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田部京子の素晴らしいシューベルトの幻想ソナタを聴く@浜離宮朝日ホール 2023.6.25

田部京子の全10回のシューベルト・プラス・シリーズに続いて、今年も年2回のペースでリサイタルがあります。今回はシューベルト・プラス・シリーズで唯一聴き逃がしたシューベルトのピアノ・ソナタ第18番《幻想》が聴ける嬉しい選曲です。

前半は吉松隆のプレイアデス舞曲集からの4曲のそれは美しい演奏で始まります。
続いて、最新盤CD《メロディー》に収められたアンコール・ピース群の演奏です。いずれも憂愁な雰囲気の名曲が田部京子の詩情あふれる演奏で何も言うことはありません。ベーゼンドルファーの響きは田部京子の磨き抜かれた美音で、ただただ、魅了されます。
隠れたテーマは祈りでしょうか。コロナやウクライナで殺伐とした世界に田部京子が音楽の力で祈りを我々聴衆とともに思いを共有するという風情です。
個々の作品については最新盤CD《メロディー》で音楽評論家の広瀬大輔さんが卓抜な文章を寄せているので、saraiごときがうんぬんするのは止めましょう。田部京子ファンのかたは皆、このCDをお持ちでしょう。

後半は雰囲気が一転して、シューベルトの後期の3大ソナタに先立つピアノ・ソナタ第18番《幻想》です。シューベルトらしく長大な作品です。中でも最も長大な第1楽章を聴くだけで、もう卒倒するほどにシューベルトの素晴らしい世界が満喫できます。
第2楽章のアンダンテも根底に歌があり、長大な楽章で聴き応えがあります。
第3楽章のメヌエットは少々短いですが、シューベルトの人懐こい音楽に心が癒されます。
第4楽章のアレグレットは全曲を締めくくるのにふさわしい圧巻の音楽です。
後期の3ソナタにもひけをとらない素晴らしいソナタを田部京子が実に美しく歌い上げてくれました。これでsaraiにとってのシューベルト・プラスが完結した思いで感慨深いものがあります。

アンコールでもシューベルトの珍しい作品、そして、ウクライナのスコリクの祈りにも思える音楽、最後はやっぱりこれ、シューベルトの極め付きのアヴェ・マリアです。

これで田部京子のシューベルトを聴き終えたと思っていたら、なんと今年の12月にまた、オール・シューベルトのリサイタル。それも後期ソナタを2曲まとめて聴かせてくれます(19番、20番)。いいですよ。田部京子のシューベルトならば、聴き飽きることはありません。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子ピアノ・リサイタル
   CDデビュー30周年×浜離宮リサイタル・シリーズ20周年記念

  ピアノ:田部京子
 
  吉松隆:プレイアデス舞曲集より
    前奏曲の映像 線形のロマンス 鳥のいる間奏曲 真夜中のノエル

  J. S. バッハ/コルトー:アリオーソ

  メンデルスゾーン:無言歌集より
    ないしょ話 Op.19-4 べニスのゴンドラの歌 第2番 Op.30-6

  グリーグ:抒情小曲集より ノクターン Op.54-4

  シベリウス:もみの木 Op.75-5

  グリンカ=バラキレフ:ひばり

  シューマン=リスト:献呈 S.566

  ドビュッシー:月の光

  《休憩》

  シューベルト :ピアノソナタ第18番「幻想」 D894 Op.78

  《アンコール》
   シューベルト :ハンガリー風のメロディ ロ短調 D817
   スコリク:メロディー
   シューベルト(編曲:田部京子/吉松隆) :アヴェ・マリア 

最後に予習について、まとめておきます。

いずれも田部京子の演奏を聴きました。予習というよりも楽しみ半分です。
前半の曲はほとんど、以下の最新盤《メロディー》からのものです。アンコールピースを集成したものです。

 田部京子 2022年10月31日~11月2日 ヤマハホール セッション録音
  ベーゼンドルファー Model280 VC(Vienna Concert)使用

吉松隆のプレイアデス舞曲集は以下のCDを聴きました。

 田部京子 1996年1月16~18日 秩父ミューズ・パーク セッション録音
 

後半のシューベルトのピアノソナタ第18番「幻想」を予習したCDは以下です。

 田部京子 1999年3月30日~4月2日 豊田市コンサートホール セッション録音

田部京子のシューベルトの一連の録音は伝説的とも言えますが、このソナタはその中でもこれ以上の演奏はあるまいと思える傑出したものです。。



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テーマ : クラシック
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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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