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ヴィニツカヤ、芳醇な響きでロシアンピアニズムの真髄@トッパンホール 2023.5.31

ヴィニツカヤの久々のピアノ・ソロのリサイタルです。期待してしまいます。

プログラムはすべて、フランスを中心に意識した作品で固めています。ヴィニツカヤではプロコフィエフやラフマニノフといったロシアものを聴きたくなりますが、今回はそのあたりは封印して、レパートリーを広くするのが今のテーマなのでしょう。そのうち、ドイツ、オーストリアものにも幅を広げるのかもしれません。

まず、フランクです。それもオリジナルはオルガン曲という意表を突く選曲。それがとても美しい演奏でうっとりです。

次はスクリャービン。若い頃の作品から後年の神秘主義の作品まで多彩な選曲。豊かな響きでいかにもヴィニツカヤらしい演奏ですが、正直、saraiはあまりスクリャービンを聴き込んでいないので、もうひとつピンときません。ワルツや幻想曲はショパンぽい香りを感じました。

休憩後、ショパンの即興曲です。並みのピアニストのショパンとは一線を画します。それに有名な、有名過ぎる幻想即興曲も見事な演奏です。ただ、以前聴いた24の前奏曲ほどの感動はありませんでした。

凄かったのはラヴェル。特に最後のラ・ヴァルスはスケールの大きな熱の入った最高の演奏。リサイタルのしめくくりとしてはこれ以上ないものでした。

しかし、本編以上にアンコールのラフマニノフは素晴らしいものでした。自然に表出する何かがあります。やはり、ヴィニツカヤはラフマニノフやプロコフィエフが聴きたいというのが本音です。いくら素晴らしくてもショパンはショパンですからね。


今日のプログラムは以下です。

  アンナ・ヴィニツカヤ(ピアノ)

  フランク(ヴェークマン編):前奏曲、フーガと変奏曲 Op.18
  スクリャービン:ワルツ ヘ短調 Op.1
  スクリャービン:幻想曲 ロ短調 Op.28
  スクリャービン:2つの詩曲 Op.32
  スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番 Op.53

   《休憩》

  ショパン:即興曲第1番 変イ長調 Op.29
  ショパン:即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.36
  ショパン:即興曲第3番 変ト長調 Op.51
  ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
  ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
  ラヴェル:ラ・ヴァルス

   《アンコール》
   ラフマニノフ:13の前奏曲 Op.32より 第12番 嬰ト短調
   ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op.39より 第5番 変ホ短調
  
最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のフランクの前奏曲、フーガと変奏曲を予習したCDは以下です。

 セルジオ・フィオレンティーノ 1995年10月8,14日 ベルリン・ジーメンスヴィラ セッション録音
 
フィオレンティーノの熟達したピアノは美しい響きで心を満たします。なお、ピアノへの編曲はヴェークマンではなく、バウアーです。


2曲目のスクリャービンのワルツを予習したCDは以下です。

  ヴァレンティーナ・リシッツァ スクリャービン:作品全集(DECCA) 2014年11月29-30日、12月1日 ポットンホール、サフォーク州、英国 セッション録音
  
スクリャービン作品全集全18CD(DECCA)は2015年のスクリャービンの没後100年を記念して企画されたもの。スクリャービンすべての作品を収録した初のものでした。リシッツァはこの企画のために録音しましたが、とても美しい演奏です。
  

3曲目のスクリャービンの幻想曲を予習したCDは以下です。

  スヴャトスラフ・リヒテル スクリャービン:作品全集(DECCA) 録音詳細不明 セッション録音
  
同じくスクリャービン作品全集に収められたリヒテルの気宇壮大な演奏です。
  

4曲目のスクリャービンの2つの詩曲を予習したCDは以下です。

  ウラディーミル・アシュケナージ スクリャービン:作品全集(DECCA) 1977年6月 キングズウェイホール、ロンドン セッション録音
  
同じくスクリャービン作品全集に収められたアシュケナージの文句ない演奏です。
  

5曲目のスクリャービンのピアノ・ソナタ第5番を予習したCDは以下です。

  スヴャトスラフ・リヒテル スクリャービン:作品全集(DECCA) 1962年10月13日 イタリー セッション録音
  
同じくスクリャービン作品全集に収められたリヒテルのさすがの演奏です。
  

6~9曲目のショパンの即興曲を予習したCDは以下です。

  アンナ・ヴィニツカヤ 2020年5月、6月 ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ セッション録音
  
アンナ・ヴィニツカヤの最新のCDはショパンのバラード集と即興曲集。余裕の演奏は実に高レベルの内容です。  
  

10曲目のラヴェルの高雅で感傷的なワルツを予習したCDは以下です。

  アンナ・ヴィニツカヤ 2020年5月、6月 ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ セッション録音
  
アンナ・ヴィニツカヤの最新のCDはショパンのバラード集と即興曲集。余裕の演奏は実に高レベルの内容です。  
  

11曲目のラヴェルのラ・ヴァルスを予習したCDは以下です。

  ベアトリーチェ・ラナ 2019年6月19-20日、9月5日、ベルリン、テルデックス・スタジオ セッション録音
  
ラナの演奏を初めて聴きましたが、ともかくテクニックが凄く、エキサイティングな演奏です。  
  


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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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