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新しい響きを引き出したドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」、ノット流のシャープで明確なヤナーチェクのグラゴル・ミサ・・・ジョナサン・ノット&東響@サントリーホール 2023.10.15

また、ジョナサン・ノットがやってきました。やはり、ノットが振ると、東響は凄い響きで音楽を奏でてくれます。
前半はドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」をノット自身が編曲したオーケストラヴァージョンが奏でられます。冒頭の森のシーンだけは聴き慣れた「ペレアスとメリザンド」の響きが耳に残りますが、その後はこんなオーケストラの響きがあったのかと首をひねるばかりです。その新しい響きに魅惑されているうちに音楽が進行し、恐れていた眠気などは一切、吹き飛びます。オペラの編曲版というよりもドビュッシーの新たなオーケストラ曲が誕生したという思いに駆られます。ミステリアスな雰囲気で魅力に満ちた傑作オーケストラ曲です。saraiにとっては交響詩《海》などよりもよっぽど素晴らしい作品に思えます。素晴らしい音楽、素晴らしい演奏でした。弦楽パートも木管パートも素晴らしい演奏でした。

後半はヤナーチェクの奇想のミサ曲、グラゴル・ミサです。本場チェコを中心にソロ歌手を呼び、万全の体制での演奏です。それにしてもノットがヤナーチェクとは虚を突かれた思いです。かなり、イメージが違います。しかし、さすがにジョナサン・ノットは超絶的とも思える指揮と音楽作りで素晴らしいグラゴル・ミサを実現してくれました。こんなにシャープな表現のヤナーチェクを聴くのは初めてかもしれません。ノットの高い要求水準に応えた東響の弦楽アンサンブルの凄さにも感嘆しました。しかし、見方を変えれば、ヤナーチェクの音楽へのアプローチというよりもノットの得意とする現代音楽へのアプローチのようにも思えました。まあ、聴き応えのある音楽ならば、そんな些細なことに拘泥する必要もありませんね。東響の演奏、そして、東響コーラスの健闘に加えて、ソプラノ・ソロのカテジナ・クネジコヴァが張りのある声で素晴らしい歌唱。本場チェコ出身の彼女はオペラのカーチャ・カバノヴァーを彷彿とするような見事な歌唱で、ヤナーチェクの本質に切り込むような表現と響きで魅了してくれました。テノールのマグヌス・ヴィギリウスも高域の声がよく出ていて、聴き映えのする歌唱でした。オルガンの大木麻理も第8曲で素晴らしいソロを響き渡らせてくれました。彼女は一週間後のオペラシティシリーズでもリゲティのハンガリアン・ロックのオルガン・ソロ演奏を聴かせてくれるようです。楽しみですね。

今後、ジョナサン・ノットが取り上げていくはずのヤナーチェクの音楽にも注目desu.


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット 
  ソプラノ:カテジナ・クネジコヴァ 
  メゾソプラノ:ステファニー・イラーニ
  テノール:マグヌス・ヴィギリウス
  バス:ヤン・マルティニーク
  オルガン:大木麻理
  合唱:東響コーラス
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成
  

  ドビュッシー/ノット編:交響的組曲 「ペレアスとメリザンド」

  《休憩》
  
  ヤナーチェク:グラゴル・ミサ(Paul Wingfieldによるユニヴァーサル版)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のドビュッシー/ノット編の交響的組曲 「ペレアスとメリザンド」は予習していません。
オペラから編曲箇所を抽出して聴けばよかったのかもしれませんが、その手間をかける気力がありませんでした。


2曲目のヤナーチェクのグラゴル・ミサを予習した演奏は以下です。

  カレル・アンチェル指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1963年 セッション録音
    ドマニーンスカー(S)、ソウクポヴァー(A)、ブラフト(T)、ハーケン(Bs)、
    チェコ・フィルハーモニー合唱団、ヴォドラーシカ(org)

本場ものの演奏。しかも指揮はカレル・アンチェルとくれば、悪かろう筈がありません。熱い演奏です。



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テーマ : クラシック
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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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