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小林研一郎が素晴らしい指揮でカルミナ・ブラーナを凄演(怪演?) 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.11.3

オルフの世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》はそもそも圧倒される作品ですが、老境の筈の小林研一郎が実に巧みで若々しい指揮で壮大に歌い上げてくれました。こんな壮絶な演奏は初めてです。
もう、冒頭の《おお、運命の女神フォルトゥナよ》で東京音大の合唱と日本フィルの演奏が物凄い音圧で圧倒します。この一撃でダウンです。やはり、この曲はこれぐらいの凄い演奏で聴くものですね。あとはひたひたとした合唱とフォルテシモの大合唱が交錯しながら、この怪しい音楽を歌い上げます。それにしても、大合唱とオーケストラを自在にあやつる小林研一郎の指揮が超見事です。とても80歳を超えたマエストロとは思えない若々しさです。独唱の3人も熱唱。ひたすら聴き慣れた音楽が進行し、終盤の山場にさしかかります。第22曲、《今は喜びの時》。バリトンソロと合唱が有名な曲をとっても調子よく歌い上げます。ボルテージが上がります。続いて、同じフレーズをソプラノソロと児童合唱(今回は女声合唱)が続けて、さらにボルテージが上がります。これが繰り返されて、音楽は最高潮に盛り上がります。そして、ソプラノソロの聴かせどころでもあり、最難関の箇所をソプラノの澤江衣里がハイトーンを駆使して、いともたやすく歌い切ります。ここはいつも聴くほうがハラハラするところですが、こんなに簡単に歌ってしまうとは・・・!! そして、再び、冒頭の合唱、《おお、運命の女神フォルトゥナよ》が感動の絶頂を作ります。凄い!!

定期演奏会というよりも名曲コンサートですね。思いっきり、楽しみました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:小林研一郎[桂冠名誉指揮者]
  ソプラノ:澤江衣里 
  テノール:高橋 淳
  バリトン:萩原 潤
  合唱:東京音楽大学
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:木野 雅之

  コダーイ:ガランタ舞曲
  
   《休憩》
   
  オルフ:世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のコダーイのガランタ舞曲を予習した演奏は以下です。

 イヴァン・フィッシャー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2009年10月24日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

ハンガリー出身のイヴァン・フィッシャーが絶妙な指揮でハンガリー音楽の粋を聴かせてくれます。


2曲目のオルフの世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》を予習した演奏は以下です。

 サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  サリー・マシューズ(ソプラノ)
  ローレンス・ブラウンリー(テノール)
  クリスティアン・ゲルハーヘル(バス)
  ベルリン放送合唱団
  ベルリン国立大聖堂少年合唱団
    2004年のジルベスター・コンサート
    2004年12月31日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

若きラトルを始め。ソリストも皆若いメンバーで清新な演奏です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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