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奈良散策:盧舎那大仏を見納め

2022年11月12日(土)@京都~奈良/14回目

秋の京都、五日目です。

予定が未定の最終日。saraiと配偶者の思い出の地、奈良を再訪することにして、53年ぶりの奈良の飛火野とその周辺を巡ります。
近鉄奈良駅を起点に散策を始め、興福寺、一番の目的地の飛火野、春日大社、若草山、二月堂の舞台の上からの絶景を楽しみ、最後は大仏殿で盧舎那大仏の周りをぐるっと一周しています。
最後は右手横から、その姿を眺めています。何とも慈悲深い雰囲気です。

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大仏の顔をズームアップします。顔の部分は江戸時代に造り直されたものですが、頭の丸まった髪である螺髪の数はずっと966個とされていましたが、2015年のレーザー解析で約半分の492個だったことが分かったそうです。光背(背後の装飾)があるために数えられず、分からなかったそうですが、それにしても半分だったとはね。

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大仏の膝下には、大きな蓮の花を活けた花瓶があり、2羽の蝶々もとまっています。この蓮の花越しに見る大仏もなかなかのものです。

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最後にもう一度、大仏を眺めます。これが多分、見納めになるでしょう。

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大仏さんはこんなに大きかったでしょうか。今さらながら凄いですね。

大仏殿を出て、正面を眺めます。東大寺金銅八角燈籠は天平時代以来現存しているものです。その先に東大寺中門が堂々たる姿で建っています。この中門は江戸時代に再建されたものです。

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中門に向かって進みます。

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ここで振り返って、最後に大仏殿の威容を眺めます。

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大仏殿を囲む回廊の区画から外に出て、外から中門を眺めます。朱塗りの柱が印象的です。

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中門のすぐ前に池があります。鏡池です。名前の通り、周りの風景が映り込んでいます。

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鏡池を通り過ぎると、東大寺南大門が見えてきます。

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東大寺南大門の全容です。高さ25.5mもあります。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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もう、あとは帰るだけです。



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テーマ : 国内、史跡・名勝巡り
ジャンル : 旅行

 

奈良散策も終えて、秋の京都の旅も完了

2022年11月12日(土)@京都~奈良/15回目

秋の京都、五日目です。

予定が未定の最終日。saraiと配偶者の思い出の地、奈良を再訪することにして、53年ぶりの奈良の飛火野とその周辺を巡ります。
近鉄奈良駅を起点に散策を始め、興福寺、一番の目的地の飛火野、春日大社、若草山、二月堂の舞台の上からの絶景を楽しみ、最後は大仏殿で盧舎那大仏の予想以上の大きさに驚嘆します。
大仏殿を出て、東大寺南大門の前に出ます。この建造物も巨大です。

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近づけば近づくほど、その大きさに圧倒されます。現在の南大門は鎌倉時代に再建されたものです。

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南大門を抜けて、振り返ります。こちらが本当の正面ですね。聖武天皇の直筆の文書から写した文字による《大華厳寺》の扁額が目に入ります。
あれっ、金剛力士像の写真を撮るのを忘れていました。配偶者によると、ちゃんと阿吽の像を見たそうです。

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南大門の先は奈良公園が広がり、大勢の人、そして、名物の鹿がいます。

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毎年恒例の正倉院展も開かれている奈良は大変な人出です。見るべきものを見て、へとへとに疲れて、退散します。

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奈良公園を抜けて、駅へ。途中、興福寺 中金堂の前を通過します。これでsaraiと配偶者の53年前の初デートのコースを再び歩くことができました。

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あとは一目散、近鉄奈良駅に直行し、柿の葉寿司を買い求めていると、出発直前の京都行特急がいます。急いで窓口で切符を購入して特急に飛び乗ります。
奈良駅を出た特急はすぐに平城宮跡の復元中の街並みに近づきます。大極門ですね。

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車窓にへばりついて、古い都の跡を眺めます。

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あっという間に大極門が後ろに遠ざかります。

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次は朱雀門が見えてきます。

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夕日を浴びた朱雀門に別れを告げて、奈良の小旅行も完了。

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京都駅では、癖になったつくもうどん 塩小路本店で急いでうどんを食べます。
配偶者は鶏卵とじうどん。

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saraiはえび天うどん。

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やっぱり、美味しい! それに安い!

京都駅でもすぐ来た新幹線に飛び乗ります。それでも、saraiは自分用のお土産にお漬物を買うのを忘れません。
今回の京都旅もとっても楽しい旅でした。

今日も2万3千歩も歩いて、足ががたがたになって、横浜に帰ってきました。これだから、saraiの足はなかなか痛みが治りません。



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テーマ : 国内、史跡・名勝巡り
ジャンル : 旅行

 

ヨーロッパの旅は打ち止め・・・ブログの今後

オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまって、早、33年。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡ってきました。行くべきところも行き、聴くべき音楽も聴き、そろそろ、旅も打ち止めにしようと企画したのが最後のウィーンの旅でした。ウィーンで豪華パーティーを催し、親しい人を招いて、有終の美を飾るのが渡欧30周年にあたる2020年の5月の筈でした。これは無論、コロナ禍で木っ端微塵。仕方がありませんね。以来、3年近く、ヨーロッパ遠征の再開の機会をうかがっていました。

しかし、昨年末、色々と思うところあって、ヨーロッパ遠征は打ち止めにしようと決心しました。もともと、ウィーンでオペラが見たくて、始めたヨーロッパ遠征ですが、すっかり、底なし沼に入り込んでいました。考えてみたら、自分の勝手とわがままを通しぬいたわけで、そろそろ、自分の年齢も考え(70を超えてしまいました!)、浮ついた人生に区切りをつけようと思った所存です。また、1年前から足の不調で自由な歩行はできなくなっていましたが、それは主たる原因ではありません。何せ、昨年は国内で150回を超えるコンサートに痛む足を引きづりながらでかけていましたから、好きなことのためなら、無理も通せるんです。まあ、余力を残して、ヨーロッパへの音楽遠征から、退場します。

ブログもヨーロッパの旅を書くブログだったので、ヨーロッパの旅をやめるので、趣旨が反することになります。切りのいいところで、音楽に特化したブログに再編するつもりです。国内の旅の記事はあくまでもヨーロッパの旅が再開するまでのつなぎだったんです。ですから、京都の秋の旅の記事が完了した時点で区切りにしようと思っていました。でも、休止中のドレスデン・プラハの旅の記事のことを思い出しました。途中で投げ出しはよくないので、ともかく、ドレスデン・プラハの旅はちゃんと書くことにしないとね。
ドレスデン・プラハの旅を当ブログの最後の旅の記事にします。音楽関係のコンサートの感想の記事は従来通り、続けていきます。

ということで、今後もしばらくは従来通り、ブログへの応援をお願いします。



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テーマ : オーストリア
ジャンル : 海外情報

 

フランクフルト散策:アルテオパーからフランクフルト歌劇場まで公園散策

2008年5月2日金曜日@フランクフルト/2回目

15年前、2008年のドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaの旅を書いていましたが、しばらく、中断していました。今回の記事がほぼ、1年ぶりの更新となります。15年前、2008年は当ブログ、saraiのブログを開設した年です。このドレスデン、プラハの旅からブログを始めましたが、そのブログ記事は何ともプアーな内容でした。今回、新たにブログ記事を書き直して、当ブログの旅の記事の最終版とする予定です。ドレスデン、プラハの旅から始めた当ブログをドレスデン、プラハの旅でフィナーレとするということです。ご一緒にブログのラストランをお楽しみください。

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。現在、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtに滞在中で、今日はフランクフルトの2日目です。お昼のフライトで最初の目的地、ドレスデンに向かいます。

今はフランクフルトの旧市街地を散策中。古い市街地と新しい近代的なビルが建ち並ぶ街との間が美しい大きな木立の公園になっており、その公園をプラプラ散歩しています。歴史的な建造物のアルテオパーAlte Oper Frankfurt(旧オペラ座)がその公園の中にあります。この美しい後期イタリア・ルネッサンス風の建物は、パリのオペラ座をモデルにしたものです。

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アルテオパーを背にして立つと、高層のビル群が立ち並んでいます。一際高いビルはマインタワーですね。

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このアルテオパーから始まる長大な公園を散策します。草原にはハトとウサギがいます。都会の中の自然です。

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この公園では、八重の桜がそろそろ終わりかけていますが、たくさん植えられています。

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これはリンゴでしょうか。白い花が満開です。

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この公園の自然の周りには超近代的な摩天楼(マインタワー)が聳えています。その対比の妙がフランクフルトらしさです。

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この日は金曜日だったので、公園の中をビジネスに向かう人が颯爽と腰高にした自転車を走らせていたのが印象的。短足の日本人には絶対に不可能な技ですね。

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公園の中に銅像があります。シラーの銅像Schiller-Denkmalです。

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やがて、公園の端までやってきます。ここにフランクフルト歌劇場Oper Frankfurtがあります。豊富な演目が上演されています。結局、saraiはここでオペラを聴くことがありませんでした。なお、この年のシーズンから、現在、読売日本交響楽団の常任指揮者であるセバスティアン・ヴァイグレがフランクフルト歌劇場の総監督に就任しています。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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公園散策はこれで完了し、市街地に戻ります。


しばらく、アルテオパーから続く公園をぶらぶらします。



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

マナコルダの燦然と輝くようなマーラー、そして、美し過ぎて魅惑的なハイドン 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.4.5

完璧とは程遠いようなマーラーでしたが、一瞬も気が抜けないような緊張感と魅力にあふれた演奏に没頭してしまいました。あまりに集中が続いたので、最後は疲れ果てましたが、スコアにこんなに多彩な音楽が詰まっていたことに驚嘆してしまいました。ある意味、異形のマーラーです。マナコルダのスコアを読み解く力に圧倒されました。マーラーはまだまだ奥が深い!

以下、未稿。明日、また、ちゃんと書いてみましょう。saraiに時間をください。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:アントネッロ・マナコルダ
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:林悠介

  ハイドン:交響曲第49番 ヘ短調 Hob.I:49 「受難」

   《休憩》

  マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のハイドンの交響曲第49番「受難」は以下のCDを聴きました。

 アダム・フィッシャー指揮オーストリア=ハンガリー・ハイドン管弦楽団 1995年6月、オーストリア、アイゼンシュタット、エステルハージ宮殿、ハイドンザール セッション録音

素晴らしい演奏です。それ以上にこの演奏が録音されたエステルハージ宮殿、ハイドンザールを訪れたときの思い出が浮かびます。そのときの記事は以下のURLを参照。

  https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-3132.html


2曲目のマーラーの交響曲第5番は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1987年9月、フランクフルト、アルテ・オーパー ライヴ録音
 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 1963年1月、ニューヨーク セッション録音

希代のマーラー指揮者、バーンスタインの新旧の録音を聴きました。そして、少し考え込んでしまいました。世評ではウィーン・フィルとの演奏が完璧とも評されますが、それはそうとしても、ニューヨーク・フィルとの魅力にあふれた演奏はどうでしょう。確かにニューヨーク・フィルは演奏が粗いところも散見されますが、勢いに満ちたパートの魅力はウィーン・フィルを上回ります。ニューヨーク・フィル時代の颯爽としたレニーの演奏に若い頃、魅了されていたことを思い出してしまいました。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

【完成版】マナコルダの燦然と輝くようなマーラー、そして、美し過ぎて魅惑的なハイドン 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.4.5

完璧とは程遠いようなマーラーでしたが、一瞬も気が抜けないような緊張感と魅力にあふれた演奏に没頭してしまいました。あまりに集中が続いたので、最後は疲れ果てましたが、スコアにこんなに多彩な音楽が詰まっていたことに驚嘆してしまいました。ある意味、異形のマーラーです。マナコルダのスコアを読み解く力に圧倒されました。マーラーはまだまだ奥が深い!

第1楽章、冒頭のトランペットのソロ、ここは何度も悪夢のような演奏を聴きましたが、明瞭でしっかりした演奏で、葬送行進曲というよりも感動のファンファーレという感じ。ここから、何かマーラーというには違和感もありますが、盛り上がりのある派手な演奏が続きます。アンサンブルも乱れているような感じですが、指揮のマナコルダは構わず、インスパイアするような確信に満ちた指揮棒を振ります。彼はスコアから、こんな響きを読み取ったのでしょうか。ある意味、スリリングで緊張感に満ちた演奏で、思わず、惹き込まれます。第5番では聴いたことのないような響きの連続です。前のめりで聴き入ります。
第2楽章、音楽は嵐のように狂乱します。読響の響きも凄まじく、弦の奏者たちは鬼のような雰囲気で弾きまくります。やはり、マーラーとしての違和感はぬぐえませんが、そんなことはどうでもでもよく、まるで真剣勝負のような音楽です。チェロの遠藤真理のいつにない凄い気魄の演奏、そして、対向配置にある第2ヴァイオリンの少ない出番の強烈な演奏にsaraiの心が高揚していきます。マナコルダは長い手を使った独特の指揮で冷静な面持ちですが、音楽は熱く燃え上がります。頂点で凄い高まりを見せて、やや勢いが収まったところでこの楽章が終わります。ふーっ。
少し休憩の後、第3楽章。長閑な雰囲気の音楽が続きます。次第に音楽は熱を帯びてきます。気づくと、ホルン奏者の一人が立ち上がって演奏しています。見事なホルンのソロが聴けます。長閑なパートと熱いパートが交錯しながら、音楽が展開していきます。実に長大な楽章です。ホルツクラッパーが登場したり、弦のピッツィカートが現れたり、多彩な表情の音楽が永遠に続きます。その間、高い緊張感は持続していきます。マーラーの複雑な音楽を堪能しているうちに楽章が閉じます。
第4楽章の有名なアダージェット。弦とハープだけで演奏されますが、こんなに美しい演奏はこれまでに聴いたことがありません。弦の各部が入れ替わりながら、愛に満ちた音楽を紡いでいきます。不意に脳裏に以前訪れたマイヤーニックの作曲小屋とそのまわりの自然の美しさが蘇ります。あのときもスタッフのかたにお願いして、このアダージェットのCDを鳴らしてもらいました。あのときの感動が蘇ります。読響の弦は最高の仕事をしてくれました。それにマナコルダの指揮が見事です。最後は第1ヴァイオリンが持続音を鳴らしているうちに休みなく最後の第5楽章に続いていきます。
第5楽章、アダージェットの感慨にふけっているうちに牧歌的なフレーズで雰囲気が変わっていきます。角笛の音楽です。まさにマイヤーニックの自然を彷徨っている雰囲気です。やがて、対位法的な展開の音楽に魅了され、次第にクライマックスに高潮していきます。圧倒的な頂点にかけ上がり、最後はテンポを上げて、感動的なコーダ。
若干の違和感はありましたが、これは真正なマーラーです。ユダヤ的な粘りはなく、ストレートな表現でした。マナコルダのオリジナリティのあるマーラー解釈、そして、読響の凄い緊張感の演奏。大いにマーラーを堪能しました。

前半は何とも室内楽的な響きの素晴らしいハイドン。第1楽章のアダージョは哀しいほどに優美な演奏。読響の弦の美しさが機能します。第2楽章のアレグロは躍動感にあふれた演奏。第3楽章のメヌエットは宮廷的な響き。第4楽章のプレストは快適な音楽が熱く響きます。久しぶりにこんなに素晴らしいハイドンを聴きました。この曲のベストの演奏に思えます。このコンビでハイドンの全集を録音してもらいたいくらいです。

マナコルダはこれからも注目すべき指揮者の一人です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:アントネッロ・マナコルダ
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:林悠介

  ハイドン:交響曲第49番 ヘ短調 Hob.I:49 「受難」

   《休憩》

  マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のハイドンの交響曲第49番「受難」は以下のCDを聴きました。

 アダム・フィッシャー指揮オーストリア=ハンガリー・ハイドン管弦楽団 1995年6月、オーストリア、アイゼンシュタット、エステルハージ宮殿、ハイドンザール セッション録音

素晴らしい演奏です。それ以上にこの演奏が録音されたエステルハージ宮殿、ハイドンザールを訪れたときの思い出が浮かびます。そのときの記事は以下のURLを参照。

  https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-3132.html


2曲目のマーラーの交響曲第5番は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1987年9月、フランクフルト、アルテ・オーパー ライヴ録音
 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 1963年1月、ニューヨーク セッション録音

希代のマーラー指揮者、バーンスタインの新旧の録音を聴きました。そして、少し考え込んでしまいました。世評ではウィーン・フィルとの演奏が完璧とも評されますが、それはそうとしても、ニューヨーク・フィルとの魅力にあふれた演奏はどうでしょう。確かにニューヨーク・フィルは演奏が粗いところも散見されますが、勢いに満ちたパートの魅力はウィーン・フィルを上回ります。ニューヨーク・フィル時代の颯爽としたレニーの演奏に若い頃、魅了されていたことを思い出してしまいました。



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聖金曜日はマタイ受難曲を聴く日 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2023.4.7

毎年、2018年以来、聖金曜日(復活祭の2日前の金曜日)にバッハ・コレギウム・ジャパンのマタイ受難曲を聴くのが習いになりました。この素晴らしいマタイ受難曲が極東の日本で聴けるのは幸せです。こういうレベルのマタイ受難曲が聴けるのは本場のオランダくらいでしょう。そのオランダでは、今年はオランダ・バッハ協会で鈴木優人が客演指揮をしているそうです。いつもは鈴木ファミリーが揃ってマタイ受難曲を演奏しているのが通例ですが今年は鈴木雅明が一人で頑張っています。その鈴木雅明がマタイ受難曲を指揮するのは今日でちょうど100回目だそうです。そのうち、saraiが聴いたのは6~7回です。毎回、変化があるのが凄いことです。saraiはあと10回ほどは聴けるでしょうか。

いつも素晴らしいマタイ受難曲なので、同じような感想になってしまいます。過去の記事を読んでみましたが、今年も同じような内容になってしまいます(笑い)。コピペするのも何なので、ポイントだけを列挙しておきましょう。

やはり、BCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)の肝は素晴らしい合唱に尽きます。その合唱は悪と善を歌い分けます。悪は群衆合唱です。ローマ総督ピラトが死罪を許するのはバラバ(極悪人)かイエスかと問うと、素晴らしい響きで“バラバ”と歌います。戦慄を覚えます。また、イエスを死罪に追い込む“十字架につけよ”と第45曲と第50曲で執拗に歌いますが、その迫力たるや、恐ろしいものがあります。一方、善はイエスの受難を優しく慰撫するコラール(讃美歌)です。なかでも計5回登場する受難コラールの美しく、優しく、そして、力づけてくれる合唱の完成度はいかばかりでしょう。あえて言えば、これが聴きたくて、このBCJのマタイ受難曲を聴くんです。今日は受難コラール以外のコラールもすべて素晴らしく、心の襞を優しく癒してくれました。

BCJの管弦楽も達人揃いで見事な演奏を聴かせてくれます。フラウト・トラヴェルソの菅きよみ、オーボエの三宮正満、ヴァイオリンの寺神戸亮、若松夏美、チェロの山本徹など、深くは触れませんが、人間国宝級の凄技を聴かせてくれました。

独唱者は毎回変わりますが、エヴァンゲリストのトマス・ホッブス、イエスのマーティン・ヘスラーなど海外勢は見事な歌唱。コロナ禍で海外勢の歌唱が聴けなかった鬱憤が晴らせます。一方、コロナ禍で成長した日本人歌手たちも見事な歌唱でした。とりわけ、カウンターテナーの久保法之の清澄な歌声には聴き惚れました。松井亜希、青木洋也、加耒 徹も流石の歌唱でした。櫻田亮の不在が残念でした。

無論、鈴木雅明の指揮は素晴らしく、最近のロマン的で力強い方向性には感銘を覚えます。これこそ至芸とも言うべきものです。

今日の演奏で一人だけ、MVPを与えるとしたら、やはり、エヴァンゲリストのトマス・ホッブスでしょうか。もうその熱唱には、頭が下がる思いです。美しいテノールですが、力強さも兼ね備えたスーパー歌唱でした。ブラボー!


今日のプログラムは以下です。


  指揮:鈴木雅明
  エヴァンゲリスト、テノール:トマス・ホッブス
  ソプラノ:ルビー・ヒューズ、松井亜希
  アルト:久保法之、青木洋也
  テノール:谷口 洋介
  イエス、バス:マーティン・ヘスラー
  バス:加耒 徹
  合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン、東京少年少女合唱隊
  管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン コンサートマスター:寺神戸亮、若松夏美
   フラウト・トラヴェルソ、リコーダー:菅きよみ、前田りり子  
   オーボエ、オーボエ・ダモーレ、オーボエ・ダ・カッチャ:三宮正満、荒井豪 
   チェロ:山本徹、上村文乃
   オルガン:大塚直哉
   ヴィオラ・ダ・ガンバ:福澤宏


  J. S. バッハ:《マタイ受難曲》BWV 244 第1部

 《休憩》

  J. S. バッハ:《マタイ受難曲》BWV 244 第2部



最後に予習について、まとめておきます。

 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、
  モンテヴェルディ合唱団、ロンドン・オラトリー少年合唱団
  アントニー・ロルフ・ジョンソン(福音史家)、アンドレアス・シュミット(イエス)
  バーバラ・ボニー、アン・モノイオス、アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、
  マイケル・チャンス、ハワード・クルーク、オラフ・ベーア、コルネリウス・ハウプトマン
      1988年 セッション録音

素晴らしい合唱。独唱も素晴らしい。隙のない演奏です。



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テーマ : クラシック
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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

リヒャルト・シュトラウス:オペラ《平和の日》日本初演は壮絶な平和への願い@オーチャードホール 2023.4.8

リヒャルト・シュトラウスのオペラ《平和の日》の日本初演はリヒャルト・シュトラウス好きの友人の勧めでチケットまでとってもらって聴きました。それほど乗り気でもなかったのですが、このオペラこそ、saraiがどうしても聴かなくてはならないオペラであることが聴いたときに分かりました。
それはリヒャルト・シュトラウスの盟友だったシュテファン・ツヴァイクの遺言のようなものがメッセージとして、このオペラに貫かれていたからです。いつか、このブログにも書いたようにウィーンの最高の知性の一人であったシュテファン・ツヴァイクはsaraiの心の友です(勝手にsaraiがそう思い込んでいるだけです。)。ツヴァイクは平和主義を貫き通し、それ故に現実との狭間に苦しみ、ついには自分自身で命を絶つことになりました。第2次世界大戦が始まった1942年のことです。死の1週間前には、旧日本軍によるシンガポール陥落の報に接していたそうです。これが直接の引き金だと言われています。
彼の信念は絶対的な平和主義でした。このオペラの終盤ではそれが絶対的なテーゼとして貫かれており、まるでツヴァイクが近くに来ているような思いに駆られてしまいました。このオペラの台本はヨーゼフ・グレゴールが書いたもので、直接、ツヴァイクの手によるものではありません。しかし、広瀬大介氏の解説によると、このオペラはツヴァイクのアイディア及び草稿をもとにしているそうです。リヒャルト・シュトラウスは《薔薇の騎士》などでコンビを組んだホフマンスタールが亡くなった後、シュテファン・ツヴァイクと意気投合し、オペラ《無口な女》でコンビを組んでいました。しかし、台頭してきたナチス政権により、ユダヤ系オーストリア人だったツヴァイクはシュトラウスの必死の抵抗もままならずに排斥されて、その遺言のように残ったのがこのオペラ《平和の日》でした。
長くなりましたが、ツヴァイクの遺言のような作品《昨日の世界》を読んで以来、熱烈なツヴァイクの友(ファンとも言いますね)になったsaraiにとって、このオペラはなんとも親愛なオペラでした。今まで聴かなかったのが不思議なくらいです。
二期会の総力をあげた公演は驚くほど素晴らしい出来でした。司令官とその妻マリアを歌ったお二人、清水勇磨と中村真紀は初めて聴きましたが、文句ない素晴らしさ。それに最後のシーンで舞台の前面に出演者がずらっと並んで歌った平和の賛歌の凄かったこと。感動しました。
準・メルクル指揮の東フィルの猛烈な演奏も見事でした。

いやはや、昨日のマタイ受難曲といい、今日のオペラ《平和の日》といい、受難週にふさわしい音楽が聴ける東京の文化の高さには、満足という言葉しかありません。何と言う幸せでしょう!


今日の公演内容、キャストは以下です。

  《二期会創立70周年記念公演》
   東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ
   
  リヒャルト・シュトラウス:オペラ《平和の日》<日本初演/セミ・ステージ形式上演>
   オペラ全1幕
   日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
   台本:ヨーゼフ・グレゴール

   指揮:準・メルクル
   舞台構成:太田麻衣子
  【合 唱】二期会合唱団(合唱指揮:大島義彰)
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:三浦章宏

  包囲された街の司令官:清水勇磨
  マリア その妻:中村真紀
  衛兵:北川辰彦
  狙撃兵:高野二郎
  砲兵:髙田智士
  マスケット銃兵:松井永太郎
  ラッパ手:倉本晋児
  士官:石崎秀和
  前線の士官:的場正剛
  ピエモンテ人:前川健生
  ホルシュタイン人 包囲軍司令官:河野鉄平
  市長:伊藤達人
  司教:堺 裕馬
  女性の市民:石野真帆


最後に予習について、まとめておきます。

以下のCDを聴きました。

 ジュゼッペ・シノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立歌劇場合唱団

 司令官:アルベルト・ドーメン(バス)
 マリア:デボラ・ヴォイト(ソプラノ)
 曹長:アルフレート・ライター(バス)
 ピエモンテ人:ヨハン・ボータ(テノール)
 敵司令官:アッティラ・ユン(バス)
 市長:ジョン・ウィラーズ(テノール)

 録音時期:1999年9月
 録音場所:ドレスデン、ルカ教会

シノーポリの突然の死去のおよそ1年半前の貴重な録音。こうして、キャストの名を眺めてみると、実に豪華ですね。実際、素晴らしい演奏です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ミュンヘンのトップ奏者たちに支えられて、青木尚佳が溌剌とした響き@上大岡 ひまわりの郷 2022.11.13

青木尚佳は日本人の若手ヴァイオリニストですが、名門オーケストラ、ミュンヘン・フィルのコンサートマスターとして、活躍中。その彼女がミュンヘンのベテランとともに日本に凱旋公演。弦楽三重奏ですが、実に深い響きを聴かせてくれました。

前半はドホナーニの三重奏曲とコダーイの二重奏曲。ウェン・ジン・ヤンのチェロのたっぷりした響きが圧倒的ですが、青木尚佳は瑞々しい響きのヴァイオリンで存在感を発揮します。弦の室内楽の響きの美しさをたっぷり堪能しました。

後半はモーツァルトのディヴェルティメント K.563です。ディヴェルティメントという名前で娯楽性の高い曲を思い浮かべますが、交響曲第41番《ジュピター》の1か月後に作曲された本作は実質的に6楽章からなる弦楽三重奏曲として、深い音楽性を持った作品になっています。無論、ディヴェルティメントとしての分かりやすさ、明瞭さも持っていますが、モーツァルト晩年の室内楽の傑作です。ミュンヘンのトップ奏者たちはこの50分にも及ぶ大作を一切の緊張感のゆるみもなく、素晴らしいアンサンブル、あるいは協奏的な音楽の愉悦をもって、高いレベルの演奏を聴かせてくれました。とりわけ、まだ若い青木尚佳がモーツァルトの本質に迫る演奏を聴かせてくれたのは驚きでした。

アンコールはベートーヴェンの弦楽三重奏曲。骨組みのかっちりした演奏を聴かせてくれました。

比較的、珍しい作品の演奏でしたが、飽きさせることのない素晴らしい演奏を聴かせてくれました。やはり、日本人の若手のヴァイオリンのレベルの高さは凄いことを実感しました。


今日のプログラムは以下です。

  ミュンヘンのトップ奏者たち
   青木尚佳 vn(ミュンヘン・フィル コンサート・マスター)
   ジャノ・リスボア va(ミュンヘン・フィル首席ヴィオラ奏者)
   ウェン・ジン・ヤン vc(元バイエルン放送響首席チェロ奏者)

  ドホナーニ: 弦楽三重奏のためのセレナード ハ長調 Op.10
  コダーイ: ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7

   《休憩》

  モーツァルト: ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563

   《アンコール》
     ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 ハ短調 Op.9 No.3 より 第3楽章 スケルツォ
     

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のドホナーニの弦楽三重奏のためのセレナードは以下のCDを聴きました。

 スペクトラム・コンサーツ・ベルリン(ジャニーヌ・ヤンセンほか) 2002年6月21日、テルデック・スタジオ、ベルリン セッション録音

魅力的な演奏です。


2曲目のコダーイのヴァイオリンとチェロのための二重奏曲は以下のCDを聴きました。

 ヤーノシュ・シュタルケル、ジョゼフ・ギンゴールド 1973年 セッション録音
 
シュタルケルの迫力あるチェロに聴き惚れます。


3曲目のモーツァルトのディヴェルティメント K.563は以下のCDを聴きました。

 グリュミオー・トリオ:アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)、ジョルジュ・ヤンツェル(ヴィオラ)、エヴァ・ツァコ(チェロ)
  1967年6月2~6日 アムステルダム セッション録音

モーツァルトはやはり、奥が深いです。グリュミオーは見事な演奏です。クララ・ハスキルとのヴァイオリン・ソナタを思い出しました。



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フランクフルト散策:旧市街でお買い物し、散策終了

2008年5月2日金曜日@フランクフルト/3回目

2008年のドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaの旅です。saraiのヨーロッパを巡る旅の最終章になります。気合いを入れて、書いていきます。

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。現在、トランジットの地、フランクフルトFrankfurtに滞在中で、今日はフランクフルトの2日目です。お昼のフライトで最初の目的地、ドレスデンに向かいます。

今はフランクフルトの旧市街地を散策中。古い市街地と新しい近代的なビルが建ち並ぶ街との間が美しい大きな木立の公園になっており、その公園の南の端のフランクフルト歌劇場Oper Frankfurtまでやってきたところです。
フランクフルト歌劇場の前から、トラムと超高層ビルを眺めています。このビルは鉄骨鉄筋コンクリート、アルミニウム、ガラスでできた、40 階建てで高さ 148 m のユーロタワーEurotower。1970 年代に完成したものです。

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旧市街に足を踏み入れると、歴史ある重厚な5つ星ホテル、シュタイゲンベルガー フランクフルター ホフSteigenberger Icon Frankfurter Hofの前に出ます。やはり、こういうホテルに泊まりたいですが、料金ランクが高過ぎます。

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おっ、美味しそうなケーキ屋さんがありますね。

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こういう感じでぶらぶら散歩。
昨日は休日でショップが閉まっており、買い物ができなかったので、ブランドショップの並ぶゲーテ通りGoethestraßeに周り、10時の開店を待って頼まれ物を購入。これでフランクフルトの日程を無事終了。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ホテルに戻り、荷物(小さな荷物だけ。大きなスーツケースはフランクフルトで受け取らずにドレスデンに直送。フランクフルトはあくまでもトランジットです。)をピックアップし、昨日と逆の経路でハウプトバッハHauptwache駅からSバーンの電車に乗って、フランクフルト空港Flughafen Frankfurt am Mainに向かいます。
空港に着き、チェックインします。これから乗るのはドレスデンへの国内便ですが、ある意味、トランジットでもあるわけで、空港のチェックインは窓口があっちだこっちだと言われながら、結局、一番空いた窓口でチェックインを無事クリアでき、ラッキー!

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こうして、無事にドレスデン行の飛行機に乗り込みます。
以上、わずか、半日ちょっとの慌しいフランクフルト途中下車でした。

なお、この5年後にも、同様のトランジットでフランクフルトの町を散策しました。そのときのお目当てはシュテーデル美術館Städel Museumでフェルメールの地理学者を見ることでした。早朝6時に着いて、10時間のトランジットの後、アムステルダムに向かいました。その時の記事は以下です。

https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-category-46.html



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ドレスデン散策:旧市街散策とワイン屋さんとの出会い

2008年5月2日金曜日@ドレスデン/1回目

2008年のドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaの旅です。saraiのヨーロッパを巡る旅の最終章になります。気合いを入れて、書いていきます。

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。トランジットの地、フランクフルトFrankfurtを飛び立って、最初の目的地、ドレスデンに着いたところです。

ドレスデンまで約1時間のフライトなので、ちょっとした昼食代わりの食事のサービスを期待したのですが、飲み物一杯だけでした。成田で預けたスーツケースがちゃんとドレスデンに届いているかどうか、ヒヤヒヤしながらターンテーブルの前で待ちます。

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が、流石にドイツのシステムはしっかりしていて、問題なく、荷物を受け取ります。あとは空港からホテルまで、びゅんびゅん飛ばすタクシーに肝を冷やしながら、あっという間にホテルに到着。結果的には、順調な移動でした。
ホテルのロビーは綺麗な花が飾られています。

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そして、ウエルカムシャンパンで出迎えられます。なかなかサービスがいいですね。

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このドレスデンのホテル、アーティス スイート ホテルArtis Suite Hotelはキッチンや食卓付きのアパートメント形式です。いつもとはちょっと違ったホテル暮らしができるかな・・・。
部屋でちょっと休憩したところで、ホテルのレセプションでドレスデンカード(2日間、公共交通機関の利用と主要な美術館の入場が無料)を購入します。一人21ユーロです。

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トラム乗り放題のドレスデンカードを入手したところで、早速、ドレスデンの街に繰り出します。ホテルを出たところはこんな古いビルがあります。東ドイツ時代の低調な経済、あるいは戦前の遺物なのか、これもドレスデンの一つの顔ですね。

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最寄りのトラム(路面電車)の停留所に数分で到着。コリアニシャー・プラッツKoreanischer Platzです。

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旧市街の中心に行くトラム、1番か2番を待ちます。これは6番のトラムなので乗りません。

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やがて来たトラムに乗って、街の中心に移動。とても美しい街です。ドレスデン・ポストプラッツDresden Postplatzの停留所で下りて、ゼンパー・オーパー Semperoper Dresdenのほうに向かいます。古びた噴水が見えます。ホレラブルネンCholerabrunnenです。コレラの流行から奇跡的に救出したことを記念して建てられたもので、設計者はオペラハウス、ゼンパー・オーパーの設計者であるゴットフリート・ゼンパーです。

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まずはゼンパーオーパー前にあるシンケルヴァッヒェSchinkelwacheという建物内のゼンパーオーパーのチケットオフィスで予約済のオペラのチケットを受け取り、一安心。これでオペラがちゃんと見られます。
一安心して、さあというところで、俄かにシャワーのような豪雨が突如、降り出しましす。ここは予定通り、美術館(アルテ・マイスター絵画館Gemäldegalerie Alte Meister)に入館。外の豪雨には無関係にラファエロやフェルメールなどの巨匠の名画の数々を堪能しました。ここでの写真は撮れなかったので(写真撮影不可)、何にも紹介できません。この5年後に再訪したときも写真撮影不可でしたが、画集を参考に紹介記事を書いています。そのブログ記事は以下です。

https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-category-128.html


名画の余韻にふけりながら、外に出ると、既に雨は上がっています。まだ、5時過ぎだったので、もう一つ、隣の陶磁器博物館で日本(伊万里や有田)、中国、マイセンの素晴らしい名品を鑑賞。これも何も紹介できません。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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気がついてみれば、今日は昼飯抜きで、お腹が空いてきました。どっか、美味しいレストランはないかとフラフラ歩いていると、日本語で声をかけてくる人がいます。まだ、結構若い人ですが、日本人で、昨日、新しいワインショップを開店したので、店も近いので試飲していかないですかとのこと。実はこの出会いを書いた記事がsaraiのブログの1回目の記事でした。そこから、15年に及ぶブログの執筆が始まりました。



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ドレスデン散策:日本人のワイン屋さんとイタリアンの夕食

2008年5月2日金曜日@ドレスデン/2回目

2008年のドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaの旅です。saraiのヨーロッパを巡る旅の最終章になります。気合いを入れて、書いていきます。

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。最初の目的地、ドレスデンに着き、早速、旧市街を散策しているところです。

美術鑑賞を終えて、配偶者、姉、saraiの3人で旧市街の中心、ノイマルクト広場Neumarktあたりをぷらぷらしていると、日本語で声をかけてくる人がいます。まだ、結構若い人ですが、日本人で、昨日、新しいワインショップを開店したので、店も近いので試飲していかないですかとのこと。すると、配偶者は調子よく、間髪入れずに、「フランケンはあるの?」。いつの間にやら、saraiの好物のワインの名前がしっかりと頭に入っています。もちろん、あるとのことで、結局、試飲することに。フランケンはもとより、地元のザクセンワインなどを試飲。まんまとワインやワインジャム、バウムクーヘンなどを購入する破目になりましたが、saraiは大喜び。フランケンのほか、日本では入手が困難なザクセンワインをゲットできたんですからね・・・。価格も2~3千円でリーズナブルでした。後で、おまけに1本プレゼントもあり、ラッキー!!このワインショップには5年後にも再訪して思い出を語り合うことになります。このワインショップはフラウエン教会の近く(先)の御土産物屋(Remember Dresden)の地下にあります。

この店のオーナーに紹介されたイタリアンで美味しい夕食をいただくことになります。早速、ピザとパスタを注文。なかなか美味しそうです。

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気の置けない雰囲気で、地元の人で混み合っています。

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ペンネもいただきました。トマト味でとても美味しい。

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ご機嫌でトラムに乗って、ホテルに帰ります。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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キッチンでお湯を沸かし紅茶をいれて、PCに向かっています。このときはまだブログを始めていなかったので、書いているのは、親族・親戚内で立ち上げていたホームページ内の旅の報告記事です。

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部屋をちょっと紹介しましょう。寝室はこんな感じでコンフォータブルです。

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食事用のテーブルもちゃんとあります。

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このホテルには今日から4泊します。

さあ、また明日を楽しみにお休みしましょう!



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自然の森羅万象を表現し尽くしたかのようなマーラーの交響曲第7番の圧倒的な名演 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.4.13

都響の素晴らしい演奏が続いています。コパチンスカヤと都響がリゲティの圧倒的な名演を聴かせてくれたばかりですが、今度は大野和士と都響だけで、マーラーの隠れた傑作、交響曲第7番の複雑で重層的な響きと構造の音楽を物凄い精度で描き尽くしてくれました。saraiはようやく、この曲の意味と優れた真価を理解できたような気がします。

マーラーは人と自然を音楽と言う形で融合し、表現することに人生をかけてきたようにsaraiは思うのです。交響曲第4番までが角笛シリーズで自然を表現したもの。そして、第5番から第7番までがヴェルター湖畔のマイアーニックの自然を歌い上げた三部作。第5番の複雑な音楽で角笛シリーズを凌駕するマイアーニックの自然を歌い上げて、この第7番でマイアーニックの自然賛歌の総仕上げを果たしたように思えます。大野和士と都響は途轍もない演奏で第7番の本質に切り込んだと思います。マーラーはマイアーニックの作曲小屋を起点にあたりの自然を探索していたそうです。山や野を超えて、スロベニアまで踏破していたそうです。この第7番は自然探索者マーラーがマイアーニックの自然を徹底的に歌い上げた作品で、マーラーという一人の人が感じ取った自然を己の心の中で醸成させ、芸術に昇華させたものです。マーラーは自然を理解していく過程で、人が生きていく世界・宇宙を芸術という形で表現し、固定化していったのでしょう。そういう意味でこの作品はマーラーの音楽の集大成とも思えます。大野和士は明確にこの作品の意味、真価を捉えて、都響の最高の演奏を引き出して、我々の前に提示してくれたようです。
第1楽章の冒頭の弦のおどろおどろしい響きでマーラーが描き出した自然風景の幕開けを提示し、テノールホルンが奇怪な響きでマイアーニックの自然の様相を宣言し、その後は実に重層的で多彩な自然が現れてきます。都響の弦の恐るべき精度を軸に金管、木管、打楽器が見事なマーラー世界を描出してくれました。無論、それを引き出し、先導したのは大野和士。彼の知性、才能、熱情のすべてがこの作品のために動員されていました。今シーズンの幕開けにふさわしい素晴らしい演奏でした。今シーズンの都響、そして、大野和士の飛翔を確信させてくれました。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:大野和士
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:山本友重

  マーラー:交響曲第7番 ホ短調


最後に予習について、まとめておきます。

  オットー・クレンペラー指揮ニューフィルハーモニア 1968年 セッション録音

凄く壮大な演奏です。この曲の核心の一端を突いているように思えます。



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エルベ川の船旅:ブリュールのテラスの下の船着き場で乗船

2008年5月3日土曜日@ドレスデン/1回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。
今日はドレスデンの2日目です。

今日も気持ちよくドレスデン晴れ!
今日はエルベ川をピルニッツ宮殿Schloß Pillnitzまでの船旅に出かけます。

ドレスデン城Residenzschlossの川寄りの展望台(ブリュールのテラスBrühlsche Terrasse)の下にエルベ川クルーズの船着き場があります。朝早く起きて、まずは朝食です。ホテルの朝食は結構充実しています。

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まあ、選んでしまうと、普通の朝食ではあります。

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8時半発の船に乗る予定でトラムに乗ります。

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トラムでポストプラッツまで行き、そこから歩きます。ドレスデン城はすぐです。

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ブリュールのテラスの下に出ます。

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船着き場には徒歩10分弱で着きます。船着き場の中程の小屋(事務所?)にチケット売り場があり、誰も窓口に並んでいませんが、おばさんが「8時半のに乗るんなら、急いでね!」とのこと。少し、急ぎ足で4番埠頭に行くと、確かにもう乗船する人の姿は見当たらず、我々が乗船すると、乗船板がすぐ片付けられます。ぎりぎりセーフ。もっとも、次の船も9時発なので、あせることはありません。観光船のホームページに時刻表があったので、前もって、ゲットしておきました。観光船はピルニッツ宮殿とは逆の方向行きもあり、マイセンに船で行くこともできますが、結構、時間がかかります。ピルニッツ宮殿へもトラムで行くこともできますが、折角だから、エルベ川の船旅もよいものです。
すぐに船は出航。後ろにはドレスデン城が見えています。

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アウグストゥス橋Augustusbrückeを背に船は出ていきます。

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船が出ると、ドレスデンのクラシックで壮麗な建物群がパノラマのように見え、絶景です。
対岸に見えるのは、ザクセン州文化省Sächsisches Staatsministerium für Kultusのようです。

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エルベ川の船旅の始まりです。



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ミステリアスな美しさを湛えたシマノフスキのスターバト・マーテル ウルバンスキ&東京交響楽団@サントリーホール 2023.4.15

東響の今年のシーズンの幕開きはクシシュトフ・ウルバンスキが登場して、前半はオーケストラの機能を全開した演奏。後半は東響コーラスとの合唱を主体とした作品です。もはや、コロナ禍は終わり、コロナ禍以前のコンサートに完全に回帰したという宣言を思わせます。

前半のプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲は東響の弦の素晴らしさが横溢します。第1曲の《モンターギュ家とキャピュレット家》は序奏に続いて。あの超有名なフレーズが勢いのある弦の素晴らしい響きで爆発します。若干、精度の高さはもう一つにも思えますが、生きのよい演奏はそれを補ってあまりあります。これが東響の魅力ですね。以降、木管も活躍しながら、長大な組曲が進行します。最後の《ジュリエットの死》では、美しい弦の弱音が消え入るように圧巻のフィナーレです。

後半は東響コーラスの大規模な合唱団が後方の客席に並びます。壮観ですね。コロナ禍の間には考えられない光景です。
まずはコネッソンのHeiterkeitという日本初演の作品です。指揮者のウルバンスキに捧げられた曲だそうです。世界初演もウルバンスキ指揮のインディアナポリス交響楽団で行ったそうです。第1部の壮麗な春に始まり、最後はしみじみとした雰囲気で終わります。東響コーラスが持てる力を出し尽くした演奏でした。

後半の最後はシマノフスキのスターバト・マーテルです。独唱者の3人が素晴らしい歌唱を聴かせてくれて、東響コーラスの見事な合唱をバックにシマノフスキの渾身の宗教曲をミステリアスな雰囲気で歌い上げてくれました。スターバト・マーテルですから、女声の美しい歌唱に魅了されました。ソプラノのシモーナ・シャトゥロヴァの弱音を活かした透明な歌唱はうっとりするばかりです。そして、メゾソプラノのゲルヒルト・ロンベルガーの完璧な歌唱も魅力に満ちていました。その二人の重唱はまさに桃源郷の面持ちで、聴き惚れてしまいました。一方、バリトンの与那城敬は声量たっぷりに東響コーラスと力の漲った圧巻の歌唱を聴かせてくれました。
指揮のウルバンスキはお国もののシマノフスキを掌中に収めたような感じで東響をドライブしながら、最高の演奏を聴かせてくれました。前回、2021年のカルミナ・ブラーナの最高の演奏に続き、大規模な声楽曲で冴えた才覚を見せてくれました。

オペラシティでのドヴォルザークの《新世界より》の演奏も楽しみです。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
  ソプラノ:シモーナ・シャトゥロヴァ
  メゾソプラノ:ゲルヒルト・ロンベルガー
  バリトン:与那城敬
  合唱:東響コーラス
  合唱指揮:冨平恭平
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  プロコフィエフ:バレエ組曲 「ロメオとジュリエット」より
   モンターギュ家とキャピュレット家
   情景
   朝の踊り
   少女ジュリエット
   仮面
   ロメオとジュリエット
   踊り
   タイボルトの死
   朝のセレナーデ
   百合の花を手にした娘たちの踊り
   ジュリエットの墓前のロメオ
   ジュリエットの死

  《休憩》

  コネッソン:Heiterkeit (合唱とオーケストラのためのカンタータ)《日本初演》
  シマノフスキ:スターバト・マーテル op.53


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲を予習したCDは以下です。

 クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1996年4月、ベルリン、フィルハーモニー セッション録音

これは文句なしに素晴らしい演奏。アバドの手で全曲と3つの組曲から20曲を抜粋した、いわば、アバド版組曲。sarai的には、これが決定盤と言っていいでしょう。


2曲目のコネッソンのHeiterkeitはコンテンツが入手できずに予習なし。


3曲目のシマノフスキのスターバト・マーテルを予習したCDは以下です。

  サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団&合唱団、エルズビェータ・シュミトカ(S)、フローレンス・クィヴァー(Ms)、ジョン・コンネル(B) 1993年4月3-4日、シンフォニーホール、バーミンガム セッション録音

清澄な響き。ソプラノのシュミトカの清らかな声も素晴らしい。



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主役を食ったアムネリス役のアイリーン・ロバーツの迫真の歌唱 《アイーダ》@新国立劇場 2023.4.16

フランコ・ゼッフィレッリの25年前の演出による実に豪華な舞台のプロダクションが引き継がれています。5年置きに公演しているそうで、saraiは初聴きです。いやはや、壮大なスペクタクルに圧倒されてしまいました。これでは新国オペラの人気演目になるでしょう。芸術性とかは語る必要はありません。これもオペラを観る醍醐味です。古代エジプトが舞台上に蘇ったような素晴らしい舞台です。

ところでこの《アイーダ》と言えば、6年前にヴェローナ野外音楽祭で見ましたが、PC盗難騒ぎがあって、オペラに集中できずに、途中で撤退した苦い思い出があります。そのときは第4幕は聴きませんでした。そのときの記事は以下です。

https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-2413.html

PC盗難事件の顛末は以下です。

https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-2511.html


大スペクタクルは別にして、このオペラはヴェルディの集大成のような作品で、実に登場人物の歌が内面に踏み込んだ音楽表現になっています。それもその筈、このオペラはヴェルディの最後から3番目の作品で、この後は《オテロ》、《ファルスタッフ》が続くのみです。特にアイーダ、ラダメス、アムネリスの性格表現が素晴らしく、今日の3人も見事な歌唱を聴かせてくれました。なかでも、アムネリス役のアイリーン・ロバーツが最初から好調な歌唱を聴かせ、敵役どころか、まるで純愛のヒロインという感じで可愛く、美しい歌唱です。そして、第4幕に至ると、まさに愛が実らないヒロインの狂乱の場と化して、圧倒的な歌唱です。何故にラダメスはこの愛情深い王女に振り向かないのか、アムネリスに応援したくなります。ある意味、歌い過ぎかもしれません。しかし、ヴェルディがこの王女アムネリスの複雑な性格表現を見事に仕上げたからこそのアイリーン・ロバーツの迫真の歌唱になったのでしょう。ヴェルディ凄し!! アイリーン・ロバーツ凄し!!

6年前に聴けなかった第4幕はアイリーン・ロバーツの圧倒的な歌唱で借りを返してもらった思いです。これでようやくイタリアでのPC盗難の痛手から抜け出せそうです。


今日のキャストは以下です。

  新国立劇場 開場25周年記念公演
   ジュゼッペ・ヴェルディ
    アイーダ  全4幕

  【指 揮】カルロ・リッツィ
  【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
  【照 明】奥畑康夫
  【振 付】石井清子
  【再演演出】粟國 淳
  【舞台監督】斉藤美穂
  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【バレエ】東京シティ・バレエ団
  【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:近藤薫
  
  【アイーダ】セレーナ・ファルノッキア
【ラダメス】ロベルト・アロニカ
【アムネリス】アイリーン・ロバーツ
  【アモナズロ】須藤慎吾
【ランフィス】妻屋秀和
  【エジプト国王】伊藤貴之
【伝令】村上敏明
  【巫女】十合翔子

最後に予習について、まとめておきます。

以下のヴィデオを見ました。
ドレスデン国立歌劇場 歌劇「アイーダ」(全4幕) NHK-BS
   演出:カタリーナ・タルバッハ
   
   エジプト王:アンドレアス・バウアー・カナバス
   アムネリス:オクサナ・ヴォルコヴァ
   アイーダ:クラッシミラ・ストヤノヴァ
   ラダメス:フランチェスコ・メーリ
   ランフィス:ゲオルク・ツェッペンフェルト
   アモナズロ:クイン・ケルシー ほか
   合唱:ドレスデン交響合唱団
      ドレスデン国立歌劇場合唱団  
   管弦楽:ドレスデン国立管弦楽団
   指揮:クリスティアン・ティーレマン

収録:2022年3月9・13日 ドレスデン国立歌劇場(ドイツ)

ティーレマンはこれが初の「アイーダ」の指揮だそうです。無論、そんなことは微塵も感じさせない重厚な指揮でした。
アイーダを歌ったクラッシミラ・ストヤノヴァは素晴らしい歌唱でしたが、映像的には少し、お歳を感じさせるのが残念でした。



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エルベ川の船旅:古都ドレスデンからピルニッツ宮殿に向けて出航

2008年5月3日土曜日@ドレスデン/2回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。
今日はドレスデンの2日目です。

今日はエルベ川をピルニッツ宮殿Schloß Pillnitzまでの船旅に出かけます。
これが船の乗船券。片道、一人9.6ユーロ。

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古都ドレスデンの古い建造物を見ながらの出航です。

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エルベ川は日本の河川のような堤防がなく、なだらかな岸が草原になっていて、夢のような美しさです。

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もっとも、堤防がないのは水害に弱く、5年後に再訪したときは町が水害に襲われた直後でした。
少しずつ、古都ドレスデンの中心から離れていきます。

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カロラ橋Carolabrückeの下をくぐり抜けると、ザクセン州政府Sächsische Staatskanzleiの古めかしい重厚な建物が見えてきます。

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コーヒーをいただきながら、船旅を満喫します。

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ワンちゃんも同行し、船旅を楽しんでいます。

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ここで、ブリュールのテラスBrühlsche Terrasse前のクルーズ船乗り場を出航したシーンの動画をお楽しみください。ヨーロッパの川は堤防がなく、岸辺が緑におおわれて美しいですが、特にエルベ川の美しさは特筆できます。このあたりは世界遺産だそうです。最後のシーンはドレスデンの旧市街のフラウエン教会Frauenkircheのあたりですが、少しボケてしまいました。悪しからず。




エルベ川の船旅は始まったばかりです。



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エルベ川の船旅:平和で美しいエルベ川

2008年5月3日土曜日@ドレスデン/3回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。
今日はドレスデンの2日目です。

今、ピルニッツ宮殿Schloß Pillnitzまでのエルベ川の船旅の真っ最中です。

これからご紹介するのは、平和で美しいエルベ川Elbeをピルニッツ宮殿Schloss Pillnitzに向かって、ひたすら、進む船からの風景です。今ヨーロッパで起きている凄惨なロシアのウクライナ侵略とは何という違いでしょう。平和の大事さなんて、簡単に言葉で表現できるものではありませんね




現実時間では、明日、4月19日からは春の京都の旅。既に桜も散り、青モミジが主役です。もう、深夜なので、京都への旅に備えて、ブログはこのあたりでお終い。  



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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

緊急報告:京都の春、高台寺と三条商店街

今日から春の京都を訪れます。もう京都訪問はsarai夫婦の毎年の行事になっています。やはり、春と秋はよい季節ですね。

朝、新横浜から新幹線に乗ると、富士を通過するあたりで美しい富士山が見えます。ひかりは大半が外国人観光客。みなさん、喜んでいます。

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saraiはこのあたりからコンサートのチケットを予約するのが大変。1枚目は順調に予約・購入できますが、2枚目でクレジットカードがセキュリティチェックにかかり、ロックされてしまいます。同一金額のチケットを同じサイトから購入したからです。実はsaraiも現役時代は同様のリスク管理の解析処理をしていたため、そのロジックのあまりに稚拙なことに呆れます。これもAIの一種ですが、レベル低過ぎです。早速、カード会社のオーソリ担当に電話しますが、なんとロック解除に1時間もかかるとのこと。それではチケットが売り切れになります。何とか特急でロック解除してもらい、名古屋を過ぎるあたりで予定のチケットをすべて購入できました。ほっ・・・。

そうこうするうちに京都に到着。タクシーで今日のお宿に直行。なんと駅前のタクシーはほとんど出払っています。コロナ禍のときとは隔世の感です。運転手さんにそのことを尋ねると、コロナ禍のときに大量の運転手さんがやめたそうで、高齢化しているそうです。コロナ禍は落ち着きをみせてもその傷跡は深いですね。
京都駅で乗ったタクシーはすいすいと走り、途中からは狭い路地を抜けて、今日のお宿に到着。町家の跡に建てた細長いビル。ここもインターナショナルなホテルのようです。

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ホテルに荷物を預かってもらい、タクシーで高台寺あたりに向かいます。圓徳院で長谷川等伯の襖絵(複製)の特別展示をやっているので、それを見に行きます。なかなか面白い作品でした。秀吉の桐のご紋の襖の上に半ば強引に山水の水墨画を描いたものです。

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圓徳院の北のお庭の前で座って見ていると心がなぜか和みます。伏見城から移したものだそうです。じっと見ていると、大小の鳥たちが木々に飛んできます。そうしているうちに動けなくなります。

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すかさず、配偶者が抹茶を頼んでいます。祇園・辻利のお茶を美味しくいただきながら、長居をします。お菓子は生きんつば。

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抹茶のお礼を言いながら出るときはもう周りに誰もいなくなっていました。

圓徳院の前の通りの向かいが高台寺です。長く続く緩やかな石段をよろよろと登っていきます。後ろから追い抜いていくのも降りてくるのも外国人ばかりです。(そういえば、圓徳院には外国人は見かけませんでした。)

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何とか石段を登り切り、高台寺の中に入ります。ちなみに圓徳院も高台寺も無料入場。奇特なお友達に拝観招待券をいただいたんです。彼の家のお墓が高台寺にあり、檀家なんです。そんな人がいるんですね。
方丈を見た後、開山堂の前に行きます。

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この後、本来ならば、丘の上に登り、秀吉と北政所をお祀りする廟堂をお参りするところですが、saraiの足が悲鳴を上げているので、ここで断念。

今日の観光はここで打ち切って、三条商店街に買い物に行きます。
この商店街は堀川通りから千本通りまで続く長大な商店街です。こんなお店が商売になるのかという驚きの商店街でした。
これはクレームブリュレドーナツの専門店。ひとつ買って、向かいの公園で食べました。その場でバーナーであぶってくれます。その後、うちわで熱を冷ましてくれます。なかなか面白いショータイムです。

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驚くことに次から次にお客さんが来ます。終いには外国人まで来ます。有名なのかしら・・・。

これはたこ焼き屋さん。お勧めの岩塩味のたこ焼きをテイクアウトします。注文するとその場で作り始めます。それを見ていた外国人観光客が興味津々。

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夕食用の食材も調達して、堀川通りに戻ります。堀川通りから見た三条商店街の入口です。

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ここからホテルはすぐそこ。外国人がこのあたりでもカジュアルなスタイルでぶらぶらしています。

京都は外国人に占拠されたのか!



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緊急報告:京都の春、琵琶湖疎水クルーズと青蓮院の青紅葉

昨日から春の京都を訪れています。

今日は念願だった琵琶湖疎水の船旅を楽しみます。まず、陸路、琵琶湖のほとりの三井寺付近の琵琶湖疎水まで行き、そこから琵琶湖疎水船の乗下船場から予約してあったクルーズ船に乗ります。ここから京都の蹴上まで55分の船旅です。
すぐに全長2400mの第1トンネルに突入。暗闇の向こうに小さな光点が見えます。通り抜けに約20分。明治の初期に凄いものを作りましたね。

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クルーズの終点、蹴上で上陸し、次はバスで青紅葉を求めて、青蓮院門跡を訪れました。
美しいお庭に青紅葉が映えていました。

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今日の夕食の食材は大丸のデパ地下で調達。朝採れの筍が絶品でした。



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緊急報告:京都の春、御土居と大徳寺の塔頭の青紅葉

一昨日から春の京都を訪れています。

今回のテーマは青紅葉。まずは北野天満宮の御土居を訪れます。おりしも青紅葉が見頃の御土居は特別公開中。
御土居は豊臣秀吉が洛中洛外の境界として、また水防のために築いた土塁「御土居」の一部がここ北野天満宮の裏手に残ったもので、ここに紅葉や梅の」自然林が広がっています。土塁の上から下に流れる紙屋川に降りると、頭上に美しい青紅葉が空に映えています。

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清々しい自然の中で森林浴を楽しんだ後、北野天満宮の鳥居前で京うどんをいたきます。
鳥居前に並んでいるタクシーに乗って、次なる目的地、大徳寺に移動。
春の特別公開で大徳寺の塔頭の2つが見られます。
まず、黄梅院を拝観します。門の外から青紅葉が見えています。

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中に入りますが、残念ながら、一切、写真撮影不可とのこと。秀吉ゆかりの直中庭(じきちゅうてい)や白砂の波頭庭(はとうてい)という見事なお庭に心を洗われます。記念に美味しい抹茶と阿闍梨餅を頂き、お腹も満たされます。

次に同じく大徳寺の塔頭、興臨院を訪れます。方丈前庭は中国の寒山・拾得が生活していた天台山の風景を模したもので、豪壮なお庭です。しばらく鑑賞しました。庭を周り込むと、ここにも青紅葉があります。

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今日も納得の青紅葉が見られました。そろそろ、ホテルに戻りましょう。この旅で使い始めたスマホアプリ、GOでタクシーを呼ぶと、たった3分でタクシーが到着。便利ですね。癖になりそうです。ホテルに帰る前に三条商店街に寄っていきましょう。
勝手知ったる商店街で夕食の食材をゲットします。配偶者は見知った魚屋さんや八百屋さんと早くも馴染んでいます。

こうして、京都の旅も順調です。



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緊急報告:京都の春、貴船と蓮華寺の青紅葉

今日は春の京都の最終日を訪れています。遂にからっと晴れ上がり、真っ青な青空です。

叡山線沿線で青モミジを楽しみましょう。まずは貴船で青モミジと川床料理です。料理店の予約を済ませ、出町柳から叡山線で貴船口へ。貴船口に着き、貴船神社のほうに歩き始めようとして、ふと後ろを見るとバスの姿が見えます。何と貴船行きのバスです。事前調査が悪く、ここからバスが出ていることに気が付きませんでした。慌ててバスに飛び乗ります。バスはがんがん走り、貴船に到着。とても歩ける距離ではありませんでした。
少し歩くと、川床料理のお店が並んでいますが、貴船川の上には川床がありません。まだ、川床の季節ではなかったようで、お店の人の話では5月1日が川床の解禁日なんだそうです。予約したお店の貴船川沿いの席で工事中の川床を眺めながら、ランチをいただきます。

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いただいたのは美味しい湯豆腐ランチです。

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食事の後、特別な許可をいただき、工事中の川床に下りてみます。今日はまだ肌寒く、川床で料理をいただくと風邪をひきそうです。

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貴船神社にお参りしてきましょう。貴船神社からは青空、青モミジ、清冽な貴船川の絶景が見渡せます。

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再び、バスで叡電の貴船口駅に戻ります。ここから、鞍馬は一駅です。鞍馬に寄るか、それとも蓮華寺に行くか、迷いますが、訪れたことのない蓮華寺に行くことに決めます。いったん、叡電で宝ヶ池に戻り、叡電本線で一駅先の三宅八幡に向かいます。すると、展望車両の「きらら」がやってきます。パノラマビューシート(窓側に向かって配置されている展望のよいシート)で景色を楽しみます。

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蓮華寺では緑色に染め上げられた美しい庭園に魅了されます。緑色の波長は人間の魂に静穏を呼び起こすのでしょうか。緑の中心は無論、青モミジです。

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蓮華寺からは「上橋」バス停で京都バスの17番の直通バスで京都駅に直行。駅でお土産物とお弁当を買って、新幹線で予定通り、横浜に戻ります。

今年の春も3泊4日で京都の旅を楽しみました。ゆったりと余裕のある旅は充実したものでした。また来ましょう。



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圧倒的な響きの「新世界より」 ウルバンスキ&東響@東京オペラシティコンサートホール 2023.4.23

ウルバンスキと東響のコンビは相性抜群。最初のあたりでは弦のアンサンブルももう一つでしたが、次第に精度が上がり、ドヴォルザークのあたりでは一糸乱れぬ美しい演奏を聴かせてくれました。ウルバンスキの音楽を楽しむような指揮が心地よく感じられました。
最初のメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」 序曲は弦の弱音を見事に響かせて、ロマンの世界を現出させてくれました。うっとりとして、聴き入るだけでした。

次はヤン・リシエツキのピアノでショパンのピアノ協奏曲 第2番。素晴らしいテクニックと安定した響きで端正な演奏を聴かせてくれました。ショパンの甘くサロン的な音楽に陥らずに真摯な演奏を聴かせてくれました。無論、第2楽章では、ロマンティックな雰囲気も醸し出していました。ウルバンスキ指揮の東響の素晴らしいアンサンブルも見事な演奏でした。
ところで、ヤン・リシエツキはイグナツ・リシェツキと名前が似ているので、紛らわしいと言ったら、失礼ですが、実はちょっと混同していました。お二人ともポーランド系でショパンを得意にしていますね。ウルバンスキもポーランド人。みな、なんとかスキという名前ですね。ポーランド系の指揮者とピアニストですが、それほど、ポーランド的なショパンではありませんでした。もっともポーランド的なショパンというのもsaraiの思い込みかもしれません。

休憩後、ドヴォルザークの交響曲 第9番 「新世界より」です。何と言っても、トゥッティの凄まじい響きに圧倒されます。ぴたっと決まっていました。第4楽章の終盤の盛り上がりは尋常ではありませんでした。高弦はもとより、低弦の響きの力強さが素晴らしい。金管も木管も鳴っていたのでしょうが、弦のアンサンブルの素晴らしい響きに魅了されました。

それにしても、今日はまさに名曲アワー。こんなに耳馴染んだ名曲ばかり聴くのも滅多にない機会です。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
  ピアノ:ヤン・リシエツキ
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレグ・ニキティン

  メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」 序曲
  ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21
   《アンコール》
     ショパン:夜想曲第20番 嬰ハ短調 BI.49「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ(Lento con gran espressione)」(遺作)

   《休憩》
   
  ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」 序曲を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1967年、クリーヴランド、セヴェランス・ホール セッション録音

実に精緻な演奏。セルの素晴らしさを実感します。


2曲目のショパンのピアノ協奏曲 第2番を予習したCDは以下です。

  ニコライ・ルガンスキー、アレクサンドル・ヴェデルニコフ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア 2013年7月、ワルシャワ、ポーランド放送ヴィトルド・ルトスワフスキ・コンサートスタジオ セッション録音

ルガンスキーが好調なショパンの響きを聴かせてくれて、ポーランドのシンフォニア・ヴァルソヴィアも素晴らしいサポート。


3曲目のドヴォルザークの交響曲 第9番 「新世界より」を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1959年3月、クリーヴランド、セヴェランス・ホール セッション録音

セルらしいパーフェクトな演奏。音質もハイレゾ化されて極上です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

エルベ川の船旅:現実時間はどうしようもなく眠い! で、ピルニッツ宮殿到着の動画だけを公開

2008年5月3日土曜日@ドレスデン/4回目

今年の旅はドレスデンDresdenとライプツィヒLeipzigとプラハPrahaが目的地。
今日はドレスデンの2日目です。

今、ピルニッツ宮殿Schloß Pillnitzまでのエルベ川の船旅の真っ最中です。


ここから記事を書かなければなりませんが、京都の旅の疲れか、夜型のsaraiが何故か、途轍もなく眠たくなりました。とても記事を書ける状態ではありません。明日はPCの相談室の後、夜はコンサート。明後日は昼と夜のダブルのコンサート。
その上、新しいPCが届いてセットアップ中。これも早く仕上げて、お待ちの方に渡す必要があります。
ということで、エルベ川の船旅は動画を一つご覧いただくだけにさせてください。


エルベ川Elbeの船旅の動画はピルニッツ宮殿Schloss Pillnitz到着の動画を先んじてご覧ください。





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モーツァルト、マーラー、ツェムリンスキー・・・うっとり!!藤村実穂子 メゾソプラノ・リサイタル@横浜みなとみらいホール 小ホール 2023.4.25

藤村実穂子の声を聴くだけで、どの作曲家の作品も光を放ちます。そのまろやかで美しい声は小ホールのすみずみまで、通っていきます。saraiは比較的後ろの横のほうの席でしたが、彼女の声に包まれているように感じました。

モーツァルトは正攻法の真摯な歌唱で、若い頃の作品から晩年に近い作品まで、心地よく感じます。一番有名な《すみれ》は実に美しい歌唱。そして、深い思いを込めた《夕べの想い》は圧巻の歌唱でした。藤村実穂子のモーツァルトは初めて聴きましたが、流石の歌唱に驚嘆しました。

マーラーのさすらう若人の歌は今日一番素晴らしい歌唱でした。マーラーの魅力にとりつかれたような表現にうっとりと聴き入りました。とりわけ、第4曲の《恋人の二つの青い眼》の深い味わいに満ちた歌唱には大変な感銘を覚えました。

休憩後、ツェムリンスキーのメーテルリンクの詩による6つの歌曲。以前、都響の定期演奏会でも彼女の熱唱を聴きました。このツェムリンスキーのミステリアスでファンタジックな曲を歌いこなせるのは、藤村実穂子とフォン・オッターだけでしょう。藤村実穂子は芯のあるしっかりした美声で低音から高音まで完璧な歌唱を聴かせてくれます。ただ、この曲はやはり、オーケストラ版のほうが聴き映えしますね。

アンコールはツェムリンスキーの歌曲を3曲歌ってくれました。さらっとした歌唱でした。

やはり、藤村実穂子のリサイタルはその美声で満足させられますね。


今日のプログラムは以下です。


  メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
  ピアノ:ヴォルフラム・リーガー

  モーツァルト:
    静けさは微笑み
    喜びの鼓動
    すみれ
    ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼く時
    夕べの想い

  マーラー:さすらう若人の歌
   1.恋人の婚礼の時
   2.朝の野を行けば
   3.胸の中には燃える剣が
   4.恋人の二つの青い眼
   
   《休憩》
   
  ツェムリンスキー:メーテルリンクの詩による6つの歌曲 Op.13
   1.三人姉妹
   2.目隠しされた乙女たち
   3.乙女の歌
   4.彼女の恋人が去った時
   5.いつか彼が帰ってきたら
   6.城に歩み寄る女

  細川俊夫:2つの子守歌(日本民謡集より)
   1.五木の子守歌
   2.江戸の子守歌
   
   
   《アンコール》

  ツェムリンスキー:子守歌
  ツェムリンスキー:春の日
  ツェムリンスキー:夜のささやき


最後に予習について、まとめておきます。

最初のモーツァルトの作品は以下のCDを聴きました。

 チェチーリア・バルトリ、アンドラーシュ・シフ 1992年 セッション録音
   静けさは微笑み
   
 チェチーリア・バルトリ、チョン・ミュンフン指揮サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団 1998年6月 セッション録音
   喜びの鼓動
   
 エディト・マティス、カール・エンゲル 1975年9月3日、クンストハウス(ルツェルン) ライヴ録音
   すみれ、ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼く時
   
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、メルヴィン・タン(フォルテピアノ) 1994年9月、ストックホルム セッション録音
   夕べの想い

バルトリ、エディット・マティス、フォン・オッターという魅力的な歌手でモーツァルトの作品を聴きました。バルトリはいつものイタリア風歌唱を封印し、真摯なモーツァルトを聴かせてくれます。
エディト・マティスはルツェルン音楽祭のライヴで最高の歌唱を聴かせてくれます。《すみれ》は素晴らしい歌唱にうっとりします。フォン・オッターは実に知的で奥深い歌唱です。これほど歌える人はほかにいません。


マーラーのさすらう若人の歌は以下のCDを聴きました。

 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮北ドイツ放送交響楽団 1993年 セッション録音
 
マーラーに傾倒するフォン・オッターの歌唱に惹き込まれます。


ツェムリンスキーのメーテルリンクの詩による6つの歌曲のCDを聴きました。

 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮北ドイツ放送交響楽団 1993年 セッション録音

上のマーラーと同じアルバムです。ここでもオッターは見事な歌唱を聴かせてくれます。


細川俊夫の2つの子守歌は今回の日本ツアーが世界初演なので、音源がありません。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

金川真弓、透き通るような音色で魅了するメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 小泉和裕&東京都交響楽団@東京芸術劇場 2023.4.26

金川真弓のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴きたくて、足を運びました。平日のお昼のコンサートです。聴衆が多いのに驚きました。sarai同様に老後を優雅にすごしている人も多いのですね(笑い)。

そのお目当ての金川真弓ですが、こんな超有名曲の演奏は危惧しましたが、彼女の透き通って突き抜けるようなヴァイオリンの響きがこのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に相性抜群で素晴らしい演奏を聴かせてくれました。これまで聴いた彼女の演奏で最高の演奏に思えます。第1楽章冒頭のあの有名な第1主題で早くもsaraiの心を魅了する響きの演奏です。天に突き抜けるような美しい響きであの有名な旋律が奏でられます。以降、第2楽章の緩徐で美しい旋律も、第3楽章のきびきびした演奏も素晴らしい音色で心をとろけさせてくれるような演奏です。小泉和裕指揮の都響も素晴らしいサポートです。実に満足した演奏でした。こんなに隅々まで知っている曲はよほどの演奏でないと満足できませんが、超満足でした。

冒頭のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲も小泉和裕の見事な指揮、都響の素晴らしいアンサンブルで聴き応えがありました。やはり、弦の弱音の響きが素晴らしいですね。これも名曲中の名曲。満足させる演奏は難しいと思いますが、すっかり、満足しました。

休憩後、メンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》も超名曲。これも素晴らしいアンサンブルで耳を楽しませてくれます。しかし、さすがにsaraiの集中力も落ちてきて、きちんと聴きとれませんでした。前半の金川真弓の演奏に集中し過ぎて、少し、エネルギー不足。美しい演奏だったのに、その真髄は聴き取れませんでした。聴けた範囲では、スコットランドの古城に佇む郷愁に満ちた雰囲気は最高でした。そうそう、第1楽章まではそこそこ集中できていました。都響の弦のアンサンブルはやはり最高です。


この後、サントリーホールに移動して、N響のコンサートです。これは別の記事で明日書きますが、あまり期待していなかったコンサートがとても素晴らしかったんです。パーヴォ・ヤルヴィの指揮、そして、若手のピアニスト、マリー・アンジュ・グッチの演奏が最高でした。当たりの1日になりました。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:小泉和裕
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉

  ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
  メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
  
  《休憩》
  
  メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 Op.56《スコットランド》


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲は以下のCDで予習しました。

  ジョルジュ・プレートル指揮スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 2016年2月22日 ミラノ、スカラ座 ライヴ録音

プレートルは高齢になった後、思い出に残る数々の演奏を聴かせてくれました。ベートーヴェン、ヴェルディ、オッフェンバックとラヴェルの作品のプログラムで聴衆と演奏者を魅了し大成功を収めたこの2016年2月22日のミラノ・スカラ座でのコンサートが最後のコンサートとなりました。この『運命の力』序曲はラストコンサートとは思えぬ、勢いに満ちた、いかにもプレートルらしい素晴らしい演奏です。


2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は以下のCDで予習しました。

  ヤッシャ・ハイフェッツ、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団 1959年 セッション録音

世評に高い録音なので、聴いてみました。期待したほどの演奏には思えませんでした。やはり、録音が古いことは否めません。


3曲目のメンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》は以下のCDで予習しました。

  ペーター・マーク指揮ロンドン交響楽団 1960年 セッション録音

これも世評に高い録音なので、聴いてみました。これは期待以上の素晴らしい演奏。郷愁に満ちたパートはうっとりとさせられます。リマスタリングも良好で聴きやすい音質です(DECCA LEGENDS)。



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テーマ : クラシック
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       金川真弓,  

パーヴォ・ヤルヴィの壮大なシベリウス、マリー・アンジュ・グッチの会心のラフマニノフ:パガニーニ・ラプソディー NHK交響楽団@サントリーホール 2023.4.26

まったく期待していませんでしたが、そのあまりに素晴らしい演奏に大変な感銘を覚えました。それにしても、今日のプログラムはどう考えても順序が真逆だと思いましたが、実際に聴いてみると、すとんと収まった不思議なプログラムです。
(これは昨日のコンサートです。都響のコンサートとダブルで聴いたので、1日遅れの記事になりました。)

冒頭から、シベリウスの傑作、交響曲 第4番です。マーラーとは相容れなかったシベリウスですが、この曲だけはかなり接近していたとsaraiは常々思います。シベリウスは自然を外面的に描き上げましたが、マーラーは自分の心の中にいったん自然を収めた上で内的に再創造した自然を描き出しました。マーラー流に言えば、交響曲は世界をすべて描き上げるということになります。シベリウスは病魔に冒された時期に自分の内面をさらけ出さずにはいられず、外的な自然と内面が融合する形の傑作として、この作品を創造しました。この路線を進めていけば、マーラーとも近いものが創造されたでしょう。ともあれ、パーヴォ・ヤルヴィはこの作品を実に壮大に、しかも豊かな響きで表現してくれました。それはあたかも、彼がマーラーを演奏するときと同じようなアプローチでした。音楽の表現自体はまったく異なっていましたが、その出来栄えは素晴らしいものでした。N響を振るパーヴォ・ヤルヴィを聴くのは実に8年ぶりでしたが、彼の音楽や指揮の見事さを初めて実感しました。

休憩後、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲です。てっきり、ピアニストは若い男性だと思い込んでいたので、きらびやかなドレス姿の人物が現れたのにはびっくり。それでも男性と思っていましたが、よく見ると若い女性。びっくりしているうちに音楽が始まります。女性ではありますが、切れの良いピアノを聴かせてくれます。そして、ここぞというときは思いっ切りメローな音楽表現。出鼻をくじかれて、抵抗感のある聴き方をしていましたが、次第にその音楽の魅力にとりこまれていきます。第18変奏の素晴らしい演奏にはしびれます。パーヴォ・ヤルヴィ指揮のN響も実に美しい音楽を奏でます。そして、終盤に向かって、さらなる高潮で素晴らしい音楽を歌い上げてくれました。うーん、素晴らしい! マリー・アンジュ・グッチは可愛い女性でもありました。慌てて、今日もらったパンフレットを探し、彼女のリサイタルの日程をチェックします。残念・・・伊藤恵のリサイタルと完全に重なっていました。また、聴く機会もあるでしょう。

最後はチャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」。これがまた素晴らしかった! パーヴォ・ヤルヴィの熱く燃え上がる情熱でチャイコフスキーの名曲が光り輝きます。中間部の美しい抒情も相俟って、何とも素晴らしい演奏でした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。


  指揮 : パーヴォ・ヤルヴィ
  ピアノ : マリー・アンジュ・グッチ
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:篠崎史紀

  シベリウス:交響曲 第4番 イ短調 Op.63

   《休憩》

  ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
  チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」Op.32


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシベリウスの交響曲 第4番を予習したCDは以下です。

  クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 2021年2月18,19日 セッション録音

この2年前のシベリウス交響曲全集がマケラのデビューアルバムです。何とも言葉にならない演奏です。ある意味、あっけらかんとした演奏ですが、実に魅力的な内容に聴き惚れました。今年の来日演奏が楽しみです。


2曲目のラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を予習したCDは以下です。

   ユジャ・ワン、クラウディオ・アバド指揮マーラー室内管弦楽団 2010年4月 フェラーラ,テアトロ・コムナーレ セッション録音

ユジャ・ワンは凄い演奏です。テクニック抜群で音も美しいです。そして、煌めくような音楽表現に魅了されます。アバド指揮のマーラー室内管とのバランスも見事です。これ以上の演奏はないでしょう。



3曲目のチャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」を予習したCDは以下です。

  レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 1989年10月 ニューヨーク セッション録音

バーンスタイン晩年のチャイコフスキーの交響曲第4番、第5番、第6番とともに録音されたものです。熱い情念に燃えた最高の演奏です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

自宅のネット環境、再構築中

自宅サーバーで配偶者の大学のクラスの同級生のHPを開いていましたが、あまり、アクセスもなく、何となく放置していました。
ところが急に配偶者が外部からのアクセスのURLを教えてって言われて、調べてみると、それでいい筈のURLでのアクセスができません。
自宅のIPアドレスは固定でないので、無料のダイナミックDNSでURLとIPアドレスを同期させていましたが、この無料のダイナミックDNSは3か月使わないままにしていると契約が自動的に解除されていて、URLが使えなくなっていました。
それなら、別の無料のダイナミックDNSで永久保証のところがあったので、それに乗り換えることにします。URLが変わってしまいますが、致し方ありません。
ところが新URLを取得して、自宅サーバーのHPにアクセスすると、応答がなく、エラーになります。ここに至って、深刻な状況になっていることが分かります。
HP自体は自宅のLAN内からのアクセスは問題ありません。HTTPサーバー自体は問題なく動いているようです。
ということは、外部からのアクセスでHTTPのポートが開いておらず、静的マスカレードも動作していないようです。ルーター設定の問題です。
ルーターの設定ページに乗り込んで、チェックしてみると、静的マスカレードの設定項目自体がありません。どうしたんでしょう。
saraiはすっかり忘れていましたが、コロナ禍が始まった頃、一念発起して、自宅に光ファイバーを通したときにネット環境が変わっていました。
2020年の5月のブログ記事を見付けました。以下の内容です。

*******
コロナ禍の中、ネット環境の向上を目指して、光ファイバーを我が家に引き入れようとして、先日はマンションの自宅内の電話線の管の中を光ファイバーが通らずに見事に工事失敗。
今回は満を持して、再工事。今回も管を通すことはできませんでしたが、何とか壁の上を這わせて、工事完了。
ルーターが新しくなったので、自宅内のLANの設定に手間取りましたが、何とか元のLAN環境を再構築できました。
正確に言えば、まだ、ルーターの設定が残っているのですが、通常の運用はとりあえず、OKです。
*******

このときにルーターの設定を放置していたんです。その後、NIFTYの「v6プラス」でIPv6 PoE + IPv4 over IPv6でネットの高速化を図り、それは成功したんです。
しかし、副作用として、従来のIPv4 PPPoEでできていた静的マスカレードなどができなくなり、その解決は技術的に難しく、調査の時間も取れずに放置したまま、3年間、忘れていました。
そのつけが今になってまわってきました。さて、どうしよう?
安易なやりかたは「v6プラス」をやめて、PPPoE接続に戻すことですが、今更、高速化に逆行するようなことはしたくありません。
ネットの記事を検索すると、今の環境のままで、通常のルーターの設定用ポータルサイトではない別の設定用ポータルサイトにアクセスすると、従来のIPv4 PPPoEと同じ設定項目が出てくるとのこと。早速、アクセスしてみると、あら不思議、その通りです。しかし、ここからが問題。このサイトのログインがどうしてもできません。ユーザ名、パスワードの組み合わせを色々試しても無理。この上はルーターを工場出荷状態に初期化するしかありません。それは恐いので、やりたくありません。泥沼に陥る可能性があります。

さらにネット情報をチェックしてみると、何とも素晴らしい方法があるではありませんか。
V6プラスとIPv4 PPPoEを併用するということです。
https://androiphone.uvs.jp/?p=1568
https://dotsukareta.blogspot.com/2017/04/v6ipv4pppoe.html
要するに、ONUからはハブで分けて2台のルーターに接続し、IPv4 PPPoEとIPv6 PoE + IPv4 over IPv6のデュアルスタック(つまり同時接続)で解決しようということです。さらに、両方のLAN環境はセグメントを一緒にすることですべての相互アクセスも可能になります。saraiの場合は現状のIPv6 PoE + IPv4 over IPv6はそのままにして、追加するIPv4 PPPoEのルーターの下にHTTPサーバーを置けばいいということです。家庭内LANのIPを192.168.0.XXXに統一して、ルーター間をLANケーブルで接続しておけば、今の環境から、新HTTPサーバーにもアクセスできるはずです。
ちょっとLAN資材を調達すれば、この環境構築はそう面倒ではない筈です。構想では、現状のルーターにIPv4 PPPoE化したWIFIルーターをぶら下げるつもりです。手持ちのLANケーブルが不足しているので、カテゴリー6のケーブルを数本、調達しましょう。

ちなみにどのプロバイダーでもデュアルスタックができるわけではないようです。saraiはたまたまNIFTYにしていたから助かりそうです。

配偶者にはそのネット環境の構築完了まで、同級生HPの使用はちょっと待ってもらいましょう。ああ、忙しい!!



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伊藤恵、光り輝くようなアパッショナータを精魂尽き果てるまで熱演@紀尾井ホール 2023.4.29

伊藤恵、毎年恒例のピアノ・リサイタル 《春をはこぶコンサート ふたたび》です。決まって、4月29日に紀尾井ホールで開催されます。決して、コンサートの多いピアニストではありませんから、聴き逃がせません。彼女も1年間かけて、このコンサートに向けて精進しているものと思われます。
この伊藤恵の《春をはこぶコンサート》シリーズは1999年に始まり、1回目のシリーズはシューマンを中心に8年間続きました。この間、シューマンのピアノ曲全曲録音《シューマニアーナ》全13枚のCDが完成しています。さらに、2回目のシリーズがシューベルトを中心に2008年から8年間続きました。この間、シューベルトのピアノ曲選集、シューベルト ピアノ作品集全6枚のCDが完成しています。saraiは第2回目のシリーズの1回だけ、2011年に聴いています。そして、第3回目のシリーズ《春をはこぶコンサート ふたたび》がベートーヴェンを中心にして2018年から始まっています。その間、ベートーヴェンのピアノ曲集の録音が進み、2枚のCDがリリースされています。果たして、ピアノソナタ全32曲の録音は叶うのでしょうか。このシリーズはコロナ禍のために2020年と2021年は中止になっており、当初の計画は狂っているようです。今日のプログラムは異例とも思える3大ピアノ・ソナタ、悲愴、月光、熱情を中心にしたオールベートーヴェンのプログラムです。前期、中期の作品を俯瞰したような構成。ワルトシュタイン、テンペストが抜けているだけですね。コロナ禍で《春をはこぶコンサート ふたたび》シリーズの構想が崩れ、明らかにシリーズの収束に向かっているような気がして、残念な思いです。来年の次回は後期の最後の3つのソナタのようです。とすれば、このシリーズも来年で終了。ベートーヴェンのピアノ曲集の録音も未完で終わりそうな気配です。コロナ禍の傷跡はここにもありました。

しかしながら、そういう暗い状況の中でも、今日の伊藤恵の演奏は光り輝いていました。ラストスパートの雰囲気です。ベートーヴェンの題名付きの作品を5曲もよくぞ弾き切ったと感嘆しています。前半の3曲はどっしりとしたドイツ流の演奏の中にも彼女らしい柔らかい感性の繊細さを織り込んで、素晴らしい演奏。第8番《悲愴》は早いテンポの直線的な演奏。第2楽章も抒情におぼれません。第13番は第3楽章が圧巻の演奏。緩徐的なアンダンテの歌が素晴らしく、続くアレグロの激しい盛り上がりに魅了されます。この第3楽章を弾きたくて、プログラムにこの第13番を入れたのですね。
第14番《月光》も抒情に溺れ過ぎないどっしりとした演奏。ドイツ流の重厚感です。第3楽章は激しい表現ですが、安定した重厚感に裏打ちされています。見事な演奏です。

休憩後、べートーヴェン中期の創作力が絶頂に達した時期の第23番《熱情》。後期のソナタを除くと、ベートーヴェンの最高峰の作品です。伊藤恵は前半とはうってかわって素晴らしいタッチの響き。特に高域の響きが素晴らしくクリアーで透明感があります。そのためか、まるで光り輝くようなピアノの音色です。その素晴らしい音色のピアノを聴いているだけで、この《熱情》が音楽的に素晴らしく響きます。細部はもうどうでもよくて、saraiの人生で最高の《熱情》を味わいます。それにしても伊藤恵はよく弾き切ります。さすがに第2楽章の終盤では大きな声で歌いながらの演奏で自分を鼓舞しているようです。
続く第26番《告別》も同様の光り輝くような音色を継続して、素晴らしい演奏を続けます。冒頭の動機の3音Lebewohl(さようなら)も磨き抜かれた美しい音。第1楽章の序奏の後、主部に入って、高邁な思想のような演奏になります。第2楽章は深い味わいの歌、後期ソナタのアリエッタにそのまま続いていくような錯覚を覚えます。もう中期の終盤で後期に足を踏み入れたような音楽です。この曲は本当は今日のプログラムに入れるのは無理がありましたが、伊藤恵はこの曲で今日のコンサートを終えたいという思いだったのでしょう。saraiも激しく同意します。
ということで燃え尽きた伊藤恵にはアンコール曲を弾く力は残っていませんでした。そのかわり、マイクを取って、来年は後期の3ソナタを弾くという決意を述べました。くれぐれもそれ以外の曲を追加するという無理はなさらないように・・・。3曲に集中してください。
そして、《春をはこぶコンサート ふたたび》をブラームスを中心にして、再開してください。期待してます。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:伊藤恵

  オール・ベートーヴェン プログラム
  
  ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」
  ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調 Op.27-1《幻想曲風ソナタ》
  ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2《幻想曲風ソナタ》「月光」
  
   《休憩》

  ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
  ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 Op.81a「告別」

   《アンコール》
     なし


最後に予習について、まとめておきます。

予習はすべてメジューエワのCDを聴きました。

  イリーナ・メジューエワ  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 2020年6月~7月、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

新コロナウィリスで中止になったベートーヴェンの全曲演奏会の代わりに録音した2度目のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集です(1度目の全集は2007年~2009年に録音。10年ほどの時間を置いての再録音です。)。saraiもチケットを購入し、全曲演奏会を聴く予定でしたが、1~4回が中止になり、5~8回の半分だけ聴きました。熱情と告別はこのCDでのみ聴きました。
メジューエワはロシア流の強靭なタッチの演奏で、ベートーヴェンの強い意思が聴けるような素晴らしい演奏です。芯のある響きには魅了されます。特に熱情は素晴らしい演奏です。



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10/07 08:57 堀内えり

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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