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ガヴリリュクのパーフェクトな演奏でグリーグのピアノ協奏曲 原田慶太楼&東京交響楽団@サントリーホール 2023.2.19

今日は現代日本の作曲家の作品の間に有名曲のグリーグのピアノ協奏曲を挟み込むという創意工夫のある(苦心の)プログラム。聴衆を集めるのが難しいと思いましたが、意外に集客できていました。よかったですね。

最初の曲は東京交響楽団委嘱作品で世界初演の小田実結子のKaleidoscope of Tokyo。いきなり、感想を書くのも難しいのですが、印象はガーシュウィンの「パリのアメリカ人」の東京版を連想してしまいました。聴くのに困難さを伴う現代作品ではありませんが、何故、この時代にこういう作品が・・・という疑問は解けません。無調の作品が時流でないのは分かりますが、現代の音楽はどこを目指すのでしょうか。saraiにはアデスのように無調と調性音楽を融合させたものやジョン・アダムズのようなミニマル音楽まではそれなりに理解できますが、調性べったりというのも今更に思えます。やはり、リゲティあたりの時代がよかったような気がします。折角の新作にケチをつけるのも何ですが、現代の時流が理解できない年寄りの愚痴と思って、聞き逃してください。演奏は見事でした。

次のグリーグのピアノ協奏曲は超有名作品。こういうのはかえって、演奏が難しいものですが、アレクサンダー・ガヴリリュクは素晴らしいテクニックと美しい響きで見事に正面突破。細部まで磨き上げられた演奏で魅了してくれました。第1楽章はあの有名な主題を手垢を感じさせない瑞々しい演奏で納得させてくれます。聴き惚れているうちに長大な楽章も終了。第2楽章はオーケストラの長い序奏の後、ガヴリリュクの美しい弱音で抒情に満ちた音楽が歌われます。うーん、とてもいいね。気持ちよく聴き入ります。ガヴリリュクはいい意味でプロの職人芸を聴かせてくれます。それも超一流の技です。そして、勢いよく第3楽章に突入していきます。まるでショパンの音楽にチャイコフスキーの音楽をないまぜにしたような耳に心地よい音楽です。グリーグの第3楽章はこんな感じの音楽だったでしょうか。抒情と高揚を繰り返しながら、圧倒的なフィナーレ。うーん、納得の演奏です。原田慶太楼のサポートも素晴らしく、東響のアンサンブルが最高に機能しました。超有名曲を違和感なく聴けるのはこんなにも楽しいんですね。
アンコールはてっきり、グリーグのピアノ曲と思ったら、何とショパンの夜想曲。これが途轍もなく美しい演奏。後で調べたら、この曲を火曜日のオペラシティでのリサイタルで弾くんですね。予告編といったところでしょうか。saraiもそのリサイタルに駆けつけたいところですが、生憎、その日は久しぶりの来日で楽しみにしているアヴデーエワのリサイタルがあります。残念です。

休憩後はまた、日本人作曲家の現代作品です。内容的にはさきほどと同様の感覚が蘇りますが、ともかく、原田慶太楼の指揮と東響の演奏が素晴らしい。特に第3楽章の弦楽を中心にした美しい演奏は予習した曲と同じと思えないほどの素晴らしさ。第4楽章もまた、美しい演奏が弦楽を中心に繰り広げられます。素晴らしい演奏に聴き惚れるのみでした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:原田慶太楼
  ピアノ:アレクサンダー・ガヴリリュク
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  小田実結子:Kaleidoscope of Tokyo(東京交響楽団委嘱作品/世界初演)
  グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
  《アンコール》ショパン:夜想曲第8番 Op.27-2

  《休憩》

  菅野祐悟:交響曲 第2番“Alles ist Architektur"-すべては建築である


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の小田実結子のKaleidoscope of Tokyoは今日が世界初演なのでもちろん予習は不可能。


2曲目のグリーグのピアノ協奏曲を予習したCDは以下です。

  田部京子、小林研一郎指揮東京交響楽団 2018年6月10日 ミューザ川崎シンフォニーホール ライヴ録音
 
田部京子の繊細かつダイナミックなピアノが素晴らしいです。ライヴとは思えない完成度です。第2楽章の抒情に満ちたピアノの響きはきらきらと光る水滴が零れ落ちる風情に思えます。


3曲目の菅野祐悟の交響曲 第2番を予習はYOUTUBEで聴きました。

  藤岡幸夫指揮関西フィル 2019年4月29日 大阪、ザ・シンフォニーホール ライヴ録音

きっちりした演奏ではありますが、ちょっと一本調子の演奏に思えました。今日の東響の演奏では格段上の音楽に聴こえました。



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06/18 12:46 sarai

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 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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