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クァルテット・ベルリン=トウキョウのハイドン、シュルホフ、そして、ベートーヴェンの後期は素晴らしい高みに達した心の震える演奏@鶴見サルビアホール 2023.10.20

クァルテット・ベルリン=トウキョウのコンサートは昨年、コロナ禍で2度に渡る延期の後で、ようやく聴けて、今年も昨年に続いてのコンサート。今後も毎年1回のペースで聴けそうです。彼らは北海道の六花亭札幌本店・ふきのとうホールのレジデント・アンサンブルですから、安定した来日が期待できます。テレビのCMでも彼らの演奏が流れると、はっと気になります。

彼らはベートーヴェンの弦楽四重奏曲を初期、中期とじっくりと取り組んできて、そして、遂に満を持して、昨年、後期の作品を演奏しました。まず第15番 Op.132でした。てっきり、後期の傑作、第13~15番を作曲順に演奏していくと思っていたら、後期の最初の曲、弦楽四重奏曲 第12番 Op.127がプログラムに組み込まれました。じっくりと後期の作品に取り組むのですね。
第1楽章の冒頭の分厚い和音が圧倒的な響きで、もう、それを聴いただけで満足という感じです。ベートーヴェンの、いや、人類の到達した音楽の最高峰とも言える、後期弦楽四重奏曲の幕開きを告げる響きです。主部に入ると、瞑想的な哲学とも思える音楽が彼ら4人によって、粛々と演奏されていきます。第2楽章はベートーヴェン後期様式を代表する変奏曲となります。静謐で精神性の高い音楽がゆったりとしたテンポで奏でられます。彼ら4人の集中力は大変なもので、聴いているsaraiも深く惹き込まれていきます。人間がこんなに崇高な音楽に到達したとは信じられない思いで聴き入ります。第5変奏までの道のりは気が遠くなるような時間の経過があったように思いました。ベートーヴェンの後期の本質に切り込んだ大変な力演でした。もう、ここまででsaraiの精神力は使い果たした思いです。第3楽章のスケルツォも自由闊達な音楽ですが、もう疲れ切ったsaraiは集中力が切れています。第4楽章の前の休みで体制を立て直して、最後の力をふりしぼって聴き入ります。溌剌とした精力的な音楽が進行していきます。ここではsaraiも音楽に乗っていきます。そして、最後のコーダが高潮して曲が閉じられます。聴衆の拍手まで一瞬の時間があります。そこにこそ、後期弦楽四重奏曲の感動があります。素晴らしい演奏でした。来年は順番でいけば、いよいよ、第13番。大フーガ付きでお願いしたいものです。あるいは、いきなり、第14番でしょうか。いずれにせよ、来年は彼らの記念碑的演奏が聴けるでしょう。

前半は、明快で完璧なハイドンの弦楽四重奏曲 第53番 Op.64-5「ひばり」。こんな素晴らしいハイドンはなかなか聴けません。それにやはり、名曲です。第1楽章の美しさには心が震えました。第2楽章以降も最高の演奏でした。

前半はシュルホフの弦楽四重奏のための5つの小品で〆ます。多分、初聴きです。何と素晴らしい音楽でしょう。第4曲のタンゴ、第5曲のタランテラで気持ちが高揚しました。同時代のユダヤ人作曲家、コルンゴルトとこのシュルホフは今後、もっと演奏されていくでしょう。

やはり、楽しみにしていたクァルテット・ベルリン=トウキョウは期待を裏切らない素晴らしい演奏を聴かせてくれました。


今日のプログラムは以下のとおりです。
  クァルテット・ベルリン=トウキョウ
    守屋剛志 vn  モティ・パヴロフ vn  グレゴール・フラーバル va  松本瑠衣子 vc
    
  ハイドン:弦楽四重奏曲 第53(67)番 ニ長調 Op.64-5「ひばり」
  シュルホフ:弦楽四重奏のための5つの小品
  
   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調 Op.127
  
   《アンコール》
     エルガー:愛の挨拶
     グラズノフ:弦楽四重奏のための5つのノヴェレッテ Op.15 より 第2曲 オリエンタル風   
     
最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲 第53番 Op.64-5「ひばり」を予習したCDは以下です。

 リンゼイ弦楽四重奏団 1999年4月28日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
  ピーター・クロッパー vn、ロナルド・バークス vn、ロビン・アイルランド va、バーナード・グレガー=スミス vc

実に素晴らしい演奏です。思わず聴き惚れてしまいました。


2曲目のシュルホフの弦楽四重奏のための5つの小品を予習したCDは以下です。

 エルサレム弦楽四重奏団 2018年12月 テルデック・スタジオ・ベルリン セッション録音
  アレクサンドル・パヴロフスキー vn、セルゲイ・ブレスレル vn、オリ・カム va、キリル・ズロトニコフ vc
  
切れ味鋭い演奏。録音もよい。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第12番 Op.127を予習したCDは以下です。

 リンゼイ弦楽四重奏団 2001年6月27日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
  ピーター・クロッパー vn、ロナルド・バークス vn、ロビン・アイルランド va、バーナード・グレガー=スミス vc

リンゼイ弦楽四重奏団の2回目のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の1枚。彼らの後期四重奏曲はまったくもって素晴らしい。



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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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