fc2ブログ
 
  

金川真弓の明晰で伸びやかなバルトークに深く感銘 読売日本交響楽団@サントリーホール 2024.4.5

今日は読響の前常任指揮者だったフランス人指揮者シルヴァン・カンブルランの登場で、プログラム的にもいかにも彼らしいこだわりが感じられる期待のコンサートです。

まずはマルティヌーのリディツェへの追悼。戦争の傷跡を音楽化したものですが、タイトル通り、追悼の一語で表現されるような厳しい音楽をカンブルランが渾身の指揮で聴かせてくれます。最後は明るい希望も見えたような気がします。ウクライナ、ガザでの惨劇が日々、続く中、こういう作品はあまりに重過ぎますが、世界中の人間が目を背けることは許されませんね。それにしても、読響のアンサンブルは美し過ぎて、その音楽内容との齟齬を感じるほどです。

次は美しいドレスを着た金川真弓が登場。saraiが最も将来を嘱望する若手ヴァイオリニストです。さて、どんなバルトークを聴かせてくれるでしょうか。
おお、深い響きのヴァイオリンの音色でバルトークの音楽を表現していきます。この曲はくるくると曲想が変わり、強い表現から伸びやかな表現まで、自在にこなしていきます。凄い聴き応えです。完璧とは言いませんが、どこも文句のない演奏に強く惹かれます。
12音表現もある難曲の筈ですが、金川真弓は普通の曲のようにすらすらと弾いていくのが凄いと思っているうちに第1楽章が終わります。
第2楽章は何と表現すればいいのでしょうか。神秘的、瞑想的、哲学的。アンダンテの変奏曲が美しく奏でられます。
第3楽章は独奏ヴァイオリンとオーケストラが火の玉のようになって、駆け抜けていきます。
いやはや、金川真弓は彼女らしい伸びやかな響きを中心にエネルギーに満ちたバルトークの音楽を見事に弾いてくれました。とても素晴らしい演奏でした。


休憩後、メインのメシアンのキリストの昇天です。無論、初めて聴きます。この難解とも言える作品を若いメシアンが書いたとは彼の凄い才能を感じます。とりわけ、弦楽器だけで演奏される第4楽章の美しさは凄いです。読響の弦楽アンサンブルの威力を感じるしかありません。圧倒的な音楽表現にただただ圧倒されました。音楽が高潮した頂点で突然の終わり。衝撃的です。この音楽が分かったと言えば嘘になります。深い精神性の奥底に何があるのか、いつか理解できるでしょうか。凄いメシアンを聴かせてもらいました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:シルヴァン・カンブルラン
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:林悠介

  マルティヌー:リディツェへの追悼 H.296
  バルトーク : ヴァイオリン協奏曲第2番 BB 117

   《休憩》

  メシアン:キリストの昇天
  

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマルティヌーのリディツェへの追悼は以下の演奏を聴きました。

 イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1992年9月18-19日 ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム、プラハ、チェコ セッション録音
 
実に敬虔な演奏。聴き応えがあります。


2曲目のバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番は以下の演奏を聴きました。

 パトリツィア・コパチンスカヤ、ペーテル・エトヴェシュ指揮フランクフルト放送交響楽団 2012年7月 センデザール、ヘッシッシャー・ランドファンク(HR)、フランクフルト、ドイツ セッション録音

コパチンスカヤの何とも美しい演奏。バルトークがこれでいいのかは分からないが、素晴らしい演奏です。


3曲目のメシアンのキリストの昇天は以下の演奏を聴きました。

 チョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団 1991年10月 パリ、バスティーユ歌劇場 セッション録音

思いがけず、素晴らしい演奏。当時、チョン・ミュンフンはパリのバスティーユ・オペラ座の音楽監督でした。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,
人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR