前半はベートーヴェンのピアノ協奏曲 第2番。冒頭から、美しい弦の響きにうっとりと聴き惚れます。そして、ゲルハルト・オピッツは意外にも肩の力の抜けたピアノの響きで、モーツァルトのようなタッチで軽やかな演奏を聴かせてくれます。東響と共演するときのオピッツはいつも素晴らしい演奏で驚かせてくれます。きっと相性がいいんですね。第2楽章にはいると、ベートーヴェンらしい深い音楽を聴かせてくれます。そして、第3楽章はシャープな演奏で締め括ってくれます。オピッツのピアノもノット指揮の東響も見事な演奏で満足させてくれました。
後半はベートーヴェンの交響曲 第6番「田園」。第1楽章はジョナサン・ノットの美しい指揮姿に惹き付けられます。その指揮のもと、東響は実に流麗な演奏を聴かせてくれます。第2楽章はさらに美しい響きの演奏で小川のあたりの風景を彷彿とさせてくれます。第3楽章にはいると、途中から音楽が高潮していきます。第4楽章の雷鳴と電光の後、第5楽章は天国的な響きで満たされます。音楽の響きも高まっていき、感動的なフィナーレ。ノットらしさが発揮された「田園」でした。ただ、saraiはこの曲は苦手。美しい標題音楽ですが、心に高まる感動はありませんね。この曲で唯一、saraiを魅了してくれるのは、フルトヴェングラーだけです。
今日のプログラムは以下のとおりでした。
指揮:ジョナサン・ノット
ピアノ:ゲルハルト・オピッツ
管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.19
《休憩》
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」
最後に予習について、まとめておきます。
1曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲 第2番を予習した演奏は以下です。
内田光子、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2010年2月10日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)
内田光子の奏でる響きはまるでモーツァルト。とても素晴らしい演奏に魅了されました。
2曲目のベートーヴェンの交響曲 第6番「田園」を予習した演奏は以下です。
ベルナルド・ハイティンク指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2015年3月6日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)
老巨匠ハイティンクはいつもの自然体の指揮で無理のないベートーヴェンを奏でます。シュテファン・ドールのホルンが見事です。
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