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ツィメルマン、白熱のシマノフスキ そして、やすらぎのラフマニノフの前奏曲@横浜みなとみらいホール 2023.12.2

ツィメルマンの今日のリサイタルはチケット購入時点では曲目が発表されていませんでしたが、彼の最近の充実ぶりからは何を弾いても素晴らしい演奏が期待されたので、あえて、信用買いしました。

しかし、前半のプログラム、ショパンの夜想曲とピアノ・ソナタ第2番「葬送」はツィメルマンのレベルで考えると、もう一つ、期待外れの演奏です。並みのピアニストならば合格点なのでしょうが、彼なら、うーんと唸らせる演奏を聴きたいものです。ピアノ・ソナタ第2番「葬送」は美しい響きも情熱的なダイナミズムもありましたが、どうしてもホロヴィッツの硬質な響きの名演やアルゲリッチの天才的なひらめきの演奏が頭をよぎってしまいます。これがツィメルマンのショパンだという強烈なメッセージが聴きたかったんです。

ところが、やはり、ツィメルマンは只者ではありません。後半のプログラムでsaraiの不満を一掃してくれました。
まず、ドビュッシーの版画。3曲からなる曲集です。1曲目の塔(パゴダ)はガムラン音楽、2曲目のグラナダの夕べはスペイン音楽、3曲目の雨の庭はフランス童謡の引用 という世界各地の音楽から霊感を得たものですが、その研ぎ澄まされたピアノの響きの美しさに感銘を受けます。特に高域の音の響きの美しさときたら、耳が洗われる思いです。ドビュッシーの音楽そのものが素晴らしいのですが、それを表現するツィメルマンの音楽的感性も見事なんです。ただ、これはまだ序の口でした。
最後のシマノフスキのポーランド民謡の主題による変奏曲は表題で予想する音楽の枠を大きく超えた音楽でした。もっとも、ツィメルマンが昨年録音したCDでは標題通りの変奏曲に収まった演奏でした。ですから、今日のライヴ演奏が凄かったんです。曲の途中からは変奏曲というよりも《幻想曲》という標題のほうがふさわしいと思いながら聴いていました。同じポーランドのショパンよりもシューマンの音楽を継承するような魅力に満ちた音楽です。民俗的な音楽などではありません。ツィメルマンはスケールの大きい演奏で、熱く燃え上がるような情熱に満ちた音楽を聴かせてくれます。とりわけ、第8変奏の葬送行進曲からの音楽の盛り上がりは半端なものではありません。そして、第10変奏のフィナーレで音楽は最高に高潮し、白熱していきます。圧巻のコーダに感動します。これは一期一会のライヴ演奏です。ライヴで聴く楽しみはここにあります。決してCDなどでは味わえないスリルと興奮に満ちた音楽の世界です。

アンコールのラフマニノフの前奏曲 Op.23-4も極めて美しい演奏でした。うっとりと聴き入りました。1959年のワルシャワでのリヒテルの名演にも引けを取らない素晴らしさでした。ツィメルマンのラフマニノフもまとめて聴かせてほしいと感じます。


今日のプログラムは以下です。


  ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン

  ショパン:夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2
       夜想曲 第5番 嬰へ長調 Op.15-2
       夜想曲 第16番 変ホ長調 Op.55-2
       夜想曲 第18番 ホ長調 Op.62-2
  ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」Op.35

   《休憩》

  ドビュッシー:版画
  シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10
  
   《アンコール》
     ラフマニノフ:前奏曲 ニ長調 Op.23-4
     

最後に予習について、まとめておきます。

1~4曲目のショパンの夜想曲は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ ショパン:ノクターン集 (21曲) 2009年7月、9月、10月、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

素晴らしく美しい演奏です。

 
5曲目のショパンのピアノ・ソナタ第2番「葬送」は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 京都リサイタル 2013 & 2015 2013年11月15日、京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ ライヴ録音
 
メジューエワの気魄の演奏です。


6曲目のドビュッシーの版画は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 京都のイリーナ・メジューエワ ~ ライヴ録音集2007-2012 2012年10月19日、京都コンサートホール ライヴ録音

大変、力強い見事な演奏です。。


7曲目のシマノフスキのポーランド民謡の主題による変奏曲は以下のCDを聴きました。

 クリスチャン・ツィメルマン シマノフスキ:ピアノ作品集  2022年6月18日-22日、福山、ふくやま芸術文化ホール
 
素晴らしく明晰な演奏で、録音も素晴らしいです。

 
アンコールのラフマニノフの前奏曲 Op.23-4は以下のCDを聴きました。

 スヴィヤトスラフ・リヒテル 1959年4月28日~5月2日 ワルシャワ セッション録音
 
リヒテルは不思議なピアニスト。何とも美しいラフマニノフです。録音もステレオで素晴らしいです。なお、アンコール曲は他の会場でのコンサートで予想されたので、予習しておきました。



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       ツィメルマン,  

田部京子の弾くシューベルトの遺作ソナタ、19番、20番に深く感銘@浜離宮朝日ホール 2023.12.3

田部京子の全10回のシューベルト・プラス・シリーズに続いて、今年も年2回のペースでリサイタルがあります。今回はオール・シューベルト・プログラムで遺作のピアノ・ソナタ3曲のうち、2曲が聴ける嬉しい選曲です。いずれもシューベルト・プラス・シリーズに続いて、2回目の登場です。

前半は冒頭、シューベルトの即興曲 ハ短調 Op.90-1 D899-1が前奏曲のような形で演奏されます。10分ほどの短い曲ですが、憧れに満ちたロマンの香りがぎっしりと詰まっています。もう、これだけ聴いて、田部京子のシューベルト演奏の何たるかが分かります。格調の高い詩情を歌い上げた魂の音楽です。丁寧なアーティキュレーションで一音たりともないがせにしない作曲家に寄り添った演奏です。こんな素晴らしいシューベルト弾きが日本にいるのは奇跡としか思えません。

そして。いよいよ本番の遺作のピアノ・ソナタ。第19番 ハ短調 D958。のっけから、ベートーヴェンのハ短調を思わせる激しい打鍵です。しばらくすると、シューベルト本来の歌謡調の音楽になります。ともかく、完成度の高い作品を田部京子の美しい響きの音楽性の高い演奏で言うことがありません。ほのぼのとした詩情で憧れに満ちた音楽になっています。
第2楽章のアダージョは抒情に満ちて、しみじみとしています。こういう曲は田部京子がもっとも得意にするところです。うっとりと聴き入ります。
第3楽章のメヌエットはさらっと通り過ぎ、第4楽章のアレグロに入ります。ここでも詩情に満ちた音楽が展開されて、圧巻のフィナーレ。見事な演奏でした。


後半はやはり、遺作のピアノ・ソナタ。第20番 イ長調 D959。第21番と並ぶ傑作中の傑作。ベートーヴェンの後期ソナタと同じくらい、いや、それ以上に好きなピアノ曲です。
第1楽章の冒頭の動機はクレドのジャンジャンという2音。実に激しい冒頭の響きです。そして、第2楽章、アンダンティーノの寂しげで美しいメロディーが始まると、saraiの心は感極まります。中間部の凄まじい音響も恐ろしいほど素晴らしく、その後に美しいメロディーに戻ると心がとろけそうです。短い第3楽章のスケルツォを経て、終楽章に入ります。もう、これは言葉での表現ができそうにもありません。最高のシューベルトとしか、形容のしようがありません。終盤に入るころには田部京子のピアノの響きが美しく透明になり、まさに天国の調べを聴くか如くです。特に高域の音の魅力に満ちた美しさはピアノの究極の響きです。そうして、最終部に入っていきます。歩を止めるように、何度もパウゼを繰り返すところは、まるでシューベルトが美しいこの世から去り難く思っているような心情が見事に表現されています。聴いているsaraiが苦しくなってきます。そして、意を決したように圧巻のコーダで一気に最後まで駆け抜けていきます。まるでシューベルトとの別れを体験したような深い感動を覚えます。

アンコールはシューベルトの鉄板の作品、即興曲と楽興の時。これだけでもシューベルトの最高の音楽を体験できます。そして。最後の最後はやっぱりこれ、シューベルトの極め付きのアヴェ・マリアです。終わりに高域でアヴェ・マリアと歌った後、アーメンと終止します。田部京子の至芸です。

来年からはどうするのかと思っていたら、SINKA〈進化×深化×新化〉という新しいシリーズが始まります。テーマはよく分かりませんが、次回のコンサートのしめはシューマンの《ウィーンの謝肉祭の道化》。saraiが望んでいたシューマン・プラス・シリーズに近づいていきそうな気配です。田部京子がこれまで弾いてこなかったシューマンの作品が聴けそうな気配です。ノヴェレッテンとか森の情景とかが聴ければ嬉しいな。ブラームスも聴けるだけ聴きたいな。うきうき・・・。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子ピアノ・リサイタル
   CDデビュー30周年×浜離宮リサイタル・シリーズ20周年記念 Part2

  ピアノ:田部京子
 
  シューベルト:即興曲 ハ短調 Op.90-1 D899-1

  シューベルト:ピアノソナタ 第19番 ハ短調 D958

  《休憩》

  シューベルト:ピアノソナタ 第20番 イ長調 D959

  《アンコール》
   シューベルト :即興曲 変ト長調 Op.90-3 D899-3
   シューベルト:楽興の時 第3番 ヘ短調 D780-3
   シューベルト(編曲:田部京子/吉松隆) :アヴェ・マリア 
   

最後に予習について、まとめておきます。

いずれも田部京子の演奏を聴きました。予習というよりも楽しみ半分です。
まず、シューベルトの即興曲 Op.90 D899は以下のCDを聴きました。

 田部京子 1997年10月7,9,10日 サラマンカ・ホール(岐阜) セッション録音
 

シューベルトのピアノソナタ 第19番は以下のCDを聴きました。

 田部京子 2000年11月14日~17日 愛知県豊田市コンサートホール セッション録音
 

後半のシューベルトのピアノソナタ 第20番は以下のCDを聴きました。

 田部京子 1997年10月7,9,10日 サラマンカ・ホール(岐阜) セッション録音

田部京子のシューベルトの一連の録音は伝説的とも言えますが、土の演奏もその中でもこれ以上の演奏はあるまいと思える傑出したものばかりです。



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       田部京子,  

リゲティの生誕100年にふさわしいエマールの弾く究極のピアノ協奏曲、圧倒的なルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲 カンブルラン&読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.12.5

今回もまた、読響の定期は凝りに凝ったプログラムです。ヤナーチェクの珍しい作品、生誕100年で現在最も注目される作曲家リゲティの難曲、ピアノ協奏曲、ルトスワフスキの傑作、管弦楽のための協奏曲がずらりと並びます。そして、役者も揃いました。読響の前常任指揮者のシルヴァン・カンブルラン、コンミスの日下紗矢子、リゲティのスペシャリスト、ピエール=ロラン・エマールと隙のない布陣です。

最初はヤナーチェクのバラード「ヴァイオリン弾きの子供」。怖いストーリーの詩に基づいた管弦楽曲です。寒村に住むヴァイオリニストが死に、残されたのは1挺のヴァイオリンと赤ん坊。村の老婆が赤ん坊の面倒をみますが、ある夜、ヴァイオリニストの亡霊が現れ、赤ん坊をあの世に連れ去ろうとしますが、老婆が十字を切ると、亡霊は消えます。しかし、朝になると、ヴァイオリンは消え、赤ん坊は息絶えています。
短い曲ですが、ヤナーチェクのオペラを聴いているような錯覚に陥ります。コンミスの日下紗矢子の見事なヴァイオリン・ソロに魅惑されて、まるでヴァイオリン協奏曲のようです。カンブルランの素晴らしい指揮と読響のアンサンブル、とりわけ、弦セクションにも魅了されます。こんな凄い作品を今まで知らなかったとはクラシックファンとして情けない思いです。

続くリゲティのピアノ協奏曲はさらに凄い演奏による素晴らしい傑作です。これまた、恥ずかしながらは初聴きです。ともかく、ピエール=ロラン・エマールのピアノが凄い!難曲をものともせず、完璧に弾きこなしています。リゲティの作品はどれも超名人だけが演奏可能なものに思えます。カンブルラン指揮の読響のサポートも素晴らしい。生誕100年を終えるのにふさわしい演奏でした。第3楽章までも凄い演奏でしたが、第4楽章、そして、第5楽章は究極とも思える白熱の演奏。音楽の要素はリズムと音響から成ることを根底から理解させられるものでした。いやはや、もう一度、聴かないと、よく分からないよ・・・saraiのような素人には。きっと、バッハの音楽と同様に何度聴いても飽きることのない音楽です。リゲティは行くところまで行っちゃった音楽家です。今年はリゲティをいっぱい聴きました。また、来年以降もいっぱい聴くことになりそうです。今や、saraiもリゲティ信奉者の一人になりました。
あー、そして、エマールのアンコールが素晴らしい! リゲティの『ムジカ・リチェルカータ』全11曲のうち、2曲も聴かせてもらいました。残りは彼のCDで聴きましょう。さすがにエマールはリゲティのスペシャリストですね。

後半はまた、ヤナーチェクの珍しい曲で開始します。この序曲「嫉妬」はもともと、オペラ《イェヌーファ》の序曲として書かれたものです。しかし、あまり、オペラ《イェヌーファ》を連想するような曲には感じません。ヤナーチェクらしさが横溢しているとは言え、意外に普通に美しい音楽です。ヤナーチェクの意外性のある音楽ももう素直に聴けるようになったからかもしれません。読響の美しいアンサンブルを堪能しました。

最後はルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲です。これは凄い演奏が炸裂しました。いつもは第1楽章、第2楽章はすっと聴いて、第3楽章が本番という感じですが、今日は第1楽章が音楽的にぎっしりと詰まっていて、たっぷりとその魅力を堪能しました。素晴らしかったのは第2楽章。読響の弦のアンサンブルの静謐な演奏が魅力的です。無窮動的な音楽がアンサンブルの響きの美しさで引き立ちます。何とも素晴らしい演奏でした。そして、やはり、第3楽章は別格の素晴らしさ。パッサカリア、トッカータ、コラールと続く最高の音楽が耳を楽しませてくれます。そして、最後は色んな要素がないまぜになって、圧巻の演奏になります。カンブルランの指揮が素晴らしく、今まで聴いたなかで最高の演奏でした。あっぱれ、カンブルラン。
ヴァイグレの指揮するドイツ音楽も素晴らしいですが、カンブルランが読響を指揮すると、明るく透明な色彩の音響に魅了されます。読響はよい指揮者に恵まれていますね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:シルヴァン・カンブルラン
  ピアノ:ピエール=ロラン・エマール
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:日下紗矢子

  ヤナーチェク:バラード「ヴァイオリン弾きの子供」
  リゲティ:ピアノ協奏曲〈生誕100年記念〉
  
   《アンコール》リゲティ:『ムジカ・リチェルカータ』より 第7、8曲

   《休憩》

  ヤナーチェク:序曲「嫉妬」
  ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヤナーチェクのバラード「ヴァイオリン弾きの子供」は以下のCDを聴きました。

 イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団  2015年10月1-2日 プラハ、ルドルフィヌム ライヴ録音

ビエロフラーヴェクが亡くなる2年前に残した遺産。ヤナーチェクのグラゴル・ミサを含むヤナーチェクのアルバムの中の1曲です。座して聴くのみ。


2曲目のリゲティのピアノ協奏曲は以下のCDを聴きました。

 ピエール=ローラン・エマール、ラインベルト・デ・レーウ指揮ASKOアンサンブル 2000年9月 セッション録音

現在望みうる最高の演奏。


3曲目のヤナーチェクの序曲「嫉妬」は以下のCDを聴きました。

 サー・チャールズ・マッケラス指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1982年4月 セッション録音

ヤナーチェクのスペシャリストとして知られるマッケラスがウィーン・フィルを振った逸品です。素晴らしい響きです。


4曲目のルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲は以下のCDを聴きました。

 ヴィトルト・ルトスワフスキ指揮ポーランド国立放送交響楽団 1976年5-6月、1977年12月 ポーランド・ラジオ・テレビ・スタジオ、カトヴィツェ セッション録音

作曲家自身の指揮。オーケストラの演奏もよく、録音もよいCDです。ルトスワフスキのオーケストラ作品集(CD3枚組)の中の1枚です。



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恒例の年末の第9もいいもの 秋山和慶&東響@東京オペラシティコンサートホール 2023.12.7

毎年、恒例の秋山和慶&東響によるベートーヴェンの交響曲 第9番。今年で5回目になります。

冒頭のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲は東響の高弦が素晴らしい響きで気持ちよく聴けました。

続く交響曲第9番も素晴らしい音で東響が鳴りまくります。第1楽章と第2楽章はやはり、美しい弦のアンサンブルが印象的です。秋山和慶の冷静で的確な指揮。第3楽章に入ると、第1主題、第2主題、それらの変奏が続き、次第に楽興が高まっていきます。しみじみと美しいメロディーが最高の弦で奏でられ、徐々に心に沁み入ってきます。ここまでは美しくてもどこか優等生的な演奏に感じます。静謐な第3楽章から、一気に恐怖のファンファーレで第4楽章に突入します。第4楽章も弦パートを主体にオーケストラが好調な演奏。そして、総勢100名ほどの東響コーラスが後方の1階と2階に陣取り、大規模な合唱が響き渡ると、もう合唱のみに耳を奪われます。独唱もバスの妻屋秀和を筆頭に力のある歌唱。最終部分で弦が踏ん張って、合唱が高潮するところでは鳥肌がたつ思いです。そして、東響の圧倒的なコーダに感銘を受けます。
何だかんだ言っても、やはり、ベートーヴェンの第9交響曲は特別な作品。アマチュアとは言え、これほどの大合唱団が歌うと格別の音楽が響き渡ります。こういう音楽が毎年聴ける日本はやはり平和であることを実感します。世界の紛争地のことを思うと、何か申しわけのない気持ちにもなりますが、こういう幸せを享受できることは大切で守り抜かねばなりませんね。

年末にはほぼ同じキャストで場所をサントリーホールに移し、指揮はジョナサン・ノット。1年の音楽を締めることになります。きっと、別次元の演奏を聴かせてくれるでしょう。昨年は凄いレベルの演奏でしたからね。
 https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4589.html


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:秋山和慶
  ソプラノ:三宅理恵
  メゾソプラノ:小泉詠子
  テノール:福井敬
  バス:妻屋秀和
  合唱:東響コーラス
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付き」

   《アンコール》
    蛍の光 AULD LANG SYNE

   《休憩なし》
   

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲を予習した演奏は以下です。

   ジェイムズ・レヴァイン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1999年6月27日 ヴァルトビューネ・コンサート ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

在りし日のレヴァイン、心から音楽を楽しみながらの見事なワーグナー。感服しました。


2曲目のベートーヴェンの交響曲 第9番「合唱付き」を予習した演奏は以下です。

   キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2019年8月23日、ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録    マルリス・ペーターゼン(ソプラノ)
   エリーザベト・クルマン(アルト)
   ベンヤミン・ブルンス(テノール)
   ユン・クヮンチュル(バス)
   ベルリン放送合唱団
   ギース・レーンナールス(合唱指揮)
    キリル・ペトレンコ首席指揮者就任演奏会(ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

ペトレンコ、圧巻の指揮。久々に素晴らしいベートーヴェンの交響曲 第9番を聴きました。この演奏の模様は別記事でアップ予定。



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カーチュン・ウォンの眩しいほどの才能 ショスタコーヴィチの交響曲第5番の緻密にして白熱した名演 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.12.8

カーチュン・ウォンは今回も素晴らしい音楽を作り上げてくれました。本当に今年から日本フィルの定期会員になってよかった…今日は本来はラザレフの指揮の筈でしたが、来日がかなわず、何と首席指揮者のカーチュン・ウォンが登場したんです。

前半の日本人作品もカーチュンは緻密にスコアを読み込んで、見事な演奏を聴かせてくれました。
最初の外山雄三の交響詩《まつら》はsaraiの好きな音楽ではありませんが、カーチュンは何と格調の高い音楽に仕上げて、心地よく聴かせてくれました。何という才能なんでしょう。
次の伊福部昭のオーケストラとマリンバのための《ラウダ・コンチェルタータ》はマリンバ独奏の池上英樹の演奏を見事なものでしたが、カーチュンの音楽構成力の緻密さには舌を巻きました。弦をうまくコントロールして、さながらストラヴィンスキーの《春の祭典》を思わせるようなフレーズも美しく演奏します。よほど、カーチュンは伊福部作品に傾倒しているようで、いつも伊福部作品を見事に演奏します。海外でもドレスデン・フィルで伊福部作品を紹介するようです。次第にカーチュンの熱に影響されて、saraiまでも伊福部昭の音楽の理解が進みそうです。それにしても、今日の演奏を聴いて、カーチュン・ウォンの《春の祭典》を聴いてみたくなりました。

後半はがらっと変わって、ショスタコーヴィチの交響曲第5番。かつて、saraiが熱狂した音楽でしたが、今はショスタコーヴィチの交響曲第4番に入れ込んでいます。そんなsaraiを嘲笑うように、カーチュン・ウォンはショスタコーヴィチの交響曲第5番のあり得ないような凄い演奏を聴かせてくれました。まるでマーラーのように緻密なオーケストラの表現を作り上げて、最高の演奏を聴かせてくれました。ここでもカーチュンはこの曲の悪く言えば下品なところを排除して、実に格調高く演奏します。なかでも、弦の表現の見事なこと。最近聴いたばかりのベルリン・フィルにも匹敵するような美しい弦のアンサンブル。日本のオーケストラも指揮者が変われば、ここまでやれるのですね。特に弱音の繊細な表現が素晴らしいです。ヴァイオリンの高音の表現のあまりの美しさに卒倒しそうになりました。もっともsaraiは2列目の席でしたから、極めて繊細な表現を聴き取れましたが、後方の席ではどうだったんでしょう。
どの楽章も素晴らしい演奏でしたが、とりわけ、第3楽章の抒情と言うか、実にインティメットな表現には心が揺れました。ショスタコーヴィチもソ連当局に屈したような形でこの作品を作曲しましたが、この第3楽章だけは本音を吐き出したのではないかと思わせられました。日本フィルは弦のアンサンブルはベルリン・フィル並みでしたが、さすがに管はまだまだです。カーチュン・ウォンのいるうちに管も世界のトップレベルになることを願います。
無論、第4楽章の白熱した演奏も凄かったのですが、ここでも羽目を外さずに音楽の質を保っていたのが印象的です。
これほどの演奏だったのに、指揮者コールも途切れそうになったので、saraiも率先して、指揮者コールの拍手を始めました。無事に指揮者コールも終えて、高揚した気分のsaraiは自分でもあきれるほどに上機嫌になって、もはや、足の痛みは吹っ飛んで、快調な足取りでサントリーホールを後にしました。

こうなると、来年のマーラーの交響曲第9番はどんな演奏になるか、きっと凄い演奏になって、saraiを感動の涙にくれさせてくれるだろうことを確信しました。カーチュン・ウォン、凄し!


今日のプログラムは以下です。

  指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
  マリンバ:池上英樹
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:田野倉 雅秋

  外山雄三:交響詩《まつら》
  伊福部昭:オーケストラとマリンバのための《ラウダ・コンチェルタータ》
  
   《アンコール》星に願いを(マリンバ・アンコール)

   《休憩》
   
  ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 Op.47


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の外山雄三の交響詩《まつら》を予習した演奏は以下です。

 渡辺暁雄指揮日本フィルハーモニー交響楽団 1982年11月1~2日 入間市民会館 セッション録音

ちょっと古い録音。


2曲目の伊福部昭の《ラウダ・コンチェルタータ》を予習した演奏は以下です。

 マリンバ:大茂恵理子、大友直人指揮愛知県立芸術大学50周年記念オーケストラ 2016年5月24日 ライヴ収録 YouTube

大茂恵理子のマリンバが素晴らしいです。


3曲目のショスタコーヴィチの交響曲第5番を予習した演奏は以下です。

 トゥガン・ソヒエフ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2014年12月13日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

ソヒエフの指揮が見事で、交響曲というよりもオーケストラのための協奏曲のような風情の演奏です。



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       カーチュン・ウォン,  

オペレッタ「こうもり」、本場レベルの見事な公演@新国立劇場 2023.12.9

今日は12月という季節がら、ヨハン・シュトラウスⅡ世の名作オペレッタ《こうもり》を聴くのがぴったりです。このオペレッタは実演で7回聴いています。最初は1994年のウィーン国立歌劇場の来日公演。プライ,マッティラ,ベリー,コワルスキー,クメントという豪華キャストでした。最後に聴いたのは2013年のウィーンのフォルクスオーパー。今日と同じハインツ・ツェドニクの演出でした。それから、何と10年ぶりに聴く《こうもり》です。

土曜日のマチネのせいか、何と満員の観衆。決して安くない料金なのにと驚くばかり。人気の演目なんですね。

ツェドニクのまっとうな演出、そして、お洒落な舞台装置、パトリック・ハーン指揮の溌剌とした音楽で実に楽しく聴けました。歌手も含めた全体的な音楽水準もオペレッタとしてはとてもよかったと思います。オペレッタの洒脱さがもう少し突出していれば、言うことなしでした。

歌手は平均的に優れた歌唱を聴かせてくれ、演技も見事。8人の主要なキャストは7人まで海外勢の歌手が揃う筈だったのが、1名が脱落し、日本人歌手がカヴァーしましたが、その影響をまったく感じさせなかったのは立派。ある意味、オペラ以上にオペレッタをドイツ語でしっかりと演じ切るのは難しいでしょうが、ウィーンで聴くのとそう違和感は覚えませんでした。もっともsaraiはドイツ語が分からないので、雰囲気だけでそう言っています。
とびぬけた歌手はいませんでいたが、【ロザリンデ】役のエレオノーレ・マルグエッレの素直でピュアーな歌唱は好印象を持ちました。全体に声量不足は否めませんでしたが、それほど不満もありません。

師走の一時、楽しい時間を持たせてもらいました。

あー、そうだ。今日も新国立劇場合唱団はしっかりとした合唱を聴かせてくれて、舞台を支えてくれました。


今日のキャストは以下です。

  ヨハン・シュトラウスⅡ世
   こうもり 全3幕

  【指 揮】パトリック・ハーン
  【演 出】ハインツ・ツェドニク
  【美術・衣裳】オラフ・ツォンベック
  【振 付】マリア・ルイーズ・ヤスカ
  【照 明】立田雄士
  【舞台監督】髙橋尚史
  【合唱指揮】三澤洋史
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【バレエ】東京シティ・バレエ団
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:依田 真宣
  
  【ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン】ジョナサン・マクガヴァン
  【ロザリンデ】エレオノーレ・マルグエッレ
  【フランク】畠山 茂
  【オルロフスキー公爵】タマラ・グーラ
  【アルフレード】伊藤達人
  【ファルケ博士】トーマス・タツル
  【アデーレ】シェシュティン・アヴェモ
  【ブリント博士】青地英幸
  【フロッシュ】ホルスト・ラムネク
  【イーダ】伊藤 晴
  

最後に予習について、まとめておきます。と言いたいところですが、久々に予習できませんでした。
1996年のメルビッシュ音楽祭のDVDを用意していたんですけどね。


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晩秋のブラームスのピアノ四重奏曲は心に沁みる:フォーレ四重奏団@横浜みなとみらいホール 小ホール 2023.12.10

フォーレ四重奏団のお得意のブラームスのピアノ四重奏曲第1番の演奏は熟成した感があります。こんなブラームスが聴けるなんて、何と贅沢な人生かと天に感謝する思いです。彼らのこの曲の演奏を聴くのもこれが4回目。初めて聴いた9年前にも高いレベルの演奏を聴かせてくれました。ただ、贅沢を言えば、予習で聴く彼らの演奏を含めると、あまりに聴き過ぎた思いもあります。正直に言うと、新鮮味が薄れてきました。次はまた、R.シュトラウスのピアノ四重奏曲が聴きたくなりました。

冒頭はマーラーのピアノ四重奏曲 断章。断章と言っても、1楽章は完成しています。若きマーラーの青春の匂いが香り立つような名作です。ピアノの独奏が主題の断片を演奏し始め、次第に主題の姿が明確になっていきます。そして、音楽はどんどん高潮していきます。いったん、おさまった波が再び盛り上がって、圧倒的なフィナーレ。素晴らしい演奏でした。

次のフォーレのピアノ四重奏曲第1番はとても美しい響きに魅了されました。何せ、フォーレ四重奏団はフォーレの名前を冠したくらいですから、思い入れも一入なのでしょう。とりわけ、第3楽章のアダージョの美しい演奏に魅了されました。

ブラームスのピアノ四重奏曲第1番は冒頭から素晴らしい演奏。しかし、圧巻だったのは、第3楽章のアンダンテ・コン・モートと第4楽章のツィゴイナー風のロンドとプレストです。第3楽章の美しく、抒情的なメロディーには酔わされます。そして、第4楽章の終盤でジプシー風のメロディーがテンポを落として、弦楽器だけで王朝風に奏されると、心がとろけそうになります。個々の奏者の音が立って、美しい上に、奏者間の音のバランスが絶妙で、室内楽の極上の素晴らしさを味わえました。フォーレ四重奏団の演奏は昔日の名演、ブッシュ弦楽四重奏団員&ルドルフ・ゼルキンにも匹敵できるレベルに達したかのごとくに感じます。

アンコールは3曲も披露してくれました。いずれも興に乗った演奏。美しい室内楽の響きに満足しました。


今日のプログラムは以下です。


  フォーレ四重奏団
    ヴァイオリン:エリカ・ゲルトゼッツァー
    ヴィオラ:サーシャ・フレンブリング
    チェロ:コンスタンティン・ハイドリッヒ
    ピアノ:ディルク・モメルツ


  マーラー:ピアノ四重奏曲 断章 イ短調
  フォーレ:ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.15

   《休憩》

  ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 Op.25
  
   《アンコール》
     ドヴォルザーク(クライスラー編曲):母が教えてくれた歌
     フーベルト:フォーレ・タンゴ
     フォーレ:夢のあとで Op.7-1
     

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマーラーのピアノ四重奏曲 断章は以下のCDを聴きました。

  フォーレ四重奏団 2013年11月3-6日 イタリア、ドッビアーコ、マーラー・ザール セッション録音

絶品です。

 
2曲目のフォーレのピアノ四重奏曲第1番は以下のCDを聴きました。

  ジャン・ユボー、レイモン・ガロワ・モンブラン、コレット・ルキアン、アンドレ・ナヴァラ  1969年 セッション録音

とても美しい演奏で、フランスの香りも満喫できます。


3曲目のブラームスのピアノ四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

  フォーレ四重奏団 2007年 ベルリン、シーメンスヴィラ セッション録音

よい演奏ですが、彼らの実演のレベルには達していません。再録音が望まれます。



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       フォーレ四重奏団,  

ツィメルマン、2回目 ショパンもドビュッシーもシマノフスキも、そして、アンコールのラフマニノフもすべて最高水準の演奏・・・深く感銘するのみ@サントリーホール 2023.12.13

ツィメルマンの2回目のリサイタルです。前回は横浜みなとみらいホールで聴きました。アンコール曲以外、すべて同じ曲目です。チケット購入時点では曲目が発表されていませんでしたので、違う曲目になると思っていましたが、予想に反して、まったく同じ曲目。少し残念ですが、前回のリサイタルを聴いて、素晴らしい演奏だったので、再び、あの素晴らしい演奏が聴けるのかと思い、むしろ、楽しみになりました。

前回は、前半のプログラム、ショパンの夜想曲とピアノ・ソナタ第2番「葬送」はツィメルマンのレベルで考えると、もう一つ、期待外れの演奏に感じましたが、今日は違います。ツィメルマンの演奏が変わったのか、saraiの感じ方が変わったのか、分かりませんが、まったくレベルの違う演奏に思えます。今回のリサイタルはこの後、所沢でのリサイタルを残すのみで、会場がサントリーホールということもあり、ツィメルマンの気合いが入っていたことは間違いありません。とは言え、決して、肩の力が入っていたわけではなく、余裕の自然体の演奏です。さすが、巨匠らしさが感じられます。
夜想曲は夜の静寂の中、瞑想にあふれた詩情が横溢します。4曲の夜想曲の選択と構成もよく考え抜けており、まるでそういう曲集であるかのごとくの演奏です。とりわけ、最初の有名な2曲ではなく、後半の2曲がとびぬけて素晴らしい演奏です。特に最後の夜想曲 第18番 Op.62-2は圧巻の演奏で、夜想曲4曲を締め括りました。
ピアノ・ソナタ第2番「葬送」は情熱と平静な気持ちの間を揺れ動く内面を表出するような、実に繊細極まる演奏が第1楽章、第2楽章と続きます。第1楽章の冒頭の拙速とも思えるフレーズはあえて響きの美しさを犠牲にしてまでの演奏ですが、情感が極まる様を体現する圧倒的な演奏です。そして、その情感がおさまると実に静謐で美しい演奏に変わります。この情熱と静謐な美を交互に弾き分けて、内面の揺れる気持ちを表現します。ショパンはどんな心境だったのかと想像を巡らせてしまいます。そして、第3楽章の葬送行進曲に入ると、まるでしずしずと己の死に向かって歩むかのごとくの心情を吐露します。その暗い気分がトリオに入ると一転して、天に向かって救済を求めるように美しさの限りを尽くしたような音楽が胸を打ちます。そして、また、己の死に向かう葬送行進曲に回帰します。最後は狂おしいまでの情熱の爆発が短い第4楽章で表現されて、この内面のドラマが完結します。これがツィメルマンの表現するピアノ・ソナタ第2番「葬送」でした。
夜想曲と言い、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」と言い、ツィメルマンのショパンはひとつの到達点だと思います。前回の感想はすべて撤回します。saraiの聴き方が浅かったようです。

ツィメルマンは後半のプログラムでもsaraiの期待を上回る演奏を聴かせてくれました。
まず、ドビュッシーの版画。3曲からなる曲集です。1曲目の塔(パゴダ)はガムラン音楽、2曲目のグラナダの夕べはスペイン音楽、3曲目の雨の庭はフランス童謡の引用 という世界各地の音楽から霊感を得たものですが、いずれもピアノの表現力の限界を極めるようにそのシーンの風景と印象を描き尽くします。1曲目の塔(パゴダ)は朝もやの光に包まれたアジアの平原の中に浮かび上がる幻想的な塔をくっきりと現出させます。ツィメルマンのその研ぎ澄まされたピアノの響きの美しさはあのミケランジェリにも迫るものです。特に高域の音の響きの美しさときたら、耳が洗われる思いです。
続く2曲目のグラナダの夕べは黄昏の光りに包まれたグラナダの街の雑踏をくっきりと現出させます。これは中音域の音の響きの美しさに感銘を覚えます。ここまではピアノがきらきらした光を美しく描きました。
最後の3曲目の雨の庭は激しく降る雨の様を表現します。雨の粒が飛び散るような感覚を覚えます。
無論、ドビュッシーの音楽そのものが素晴らしいのですが、それを表現するツィメルマンの音楽的感性も見事なんです。それにしても、ここで到達したドビュッシーの印象派音楽のピアノの表現がここまで素晴らしいとは、今日のツィメルマンの演奏を聴いて、初めて実感しました。

最後のシマノフスキのポーランド民謡の主題による変奏曲は表題で予想する音楽の枠を大きく超えた音楽であることは前回も実感した通りです。今日は前回よりも平静に音楽に耳を傾けました。第7変奏まではとても美しい変奏が続きます。ツィメルマンはスケールの大きい演奏で、熱く燃え上がるような情熱に満ちた音楽を聴かせてくれます。そして、第8変奏の葬送行進曲からの音楽の盛り上がりは半端なものではありません。ショパンの葬送行進曲のように暗い内面に閉じこもるのではなく、狂おしいような感情の表出で死への憧れのような音楽が展開されます。そして、第10変奏のフィナーレで音楽は最高に高潮し、白熱していきます。中間部の素晴らしいフーガの後、圧巻のコーダになだれこんでいきます。最後は圧倒的な完結部に息を呑みます。今日も素晴らしい演奏でした。そして、また、前回とは異なる味わいがあり、実演を聴く喜びは一入です。

アンコールのラフマニノフの前奏曲はあれっ、違う曲だ! でも、素晴らしい演奏です。そして、やはり、前回と同様にラフマニノフの前奏曲 Op.23-4も弾いてくれます。今日も極めて美しい演奏でした。ツィメルマンのラフマニノフを2曲も聴けて、満足です。


今日のプログラムは以下です。


  ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン

  ショパン:夜想曲 第2番 変ホ長調 Op.9-2
       夜想曲 第5番 嬰へ長調 Op.15-2
       夜想曲 第16番 変ホ長調 Op.55-2
       夜想曲 第18番 ホ長調 Op.62-2
  ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」Op.35

   《休憩》

  ドビュッシー:版画
  シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10
  
   《アンコール》
     ラフマニノフ:13の前奏曲 嬰ト短調 Op.32-12
     ラフマニノフ:10の前奏曲 ニ長調 Op.23-4
     

最後に予習について、まとめておきます。(前回と同じです。)

1~4曲目のショパンの夜想曲は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ ショパン:ノクターン集 (21曲) 2009年7月、9月、10月、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

素晴らしく美しい演奏です。

 
5曲目のショパンのピアノ・ソナタ第2番「葬送」は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 京都リサイタル 2013 & 2015 2013年11月15日、京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ ライヴ録音
 
メジューエワの気魄の演奏です。


6曲目のドビュッシーの版画は以下のCDを聴きました。

 イリーナ・メジューエワ 京都のイリーナ・メジューエワ ~ ライヴ録音集2007-2012 2012年10月19日、京都コンサートホール ライヴ録音

大変、力強い見事な演奏です。。


7曲目のシマノフスキのポーランド民謡の主題による変奏曲は以下のCDを聴きました。

 クリスチャン・ツィメルマン シマノフスキ:ピアノ作品集  2022年6月18日-22日、福山、ふくやま芸術文化ホール
 
素晴らしく明晰な演奏で、録音も素晴らしいです。

 
アンコールのラフマニノフの前奏曲 Op.23-4は以下のCDを聴きました。

 スヴィヤトスラフ・リヒテル 1959年4月28日~5月2日 ワルシャワ セッション録音
 
リヒテルは不思議なピアニスト。何とも美しいラフマニノフです。録音もステレオで素晴らしいです。なお、アンコール曲は他の会場でのコンサートで予想されたので、予習しておきました。



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       ツィメルマン,  

ユベール・スダーンのセンスの光るシューマン(マーラー版)とブラームス(シェーンベルク編)@サントリーホール 2023.12.16

前音楽監督のユベール・スダーンがユニークな選曲のプログラムで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

前半はシューマンの交響曲 第1番 「春」(マーラー版)です。マーラー版のシューマンの交響曲を聴くのは初めてです。予習でマーラー版を聴くと、印象があまりに異なるのに驚きます。シューマン独特の鄙びた雰囲気がスマートな雰囲気に変わっています。しかし、マーラー風とまでは言えず、あくまでもシューマンワールドではあります。
本番はスダーンの熱気あふれる指揮でマーラー番のシューマンが美しく響きます。特に弦楽アンサンブルのパートが見事です。東響の美点を知り尽くしたスダーンならではの表現です。第2楽章のラルゲットが優美に響き、その同じ旋律の繰り返しが実に心地よく感じます。第3楽章のスケルツォの勢いよいこと、素晴らしいです。そして、第4楽章は軽快なテンポで快調な音楽が刻まれます。クライスレリアーナの第8曲から転用したメロディが実によいアクセントになっていて、そこの演奏の盛り上がりが素晴らしいです。
最後はマーラー版が体に染みついてきて、ほとんど気にならない、あるいはそのスマートさが心地よくなります。もう一度聴いたら、マーラー版もオリジナル版と同様に好みの音楽になるかもしれません。もっともオリジナル版を聴き直したら、やっぱり、オリジナル版がいいねって思うかもしれません。シューマン節は何とも言えない唯一無二の素晴らしさがありますからね。
ところで、スダーンは指揮台を置かずにオーケストラと同じ平面を動き回りながらの指揮です。そんなに大きな体ではないので、オーケストラの後ろの方の奏者は指揮が見えているのかな。指揮自体は自由に動き回れるので、ダイナミックな指揮になります。それならそれで暗譜で譜面台がないほうがいいと思うのですが、どうでしょうね。

後半はブラームス/シェーンベルク編のピアノ四重奏曲 第1番です。これは何回か聴いたことがあります。それにオリジナルの室内楽版を一週間ほど前にフォーレ四重奏団の素晴らしい演奏で聴いたばかりです。これまではいつもこの管弦楽版よりもやはり室内楽版がいいなと思うばかりでした。今回は結論から言えば、なかなか、シェーンベルクが大編成の3管編成で編曲した管弦楽版も迫力があっていいなと感じました。ブラームスは交響曲をわずか4曲しか残してくれなかったので、もっと書いてくれればよかったのにと思うことが多く、その意味では、交響曲と肩を並べるとまではいかなくても、このシェーンベルク版の管弦楽曲は貴重な存在です。
第1楽章、第2楽章と耳慣れた音楽が大編成のオーケストラで演奏されるのは不思議な感覚ですが、実に気持ちよく聴けます。スダーンの見事な表現力と思えます。そして、圧巻だったのは第3楽章。優美なアンダンテの音楽が素晴らしく響き、トリオでは華々しく行進曲が響き渡ります。この楽章は室内楽版でも聴きどころですが、管弦楽版の大迫力は別次元の素晴らしさがあり、そこをスダーン指揮の東響は大いに盛り上げてくれました。第4楽章のジプシー風の音楽はまるでエンターテインメントのように楽しく奏で上げられます。大いに気持ちが盛り上がったところでフィナーレ。ちょっとやり過ぎかもしれませんが、魅力にあふれた音楽に仕立て上げられていました。

スダーンのひねりの効いた選曲で今年最後の東響の定期を楽しませてもらいました。東響の演奏はジョナサン・ノットのベートーヴェンの交響曲第9番を残すのみになりました。ミューザ川崎のジルベスターコンサートもありますけどね。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ユベール・スダーン 
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン
  

  シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調 Op.38 「春」 (マーラー版)

  《休憩》
  
  ブラームス/シェーンベルク編:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 Op.25


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューマンの交響曲 第1番 「春」(マーラー版)を予習したCDは以下です。

 リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2007年2月、5月、6月、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス セッション録音
 
最初はマーラー版の違和感がありますが、次第にその演奏に惹き込まれていきます。


2曲目のブラームス/シェーンベルク編のピアノ四重奏曲 第1番を予習したCDは以下です。

 クリストフ・エッシェンバッハ指揮ヒューストン交響楽団 1995年9月27日 ヒューストン、ジョーンズ・ホール セッション録音

エッシェンバッハはブラームスの交響曲全集をヒューストン交響楽団と素晴らしい演奏で録音しましたが、さらに自身が原曲の室内楽でピアノを弾いて録音していたピアノ四重奏曲 第1番を指揮者として、このヒューストン交響楽団と録音しました。輝かしい演奏に魅了されます。



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反田恭平の情熱とやるせなさに満ちたラフマニノフに共感、そして、アントニ・ヴィト指揮のペンデレツキは強烈な限界状況に魂が揺さぶられる思い 東京都交響楽団@サントリーホール 2023.12.19

今日はクリスマスの題名に付いた作品が2曲もあり、早めのクリスマス気分に浸れるかと思いきや、まったく、正反対の厳しい作品群に対峙することになりました。クリスマスどころではありません。

このアンチ・クリスマスのようなポーランドの作曲家の作品に挟まれて、ショパン・コンクールで名を上げた反田恭平の弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がプログラムに組まれています。これまで反田恭平のピアノを聴く機会がなかったというか、避けていたのですが、何となく、彼のイメージに共感が持てなかったんです。同じショパン・コンクール出場組では小林愛実は一度聴いていて、美しくは弾けているもののもう一つ突け抜けるものがほしいという印象でした。ですから、反田恭平もそれなりの演奏はするものの、saraiを突き動かすことはないだろうと予感していました。が、第1楽章の冒頭の序奏のソロの熱を秘めた演奏では早くも心を掴まれる思いになります。そして、ダイナミックな熱情あふれる演奏の大迫力、一転して、繊細な表情にはラフマニノフに欠かせないロシアの風土に対するやり場のないやるせなさが見事に表出されています。ラフマニノフの音楽の真髄に迫るような演奏に深い共感を覚えます。若いピアニストが音楽歴60年の老人を唸らせるのですから、如何に見事な演奏を展開したかということです。第1楽章は予感に反した見事な演奏にドギマギするばかり。第2楽章のアダージョに入り、ようやく、落ち着いて聴くことができます。反田恭平のピアノはますます美しい響きを聴かせてくれ、独奏も見事、オーケストラと協奏するところも見事です。フルートとの会話には息を呑みました。向かい合う位置にいるチェロとの協奏もあっけにとられるくらいの美しさを醸し出していました。そして、やるせなさをたっぷりと味わわせてもらいました。こう言う表現ができるピアニストは稀有です。
第3楽章のアレグロは切れがあり、勢いに満ちた素晴らしい音楽が展開されていきます。しかし、突如、ヴィオラとオーボエが奏する副主題が始まります。何と美しい音楽でしょう。ここが聴きたくて、少年時代のsaraiはじりじりして待っていた覚えがあります。映画音楽にもなった名旋律をたっぷり味わいます。そして、反田恭平のピアノがこの旋律を独奏でリフレインします。やるせなさを秘めて、情熱のある素晴らしい演奏です。そして、この副主題は終盤に再び、最高潮で演奏されて、そのまま、圧倒的なコーダに突入し、壮麗な音楽を閉じます。
反田恭平はそのテクニックもさることながら、実に豊かな音楽性に恵まれています。こういう人は早晩、指揮活動に入っていくのでしょうね。
アンコールも秀逸でした。弾き始めてすぐにシューマンの献呈と分かり、胸が熱くなります。大好きな曲なんです。無論、オリジナルの歌曲のほうが好きですが、今日の演奏は抑制した歌になっていて、最後だけ、超絶技巧で派手に演奏しました。この曲、あるいはシューマンのほかの作品をアンコールに選ぶ音楽家はそれだけでsaraiがファンになります。シューマン、いいですねー。


さて、後半はペンデレツキの交響曲第2番《クリスマス・シンフォニー》です。ペンデレツキと言えば、4年半前の2019年6月にこの都響の指揮台に立ち、自作のヴァイオリン協奏曲第2番《メタモルフォーゼン》を庄司紗矢香のヴァイオリンで披露してくれたことが思い出されます。庄司紗矢香の素晴らしい演奏とともにこの作品の素晴らしさにも感銘を受けました。彼の指揮によるベートーヴェンの交響曲第7番も素晴らしい演奏でした。

 https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-3209.html
 
なお、ペンデレツキはこの後、およそ9か月後に86歳でこの世を去りました。

今日演奏された交響曲第2番《クリスマス・シンフォニー》は4年半前に聴いたヴァイオリン協奏曲第2番《メタモルフォーゼン》よりも10年以上前に書かれた作品ですが、既に初期の前衛的手法から古典回帰を果たし、新ロマン主義と呼ばれるようになった過程での作品で比較的、聴きやすい音楽になっています。しかし、その無機的な表情、東西冷戦時代を思わせる限界状況的な作風は前衛でないにせよ、十分、現代音楽を標榜してもおかしくない現代性を帯びています。
低弦から始まる暗い音楽はやがて、最初の主題を提示します。しかし、ロマン派音楽のような明快な旋律ではなく、この後、この主題が繰り返されながら、変容していきます。そして、それがまるで妖怪のように動き回りながら、破滅的な情況を印象づけていきます。バルトークの弦と打とチェレスタの音楽を想起しますが、不気味な表情のオスティナートという点では似ているものの、より攻撃的、暴力的な音楽です。3度登場する《きよしこの夜》の最初の4音で一瞬、表情はやわらぎますが、やはり、世界の破滅とその後の荒廃を描き出すような戦慄の音楽です。ペンデレツキと同じポーランド出身のアントニ・ヴィトが指揮する都響のアンサンブルがすこぶる素晴らしく、その美しさゆえにかえって、この音楽の恐怖を高めていました。特に弦のアンサンブルが凄まじく美しく響いていました。最後は死滅した世界の滅びを思わせるように音楽が消え去っていきました。まるで現在の世界の絶対的危機を予言し、その後の暗い将来をみすえたような音楽です。表題のクリスマスは作曲家のアイロニーなのでしょうか。

このところ、ポーランドの現代音楽を聴く機会が増えています。今日のキラール、ペンデレツキ。そして、シマノフスキ、ルトスワフスキ・・・。ウクライナの隣国ということで注目されているのでしょうか。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:アントニ・ヴィト
  ピアノ:反田恭平
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:山本友重

  キラール:前奏曲とクリスマス・キャロル(1972)
  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
   《アンコール》シューマン(リスト編曲):献呈
   
   《休憩》
   
  ペンデレツキ:交響曲第2番《クリスマス・シンフォニー》
   

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のキラールの前奏曲とクリスマス・キャロルは予習していません。どうしても音源が見つかりませんでした。


2曲目のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を予習したCDは以下です。

 ニコライ・ルガンスキー、サカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団 2005年1月4-6日 シンフォニー・ホール,バーミンガム セッション録音

ルガンスキーの見事な演奏。ルガンスキーはこのコンビでラフマニノフの全ピアノ協奏曲とパガニーニの主題による狂詩曲の録音を完結しました。


3曲目のペンデレツキの交響曲第2番《クリスマス・シンフォニー》を予習した映像は以下です。

 アントニ・ヴィト指揮ポーランド国立放送交響楽団 1999年8月25-27日 カトヴィツェ、グジェゴシュ・フィテルベルク・コンサート・ホール セッション録音

アントニ・ヴィトは自国ポーランドの作曲家ペンデレツキのスペシャリストとも言えます。訴求力のある演奏です。



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イリーナ・メジューエワの豊かな響きで豪快なショパン、圧巻の前奏曲集@東京文化会館・小ホール 2023.12.24

メジューエワは今年7月から4回シリーズで「ショパンの肖像」と銘打ったコンサートを催してくれています。saraiはショパンのファンではないので、ショパンに対する思い入れはありませんが、お気に入りのメジューエワの演奏を聴けるのが楽しみです。今回はその2回目のコンサートです。

1回目と今回の2回目はショパンの初期から中期の作品ということですが、プログラムを眺めると前半はスケルツォの2曲とマズルカの1曲(Op.33-4)はよく知った曲、残りはあまり聴いていない曲。有名曲が半分という感じです。いずれもメジューエワらしい力強いタッチの演奏です。ショパンももはやサロン的ではなく、現代のコンサートホール向けのように演奏されます。それにしてもメジューエワの脂の乗り切ったテクニックには驚かされます。今や、彼女のピアノ演奏は最高の旬の時を迎えているようです。saraiの趣味では、ショパンなんぞではなく、ラフマニノフとかプロコフィエフを弾いてもらいたい気がします。何か、もったいないです。
ショパンの代表作のひとつ、スケルツォ第2番は圧倒的な演奏です。そのエネルギッシュな演奏はとても情熱に満ちていて、こういうショパンは新たな地平を切り拓くかのごとくです。極論するとショパンがラフマニノフのようにも感じられます。まあ、それでいて、マズルカはやはり、ショパンらしい柔らかな表現に満ちています。メジューエワは色んな引き出しを持っていて、ショパンの諸相を見せてくれます。前半の最後のスケルツォ第3番は凄いテクニックで弾き切って、圧巻の演奏。良い意味で実に男性的なショパンの演奏を聴かせてくれました。

休憩後、大曲とも言える24の前奏曲(プレリュード) Op.28です。疲れを知らないようなメジューエワの圧倒的な演奏が続きます。比較的、短い曲が前半続きますが、譜面をさっとめくりながら、次々と見事な演奏を聴かせてくれます。そして、15曲目が有名な《雨だれ》です。ロマンに陥ることなく、暗い曲想も力強く歌い上げて、実にバランスのとれた演奏です。この後は音楽が高潮していき、圧巻の演奏が続き、saraiはすっかり魅了されます。ロシアン・ピアニズムの究極を聴く思いです。どの曲もショパンの暗くて、情熱のこもった思いが凝縮されている感じです。メジューエワの真摯なピアノがその真髄を見事に表現します。最後のアレグロ・アパッシオナートは左手の強い打鍵、右手の攻撃的な半音階の打鍵の見事な融合で実に鮮烈な音楽が表現されます。メジューエワも迸る無尽蔵の力を繰り出して、音楽を高揚させていきます。そして、最後の低域の強烈な打鍵、3度でこの前奏曲集を締めくくります。いやはや、凄い演奏です。演奏を終えて立ち上がったメジューエワもさすがに疲労の色を隠せません。力を出し尽くしての演奏だったんですね。
それでもどこに力が残っていたのか、素晴らしいアンコールを2曲、聴かせてくれました。

サイン会があるというので、マズルカ集のCDを買い求めて、サインをいただきました。サイン会も精力的にこなす彼女のパワーはやはり凄い。


今日のプログラムは以下です。

  イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル 「ショパンの肖像」第2回(全4回)


  ポロネーズ第1番 嬰ハ短調 Op.26-1 
  即興曲第1番 変イ長調 Op.29 
  スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31 
  マズルカ(3曲)(ハ短調 Op.30-1/ロ短調 Op.30-2/ロ短調 Op.33-4) 
  スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39 

   《休憩》

  24の前奏曲(プレリュード) Op.28
 
   《アンコール》
     ショパン :ノクターン第9番 ロ長調 Op.32-1
     ショパン :前奏曲変イ長調(遺作)


最後に予習について、まとめておきます。

すべて、イリーナ・メジューエワの録音したCDを聴きました。聴いたアルバムは以下です。

 ショパン: ピアノ・ソナタ 第2番 《葬送》 2010年3月、4月 新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音
 若林工房15周年記念コンサート 2019年8月31日、富山県民会館ホール ライヴ録音
 日本デビュー20周年記念リサイタル 2017~2018 2017年11月18日 東京文化会館・小ホール ライヴ録音
 京都リサイタル2016 (ショパン・リサイタル) 2016年9月29日、京都コンサートホール〈アンサンブルホールムラタ〉 ライヴ録音
 ショパン:4つのスケルツォ 2018年9月29日~10月1日 新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音
 京都リサイタル2018 ショパン:24のプレリュード/リスト:《ダンテを読んで》 2018年11月9日、京都コンサートホール〈アンサンブルホールムラタ〉 ライヴ録音

いずれも素晴らしく美しい演奏です。セッション録音とライヴ録音の違いがほとんどないのに驚きます。なるべく最新の演奏を聴きましたが、メジューエワのすべてのCDを所有しているわけではないので、すべて最新の演奏を聴いたわけではありません。それでも一番古い2010年の録音でも完成度の高い演奏を聴かせてくれます。
なお、マズルカ ロ短調 Op.30-2だけはメジューエワの録音を持っていなかったので、ショパンの名人ルビンシュタインの完璧な演奏を聴きました。



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       メジューエワ,  

究極の第九 ジョナサン・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2023.12.28

ジョナサン・ノット&東京交響楽団の第九を聴くのは今年で5年目になりますが、遂に決定版とも思える最高の演奏に出会うことになりました。無論、saraiが実演で聴いた第九のなかの最高峰の演奏で、実演以外でも、フルトヴェングラーを除くと、最高の演奏です。(フルトヴェングラーは誰にも超えることの出来ない壁です。)
今年の演奏を理解するために、昨年の演奏について書いた記事の一部を以下に引用します。

ーーー昨年の記事ーーー
ジョナサン・ノット&東京交響楽団の第九を聴くのは今年で4年目になります。昨年、遂にノットもこの第九を完璧に己のものとし、今回は奇跡のような自在のオリジナリティあふれる演奏を聴かせてくれました。もっとも、まだまだ、伸びしろを残した演奏で来年以降も飛躍が続くでしょう。第1楽章から、ノットの素晴らしい指揮姿から目が離せません。何故か、モーツァルトのドン・ジョヴァンニの地獄落ちを思わせる白熱した演奏に驚愕します。そして、そのアーティキュレーションの見事さに、感銘を受け続けます。とりわけ、アゴーギクの微妙さが驚異的です。その結果、オーケストラへの要求水準が高過ぎますが、東響のメンバーが必死にくらいついて、次第に熱い演奏に高まっていきます。ノットと東響のこういう関係がとても好ましく感じられます。ノットと東響はこうして切磋琢磨して成長してきました。それにしても第1楽章の高速演奏にしびれます。
ーーーここまでが昨年の記事の引用ーーー

まさに昨年書いたことが今年の演奏につながり、ジョナサン・ノットもさらに自分の音楽表現に磨きがかかり、東響は遂にジョナサン・ノットの高い要求水準をクリアするレベルの演奏を行いました。第1楽章と第2楽章は完璧とも思える演奏。第3楽章はジョナサン・ノットの表現力が増して、何とも美しい演奏に昇華しました。そして、第4楽章は独唱陣、合唱、オーケストラがジョナサン・ノットの棒のもとに一体となった圧倒的な音楽を聴かせてくれました。もう、最後は感動するしかありませんでした。saraiの動悸が高まり、頬は紅潮し、物凄い緊張感を覚え、感覚は研ぎ澄まされて、ジョナサン・ノットが表現するベートーヴェンの音楽と一体化し、桃源郷にはいりこんだ思いになりました。
今年はよほどリハーサルを重ねたとみえて、音楽の精度だけでなく、オーケストラの配置も考え抜かれたものです。対向配置の第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンはステージの中ほどに引っ込んだ位置で横に長く配置されています。5プルトという少な目の構成ですが、音は素晴らしく響きます。ヴィオラは第2ヴァイオリンの背後に4プルト。チェロは第1ヴァイオリンとヴィオラの間に3プルトで密集しています。コントラバスは第1ヴァイオリンの背後です。この配置は弦の響きの分解がよくて、それぞれの音がよく聴こえます。無論、まとまりのよさを欠くことはありません。管は2段ほど高い中央に固まっていて、特に第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの間に割ってはいるような音響になっています。このオーケストラの配置が音響のよさを生み出しています。
独唱者はステージ前面の指揮者のすぐ前で、ちょうど、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの間に収まっています。したがって、何も邪魔されないで独唱者の声が飛び込んできます。大編成の東響コーラスはいつものように背後の2階席に陣取っています。合唱の声もオーケストラの上を何にも邪魔されずに上から降り注いできます。
今日のオーケストラ、独唱者、合唱の配置は理想的なものに思えます。最前列中央のsaraiは特等席で、この音響を味わうことができました。


第1楽章の冒頭から弦楽アンサンブルの歯切れのよい音が響いてきます。冒頭のカオスの中から実在が出現するようなフレーズの音の響きが美しく、それは何度も繰り返し現れますが、その音楽の質の高さに、ただただ、感銘します。そして、第1楽章では、何と言っても東響の切れの良いアンサンブルが凄過ぎて、ノットがそれをさらに煽り立てるように激しい指揮で追い込んでいきますが、東響のアンサンブルは万全でしっかりと受けとめていきます。息もできない緊張感の中、圧巻の演奏で第1楽章は終わります。ふーっとsaraiは息をつく思いです。第2楽章もそのままの勢いで切れのよいアンサンブル。実に素晴らしい響きの音楽が鳴り響きます。とりわけ、トリオの部分の音楽的な精度の高さに魅了されます。弦の素晴らしさはもちろんですが、管の素晴らしいこと。音楽に聴き惚れているうちに第2楽章もすーっと終わります。ここまで、ジョナサン・ノットの気合いのはいった凄い指揮に魅了されます。圧倒的な体の使い方に驚嘆します。汗を浮かべつつも凄い形相での指揮です。彼は完璧にこの曲の楽譜を研究し尽くしたようです。理解し尽くしたもののみがなしえる指揮に思えます。
ここで独唱陣4人の入場。合唱の東響コーラスは最初から後方席に陣取って、出番を待っています。
第3楽章が始まります。音楽的にとても美しい演奏です。ノットの解釈は万全です。中庸のテンポで粛々と流れるような演奏です。ノット独自の表現もすっかりと確立したようです。とても魅了される音楽になりました。
第3楽章が終わると、間を置かずに恐怖のファンファーレが熱く奏でられます。そして、行き着く先は器楽による“歌”、歓喜の歌です。ヴァイオリンで奏でられるまでの流れが絶妙で、トゥッティで歓喜の歌が演奏されると心が熱くなります。ここから声楽が加わります。バリトンの与那城敬は昨年以上の踏ん張った歌唱で、東響コーラスの大合唱を呼び込みます。4重唱は独唱陣が好調で素晴らしい響きです。テノールの小堀勇介が素晴らしい歌唱で先導する行進曲風の音楽はオーケストラだけの演奏に変わり、東響の素晴らしいアンサンブルが響き渡ります。とりわけ、ヴァイオリンの響きの素晴らしさに魅了されます。
ここから、合唱の素晴らしいパートに入っていきます。この音楽の最も重要な部分です。圧倒的な東響コーラスに耳を傾けながら、第九の真髄を味わっていきます。そして、2重フーガでの清らかな女性合唱と力強い男声合唱との交錯で心を揺さぶられます。再び、独唱陣が立ち上がり、最後の4重唱。フーガ風の最高の歌唱で心が熱くなり、感動の極み。独唱陣は渾身の力をふりしぼり、最後のフェルマータの美しい響き。深く感動します。その残影の後、物凄い合唱が燃え上がり、音楽は最高峰に上り詰めます。そして、圧倒的な東響の力が火の玉のように燃え上がって、爆発的なコーダに突入。圧巻のフィナーレです。ベートーヴェンの特別な音楽をノットと東響、そして、東響コーラス、4人の好調な独唱者が極上の演奏を聴かせてくれました。

最後は付けたしのような《蛍の光》。もったいないような美しい演奏でした。

最後の最後はほとんどの聴衆が居残って、指揮者コール。誰もいなくなったステージに満面の笑みを浮かべたジョナサン・ノットが登場。今年最後の彼の姿を目に焼き付けて、すべて終了。

今年もジョナサン・ノットはR.シュトラウスの楽劇《エレクトラ》と今日の第九で最高の音楽を聴かせてくれました。来年は《薔薇の騎士》と第九ですね。きっと、期待に応えてくれるでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ソプラノ:三宅理恵
  メゾソプラノ:金子美香
  テノール:小堀勇介
  バリトン:与那城敬
  合唱:東響コーラス(合唱指揮:河原哲也)
  管弦楽:東京交響楽団(コンサートマスター:小林壱成)

  ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125

  《アンコール》 蛍の光 AULD LANG SYNE(スコットランド民謡)


最後に予習について、まとめておきます。

ベートーヴェンの交響曲 第9番は以下の演奏で予習したばかりです。素晴らしい演奏だったので、もう一度聴こうと思いましたが、ベルリン・フィル デジタル・コンサートホールには、ほぼ同じキャストの別の公演も収録されています。

   キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2019年8月23日、ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録    マルリス・ペーターゼン(ソプラノ)
   エリーザベト・クルマン(アルト)
   ベンヤミン・ブルンス(テノール)
   ユン・クヮンチュル(バス)
   ベルリン放送合唱団
   ギース・レーンナールス(合唱指揮)
    キリル・ペトレンコ首席指揮者就任演奏会(ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

で、急遽、考え直して、以下の演奏を聴きました。

   キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2019年8月24日、ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録    マルリス・ペーターゼン(ソプラノ)
   エリーザベト・クルマン(アルト)
   ベンヤミン・ブルンス(テノール)
   ユン・クヮンチュル(バス)
   ベルリン放送合唱団
   ギース・レーンナールス(合唱指揮)
    ブランデンブルク門前で行われる入場無料の野外コンサート(ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)
    
上記のキリル・ペトレンコ首席指揮者就任演奏会の翌日のコンサートです。心なしか、ペトレンコは前日の終始、緊張感に包まれた指揮から柔らかい表情に変わっているように思えました。演奏は前日同様、スーパースター揃いのベルリン・フィルがペトレンコの見事な指揮の下、最高のパフォーマンスで魅了してくれました。これが無料のコンサートだとはね・・・。
なお、このコンサートはベルリンの壁崩壊30周年を記念したものです。30年前はバーンスタインが国際共同オーケストラを指揮して記念コンサートを東ベルリン、シャウシュピールハウスと西ベルリンのフィルハーモニーで行っています。バーンスタインはその翌年、肺がんで亡くなりましたから、貴重な文化遺産にもなりましたね。



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       ジョナサン・ノット,  

saraiの音楽総決算2023:ピアノ・室内楽編

今年もブログの締めくくりはsarai恒例の音楽総決算です。今日はピアノ・室内楽編です。

今年は厳選したコンサート・オペラに計135回足を運びました。去年は151回もコンサート通いして、行き過ぎを反省して減らしましたが、僅か1割減らすだけになりました。今年も痛い足をひきずりながらの悲壮なものでしたが、それがリハビリになったのか、年末には足の調子は回復基調です。
今年のコンサートについてはすべて当ブログで報告済みですが、今回から3回のシリーズでそれらからベストのコンサートを選んで、今年の音楽の総決算としたいと思います。
今回はピアノ・リサイタルと室内楽編です。今年もこのジャンルをたくさん聴きました。で、今年も、ピアノ・リサイタルと室内楽コンサートに分けて、ベストのコンサートを選んでみます。

まず、ピアノ・リサイタル部門は次の通りです。なお、器楽として、無伴奏チェロ・リサイタルも含んでいます。すべて素晴らしいので、順位付けはやめました。ともかく、田部京子、伊藤恵、アンドラーシュ・シフ、ユリアンナ・アヴデーエワ、アンナ・ヴィニツカヤ、クリスチャン・ツィメルマン、イリーナ・メジューエワの7人、そして、天才、藤田真央は特別の存在です。

天才、藤田真央のゾーンにはいったような最高のモーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会の掉尾を飾る@王子ホール 2023.2.8
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4631.html
凝縮したピアノの音のきらめき! ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@王子ホール 2023.2.21
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4644.html
素晴らしいシューマン、そして、鳥肌の立つようなバルトーク 北村朋幹 ピアノ・リサイタル@東京文化会館小ホール 2023.2.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4648.html
リヒテルのカーネギーホール(1960年)の超名演も超える圧巻のプロコフィエフ8番 ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@すみだトリフォニーホール 2023.2.26
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4649.html
伊藤恵、光り輝くようなアパッショナータを精魂尽き果てるまで熱演@紀尾井ホール 2023.4.29
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4711.html
ヴィニツカヤ、芳醇な響きでロシアンピアニズムの真髄@トッパンホール 2023.5.31
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4742.html
田部京子の素晴らしいシューベルトの幻想ソナタを聴く@浜離宮朝日ホール 2023.6.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4767.html
超ロングのアンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタルにへとへと、されど、シフの磨き抜かれた響きのベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番は超絶的@東京オペラシティ コンサートホール 2023.9.29
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4823.html
アンドラーシュ・シフの2回の覆面コンサートは計7時間に及ぶマラソンコンサート・・・バッハもブラームスもシューマンもベートーヴェンも美しい響きで魅了@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.10.1
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4825.html
最高レベルのバッハの無伴奏チェロ組曲、アントニオ・メネセスの深い響きのチェロの音色に強く感銘@上大岡 ひまわりの郷 2023.11.12
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4850.html
田部京子の弾くシューベルトの遺作ソナタ、19番、20番に深く感銘@浜離宮朝日ホール 2023.12.3
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4861.html
ツィメルマン、2回目 ショパンもドビュッシーもシマノフスキも、そして、アンコールのラフマニノフもすべて最高水準の演奏・・・深く感銘するのみ@サントリーホール 2023.12.13
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4867.html
イリーナ・メジューエワの豊かな響きで豪快なショパン、圧巻の前奏曲集@東京文化会館・小ホール 2023.12.24
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4870.html


ピアノ部門の部門賞は以下に決しました!

 天才、藤田真央のゾーンにはいったような最高のモーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会の掉尾を飾る
 
恐ろしいほどの才能を開花させた藤田真央の最高のモーツァルトに心が震撼しました。ユリアンナ・アヴデーエワの圧巻のプロコフィエフ8番も素晴らしかったんですけどね。それにクリスチャン・ツィメルマンのシマノフスキも凄かったし・・・。


次は室内楽部門です。鶴見サルビアホール3F音楽ホールで聴いた弦楽四重奏の名演の数々は忘れられません。ベストのコンサートは次のとおりです。順位はつけていません。

初期、中期、後期弦楽四重奏曲・・・いずれも見事なアンサンブルと気魄に納得の演奏 ベートーヴェン・チクルス第3回 カルテット・アマービレ@王子ホール 2023.1.31
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4623.html
ロータス・カルテットが与えてくれた芳醇な時 メンデルスゾーン弦楽四重奏曲全曲サイクル2023@鶴見サルビアホール 2023.2.27
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4650.html
ヴィトマン、カルテット・アマービレと過ごす贅沢な一夜@トッパンホール 2023.3.13
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4664.html
コパチンスカヤの唯一無二で何ともチャーミングな音楽の一夜@トッパンホール 2023.3.23
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4674.html
若さの特権か、情感にあふれたヤナーチェクの「クロイツェル・ソナタ」のやりたい放題の圧巻の演奏 クァルテット・インテグラ@鶴見サルビアホール 2023.5.8
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4719.html
ハッピーバースデー!リゲティ 生誕100年@トッパンホール 2023.5.28
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4739.html
堀米ゆず子のグァルネリ・デル・ジェスの素晴らしい響きのバッハ、R.シュトラウスに魅了されたリサイタル@上大岡 ひまわりの郷 2023.7.8
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4780.html
庄司紗矢香と仲間たちによる高貴な芸術の香りに深く感銘@サントリーホール 2023.9.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4822.html
クァルテット・ベルリン=トウキョウのハイドン、シュルホフ、そして、ベートーヴェンの後期は素晴らしい高みに達した心の震える演奏@鶴見サルビアホール 2023.10.20
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4837.html
明日への元気と勇気を与えてくれた至高のベートーヴェンは、美を極めたカヴァティーナ、芸術の最高峰を成す大フーガ ハーゲン・クァルテットの第3夜@トッパンホール 2023.11.2
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4845.html
ベートーヴェンのラズモフスキー・セット全曲演奏は熱く高揚した「ラズモフスキー第3番」で圧巻のフィナーレ:関西弦楽四重奏団@鶴見サルビアホール 2023.11.6
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4848.html


室内楽部門の部門賞は以下に決しました!

 明日への元気と勇気を与えてくれた至高のベートーヴェンは、美を極めたカヴァティーナ、芸術の最高峰を成す大フーガ ハーゲン・クァルテットの第3夜
 
ハーゲン・クァルテットの3夜にわたるコンサートの最後をしめたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番(大フーガ付き)は最強の演奏で、これをきっかけにsaraiの足の痛みも回復基調になりました。こんなに心に元気と勇気を与えてくれた音楽はありません。



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saraiの音楽総決算2023:オペラ・オペレッタ・バレエ編、協奏曲編

さて、前回に引き続き、今年の音楽の総決算です。

今回はオペラ・オペレッタ・バレエ編および協奏曲編です。
オペラはコロナ前は海外で見たオペラが並ぶところですが、代わりに新国立劇場の公演が並ぶことになりました。いつの間にか、日本のオペラ水準もヨーロッパ並みになり、とても聴き応えがあります。また、コンサート形式オペラも素晴らしく、今年はジョナサン・ノット&東響のエレクトラが圧巻の出来。キャストもノット&東響の演奏も最高でした。また、少ないけれども毎年、レベルの高いバロックオペラが聴けるようになったのも嬉しいことです。

で、今年は以下をベストのオペラに選びました。順位は付けていません。

アンチヒーローが聖なる愛で救済される壮大なドラマ 《タンホイザー》@新国立劇場 2023.2.4
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4627.html
ニコラ・アライモの演技とヴォリューム感のある歌唱、そして、素晴らしいアンサンブル 《ファルスタッフ》@新国立劇場 2023.2.12
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4635.html
隙の無いキャストで全編、美しい歌唱にうっとり 《ホフマン物語》@新国立劇場 2023.3.19
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4670.html
リヒャルト・シュトラウス:オペラ《平和の日》日本初演は壮絶な平和への願い@オーチャードホール 2023.4.8
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4690.html
主役を食ったアムネリス役のアイリーン・ロバーツの迫真の歌唱 《アイーダ》@新国立劇場 2023.4.16
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4698.html
完璧に響き渡った《エレクトラ》2回目 恐ろしいほどの完成度 ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2023.5.14
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4725.html
ジルダを歌ったハスミック・トロシャンの清楚で美しい歌唱に魅了されまくりで素晴らしい公演 《リゴレット》@新国立劇場 2023.5.21
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4732.html
サロメを歌ったアレックス・ペンダの見事な歌唱、トリンクス指揮の東フィルの管弦楽も最高 《サロメ》@新国立劇場 2023.6.4
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4746.html
第3幕の素晴らしさに感動し、第4幕は涙なしには聴けない《ラ・ボエーム》@新国立劇場 2023.7.2
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4774.html
日本でこれほど素晴らしいバロック・オペラが聴けるとは ヘンデル 歌劇 《ジュリオ・チェーザレ》 鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2023.10.11
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4831.html
男のオペラ、ヴェルディの歌劇「シモン・ボッカネグラ」なれど、ソプラノのイリーナ・ルングが舞台を支配@新国立劇場 2023.11.18
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4853.html
オペレッタ「こうもり」、本場レベルの見事な公演@新国立劇場 2023.12.9
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4865.html


オペラ・オペレッタ・バレエ部門の部門賞は以下に決しました!

 完璧に響き渡った《エレクトラ》2回目 恐ろしいほどの完成度 ノット&東京交響楽団

これは文句なしです。昨年の《サロメ》以上の出来だったかもしれません。エレクトラを歌ったガーキーも最高でしたが、何と言ってもジョナサン・ノットの鬼気迫るような指揮が素晴らしかった。来年の《薔薇の騎士》は期待あるのみです。


次は協奏曲編です。
今年は素晴らしい協奏曲の公演が多く、中でもコパチンスカヤ、アンナ・ヴィニツカヤ、庄司紗矢香、イザベル・ファウスト、ピエール=ロラン・エマールはあり得ないようなレベルの演奏を聴かせてくれました。内容的にも、古典から現代までの幅広い作品を聴けました。とりわけ、生誕100年のリゲティの協奏曲はコパチンスカヤ、エマールが物凄い演奏を聴かせてくれました。満足です。

今年は以下をベストのコンサートに選びました。

アミハイ・グロスがバルトークのヴィオラ協奏曲を瑞々しく演奏 トゥガン・ソヒエフ&NHK交響楽団@サントリーホール 2023.1.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4617.html
後半に尻上がりに調子を上げた上原彩子のパガニーニの主題による狂詩曲の耳でも目でも圧巻の演奏 大友直人&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.1.29
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4621.html
金川真弓の曇り後晴れの会心のブラームス、そして、ヴァイグレの見事なシューマン  ヴァイグレ&読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.2.17
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4640.html
ヴィトマンとタメスティによるヴィオラ協奏曲の奇跡のように素晴らしい日本初演、そして、鈴木優人によるシューベルトの交響曲第5番の美し過ぎる演奏 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.3.9
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4660.html
金川真弓がコルンゴルトを実に美しく演奏 リオ・クオクマン&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.3.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4676.html
コパチンスカヤ凄し!リゲティ凄し!都響凄し!超感動!! 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.3.27
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4678.html
金川真弓、透き通るような音色で魅了するメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 小泉和裕&東京都交響楽団@東京芸術劇場 2023.4.26
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4708.html
アンナ・ヴィニツカヤ凄し! パガニーニの主題による狂詩曲の決定的名演 尾高忠明&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.5.29
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4740.html
庄司紗矢香の天上の音楽に魅了されるだけ ノセダ&NHK交響楽団@サントリーホール 2023.6.21
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4763.html
萩原麻未の魅惑のモーツァルト ミケーレ・マリオッティの実に新鮮な「ザ・グレイト」 東京交響楽団@サントリーホール 2023.6.24
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4766.html
同時代の聴衆の心をインスパイアする細川俊夫のヴァイオリン協奏曲の日本初演 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.7.27
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4795.html
ファウストにはシューマンが似合う・・・瑞々しいシューマンのヴァイオリン協奏曲 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.10.1
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4833.html
リゲティの生誕100年にふさわしいエマールの弾く究極のピアノ協奏曲、圧倒的なルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲 カンブルラン&読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.12.5
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4862.html
反田恭平の情熱とやるせなさに満ちたラフマニノフに共感、そして、アントニ・ヴィト指揮のペンデレツキは強烈な限界状況に魂が揺さぶられる思い 東京都交響楽団@サントリーホール 2023.12.19
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4869.html


協奏曲部門の部門賞は以下に決しました!

 コパチンスカヤ凄し!リゲティ凄し!都響凄し!超感動!! 大野和士&東京都交響楽団
 
コパチンスカヤの強烈な演奏とそれに真っ向から立ち向かった都響の達人たちの競演によるリゲティのヴァイオリン協奏曲には、心底、感動しました。エマールの超絶的なピアノによるリゲティのピアノ協奏曲、アンナ・ヴィニツカヤの美しいピアノの響きに満ちたラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲も凄ったんですけどね・・・。 


明日はいよいよ大晦日。今年の音楽総決算もオーケストラ・声楽曲編でおしまいです。135回聴いたコンサートの中で最高だと思った今年の大賞を発表します。



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saraiの音楽総決算2023:オーケストラ・声楽曲編、そして、今年の大賞は?

今年の音楽の総決算もいよいよ最後になりました。そして、ブログも今年の書き納めです。

今回はオーケストラ・声楽曲編です。
このジャンルは今年もたくさんのコンサートを聴きました。素晴らしい演奏が多過ぎて、選定が難航しました。で、オーケストラと声楽曲を比較するのは難しいので、今年もオーケストラのベスト、声楽曲のベストに分けて、選定することにしました。

まず、声楽曲のベストは以下です。なかでも、バッハ・コレギウム・ジャパンの数々の素晴らしい演奏が印象的でした。そして、圧巻だったのはウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサンのヨハネ受難曲でした。

聖金曜日はマタイ受難曲を聴く日 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2023.4.7
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4689.html
ミステリアスな美しさを湛えたシマノフスキのスターバト・マーテル ウルバンスキ&東京交響楽団@サントリーホール 2023.4.15
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4697.html
モーツァルト、マーラー、ツェムリンスキー・・・うっとり!!藤村実穂子 メゾソプラノ・リサイタル@横浜みなとみらいホール 小ホール 2023.4.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4707.html
ヘンデルの復活、どこをとっても素晴らし過ぎる演奏に深く感銘 鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2023.5.7
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深い感銘を覚えるシューベルトのミサ曲第5番 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2023.9.17
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新しい響きを引き出したドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」、ノット流のシャープで明確なヤナーチェクのグラゴル・ミサ・・・ジョナサン・ノット&東響@サントリーホール 2023.10.15
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小林研一郎が素晴らしい指揮でカルミナ・ブラーナを凄演(怪演?) 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.11.3
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終盤に高まる音楽的絶頂で深く感動 ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサン《ヨハネ受難曲》@東京オペラシティコンサートホール 2023.11.26
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声楽曲部門の部門賞は以下に決しました!

 終盤に高まる音楽的絶頂で深く感動 ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサン《ヨハネ受難曲》

クリスティと彼の手兵であるレザール・フロリサンの底知れぬ魅力にはまりました。彼らはこの日の公演のためにだけ、来日したんです。とても有難いことです。無論、鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンの素晴らしい名演の数々を忘れたわけではありません。バッハもヘンデルもシューベルトの演奏も決して、クリスティ&レザール・フロリサンに引けをとっていたわけではありません。

で、いよいよ、オーケストラ部門です。今年はベストは以下です。これでも絞りに絞った結果です。選にもれたコンサートも素晴らしいものが多々ありました。いずれも素晴らしい演奏で順位はつけていません。今年からカーチュン・ウォンが日本フィルの首席指揮者に就任し、目覚ましい活躍を始めましたが、ジョナサン・ノット&東響、セバスティアン・ヴァイグレ&読響、アラン・ギルバート&都響、ファビオ・ルイージ&N響も目を離せない名演を繰り広げています。今や在京オケの実力は素晴らしいものです。けれども、やはり、ウィーン・フィルとベルリン・フィルは来日公演で格の違いを感じさせる凄い演奏を聴かせてくれました。特にキリル・ペトレンコが首席指揮者に就任したベルリン・フィルの充実ぶりはどうでしょう。saraiは今年の8月から、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールのサブスクリプションの会員になって、キリル・ペトレンコの公演を中心に手あたり次第、気になるものを視聴しています。

天才指揮者カーチュン・ウォンのバルトークの管弦楽のための協奏曲は真髄を抉り出す超名演 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.1.20
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フルシャがブラームスを振るとN響の響きが変わって繊細さと精妙さの極致、アンデルジェフスキのピアノが冴え渡るシマノフスキ NHK交響楽団@サントリーホール 2023.2.15
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マナコルダの燦然と輝くようなマーラー、そして、美し過ぎて魅惑的なハイドン 読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.4.5
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自然の森羅万象を表現し尽くしたかのようなマーラーの交響曲第7番の圧倒的な名演 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.4.13
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カーチュン・ウォン凄し! ヤナーチェクのシンフォニエッタは圧巻の超名演 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.5.13
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緊張感と高揚の80分、マーラーの交響曲第6番 ジョナサン・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2023.5.20
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ウィーン古典派のハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの美しさを極め尽くしたルイージの会心の演奏 NHK交響楽団@サントリーホール 2023.5.24
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オーケストラ芸術の粋を極め尽くすミンコフスキ&東京都交響楽団のブルックナー5番@サントリーホール 2023.6.26
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アラン・ギルバートと東京都交響楽団のコンビは最強! 素晴らしいニールセン@サントリーホール 2023.7.14
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アラン・ギルバートと東京都交響楽団の壮麗なアルプス交響曲に深く感動@東京文化会館 2023.7.20
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ヴァイグレの真骨頂、ベートーヴェンとワーグナーの真髄を抉り出す会心の演奏 読売日本交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.8.1
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カーチュン・ウォンの空前絶後のマーラー3番 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.10.13
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4832.html
ジョナサン・ノットと東響による瑞々しさにあふれるブルックナーの交響曲第1番@東京オペラシティコンサートホール 2023.10.21
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4838.html
カーチュン・ウォンのがっちりした古典的様式感とロマンが交錯した最高のブラームス1番 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.10.22
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4839.html
ジョナサン・ノット教授の現代音楽実験工房という風情の格調高いコンサート@東京オペラシティコンサートホール 2023.11.17
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4852.html
ウィーン・フィルの豊穣な音の奔流を見事にコントロールしたソヒエフの音楽の才に驚嘆 色彩感あふれる絵巻物のようなR.シュトラウスの《ツァラトゥストラはかく語りき》に没我の心地@サントリーホール 2023.11.19
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4854.html
オーケストラ芸術の究極:キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのR.シュトラウスの《英雄の生涯》を聴き、ただ、幸せを噛みしめるのみ@サントリーホール 2023.11.25
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4858.html
カーチュン・ウォンの眩しいほどの才能 ショスタコーヴィチの交響曲第5番の緻密にして白熱した名演 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.12.8
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4864.html
究極の第九 ジョナサン・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2023.12.28
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4871.html


オーケストラ部門の部門賞は以下に決しました!

 オーケストラ芸術の究極:キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのR.シュトラウスの《英雄の生涯》を聴き、ただ、幸せを噛みしめるのみ
 
 究極の第九 ジョナサン・ノット&東京交響楽団

卑怯ですが、ずっと、キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのR.シュトラウスの《英雄の生涯》を部門賞に決めていたのですが、最後の最後にジョナサン・ノット&東京交響楽団のsaraiの生涯で最高の第九を聴いてしまい、どちらとも決め兼ねることになってしまいました。このほか、ソヒエフ指揮ウィーン・フィルのR.シュトラウスの《ツァラトゥストラはかく語りき》、カーチュン・ウォン指揮日本フィルのマーラーの交響曲第3番、アラン・ギルバート指揮都響のアルプス交響曲も捨てがたい素晴らしい演奏でした。


ジャジャーン!
ここで今年の大賞発表です。今年のsaraiが選ぶ大賞は以下に決しました。

 究極の第九 ジョナサン・ノット&東京交響楽団

ベートーヴェンの交響曲第9番、ジョナサン・ノット&東京交響楽団の5年間の集大成です。迷いなく、この演奏を大賞に推します。対抗馬はキリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのR.シュトラウスの《英雄の生涯》、コパチンスカヤと都響の達人たちのリゲティのヴァイオリン協奏曲、ジョナサン・ノット&東京交響楽団の《エレクトラ》でした。これらの3公演と大賞に推した公演はほぼ互角ではあります。また、ジョナサン・ノット&東京交響楽団のベートーヴェンの交響曲第9番は来年、さらに素晴らしい演奏を聴かせてくれるでしょうが、それを考慮しても、今年の演奏のレベルの高過ぎたことに驚嘆しました。

最後に今年は特別賞を決めました。

 今年、生誕100年の作曲家リゲティ
 
今年はリゲティの年と言っても過言ではありません。リゲティの数々の傑作を鑑賞しました。それもかなりは初聴きの作品で、どれも演奏が超難しそうなものばかりでしたが、現代の演奏家は苦もなく弾き切ることにも驚かされました。現代音楽ではありますが、そろそろ、古典の域にも入りそうです。リゲティの作品が主要なプログラムになる日も近いと思われます。今や、saraiもリゲティ信奉者の一人になりました。
 

来年も音楽の感動に期待しながら、今年の総括は幕としましょう。

今年も当ブログを読んでいただいたみなさんには感謝です。また、来年も引き続き、ご愛読ください。


saraiは今日も、ミューザ川崎のジルヴェスターコンサートを聴いてきたところです。若手音楽家の素晴らしい演奏に刺激を受けました。今年も最後まで音楽尽くしでした。

皆さま、よいお年を!!



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
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