バッハの組曲の前に弾いた短い3曲はブラジルの現代作曲家がバッハの組曲の前奏曲のようなものを作曲したそうです。これもなかなか聴き応えがありましたが、やはり、バッハの無伴奏チェロ組曲の演奏は別次元の素晴らしさです。
第1番、第3番、第6番の各6曲はいずれも肩の力の抜けた見事な演奏でバッハの偉大さを満喫させてくれるものでした。どの曲の演奏も素晴らしく、1曲1曲の感想を綴るのも野暮なので、やめます。とにかく、まず、チェロの響きが最高に深く美しいものでした。特に低弦の深い響きには強く魅了されました。その美しい響きで自然な流れの音楽を奏でます。余計な思い入れがまったくないのがとても好感を持てました。バッハの音楽は譜面通り弾けば、最高の音楽になります。テンポは全体に早めに感じますが、自然な演奏だから、そう感じたのかもしれません。どの曲もたっぷりと聴いたという満足感がありました。事前には残りの第2番、第4番、第5番も聴きたいと思っていましたが、今日の3曲で充足感を得られました。これ以上聴くと、聴き過ぎになるかもしれません。
こんなに素晴らしい無伴奏チェロ組曲をかぶりつきで聴くという贅沢を味わい、これ以上のことはありません。バッハの素晴らしさに酔いました。音楽って最高です。
今日のプログラムは以下です。
アントニオ・メネセス 無伴奏チェロ・リサイタル
チェロ:アントニオ・メネセス
R.ミランダ:エティウス・メロス~バッハへのオマージュ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 BWV1007
A.プラド:プレアンブルム
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 BWV1009
《休憩》
M.パディーリャ:インヴォカシオ 第1番
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 BWV1012
《アンコール》
クロビス・ペレイラ:カント・ド・セーゴ
最後に予習について、まとめておきます。
いずれも、アントニオ・メネセスのチェロ独奏でYouTubeを聴きました。
R.ミランダ:エティウス・メロス、A.プラド:プレアンブルム、M.パディーリャ:インヴォカシオ 第1番は以下の演奏を聴きました。
フェスティバル・デ・マイオでのアントニオ・メネセスのチェロ独奏
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲は以下の演奏を聴きました。
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
アントニオ・メネセス(チェロ)
使用楽器:1840年頃のJean-Baptiste Vuillaumme(Paris)作
録音:2004年6月2-5日、イギリス、バークシャー、セント・マーティン教会
このバッハの全曲録音は彼自身、2回目のものです。あまりの素晴らしさに感動しました。ヨーヨー・マ、マイスキーにも優るとも劣らない演奏です。ちなみに今年、3回目の全曲録音が発売されました。これはまだ、聴いていません。
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