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若さの特権か、情感にあふれたヤナーチェクの「クロイツェル・ソナタ」のやりたい放題の圧巻の演奏 クァルテット・インテグラ@鶴見サルビアホール 2023.5.8

日本の若手の四重奏団の先頭を切るだけでなく、やりたい放題の演奏を聴かせてくれて、エネルギーを注入してくれるクァルテット・インテグラは今夜も素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

最初のショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲 第6番で思い切りのよい演奏で素晴らしい響きをホールに充満させてくれます。新鮮で気持ちのよい演奏です。明るい響きで押し通した演奏は独自性もあり、好感を持てます。それにしても第1ヴァイオリンの三澤響果は冴え渡った美音で魅力を発散します。内声部の二人の男性奏者の力強いサポートを受けて、そのヴァイオリンの美音はどこまでも飛翔していきます。

次はヤナーチェクの弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」。近年ますます光を放つのは中欧のリゲティとヤナーチェク。そう言えば、クァルテット・インテグラはリゲティでも素晴らしい演奏を聴かせてくれていますが、今日はヤナーチェク。彼らのヤナーチェクを聴くのは初めてかもしれません。冒頭から、豊かな響きで情感にあふれた演奏で突っ込んでいきます。4人の奏者がヤナーチェクの音楽に心酔したような演奏をしているのが聴衆にも伝わってきて、熱い思いを共感します。やり過ぎの気配もありますが、ここは若者の特権で、弾きたいように弾けばよいでしょう。そのあふれんばかりのエネルギーが年老いたsaraiの魂を揺さぶります。ヤナーチェク独特の世界が展開される中、あっと言う間に第1楽章が終わります。うーん、素晴らしい! 第2楽章に入っても、その熱い情感は高まるばかり。ヤナーチェクが老いらくの恋で書き上げた作品を現代の若者が共感して演奏する様に、聴くものの心は高潮するばかり。いやはや、凄まじい音楽がこの狭いホールに響き渡ります。何とも表現しがたい人の心の熱いほとばしりが演奏者と聴衆の間で火花を散らすような風情で、このヤナーチェクの稀有な音楽が実に濃厚な時間を作り出して、圧巻の演奏が終わります。こういう音楽が聴きたくて、日々、コンサートホールに足を運ぶのだという思いを噛みしめていました。

休憩後、シューベルトの弦楽四重奏曲 第14番「死と乙女」。有名過ぎるほどの作品です。クァルテット・インテグラが弾くと新鮮な思いで聴けます。天才シューベルトだけが作り出せた傑作であることを実感しながら、何とも贅沢な時間を過ごせました。いまさら何を言うことがあるでしょう。とても素晴らしい演奏だったとしか言えません。結構、長大な作品ですが、シューベルトにしては短いことが不満と言えば不満。ぎっしりと詰まった楽趣を楽しみました。

今月末はリゲティの生誕100年のバースデーコンサート。クァルテット・インテグラの演奏も楽しめます。音楽の楽しみは尽きません。

今日のプログラムは以下のとおりです。
  クァルテット・インテグラ
    三澤響果 vn   菊野凜太郎 vn   山本一輝 va   築地杏里 vc
    
  ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第6番 ト長調 Op.101

  ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」

   《休憩》

  シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」
   
   《アンコール》
     ハイドン:弦楽四重奏曲第74番 ト短調 Op.74-3 Hob. III: 74『騎士』 から 第2楽章 ラルゴ・アッサイ
     
     
最後に予習について、まとめておきます。

ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲 第6番を予習したCDは以下です。

  ルビオ・カルテット 2002年4月~9月 Roman Church、ミュレム、フランダース、ベルギー セッション録音
 
ルビオ・カルテットのショスタコーヴィチはsaraiの最も愛好するCDです。この演奏も精密でダイナミックなものです。


ヤナーチェクの弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」を予習したCDは以下です。

 ベルチャ四重奏団 2018年5月&12月、フィルハーモニー音楽堂、ルクセンブルク セッション録音
 
美しい音色で表現力も豊かな演奏です。


シューベルトの弦楽四重奏曲 第14番「死と乙女」を予習したCDは以下です。

 アマデウス弦楽四重奏団 1959年4月 ハノーファー、ベートーヴェンザール セッション録音
 
古典的な響きの美しい夢見るような演奏です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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