ウィーンで音楽三昧:レオポルド美術館、次は本命シーレ三昧、そして、ココシュカも
レオポルド美術館Leopold Museumでクリムトの次はいよいよ本命のシーレの作品を見ましょう。レオポルド博士が生涯をかけて収集したシーレの名作が綺羅星のごとく並んでいます。もちろん、1週間ほど前に行ったチェスキー・クルムロフČeský Krumlovを描いた作品もあります。配偶者はこんなにシーレがたくさんあるのだから、2,3枚チェスキー・クルムロフの街にあげればいいのにねって呑気なこと言ってますが、一体どれだけの価格の絵なのか分かっているんでしょうか。
「装飾的背景に置かれた様式的化された花」です。シーレ18歳の初期の作品です。

「こけらぶきの家」です。シーレ25歳の後期の作品です。

「母と子」です。22歳の作品です。

「弓形の家々」です。25歳の作品で、チェスキー・クルムロフを描いたものです。

「ヴルタヴァ川に面したクルマウ(チェスキー・クルムロフ)」です。23~4歳頃の作品です。クルマウ(Krumau)というのはチェスキー・クルムロフČeský Krumlov (チェコ語)のドイツ語での表記です。

「うずくまる2人の女」です。28歳、最晩年の作品です。モデルは愛妻のエディットですね。最晩年の作品はどれをとっても傑作揃いです。

「3人の裸の女」です。晩年の作品と思われます。この作品もモデル(中央)は妻のエディットですね。

「小さな町」です。22~3歳頃の作品です。この作品もチェスキー・クルムロフを描いたものですね。

「クロイツベルクから見たドナウ川沿いのスタイン(大)」です。23歳頃の作品です。同一題材で何枚かの作品があります。余程、シーレが気に入った風景だったのでしょう。

「愛しあう二人」です。最晩年、28歳の作品です。この作品はシーレ自身と妻のエディットを描いたものですね。こんな幸せそうな二人に突然の死が迫っており、とても悲しい気持ちにさせられる作品です。ベルヴェデーレ宮殿にある最高傑作「家族」と共通するものがあります。

この4階に展示されているシーレの主要な作品は以上です。残りは地下1階の特別展に展示されています。
4階のほかの作家の作品も見ておきましょう。
ゲルストルの「半裸の自画像」です。

ココシュカのポスター「自画像」です。破壊的な作品ですね。

ココシュカの「トレクロッチ峠-ドロミテの風景」です。イタリアのアルプスに当時の恋人アルマ・マーラーと旅したときの作品です。この翌年には彼らは破局を迎え、感動的な傑作「風の花嫁」が生まれます。saraiもわざわざ、その作品を求めて、スイスのバーゼルまで旅をしました。そのときの感動の記事もアップ予定です。

傑作「風の花嫁」のベースとなった作品がここにあったことは知りませんでした。実に迂闊です。この明るい風景が一転して、愛の破局から嵐になり、「風の花嫁」に変容したんですね。感慨深い作品です。アルマ・マーラーという女性は芸術家たちに創造の力を与えた希有な人だったんですね。作曲家マーラーも妻アルマへの愛によって、美しい作品(交響曲第5番とか)も生み出し、そして、アルマとの愛の喪失へのおそれから、晩年の名作群を生み出しました(saraiの妄想もはいっている・・・)。
4階の展示も堪能し、ほとんどの絵も写真に収めて満足し、saraiはいきなり地下1階の展示に行こうとすると配偶者から待ったがかかります。折角だから、この美術館も全部ざっとでいいから周ろうという提案。分かりました、3階から順に見て回ります。
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