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牙をむいたヴァイグレ 戦慄のアイスラー:ドイツ交響曲 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.10.17

今回もまた、読響の定期では日本初演。それも旧東ドイツのユダヤ系ドイツ人、アイスラーの渾身の大作にして問題作のドイツ交響曲を同じく旧東ドイツ出身のセバスティアン・ヴァイグレが超本気モードで演奏しました。キャストはずらっとドイツ系の名歌手を揃えて、圧倒的な迫力で有無を言わせぬ会心の音楽を聴かせてくれました。題名は交響曲となっていますが、反ファシズム(ナチズム)を掲げた壮大なカンタータで、一部、純管弦楽曲も含みます。
そのメッセージ性の高さもさることながら、音楽的にも、無調風のパートやロマンティックなパートも織り交ぜながら、ともかく、読響の素晴らしいアンサンブルと音響に魅了されました。新国立劇場合唱団の美しい合唱はいつもの通りのレベルの高さです。ソロ歌手は実績のある名歌手たちなので、みな素晴らしかったのですが、なかでもバリトンのディートリヒ・ヘンシェルの真摯で劇的な歌唱はたまりません。バスのファルク・シュトルックマンはひさしぶりにオペラ以外で聴きましたが、その声の響きは健在ですね。メゾ・ソプラノのクリスタ・マイヤーは実に安定した歌唱でした。若手?のソプラノのアンナ・ガブラーも力のある歌唱を聴かせてくれました。
セバスティアン・ヴァイグレが骨のある演奏を聴かせてくれたの一語で、この大作に釘付けになって、聴き入りました。こんな音楽と演奏、saraiは好きですよ。ふにゃふにゃした現代音楽よりもずっと聴き応えがあります。

前半はアイスラーと同じく、ナチスによってアメリカへの亡命を余儀なくされたヒンデミットの作品。ヒンデミットと言えば、ドイツ表現主義的な作風を思い起こしますが、この作品は聴きやすい新古典主義的なピアノ協奏曲。ここでも読響の素晴らしいアンサンブル力が発揮されます。初めて聴くピアノのルーカス・ゲニューシャスは素晴らしい響きとタッチで、初めの部分は上質なプロコフィエフを思わせます。彼のプロコフィエフは凄そうですね。ともかく、この曲の演奏はゲニューシャスの美しいピアノを軸に進行しました。アンコール曲はショパンのような美しい調べです。後の曲名発表で「なつかしきウィーン」と知りました。ウィーン、懐かしいですね!


今日のプログラムは以下です。

  指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
  ピアノ:ルーカス・ゲニューシャス
  ソプラノ:アンナ・ガブラー
  メゾ・ソプラノ:クリスタ・マイヤー
  バリトン:ディートリヒ・ヘンシェル
  バス:ファルク・シュトルックマン
  合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原幸太

  ヒンデミット:主題と変奏 「4つの気質」
  
   《アンコール》ゴドフスキ:トリアコンタメロン 第11番「なつかしきウィーン」

   《休憩》

  アイスラー:ドイツ交響曲 Op.50(日本初演)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヒンデミットの主題と変奏 「4つの気質」は以下の録音を聴きました。

 クララ・ハスキル、パウル・ヒンデミット指揮フランス国立管弦楽団  1957年9月22日 モントルー ライヴ録音

ハスキルとは思えない力強い演奏。


2曲目のアイスラーのドイツ交響曲は以下の録音を聴きました。

 マックス・ポンマー指揮ベルリン放送交響楽団 1987年10月30日 ベルリン、シャウシュピールハウス セッション録音
  マルティン・ザイフェルト(語り)
  シュテファン・リゼウスキ(語り)
  ギーゼラ・ブルクハルト(ソプラノ)
  ウタ・プリエフ(メゾ・ソプラノ)
  ローズマリー・ラング(アルト)
  アンドレアス・ソンマーフェルト(バリトン)
  トマス・メーヴェス(バス)
  ベルリン放送合唱団

明快な演奏。



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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

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06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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