sarai流パリ散策:ギュスターブ・モロー美術館
凱旋門Étoileを楽しんだ後は、ギュスターブ・モロー美術館Musée Gustave Moreauに行くことにします。
この美術館は泊まっているホテルに近いので、美術館訪問の後で預けていた荷物を受取りに行けるので、とても効率的です。
メトロを乗り継いで行こうとしますが、saraiがメトロの路線を間違って乗ったため、大回りすることになります。けれども、メトロは全線共通運賃だし、怪我の功名でパリの街を電車から観光できます(結構、負け惜しみ・・・)。というのも、メトロとはいえ、エッフェル塔Tour EiffelからモンパルナスMontparnasseの近くまでは高架を走るメトロだからです。間近にエッフェル塔を見ることができるのは、嬉しい誤算です。
大回りの挙句、やっと最寄りのサン・ジョルジョ駅Saint-Georgesに到着。モンパルナス=ビヤンヴニュ駅Montparnasse - Bienvenüeで6号線から12号線に乗り換えて、リカバリーできました。
本来、乗るべきだったルートと実際に乗った大回りのルートを地図で確認しておきましょう。

メトロの駅から地上に出ると、サン・ジョルジョ広場Place Saint Georgesです。

ここから、ギュスターブ・モロー美術館に向かいます。
ギュスターブ・モロー美術館は、モローの自宅がそのままの形で美術館になったもので、高級アパートメントが立ち並ぶ一角にあります。あまりにも周りの風景に溶け込んでいるので、思わずその前を通り過ぎてしまいます。行き過ぎたことに気付き戻ってみると、ちゃんとフランス国旗が出ています。

ドアを開けて入ると受付です。今日はカルト・ミュゼがあるので、入場無料です。
2階は居住部分で見学もできるらしいのですが、部屋には鍵がかかっていて入れません。仕方なく、そのまま3階に上がります。上がったとたん茫然としてしまいました。かなり広い空間なのですが、すべての壁がモローの作品で埋め尽くされています。しかも大作ばかりです。特徴的なモローの作品ばかりです。

一目でモローの作品と思われるものばかりなのですが、よく見ると、ほとんどが未完成です。でも十分鑑賞に値する出来栄えです。
これは『レダの白鳥』ですね。

何故こんなに未完成の作品ばかり残したのでしょう。オルセー美術館で見た『オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘』や、昨秋大原美術館で見た『雅歌』はすごく小さな作品でしたが、それは素晴らしいものでした。モローの緻密な画風ではこんな大作は仕上げられないというか、全体の構想がほぼ出来上がればそれでもいいのかもしれませんね。でも、完成品を見てみたいものですね。未完成でもこんなに見応えがあるんですから、完成していれば、さぞや素晴らしいでしょう。
次の階に上る内階段があり、上りながらこの3階の展示室を一望できますが、作品の量に圧倒されます。

次の4階も同様にモローの世界が広がります。この階の作品も未完成とはいえ、素晴らしい作品が惜しげもなく、並べられています。
この作品も女性はほとんど完成しています。好きな作品です。
この絵は『妖精とグリフィン』です。

次の作品は『プロメテウス』を描いた作品のようですが、ほぼ完成作ですね。素晴らしい出来です。

次の作品は超大作です。これは数少ない完成作のようです。象徴主義の究極を極めたともいえるでしょう。この絵は『ユピテル(ジュピター)とセメレ』です。

次の絵は先ほどの絵の中心部分と構図がそっくりです。こうやって、試作を膨大に重ねていったのでしょう。その画家のエネルギーたるや、恐るべしです。
この絵ももちろん『ユピテル(ジュピター)とセメレ』です。

芸術家は如何に芸術のため一筋に身を捧げ尽くすものかとしみじみ感じながら、時を過ごします。そろそろおいとましようと階段を降りていくと、なんと2階のモローの居住部分がオープンしています。何とも贅沢な生活ぶりを思い起こさせられる空間です。
ここは書斎ですね。

ここは寝室。

調度品の質が違います。お金持ちだったんですね。とはいえ、自分の絵はほとんど売らなかったそうですから、父親から引き継いだ遺産がすべてだったんでしょう。
窓からは隣の庭の美しい緑が見えます。このあたりは高級住宅地であることが分かります。

またまた滞在時間が長くなりました。本当にもう帰ります。その前にレセプションの前にあるミュージアムグッズをちょっとながめてからね・・・。
この後はホテルで荷物をピックアップして、リヨン駅に向かいます。
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この記事へのコメント
ギュスターブモローは好きな作家です。
モロー美術棺の美しい写真をありがとうがございました。次回のヨーロッパ旅行の節には必ず入ってみたいと思います。
又色々と情報を掲載してください。
今、京都にフェルメールの3点が来ています。
フェルメールの作品を多く展示してある美術館の情報なども、教えていただければ幸いです。敬具
2, saraiさん 2011/08/01 22:15
久禮さん、初コメントありがとうございます。
こういうコメントをいただくとブログを書く励みになります。
モロー、いいですよね。是非、モロー美術館においでください。
フェルメールですが、この旅ではルーブルで2点、ミュンヘンでの特別展で1点見ました。ミュンヘンは今後ブログで紹介予定です。
ヨーロッパで多く展示しているのはご存じでしょうが、アムステルダム国立美術館です。私も訪問しましたが、生憎、閉館中で見られませんでした。ただ、「牛乳を注ぐ女」など、日本で公開された際に見ているので、今後行くかどうかは未定です。現在、フェルメール30数点のうち、3分の2くらいは見ました。今後は少しずつ見ていこうかと思っています。
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