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ジョナサン・ノットと東響による瑞々しさにあふれるブルックナーの交響曲第1番@東京オペラシティコンサートホール 2023.10.21

ジョナサン・ノットのブルックナーもいよいよ第1番です。昨年の第2番では、極めて美しい演奏を聴かせてくれましたが、今回の第1番はそれ以上の美しさでした。それにブルックナーの第1番は実に若々しい響きの音楽で、第2番以降とはかなり趣きが異なって、ブルックナーの別の一面を聴くことができます。saraiは第00番を除くと、この第1番だけは実演で聴いていなかったので、これで第0番~第9番まですべて、実演で聴いたことになります。

第1楽章の冒頭から、素晴らしい響きで魅了されます。低弦できっちりと行進曲風のリズムを刻みながら、第1ヴァイオリンが実に美しく第1主題を奏でていきます。木管も美しく響き、第1ヴァイオリンが第2主題を美しく響かせます。ブルックナー風ではありますが、これまでのブルックナーでは聴いたことのない実に瑞々しい響きです。そして、ノットが美しくも激しく棒を振り、音楽は高潮していきます。いったん落ち着きますが、今度は金管が咆哮し、再び、音楽が盛り上がります。こういう波が繰り返されながら、音楽は進行していきます。そして、ノットの気魄の掛け声とともにコーダに突入し、圧巻の高揚で曲を閉じます。その凄まじさに拍手したい気分です。

第2楽章のアダージョは抒情的な音楽。弦の各パートの対位法的な展開が印象的です。弦を中心に木管が絡んで優しい調べにうっとりと聴き惚れます。

第3楽章のスケルツォは後のブルックナーを思わせる躍動した音楽が展開されていきます。牧歌的なトリオを含めて、すべて反復があり、思いのほか、長い楽章です。ちょっと冗長かもしれません。

第4楽章は極めて速いテンポで音楽が進行します。東響の見事なアンサンブルに魅了されます。この楽章の途中から、素晴らしい演奏になり、陶然として聴き惚れます。弦に木管、そして、金管が加わり、素晴らしく高潮していきます。そして、コーダに入ります。木管、金管から弦の圧倒的な盛り上がりをみせて、ハ短調からハ長調に転調して、盛大な完結を迎えます。ノットの気魄が東響に乗り移って、凄いしめくくりになりました。

ブルックナーの交響曲第1番がこんなに素晴らしいとは・・・ノット&東響の演奏は最高でした。
来シーズンのノットのブルックナーは第00番を期待していましたが、第7番を演奏する予定です。無論、第7番も楽しみです。

前半は大木麻理のオルガン独奏によるリゲティのハンガリアン・ロック。素晴らしい演奏でした。難しいリズムも難なく決めて、ノリのよい音楽が続き、最後はカタルシスのような和音を響かせて終わります。
続いて、ベリオの声(フォーク・ソングⅡ)。ヴィオラのディミトリ・ムラトの熱演とノットのあり得ないような見事な指揮による2群のオーケストラの超絶的な演奏で圧倒されました。2群のオーケストラはステージ上と2階の客席に分かれて配置。この配置で演奏すること自体、無理がありそうですが、ノットは完璧にドライヴ。こういう現代曲になると、ノットは真価を発揮します。実に明快なベリオでした。大変、感銘を覚えました。リゲティの独奏曲とセットで演奏するというアイディアもノットらしい見事な発想です。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ヴィオラ:ディミトリ・ムラト
  オルガン:大木麻理
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  リゲティ:ハンガリアン・ロック(オルガン独奏)
  ベリオ:声(フォーク・ソングⅡ) ~ヴィオラと2つの楽器グループのための

   《休憩》
   
  ブルックナー:交響曲 第1番 ハ短調 リンツ稿ノヴァーク版
  

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のリゲティのハンガリアン・ロックを予習した演奏は以下です。

  ピエール・シャリアル  1995年10月31日-11月2日、ドイチュラント放送、ケルン放送局スタジオ セッション録音

1997年にリゲティ生誕75年を記念して発売された「リゲティ・エディション」で、リゲティ自身が監修したものです。
とても見事な演奏です。これはバレル・オルガン独奏ですが、この「リゲティ・エディション」内には、チェンバロ版も含まれています。


2曲目のベリオの声(フォーク・ソングⅡ)を予習したCDは以下です。

  キム・カシュカシャン、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮ウィーン放送交響楽団 1999年11月 ORFスタジオ、ウィーン セッション録音

カシュカシャンの見事な演奏。


3曲目のブルックナーの交響曲 第1番を予習した演奏は以下です。

  エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団 ブルックナー:交響曲全集 1982~88年、フランクフルト、アルテ・オーパー セッション録音

00番、0番も含めた原典版、第1稿を主体にしたユニークなブルックナー交響曲全集です。第1番もリンツ稿ノヴァーク版を用いた演奏で安定したインバルらしい演奏です。録音も結構良い方です。



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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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