解説には、アルマ・マーラーの娘マノンの若過ぎる死を追悼して、マノンを天使に見立てて、マノンの思い出とマノンの苦悩と死、そして、昇天を描いたとあります。それでもいいですが、saraiはもっと普遍的に現代の孤独な魂の彷徨と非業な運命にある孤独な魂の救済のレクイエムであると思いたいと感じます。マノンの魂、ベルクの魂、そして、そのときに書いていたオペラの非業のヒロイン、ルルの魂も含めて、孤独な魂が救われて、天国に昇天するドラマとしてのレクイエムです。そういう観点からは今日のルノー・カプソンの美しい響きのヴァイオリンは少々、生ぬるいとも思えます。もっと厳しく突っ込んだ表現が必要だったでしょう。アンナ・ラキティナの指揮も迫真性を欠いていたとも思えます。ベルクの音楽は美し過ぎず、表現主義的であったほうがよいのでは。
ルノー・カプソンのヴァイオリンはむしろ、アンコール曲の精霊の踊りの美しい表現で活かされていました。天使つながりの選曲だったのかな。お洒落なセンスですね。

休憩後、チャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」が演奏されます。指揮者のお国ものですね。民俗的なメロディーを表出した演奏で、第1楽章、第2楽章、第4楽章で美しさが光ります。saraiはこれでいいと思いますが、ロシアの土臭さはありません。インターナショナルな表現です。チャイコフスキーも今やこういう演奏が主流かもしれません。予習で聴いたプレトニョフもこんな感じ。かつてのスヴェトラーノフのような演奏はもうなかなか見つかりません。アンナ・ラキティナのいかにも優等生的な指揮はちょっと気になりました。読響のアンサンブルは今日も最高でした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:アンナ・ラキティナ
  ヴァイオリン:ルノー・カプソン
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:日下紗矢子(ダブルコンマス、林悠介)

  エレナ・ランガー:歌劇「フィガロの離婚」組曲(日本初演)
  ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
   《アンコール》グルック:オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』より「精霊の踊り」

   《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲第1番 ト短調 Op.13 「冬の日の幻想」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のエレナ・ランガーの歌劇「フィガロの離婚」組曲は音源が見つからず、予習しませんでした。


2曲目のベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」は以下のCDを聴きました。

 チョン・キョンファ、ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ交響楽団 1983年 セッション録音
 
チョン・キョンファの壮絶とも思えるヴァイオリンに心が動かされます。この頃のチョン・キョンファは本当に凄かったんですね。


3曲目のチャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」は以下のCDを聴きました。

 ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団 2011年4月 モスクワ、DZZ第5スタジオ セッション録音

プレトニョフのチャイコフスキー、初聴きです。そんなにロシア臭さのない美しい演奏。賛否両論あるでしょう。この曲に関してはsaraiはそんなに違和感はありません。



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嵐山の屋形船は折り返し地点の岩礁地帯へ

2022年11月11日(金)@京都/18回目

京都、4日目です。
今回のテーマは予約必須の特別拝観の名所訪問です。今日は西芳寺、通称、苔寺を訪ねました。
その後、鈴虫寺を訪問した後、嵐山に向かい、桂川を屋形船で楽しんでいます。
船頭さんの竿で屋形船はゆったりと進んでいきます。船客のみなさんもこの雰囲気でゆったりと寛いでいます。

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川面にはカモが群れ泳いでいます。ゆったりと動く屋形船の存在などまったく気にならない様子です。

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時折、川の中に岩が突き出ています。船は岩を避けながら進みます。水の透明度は高く、浅い川底が見えています。この浅さだから、船頭さんが竿さすのも楽なようです。それに転覆しても安全です。

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川にそそり立つ峡谷の木々はちらほらと色づいています。

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少し先のほうはもう少し色づいていますね。

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黄色や赤に染まった木々に秋の日が明るく輝いています。

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もう手漕ぎボートはこのあたりまで来てはいませんが、カップルのボートが一艘、頑張って来ています。

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上流から戻ってくる屋形船と行き交います。向こうも我々と同様に10人ほどの船客です。

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配偶者に勧められて、生八つ橋おたべを頬ばっています。やっぱり、餡も皮も美味しいですね。

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このあたりにもカモが遠征しています。ご苦労様です。

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頑張ってボートを漕いでいたカップルは外人さんでした。挨拶すると、にっこり笑顔を返してくれます。インバウンド需要も復活しつつありますね。

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川の水の色が緑色に変わってきました。かなり上流に来ました。

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川岸にはごつごつした岩がこれまでとは様相を変えています。この先は保津川の保津峡になるようです。緩やかだった川の流れもこの先は急流になり、保津川下りの名所になります。

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屋形船はこの先に行くのは無理なようです。このあたりで引き返すようです。でも、まだ、帰路も楽しめそうです。



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研ぎ澄まされた音の響きが語りかけるものは愛と平和の希求か ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@横浜みなとみらいホール 2023.2.24

ユリアンナ・アヴデーエワのソロ・ピアノ・リサイタルは王子ホールに続いて2回目。そのピアノの響きの純粋無垢なきらめきは変わらず、素晴らしいですが、色々、考えさせられる2時間でもありました。
言うまでもなく、アヴデーエワはロシア人。音楽家といえども、ロシアのウクライナ侵略には心を痛めている筈です。人間としても、音楽家としてもその姿勢を問われる状況になっています。今日のプログラムも深読みをしてしまいます。ショパンは祖国ポーランドを出て、生きては2度と祖国の土を踏めなかった悲しい運命を辿った人。シュピルマンとヴァインベルクはユダヤ系のポーランド人で苦難の生涯を送った人。ラフマニノフは祖国ロシアを出て、生涯戻ることなく、どこかやるせなさを感じさせる人。アヴデーエワは何を思って、このプログラムを考えたのでしょうか。その答えは最後のアンコールにありました。長いメッセージ。よくは聞き取れませんでしたが、ウクライナを代表する作曲家シルヴェストロフは今は避難してドイツに住んでいます。アヴデーエワは彼と会ったそうで、アンコール曲もシルヴェストロフのバガテル。彼女の弾く音楽は実に静かな音で奏でられます。そこには彼女の心の中のため息とも哀しみともとれるものがあります。戦争を悲しみ、どこにも持っていけない心の痛みが切々と奏でられます。短いバガテルは尻切れトンボのような形で止まります。実はシルヴェストロフのバガテルはアタッカで終わり、次のバガテルにつながるように作られています。シルヴェストロフによると、小さなバガテルをすべてアタッカで繋いで演奏すると70分ほどの大曲になるのだそうです。アヴデーエワはアタッカで終えた後、長い沈黙の時間を続けます。その音楽は続いていくのか、終わるのか・・・あるいは戦争で亡くなった人々への哀悼を捧げる時間なのか、彼女自身の心の中の葛藤が続き、やがて、意を決して立ち上がります。沈黙を守っていた聴衆も果たして拍手をしていいものなのか・・・答えのない問題はまるでウクライナ侵略戦争と重なります。重いコンサートでした。
明後日はトリフォニーホールで前半は同じプログラム。後半は何とプロコフィエフの戦争ソナタです。また、重いコンサートになりそうです。しかし、アヴデーエワも我々も現状を直視して、ウクライナ戦争の悲劇に心を向け続けないといけませんね。

今日のコンサートの内容にも軽く触れておきましょう。すべてはアヴデーエワの凝縮した音の響きの一瞬、一瞬のきらめきにあることは前回のリサイタルから変わりません。

1曲目のショパンの幻想ポロネーズはそういうアヴデーエワの美質が結実した素晴らしい演奏で、何とも魅力的なパッセージの連なりになっています。はっとするような走句の美しさに魅了されているうちに長大なポロネーズが終わってしまい、あまりに急に終わったようなような印象に絶句してしまいます。アヴデーエワのショパンは彼女がショパンコンクールで優勝したとき以来、変わらずに輝くような魅力にあふれています。

2曲目のシュピルマンのピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」は前回のリサイタルのアンコールで聴いたときが初聴きでしたが、そのときは超絶的な演奏に驚愕しました。ですから、今日はそういう驚きはないものの、やはり、凄い超絶演奏です。テクニックだけでなく、磨き上げられた音にも感銘を受けます。無論、アヴデーエワは超絶演奏をめざすような音楽家ではありませんが、音楽によってはそういう底知れぬ実力も垣間見せるということです。

3曲目はヴァインベルクのピアノ・ソナタ第4番。ショスタコーヴィチの盟友でもあったヴァインベルクはこの曲では新古典主義的な一面を見せています。ショスタコーヴィチと同様です。アヴデーエワは美しい演奏で歌い上げていき、最終局面で圧巻の高潮した演奏を聴かせてくれました。なお、アヴデーエワは、ヴァインベルクの熱心な啓蒙活動をしているクレーメルと室内楽で共演し、感化された模様ですね。

休憩後、ラフマニノフのプレリュードOp.23から、7‐10番を逆順に演奏。パーフェクトな演奏ですが、あまりに綺麗過ぎて、もっと違う形で感銘のある演奏を彼女ならば弾けるのではないかとも思います。いつの日か、もっとスケール感のある演奏を聴かせてくれるでしょう。

続くラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番(アヴデーエワ版)は満を持したような素晴らしい演奏。圧倒的な演奏です。第3楽章は凄い迫力で締めくくります。もっとも予習したホロヴィッツが凄過ぎて、それとは比較にはなりません。


アンコールは王子ホールと同じシュピルマンのマズルカ。そして、最後のシルヴェストロフは前述したとおりです。


いよいよ、明後日のトリフォニーホールが締めくくりです。プロコフィエフの戦争ソナタが楽しみですね。


今日のプログラムは以下です。

  ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61「幻想ポロネーズ」
  シュピルマン:ピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」
  ヴァインベルク:ピアノ・ソナタ第4番 ロ短調 Op.56

   《休憩》

  ラフマニノフ:10のプレリュード Op.23より(10,9,8,7)
  ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.36(アヴデーエワ版)

   《アンコール》

    シュピルマン:マズルカ
    シルヴェストロフ:バガテル Op.1-2


最後に今回の予習について、まとめておきます。

ショパンのポロネーズ第7番「幻想ポロネーズ」は、以下のCDで予習しました。

  イリーナ・メジューエワ ショパン・リサイタル 2010 2010年7月16日 新川文化ホール・小ホール(富山県魚津市) ライヴ録音
  
メジューエワの力感あふれる演奏。


シュピルマンのピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」は音源が見つからず、予習していません。


ヴァインベルクのピアノ・ソナタ第4番で予習しました。

  アリソン・ブリュースター・フランゼッティ ヴァインベルグ:ピアノ作品全集 2009年11月23-25日 シェリー・エンロウ・リサイタルホール キーン大学 ニュージャージー、米国 セッション録音

何とも素晴らしい演奏。


ラフマニノフの10のプレリュード Op.23は以下のCDで予習しました。

  ニコライ・ルガンスキー 2017年9月 ル・フラジェ、ブリュッセル セッション録音

ルガンスキーらしい素晴らしい音で描き上げる見事な演奏。


ラフマニノフのピアノ・ソナタ第2番は以下のCDで予習しました。

  ウラディミール・ホロヴィッツ 1980年4月13&5月2,4,11日、ボストン、シンフォニー・ホールおよびニューヨーク・エイ
ヴェリー・フィッシャー・ホール ライヴ録音

ホロヴィッツ版の演奏です。聴くものを黙らせる演奏ですから、あえて、感想は戒めます。まあ、凄い!



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       アヴデーエワ,  

素晴らしいシューマン、そして、鳥肌の立つようなバルトーク 北村朋幹 ピアノ・リサイタル@東京文化会館小ホール 2023.2.25

今、注目の若手ピアニスト、北村朋幹(きたむら ともき)のピアノ・リサイタルです。5日連続コンサート中の2日目。毎日、心に残る演奏が続きます。北村朋幹のリリシズムあふれる個性的なピアノにはいつも敬服します。ある意味、日本人離れしたピアニストです。いつも尖がったプログラムで、ジョン・ケージだけのプログラムだと、saraiも尻込みしてしまいますが、今日はシューマン、バルトークにホリガー、ノーノを組み合わせた意欲的、かつ魅力的なプログラムです。特にシューマンの独奏曲を聴きたいとかねがね思っていましたが、普通の有名曲ではなく、森の情景と暁の歌です。いずれも実演で聴くのは初めてです。森の情景の予言の鳥だけはアンコール曲として、何度も聴きましたけどね。まあ、いずれの曲も北村朋幹らしい瑞々しい演奏で堪能しましたが、とりわけ、バルトークの「戸外にて」は鳥肌の立つような凄い演奏でした。

まずはシューマンの森の情景。シューマン好きにはたまらない演奏です。静かで懐かしい曲の演奏が心に沁みます。有名な第7曲の「予言の鳥」はまさにミステリアスな雰囲気で最高です。途中、普通の雰囲気の音楽に切り換わって、また、冒頭のミステリアスな音楽に変わる対比が素晴らしい。

次はホリガーのエリス-3つの夜曲-。先鋭的な響きですが、何故か心地よく感じられます。オーボエ奏者として知っているホリガーですが、実に趣味のよい曲を書いています。途中、ピアノの中に手を突っ込んで音色を変えていましたが、プリペアド・ピアノのようなことをしていたのかな。

前半の最後はバルトークの「戸外にて」。第1曲から、この曲の打楽器的な性格が表れていて、北村朋幹がその風貌から想像のできないようなエネルギッシュな演奏を繰り広げます。こちらも気持ちが高揚していきます。この作品の中心は最長の第4曲の「夜の音楽」ですが、北村朋幹は左手のアルペッジョで夜の雰囲気を醸し出しながら、右手で夜に出没する様々な自然の生き物を描き出していきます。その見事なピアノ表現に惹き付けられていきます。そして、第5曲は一転して、激しい狩りの音楽に変わります。バルトークの夜と並んで主要なモティーフである追跡Chaseの音楽です。ピアノが打楽器的に演奏されて、興奮の極致に至ります。北村朋幹が最高のバルトークを聴かせてくれました。次は是非、ピアノ・ソナタを聴かせてほしいものです。

休憩後、ノーノの . . .苦悩に満ちながらも晴朗な波. . .。あらかじめ、マウリツィオ・ポリーニのピアノの録音が電子的に編集されたテープが用意されて、その再生音と北村朋幹がコラボするように音楽を作り上げていきます。いやはや、ライヴでこんな演奏が聴けるとは凄い。素晴らしい現代音楽の演奏でした。北村朋幹ならではの会心の演奏です。

最後はまた、シューマンに戻ります。シューマンの晩年の作品、暁の歌です。もはや、ピアノの年のシューマンではありません。第1曲はまさしくコラールで静謐な宗教色に染まっています。まるでシューマン自身の心や体を癒すような音楽です。北村朋幹はリリシズムにあふれた優しく繊細な音楽を奏でていきます。色々な性格の曲を経て、最後の第5曲はまた、最初のコラールに戻って、シューマンの人生を閉じるような風情で静かに曲を閉じます。何と痛々しいシューマンなんでしょう。

アンコールは再び、シューマンの2曲がリリシズムに満ちて演奏されます。思っていた通り、北村朋幹にはシューマンがとっても似合います。
素晴らしいピアノ・リサイタルでした。


今日のプログラムは以下です。

  北村朋幹 ピアノ・リサイタル

  ピアノ:北村朋幹
 
  シューマン:森の情景 Op.82
  ホリガー:エリス-3つの夜曲-
  バルトーク:戸外にて Sz.81 BB89

  《休憩》

  ノーノ: . . .苦悩に満ちながらも晴朗な波. . .[エレクトロニクス:有馬純寿]
  シューマン:暁の歌 Op.133

  《アンコール》
   シューマン:「子供のためのアルバム Op.68」より 第15曲 春の歌
   シューマン:「森の情景 Op.82」より Ⅸ. 別れ


最後に予習について、まとめておきます。

シューマンの森の情景を予習したCDは以下です。

 ヴィルヘルム・ケンプ 1973年2月、ベートーヴェンザール、ハノーバー、ドイツ セッション録音

シューマンを愛奏したケンプ、とてもいいです。


ホリガーのエリス-3つの夜曲-を予習したCDは以下です。

 ヘルベルト・シュフ 2008年8月 セッション録音

ホリガーの作曲した曲を聴くのは初めてですが、なかなか素晴らしい曲で演奏も素晴らしい。


バルトークの戸外にてを予習したCDは以下です。

 ゾルタン・コチシュ 1996年6月、ハンブルク セッション録音

バルトークのピアノ独奏曲全集からの1曲です。見事な演奏です。


ノーノの . . .苦悩に満ちながらも晴朗な波. . .を予習したCDは以下です。

 マウリツィオ・ポリーニ 1977年9月 ミュンヘン セッション録音

ポリーニが初演した作品。確信に満ちた素晴らしい演奏です。


シューマンの暁の歌を予習したCDは以下です。

 アンドラーシュ・シフ 1997年1月、テルデック・スタジオ、ベルリン、ドイツ セッション録音

シフのシューマン、見事です。



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       北村朋幹,  

リヒテルのカーネギーホール(1960年)の超名演も超える圧巻のプロコフィエフ8番 ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@すみだトリフォニーホール 2023.2.26

ユリアンナ・アヴデーエワのソロ・ピアノ・リサイタルはこれが最後の3回目。最高の演奏を聴かせてくれました。そのピアノの響きの純粋無垢なきらめきは甘く優しく、心に沁みてきます。前半は前回のみなとみらいホールのプログラムと同じですが、その曲想に耳慣れしたせいか、より精度の高い演奏に思えます。
そして、今回の3回にわたるリサイタルでさ最高の演奏だったのは後半のプロコフィエフのピアノ・ソナタ第8番《戦争ソナタ》です。これ以上の演奏はあり得ないと断言できるようなパーフェクトな演奏でした。硬質過ぎず、かと言って甘さを感じさせない最高の響きで、第1楽章のクールな音楽を深く抉るように弾き抜いて、第2楽章は特上の叙情を湛えた表現で、そして、第3楽章は猛烈なタッチで超絶的なパッセージを圧巻の演奏。細部まで磨き上げられた完璧な演奏は激しく燃え上がり、聴くものを圧倒します。1960年にアメリカ・デビューしたリヒテルがカーネギーホールの聴衆を熱狂の渦に巻き込んだ超名演にも優るとも劣らない凄まじい演奏でした。
前半のプログラムの演奏も素晴らしかったんです。ショパンの幻想ポロネーズは序奏の美しい演奏、主部の美しいメロディーなどの聴かせどころを見事に表現し、とても魅了してくれました。
シュピルマンのピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」は第1楽章と第3楽章のメカニックな音楽を軽々と超絶技巧で弾き抜いた素晴らしい演奏で驚愕させられます。
ヴァインベルクのピアノ・ソナタ第4番は第1楽章の新古典的なソナタ形式の音楽が実に心地よく響きます。第3楽章の哀感あふれるアダージョには共感を覚えます。そして、第4楽章は再び新古典的なフレーズが展開され、終盤は高潮していき、最後は何とも静謐な雰囲気で哀しく終わります。底深い音楽を音楽性高く表現したアヴデーエワの素晴らしい演奏でした。

アンコールの1曲目は3回連続でシュピルマンのマズルカ。ショパンのマズルカと聴き間違えるような作品も3回も聴くとすっかり耳馴染みます。そして、最後のアンコール曲は前回の哀しいシルヴェストロフに変わって、ショパンのスケルツォです。最後にふさわしい物凄い演奏でした。

アヴデーエワがリヒテルにも並び立つような存在に上り詰めていくのが実感できた3回のリサイタルでした。次はどんなに大きなピアニストになっているんでしょう。恐ろしいくらいです。


今日のプログラムは以下です。

  ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61「幻想ポロネーズ」
  シュピルマン:ピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」
  ヴァインベルク:ピアノ・ソナタ第4番 ロ短調 Op.56

   《休憩》

  プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番 Op.84《戦争ソナタ》
  
   《アンコール》

    シュピルマン:マズルカ
    ショパン:スケルツォ 第3番 Op.39


最後に今回の予習について、まとめておきます。

ショパンのポロネーズ第7番「幻想ポロネーズ」は、以下のCDで予習しました。

  イリーナ・メジューエワ ショパン・リサイタル 2010 2010年7月16日 新川文化ホール・小ホール(富山県魚津市) ライヴ録音
  
メジューエワの力感あふれる演奏。


シュピルマンのピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」は音源が見つからず、予習していません。


ヴァインベルクのピアノ・ソナタ第4番で予習しました。

  アリソン・ブリュースター・フランゼッティ ヴァインベルグ:ピアノ作品全集 2009年11月23-25日 シェリー・エンロウ・リサイタルホール キーン大学 ニュージャージー、米国 セッション録音

何とも素晴らしい演奏。


プロコフィエフのピアノ・ソナタ第8番《戦争ソナタ》は以下のCDで予習しました。

  スヴィヤトスラフ・リヒテル 1960年10月23日 ニューヨーク、カーネギー・ホール ライヴ録音 モノラル

物凄い演奏。冷静でいて、熱く燃え上がる名演中の名演。(1960年のリヒテル・アメリカ・デビュー・ツアー第2夜)



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ロータス・カルテットが与えてくれた芳醇な時 メンデルスゾーン弦楽四重奏曲全曲サイクル2023@鶴見サルビアホール 2023.2.27

今日と明日の2日間、ロータス・カルテットによるメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全6曲を聴きます。それも定員わずか100名の鶴見サルビアホールで聴くという贅沢な鑑賞です。ロータス・カルテットは日本人女性を中心とした団体ですが、全員、ヨーロッパ在住で海外演奏家みたいなものです。そのせいでコロナ禍のために長期間、彼女たちの演奏が聴けなくて、寂しい思いをしました。今日はその空白の時を埋め合わせるような会心の演奏を聴かせてくれました。

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲は決してポピュラーな演目ではありませんが、ロータス・カルテットの手にかかると、有名な作品に劣らぬとても美しい音楽になります。今日演奏した3曲はいずれも芳醇な響きでうっとりするようなものでした。とりわけ、メンデルスゾーンの死の2か月前に作曲した第6番の燃え上がるような迫真力のある音楽にはただただ魅了されるのみでした。また、メンデルスゾーンが最初に作曲した(番号付きでは)第2番は彼の早熟な才能が発揮されたとても美しい作品で、ロータス・カルテットはその美を遺憾なく聴かせてくれました。それにしても第1ヴァイオリンの小林幸子の美しい響きは驚異的に思えます。一流のソロ演奏家も真っ青になるような演奏です。

明日の3曲もきっと美しさの限りを奏で上げてくれるでしょう。楽しみです。なお、今回から第2ヴァイオリンのメンバーが交代になっていましたが、十分にその役割を果たしていました。


今日のプログラムは以下のとおりでした。
  ロータス・カルテット メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全曲サイクル2023

  ロータス・カルテット
    小林幸子vn  スヴァンチェ・タウシャーvn
    山碕智子va  斎藤千尋vc
    

  メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第1番 変ホ長調 Op.12

           弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 Op.80

   《休憩》

  メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op.13
  
   《アンコール》
   メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 Op.44-1 から 第2楽章 メヌエット
   
   
最後に予習について、まとめておきます。

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲を予習したCDは以下です。

 エマーソン弦楽四重奏団 メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集 2004年4月 ニューヨーク セッション録音

流石にエマーソン弦楽四重奏団、美しくて、完璧な演奏です。



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ロータス・カルテットとともに今日も幸せな時間 メンデルスゾーン弦楽四重奏曲全曲サイクル2023 2日目@鶴見サルビアホール 2023.2.28

昨日と今日の2日間、ロータス・カルテットによるメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全6曲を聴いています。ロータス・カルテットの4人揃ったコンサートを聴くのは実に5年ぶりです。コロナ禍の中、日本人女性3人だけで来日して、弦楽三重奏曲を聴かせてくれたことはありましたけどね。もう、彼女たちの芳醇な響きを聴くだけで満足という心境です。しかし、ロータス・カルテットは期待を超える素晴らしい演奏を聴かせてくれたんです。

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全曲演奏、今日は作品44の3曲です。その前に作曲した第1番からはおよそ8年後で、30歳に近くなったメンデルスゾーンは交響曲第3番~第5番も書き終えて、充実した高みにありました。3曲とも実に成熟した作品ですが、メンデルスゾーンらしいロマンあふれる瑞々しさが横溢した音楽です。

最初に演奏された弦楽四重奏曲第4番は、特に両端楽章(第1楽章、第4楽章)が素晴らしい響きでうっとりと魅了されました。
続く弦楽四重奏曲第5番は第1楽章が見事な演奏でした。いずれも第1ヴァイオリンの小林幸子が他の3人のメンバーのサポートを受けながら、天馬空を行くという風情の超美しい演奏を聴かせてくれました。

休憩後、弦楽四重奏曲第3番です。これは今回の全曲サイクルの最後に持ってきただけのことはあり、作品の質の高さはもちろんですが、ロータス・カルテットの演奏は第1楽章から全開モードで目くるめく演奏を聴かせてくれます。勢いのある第1主題を軸に実に活き活きした演奏が続きます。第1主題が回帰するたびに心が高揚します。少し翳りを帯びた第2主題は交響曲第3番「スコットランド」の雰囲気を想起させられて、素晴らしいアクセントとして、ロータス・カルテットがしみじみとした演奏を聴かせてくれます。
第2楽章はメヌエット。昨日、アンコール曲として演奏された曲です。優美な音楽が奏でられます。途中、8分音符による細かく刻むパッセージが第1ヴァイオリンで演奏されますが、その見事なこと。ぐっと惹き込まれます。
第3楽章はアンダンテ。低弦部のピッツィカートの伴奏で穏やかな旋律がカンタービレで描き出されます。終盤、第1ヴァイオリンのカデンツァ風の独奏の美しさにうっとりと魅了されます。
第4楽章は一転して活気あふれる音楽になります。ロータス・カルテットの素晴らしいアンサンブルはぐんぐん推進力のある演奏を繰り広げ、そのまま、高潮して、コーダに突き進みます。そして、圧倒的なフォルテッシモで曲を閉じます。
この弦楽四重奏曲第3番は圧巻の演奏でした。

アンコール曲は驚きのアンダンテ・カンタービレ。美しい音楽をたっぷりと味わわせてくれました。


久々に聴くロータス・カルテットは以前にもまして、演奏の精度を高め、世界を代表するカルテットのひとつとして、大きな存在感を持つことを印象付けてくれました。コロナ禍の影響もなくなり、また、頻繁な来日公演が望まれます。いやはや、大変、満足しました。


今日のプログラムは以下のとおりでした。
  ロータス・カルテット メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全曲サイクル2023

  ロータス・カルテット
    小林幸子vn  スヴァンチェ・タウシャーvn
    山碕智子va  斎藤千尋vc
    

  メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調 Op.44-2

           弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 Op.44-3

   《休憩》

  メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 Op.44-1
  
   《アンコール》
   チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.11 から 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ
   
   
最後に予習について、まとめておきます。

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲を予習したCDは以下です。

 エマーソン弦楽四重奏団 メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集 2004年4月 ニューヨーク セッション録音

流石にエマーソン弦楽四重奏団、美しくて、完璧な演奏です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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