エクス・アン・プロヴァンスはセザンヌの街:サント・ヴィクトワール山と対峙
道を進むと、前方に深い青色の湖が見えます。同時に、間近にサント・ヴィクトワール山Montagne Sainte-Victoireの威容が飛び込んできます。なるほど、これは美しい!
実は青い湖に見えたのはダム湖(ビモン湖Lac de Bimont)で、目の前にはダムがあり、その向こうにサント・ヴィクトワール山の姿が見えます。

この場所:Barrage de Bimontというのは、フランス語の分からない悲しさ・・・ビモンのダムということだったんです。Barrageとはダムのことなんですね。ひとつ、フランス語の語彙が増えました。
絶景を眺めるにはこのダムは邪魔ですね。ダムを避けて進んでいきます。後ろを振り向くと、今まで進んできた道が見えます。ダムの渓谷の上を歩いてきたようです。

左前方の草原で寛いでいる人たちが見えました。どうやらダム公園があるようです。そちらに行ってみましょう。

ダムの説明板が立っています。これもフランス語でほとんど解読できず。

ダム湖のほとりに出ます。ここからは、ダムが邪魔をせずに、ダム湖とサント・ヴィクトワール山の姿だけが見えます。ため息の出るほど、青空に映えるサント・ヴィクトワール山が美しく聳えています。

セザンヌが描いたサント・ヴィクトワール山の絵は、ある意味こんなに綺麗ではありません。彼は山の美しさとはもっと別の側面、重量感とか肌合いとかを描きたかったのかもしれないと勝手に想像してしまいます。
サント・ヴィクトワール山をズームアップして見てみましょう。

このビモンのダムはサント・ヴィクトワール山の登山口にもなっていて、なだらかに見える稜線をたどって、2時間半ほどで登れるそうです。山頂からは地中海やアルプスも望めるそうで、体力と時間の余裕があれば登りたかったですね。
なお、山頂には《プロヴァンスの十字架》と呼ばれている大きな十字架が見えていますが、ここからはちっぽけに見えます。これも無理にズームアップして見てみましょう。

ズームアップしたサント・ヴィクトワール山は、セザンヌの描いたものに少し感じが似てきます。ただ、エクス・アン・プロヴァンスの街からのサント・ヴィクトワール山は、もっと遠くに見えるので印象が異なることも事実です。セザンヌは、自分の街からの山の姿を大事にしていたのかもしれません。方向的にも、もう少し右側のほうから見たサント・ヴィクトワール山を描いています。もっとも、油絵だけでも44枚も描いているので、色んなポイントで描いていますけどね。負け惜しみで言うと、セザンヌにとって、サント・ヴィクトワール山は単なる物体ではなくて、精神的な存在でもあったのでしょう。その精神的な象徴としてのサント・ヴィクトワール山の雰囲気は、いくばくか感じ取れたように思います。
うろうろしながら、絶景ポイントを探してみます。saraiの絶景ポイントはここです。どうでしょう?

箱根の芦ノ湖のようでもありますが、湖の青とプロヴァンスの空の青が違いますね。
ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。

サント・ヴィクトワール山を十分に堪能したので、saraiの勝手な思いでは、この街に来た目的は達成です。
タクシーの運転手さんも待っているので、急いで駐車場に戻ります。
運転手さんには「とても美しかったよ!」と言うと、彼もにっこりします。
帰り道、運転手さんが途中ですーっと車を停めるので、何だろうと思っていたら、木々の間からサント・ヴィクトワール山の姿が見えています。メルシー! わざわざ日本からサント・ヴィクトワール山を見に来た酔狂な観光客の気持ちを汲んでくれたようです。

これでサント・ヴィクトワール山は見納めのつもりでした。
それでは、街の目抜き通りのミラボー通りCours Mirabeauに戻って、お茶でもしながら、エクス・アン・プロヴァンスAix-en-Provenceの街の雰囲気を楽しみましょう。タクシーの運転手さんからは、お茶の後にピックアップしてマルセイユMarseilleまで乗せていこうか、というご親切な?申し出がありますが、丁重にお断りします。ここまでのタクシー代だけだって、予算外なんです!
どうせお茶をするのなら、街1番の有名店でいただきましょう。セザンヌを始め、ピカソやサルトルが出入りしたという老舗のカフェのル・ドゥー・ギャルソンズLes Deux Garçonsです。
カフェの場所を地図で確認しておきましょう。

内部はクラシックですが、鏡が張りめぐらせてあり凝った内装です。

また、何といっても、このカフェには名画がかかっています。多分、複製でしょうが・・・
まず、ピカソ。

もちろん、セザンヌのサント・ヴィクトワール山。

ここでいただいたのは、配偶者はフルーツタルトと紅茶。

saraiはフルーツパフェ。凄い分量でした。

プロヴァンス産の季節のフルーツだとのことです。
この老舗カフェでゆったりした時間を楽しみます。
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