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萩原麻未の魅惑のモーツァルト ミケーレ・マリオッティの実に新鮮な「ザ・グレイト」 東京交響楽団@サントリーホール 2023.6.24

前半のモーツァルトのピアノ協奏曲 第21番は感涙ものの素晴らしく、そして、魅惑に満ちた演奏です。ピアノの萩原麻未はこれ以上ないモーツァルトの演奏を聴かせてくれます。第1楽章から美しいタッチで、何とも魅力に満ちた演奏を聴かせてくれます。そして、ミケーレ・マリオッティ指揮の東響の演奏の素晴らしいこと。抑え気味の響きがピアノとバランスよく合います。協奏曲の醍醐味である、両者が引き立て合って、実に繊細な音楽を作り出します。第2楽章に入るとさらに美しくなり、弦のさざ波のような響きと第1ヴァイオリンの天国的な旋律美が魅惑します。そこへ萩原麻未の磨き抜かれたピアノの美音が加わり、saraiは呆然自失して聴き入ります。さらに音楽は美しさを極めていき、saraiの視覚は失われて、聴覚だけの存在になります。音楽と一体化した境地で最高の時間を過ごします。第3楽章は萩原麻未のピアノがさらに美しく飛翔します。美しいタッチのまま、超絶的なフレーズを弾き切ります。唖然として、その凄いピアノで魅了されます。こんな美しい演奏は聴いたことがありません。もし、クララ・ハスキルがこの曲の録音を残していたら、こんな演奏を聴かせてくれたかもしれませんが、それは叶わぬ夢。今日はそれ以上の演奏を聴かせてくれたのかもしれません。素晴らしいモーツァルトでした。萩原麻未のモーツァルトは今後、聴き逃がせません。そう言えば、素晴らしいモーツァルトを聴かせてくれたピアニスト、岡田奏も萩原麻未と同じく、パリのコンセルヴァトワール出身ですね。パリのコンセルヴァトワール出身のピアニストはこういう素晴らしいモーツァルトを演奏するのかな? のだめもコンセルヴァトワールだった(笑い)

後半のシューベルトの交響曲 第8番「ザ・グレイト」も実に興味深い演奏でじっと聴き入ってしまいました。指揮のミケーレ・マリオッティの表現意欲が素晴らしく、超有名曲も新鮮さにあふれる演奏で、ここでこういう音が鳴るのかっていう驚きも多々ありました。マリオッティの指揮に東響が完全に反応してはいませんでした・・・あるいはマリオッティが東響を完全にコントロールしてはいませんでしたが、それでも80%くらいは努力しての演奏でした。これからもっと経験を重ねていけば、素晴らしい音楽が誕生しそうな予感がしました。とにかく、表現はおかしいですが、面白い演奏で集中して聴き入ってしまいました。音楽がどう展開していくのかという興味に満ちた体験になりました。次はこのコンビはどんな音楽を聴かせてくれるんでしょう。そうそう、このシューベルトの音楽にシューマンやブラームスの音楽が聴こえてきたのは当然だとして、イタリア人のオペラ指揮者らしく、ヴェルディの音楽も聴こえてきたのは驚きでした。ロッシーニ的な要素も垣間見えました。シューベルトの音楽の歌謡性がロマン派の音楽に続いていく一つの要素なのですね。実に多様で多彩な音楽を引き出したミケーレ・マリオッティの新鮮な表現力は驚異的にも感じました。いやはや、音楽は面白いものです。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ミケーレ・マリオッティ
  ピアノ:萩原麻未
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
  《アンコール》
    J.S.バッハ=グノー:アヴェ・マリア

  《休憩》 
  
  シューベルト:交響曲 第8番 ハ長調 D944 「ザ・グレイト」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトのピアノ協奏曲 第21番を予習したCDは以下です。

 田部京子、下野竜也 指揮 紀尾井シンフォニエッタ東京 2012年3月14~15日、上野学園 石橋メモリアルホール セッション録音

素晴らしい演奏。何も言うことはありませんが、田部京子の美しいタッチのピアノの響きに聴き惚れました。


2曲目のシューベルトの交響曲 第8番「ザ・グレイト」を予習したCDは以下です。

  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1957年 セッション録音 ハイレゾ
  ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年 セッション録音

以前、1970年の新盤を聴いて素晴らしかったので、今度は1957年の旧盤を聴くことにして、第1楽章を聴いたところであれっ、何か、もやもやした演奏です。第2楽章からは1970年の新盤に変えると、実にすっきりと明確なラインの素晴らしい演奏でした。



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06/18 12:46 sarai

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