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《ヨハネ受難曲》BWV 245(第二稿) 合唱・管弦楽はもちろん、独唱も最高、とりわけ、ハナ・ブラシコヴァの美声にうっとり 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2024.2.4

鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)が《ヨハネ受難曲》BWV 245(第二稿)に挑みます。
saraiとしては第4稿のほうを好みます。特に終曲のコラールは第4稿(第1稿)のほうが好きです。
とは言え、そのsaraiの好みを吹き飛ばすほど、素晴らしい演奏でした。とりわけ、第2部 30曲のアルトのアリア《成し遂げられた!Es ist vollbracht !》以降、終曲のコラールまでの高潮した独唱、合唱、管弦楽はBCJのひとつの到達点を思わせるような究極のものでした。


今日の演奏を振り返ってみましょう。

第9曲のソプラノのアリア、私も同じように喜んであなたについて行きます、私の救い主よIch folge dir gleichfalls, mein Heiland。
管きよみの素晴らしいフラウト・トラヴェルソのオブリガートに乗って、ソプラノのハナ・ブラシコヴァがあり得ないような美しい歌唱を聴かせてくれます。何という美声でしょう。このアリアがこんなに素晴らしいとはこれまで気がつきませんでした。

第30曲のアルトのアリア、成し遂げられた!Es ist vollbracht !
福澤宏のヴィオラ・ダ・ガンバの美しい響きとともに、アルトの久保法之が実に感動的な歌唱を聴かせてくれました。この名曲を美しい声で期待以上の歌唱です。中間部の激しい部分も美しく聴かせてくれます。そして、再び、最初の抒情的なパートを歌い始めます。うっとりと聴き入るのみです。

第32曲のアリアとコラール、尊い救い主よ、お尋ねしてよろしいでしょうかMein teurer Heiland,lass dich fragen。
既に絶命したイエスに対して、問いを発するものです。バスのクリスティアン・イムラーの歌唱は素晴らしく、そのバックで合唱隊が低い音量で歌うコラールの何とも美しいことに感銘を覚えます。特にソプラノパートの美しいこと! この音楽はバッハの天才的な筆の冴えを感じます。鈴木雅明の指揮も見事です。

第35曲のソプラノのアリア、わが心よ、涙となって融け流れよZerfließe, mein Herze, in Fluten der Zähren。
これも素晴らしい演奏です。BCJの達人たちの実力が発揮されます。管きよみのフラウト・トラヴェルソ、三宮正満のオーボエ・ダ・カッチャ、鈴木優人のオルガンなどの素晴らしいアンサンブルをバックにソプラノのハナ・ブラシコヴァが聖なる歌声を聴かせてくれます。とても人間の歌唱と思えません。まさに天使の歌声です。

第39曲の合唱、安らかに眠ってください、聖なる骸よRuht wohl, ihr heiligen Gebeine。
マタイ受難曲の終曲と類似した音楽がより劇的な合唱で聴けます。ここにきて、合唱隊は持てる力をすべて出し尽くして、圧倒的な歌声をホールに響き渡らせます。BCJの管弦楽も素晴らしいです。ヴァイオリン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエの妙技に聴き入ります。バッハの合唱曲の中でも最高の作品です。

第40曲のコラール、キリスト、汝、神の小羊Christe, du Lamm Gottes。
ここだけは第4稿のああ主よ、愛しい天使にお命じになりAch Herr, laß dein lieb Engelein のコラールが好きなのですが、そういうsaraiの好みを払拭するようなBCJの美しい合唱が感銘を与えてくれます。

BCJの合唱の素晴らしさが今日の演奏の肝でした。それにソプラノのハナ・ブラシコヴァの素晴らしい歌唱。エヴァンゲリストの吉田志門もなかなかの熱演でした。無論、鈴木雅明の指揮が素晴らしかったのは言うまでもありません。左手を痛めて、肩から吊っていたので、ほぼ、右手1本と体の動作による渾身の指揮でした。何故、左手を痛めたのか、今日のプログラムの巻頭言で詳しく語られています。パリの北駅で転倒したそうです。大事に至らなくて、よかったです。我が愛するピアニスト、クララ・ハスキルはブリュッセル南駅の階段で転倒して、頭を打ち、帰らぬ人になりました・・・。ヨーロッパの駅の構内は危ないですね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木雅明
  エヴァンゲリスト:吉田志門
  ソプラノ:ハナ・ブラシコヴァ
  アルト:久保法之
  バス:クリスティアン・イムラー、加耒 徹

  合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン
  管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン コンサートマスター:若松夏美
   ヴァイオリンⅡ:高田あずみ
   ヴィオラ:成田寛
   ヴィオラ・ダ・ガンバ:福澤宏
   チェロ:山本徹
   ヴィオローネ:今野京
   チェンバロ:大塚直哉
   オルガン:鈴木優人
   フラウト・トラヴェルソ:菅きよみ、前田りり子  
   オーボエ、オーボエ・ダモーレ、オーボエ・ダ・カッチャ:三宮正満、荒井豪


J. S. バッハ:
《ヨハネ受難曲》BWV 245(第二稿)
 第1部

 《休憩》
 
 第2部


最後に予習について、まとめておきます。

以下の演奏を聴きました。

 フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ管弦楽団・合唱団 2001年4月23~27日 セッション録音
  マーク・パドモア(福音史家)
  ミヒャエル・フォレ(イエス)
  シルビア・ルーベンス
  アンドレアス・ショル
  セバスティアン・ノアク
   Apple Music Classical、ロスレス

Apple Music ClassicalのWindows版で聴きました。現在、無料試行中です。多分、このまま、サブスク契約しそうです。大変に音質がよく、ライブラリも膨大です。難を言えば、曲の検索にこつがいりそうです。
《ヨハネ受難曲》BWV 245(第二稿)の素晴らしい録音です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
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