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オペラ・ブッファの楽しさが満載された《ドン・パスクワーレ》 ミケーレ・ペルトゥージが新国オペラに堂々の初登場@新国立劇場 2024.2.10

ドニゼッティのオペラはセリアもブッファもどれも聴いていて感動したり、楽しかったり、イタリアオペラの真髄を究めるものばかりです。そして、オペラ歌手がその実力を発揮できる美しいアリアや重唱が満載されています。そのドニゼッティのオペラの中で何故か、これまで縁がなかったのが今日の《ドン・パスクワーレ》。遂にこのオペラを鑑賞できました。これで主要なオペラで聴いていないのは『ルクレツィア・ボルジア』くらいになりました。これまで、『ランメルモールのルチア』、『アンナ・ボレーナ』、『愛の妙薬』、『連隊の娘』は素晴らしい歌手で聴くことができ、思い出深いものです。とりわけ、ネトレプコとガランチャが競演したウィーン国立歌劇場の『アンナ・ボレーナ』の素晴らしかったこと!
 ネトレプコ+ガランチャ《アンナ・ボレーナ》@ウィーン国立歌劇場 2011.4.11https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-486.html
 
そうそう、ドレスデンで聴いたグルヴェローヴァの絶好調の『ランメルモールのルチア』も忘れ難いものです。
 ゼンパーオーパーでグルヴェローヴァが迫真のルチアを熱唱・・・ただただ感動!https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4758.html

てなことを考えながら、今日のオペラを鑑賞しました。何とも楽しいオペラ。それに主要キャストの4人の歌手の好調な歌唱。オペラ好きにはたまらないですね。思わず、頬をゆるめ、ただただ、聴き入ります。オーソドックスな演出で舞台装置も美しく、場面転換が早くて、ストーリー展開がスムーズなのも興を深めます。終わってみれば、満足の笑みが胸いっぱいに広がりました。ドニゼッティらしい美しいメロディーが頭の中に刻み付けられます。アリアも重唱もオペラ・ブッファとは思えない素晴らしさでした。ミケーレ・ペルトゥージのさすがの歌唱と新進気鋭のソプラノ、ラヴィニア・ビーニの素晴らしい歌唱が最高でした。
無論、新国立劇場合唱団の合唱は今日も見事。東響は残念ながら、ドニゼッティの節回しに十分にフィットしていない感じ。こういうイタリアものはあまり経験していないですものね。しかしながら、2022年の新国での《愛の妙薬》では素晴らしい演奏だったので、指揮のレナート・バルサドンナとの息が合わなかったのかもしれません。

4人の歌手たちの印象を綴ってみましょう。
タイトルロールの【ドン・パスクワーレ】役のミケーレ・ペルトゥージは世界的に実績のある歌手。saraiは2014年のザルツブルグ精霊降臨音楽祭でのロッシーニ・ガラ・コンサートで聴いたのみです。このガラコンサートはロッシーニ歌いの著名歌手のみが出演するもので、ペルトゥージは《泥棒かささぎ》から代官のカヴァティーナ「用意はできた」Il mio piano e preparatoで素晴らしい喉を聴かせてくれました。今日は喜劇の主人公で硬直した考えの老人の役ですが、彼の声や演技からは格調の高さが垣間見える魅力的な人間像が創り上げられていました。難しい役どころを見事に歌いこなしたのはさすがの実力です。
そのドン・パスクワーレをこてんぱんにやりこめる【ノリーナ】役のラヴィニア・ビーニはスープレットのちょっと強めの声ですが、透明で美しい声を存分に駆使して、聴衆を魅惑してくれました。第1幕のカヴァティーナ《騎士はその眼差しに》でいきなり、聴衆の心をつかみます。以後、重唱で素晴らしい歌唱を聴かせてくれて、このオペラを実質、支配する活躍ぶりでした。今後が期待できる若手ソプラノです。フィガロのスザンナあたりを聴いてみたい気もします。
【マラテスタ】役の上江隼人は、まるでイタリア人歌手のような練れた歌唱を聴かせてくれました。第3幕のドン・パスクワーレとの2重唱《静かにいますぐに》は、世界のペルトゥージを相手に一歩も引かない素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。こんな素晴らしい日本人バリトンがいるんですね。
【エルネスト】役のフアン・フランシスコ・ガテルはとても好感の持てるテノール。誠実さがにじみ出るようなアリアは素晴らしい出来でした。

久々に聴いたドニゼッティと思いましたが、新国ではほぼ、毎シーズン、ドニゼッティ作品を演奏してるので、まあまあ聴いています。ドニゼッティのオペラはどれを聴いても、オペラ三昧にふけることができます。今日もとても満足です。


今日のキャストは以下です。

  ガエターノ・ドニゼッティ
   ドン・パスクワーレ
    全3幕

  【指 揮】レナート・バルサドンナ
  【演 出】ステファノ・ヴィツィオーリ
  【美 術】スザンナ・ロッシ・ヨスト
  【衣 裳】ロベルタ・グイディ・ディ・バーニョ
  【照 明】フランコ・マッリ
  【振 付】エドワルド・スミルノフ
  【合唱指揮】冨平恭平
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン
  
  【ドン・パスクワーレ】ミケーレ・ペルトゥージ
  【マラテスタ】上江隼人
  【エルネスト】フアン・フランシスコ・ガテル
  【ノリーナ】ラヴィニア・ビーニ
  

最後に予習について、まとめておきます。

 ドニゼッティ:歌劇《ドン・パスクワーレ》 全3幕
 
  2010年11月/アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク メトロポリタン歌劇場
  
  【ノリーナ】アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)
  【エルネスト】マシュー・ポレンザーニ(テノール)
  【マラテスタ】マリウシュ・クヴィエチェン(バリトン)
  【ドン・パスクワーレ】ジョン・デル・カルロ(バス・バリトン)
  メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
  ジェイムズ・レヴァイン(指揮)

  演出:オットー・シェンク
  
ネトレプコが突出して目立っています。健康面の問題をかかえながらも見事な指揮をしていたレヴァインが印象的です。全体によいプロダクションだと思います。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
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