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森 麻季、森谷真理、大西宇宙のオペラ・ガラの実に楽しい2時間を満喫 原田慶太楼&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.9.2

原田慶太楼&東京交響楽団の素晴らしい伴奏でオペラ・ガラ・コンサートを森 麻季、森谷真理、大西宇宙の3歌手が聴かせてくれました。何だか選曲が森 麻季に照準が合っていたようで、彼女の美しいソプラノがホールを響いていました。前半は彼女が歌ったプッチーニの名曲、「ドレッタの夢」が最高でした。それにいまだにお姫様ドレスがお似合いになっていました。

後半も最初の椿姫で森 麻季の美声が響きます。ところが、次のバーンスタインの『キャンディード』から「着飾って、きらびやかに」で、森谷真理がその真価を発揮します。その思い切りのよい歌唱、伸びのある歌声、それに演技力で破壊的なほどに凄まじい印象を受けます。まさに圧巻の演奏。彼女がクネゴンデ役を歌う『キャンディード』全曲を聴きたくなります。叶わぬ夢でしょうか?
このあたりから、今日のガラコンサートも佳境に入り、大西宇宙もコルンゴルトの『死の都』から「ピエロの歌」で素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。そして、今日の主役の座を死守すべく、森 麻季がドヴォルザークの『ルサルカ』から「月に寄せる歌」で何とも美しい歌唱を聴かせてくれました。でも、やはり、森谷真理のキャンディードが今日の一番の華でした。

アンコールがありました。ソプラノ二人とバリトンの音楽は何?と思っていたら、やたらに有名な曲が鳴り始めます。ヨハン・シュトラウスの《こうもり》の1曲。ロザリンデ、アイゼンシュタイン、アデーレの3人が自分の思いを隠して、それでも、隠しきれないという抜群のセンスのヨハン・シュトラウスの渾身の1曲です。ロザリンデ役を森谷真理が歌いまくって、何とも楽しいアンコール曲。原田慶太楼の選曲のセンスが光りました。
ソプラノ二人とバリトンというレアな組み合わせのガラ・コンサートでしたが、やはり、ここにテノールがいれば、選曲の幅が広がったでしょう。しかし、それこそが原田慶太楼の狙いだったんでしょうね。


今日のプログラムは以下です。

  ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第190回

  指揮:原田慶太楼(東京交響楽団 正指揮者)
  ソプラノ:森 麻季 ♡
  ソプラノ:森谷真理 ♢
  バリトン:大西宇宙 ★
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ロッシーニ:『セビリアの理髪師』から序曲、「それじゃ私だわ・・・嘘じゃないわね?」 ♡★
  モーツァルト:『コジ・ファン・トゥッテ』から「彼に向けてください、そのまなざしを」★
  モーツァルト:『フィガロの結婚』から「手紙の二重唱」 《そよ風に寄せて》♡♢
  プッチーニ:『つばめ』から「ドレッタの夢」 ♡
  レオンカヴァッロ:『道化師』から「鳥の歌」♢、「ネッダ!シルヴィオ!こんな時間に…?」 ♢★

  《休憩》

  ヴェルディ:『椿姫』から序曲、「ヴァレリー嬢ですね?」「そうです」 ♡★
  バーンスタイン:『キャンディード』から「着飾って、きらびやかに」 ♢
  ベッリーニ:『ノルマ』から「ご覧なさい、ノルマ」 ♡♢
  コルンゴルト:『死の都』から「ピエロの歌」 ★
  ドヴォルザーク:『ルサルカ』から「月に寄せる歌」 ♡、第2幕 ポロネーズ
  
  《アンコール》
   J. シュトラウス:喜歌劇「こうもり」より 第1幕 第4曲 三重唱「一人になってしまうのね」 (ロザリンデ、アイゼンシュタイン、アデーレ) ♡♢★


最後に予習について、まとめておきます。

 ロッシーニ:『セビリアの理髪師』から序曲
  
  トゥリオ・セラフィン指揮ローマ歌劇場管弦楽団 1963年10月 ローマRCAスタジオ セッション録音
  
   
 ロッシーニ:『セビリアの理髪師』から「それじゃ私だわ・・・嘘じゃないわね?」
  
  ヴィットーリオ・グイ指揮ロイヤル・フィル、グラインドボーン音楽祭合唱団
   ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス、セスト・ブルスカンティーニ 1962年 セッション録音
  
   
 モーツァルト:『コジ・ファン・トゥッテ』から「彼に向けてください、そのまなざしを」
  
  ジェイムズ・レヴァイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
   トーマス・ハンプソン 1988年6月 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音
  
   
 モーツァルト:『フィガロの結婚』から「手紙の二重唱」 《そよ風に寄せて》
  
  ヤニック・ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
   ソーニャ・ヨンチェヴァ、クリスティアーネ・カルク 2015年7月 バーデン=バーデン祝祭劇場 演奏会形式 ライヴ録音
  
   
 プッチーニ:『つばめ』から「ドレッタの夢」
  
  ケント・ナガノ指揮リヨン国立歌劇場管弦楽団
   キリ・テ・カナワ 1996年 バーデン=バーデン祝祭劇場 プッチーニ:アリア集、歌曲集 セッション録音
  
   
 レオンカヴァッロ:『道化師』から「鳥の歌」
  
  アントニオ・パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団
   アンナ・ネトレプコ 2016年6月 ローマ セッション録音
  
   
 レオンカヴァッロ:『道化師』から「ネッダ!シルヴィオ!こんな時間に…?」
  
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団
   ジョーン・カーライル、ロランド・パネライ 1965年 セッション録音
  
   
 ヴェルディ:『椿姫』から序曲
  
  カルロス・クライバー指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団 1976,77年 セッション録音
  
   
 ヴェルディ:『椿姫』から「ヴァレリー嬢ですね?」「そうです」
  
  カルロス・クライバー指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団
   イレアナ・コトルバス、シェリル・ミルンズ 1976,77年 セッション録音
  
   
 バーンスタイン:『キャンディード』から「着飾って、きらびやかに」
  
  アンドルー・デイヴィス指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
   ナタリー・デセイ 1997年 セッション録音
  
   
 ベッリーニ:『ノルマ』から「ご覧なさい、ノルマ」 ♡♢
  
  リチャード・ボニング指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団
   ジョーン・サザーランド、マリリン・ホーン 1974年4月4日 ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場 ライヴ録音
  
  カルロ・フェリーチェ・チラーリオ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
   モンセラート・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット 1972年9月 ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール セッション録音
   
   
 コルンゴルト:『死の都』から「ピエロの歌」
  
  ホルスト・シュタイン指揮ベルリン交響楽団
   ヘルマン・プライ 1961年10月 ベルリン セッション録音
   
   
 ドヴォルザーク:『ルサルカ』から「月に寄せる歌」
  
  ジャナンドレア・ノセダ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
   アンナ・ネトレプコ 2003年3月 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音
   
   
 ドヴォルザーク:『ルサルカ』から第2幕 ポロネーズ

  イエジ・ビエロフラーヴェク指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 2009年8月 イギリス、グラインドボーン ライヴ録音
  
  
いずれも選りすぐった演奏ばかりで、予習とはいえ、聴き惚れてしまいました。中でも素晴らしかったのがナタリー・デセイのキャンディード。美しい声で自在な歌唱は彼女ならではのものです。

  

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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