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ナポリは天国と地獄:トラブルに打ちのめされ、それでもラスト・カラヴァッジョと対面

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/2回目

ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaでは幸運にもカラヴァッジョを見ることができましたが、もう次の予約の時間が迫っています。急いで行かなければいけませんが、すぐ近くにミラノ大聖堂(ドゥオーモDuomo)を発見。やはりお参りしていかなければいけないでしょう。ナポリには似つかわしくないほど綺麗!最近手を入れたのでしょうか。


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中に入ると、やはり大聖堂は立派です。この大聖堂はナポリの守護聖人の聖ジェンナーロを祭っています。


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と、そこに今見てきたカラヴァッジョの絵が・・・あれ? 飾り方も変ですし、レプリカなのでしょうね。本物よりも大きくて、かえって見やすい感じですけど。


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さて、次のパラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館に急ぎましょう。大聖堂を出て、ドゥオーモ通りVia Duomoを歩きます。


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この通りには、ウェディングドレス屋さんが何軒もズラリと並んでいます。大聖堂で結婚式をあげる人が多いのでしょうか。


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さらに変わったお店を発見。キリスト教の用品店のようです。日本で言えば、仏具店みたいなものでしょう。


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この通りをまっすぐ歩いて、ウンベルト1世大通りCorso Umberto Iに出ます。そこでようやくバス停を発見。


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R2番のバスに乗って移動します。やはりバスは混んでいます。そろそろ降りるバス停に近づくころ、乗り込んできた検札の人に声を掛けられます。もちろんしっかりチケットは持っているのでハイハイとそれを出すと、これではダメだからペナルティを払えとのこと。何故なのか分かりません。ちゃんと24時間有効のチケットを買ってあるのにね。どうも時間が過ぎているとのこと。saraiは1日券は24時間有効と思っているのですが、1日券はその日1日のみ有効だから昨日購入したsaraiのチケットは無効だと言うのです。近くにいた英語がよく分かる女性が間に入ってくれますが、これではダメだわねとのこと。そのうちに周りの人が、この人たちはそろそろ降りるバス停だろとのアドバイス。皆さん親切というかなんというか・・・そうです、降りるバス停なんです。ということで、検札の人も一緒に降りてきて、違反切符を切られてしまいました。こういうチケットトラブルだけは嫌だと思い、saraiは今までどれだけ苦労してきたことか。知らなったこととはいえ不正してたことは確かなことですが・・・。たっぷり罰金を払わされました! ちなみにローマでは、チケットは24時間チケット。ナポリはシステムが異なるようです。


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ショックで立ち上がれないsaraiですが、ナポリ最後の目的地には行かねばと気持ちを奮い立たせます。バス停のムニーチピオ広場Piazza Municipioから歩いてすぐのトレド通りVia Toledoに出ます。


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パラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館Galleria di Palazzo Zevallos Stiglianoはこのトレド通りのこの辺りにある筈ですが、これがまた見つからない。同じような所をウロウロ歩き回ってようやく発見。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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分からないはずです。ここはどういう建物なのでしょう。1階は、元銀行のような空家。その1階に受付の女性がいるので聞いてみると、美術館は3階まで上がりなさいとのことです。美術館のあるはずの3階のフロアに上がると、そこは1階からの吹き抜けになっていました。


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確かに、この階に美術館はあります。とりあえず、予約票を見せてチケットを購入します。ようやく、ナポリ3枚目のカラヴァッジョ鑑賞となります。


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この美術館には、カラヴァッジョが1点だけ飾ってあります。
《聖ウルスラの殉教》です。


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これは、描かれた年月が分かっている絵の中ではカラヴァッジョ最後の作品。ここの説明にもラスト・カラヴァッジョとあります。この絵も大作で、聖ウルスラが間近で対峙していたフン族の王アッティラに弓矢で射とめられた瞬間を切り取っています。まさに聖ウルスラの殉教の瞬間です。彼女は死を迎えていますが、平静で高貴さを保っています。対するアッティラは凶暴で野蛮。こういう高貴さと凶暴さの対比、静と動の対比がカラヴァッジョのメインテーマであったことがこの旅でよく分かってきました。そして、行き着いた先がこの絵だったんです。カラヴァッジョ自身、自分の中にこの2つの要素をあわせ持っていました。時に乱暴になり殺人を犯し、長い逃亡生活の末にこの絵を残し生涯を終えました。彼は絵を描くときはきっと高貴な精神だったと思います。作品のなかには、静謐さと高貴さへの憧れに近い気持ちが込められています。現実の生活では、それとはほど遠い行為に及んでいます。この彼の葛藤のなかで、素晴らしい作品群が作り出されました。この最後の作品では、聖ウルスラは平静ですがその目は深い闇を見ています。カラヴァッジョ自身も、この聖ウルスラの死と重ね合わせるように迫りくる人生の終焉を予感しているようです。絵画技術を超えて、自分の生涯を総括する生々しい精神の吐露がこの作品の本質でしょう。そういうことを感じつつ、2人でこの絵にずっとずっと見入っていました。時折来訪者はありましたが、この絵の展示室で、永遠に思える時をカラヴァッジョとsarai・配偶者の3人で共有できたのは生涯忘れられない体験になりそうです。

カラヴァッジョ巡礼はこれで計23枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

トラブルの果てに素晴らしいラスト・カラヴァッジョ・・・。
なかなか元気を取り戻せないsaraiです。この後、さらにトラブルの追い打ちが待っていることは知る由もありません。


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