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パーフェクトなラヴェル、アンリ・バルダ・ピアノ・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 2015.9.27

昨日までは歌姫の歌声に酔いしれました。一昨日はフォン・オッター、昨日はエルトマン。
今日からはピアノの響きを楽しみます。今日はアンリ・バルダ。明日からはマレイ・ペライア(ハイティンク指揮ロンドン交響楽団と3回)、ピーター・ゼルキン(都響と)といずれも名人揃いです。

アンリ・バルダは3年前に初めて、その演奏に接し、驚愕した思い出があります。それまでは名前すら知らないピアニストでした。そのときの記事はここです。

生まれて初めて、ラヴェルのピアノ曲が心から楽しめた演奏だったんです。で、今日のラヴェルですが、まさにそのときと同じく、パーフェクトな演奏で《夜のガスパール》が楽しめました。彼らしく、強靭なエネルギーに満ちた演奏で、猛烈に早いパッセージでもミスらしいミスはない驚異的な演奏です。もうこれは神業としか思えません。これだけの演奏ができるピアニストは世界にも何人もいません。ホロヴィッツ、リヒテルにも匹敵します。あっ、彼らはもうこの世にはいませんね。ともあれ、凄まじい演奏に3年の時の経過を忘れてしまいました。

ところで、このラヴェルは休憩後の演奏。休憩前はブラームスの名曲3曲だったんです。今、saraiが一番はまっているブラームスです。特に最初に演奏された《3つの間奏曲 Op.117》は当初、プログラムになく、当日サプライズで追加された演目。ひそかにsaraiが演奏を望んでいたものでした(他の会場ではプログラムにありました)。期待するなというほうが無理な話。バルダのブラームスは初聴きですが、きっとこの名人ならば、凄い演奏を聴かせてくれると思っていました。この予想は半ば当たり、半ば外れました。聴いたことのないようなブラームスでした。物凄いエネルギーに満ちたブラームスだったんです。まあ、初期、中期のブラームスならば、これもよかったかもしれません。しかし、Op.117は晩年のブラームス。壮年期の創作力はなくなったものの短いピアノの小品に人生の黄昏を迎えたブラームスの心情を込めた名作のうちのひとつ。saraiの愛して止まぬOp.116からOp.119までの4作品の中でも大好きな作品です。これは枯れたロマンティックな演奏で泣かせてほしかったんです。人生の頂点にあるかのようなパワフルな演奏は何としても避けてほしかったんです。次に演奏した《2つのラプソディ Op.79》はこれでもよかったんですが、これもやり過ぎの感。まあ、その次の《6つの小品 Op.118》の第2曲以降はかなり抑えた表現で気持ちよく聴けましたが、最初からブラームスは抑えて弾いてほしかったというのが本音です。バルダは本当に実力のあるピアニスト。どうとでも聴きこなせる人ですが、ここはブラームスに合わせた演奏が欲しかったところ。残念です。

ショパンはこれまたエネルギーに満ちた演奏ですが、繊細な味も感じられて、よかったのではないでしょうか。いわゆるショパンらしさとはかけ離れていますが、これがバルダのショパンでしょう。ワルツもマズルカも区別のないような演奏ではありますが、見事な演奏ではあります。それが一番に感じられたのが、アンコールの最後に弾いた《夜想曲 第15番》。ホロヴィッツの名演奏を彷彿とさせるような強靭でパーフェクトな素晴らしい演奏でした。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:アンリ・バルダ

  ブラームス:3つの間奏曲(3 Intermezzi) Op.117
         2つのラプソディ(2 Rhapsodien) Op.79
         6つの小品(6 Stücke) Op.118

   《休憩》

  ラヴェル:夜のガスパール
  ショパン:即興曲 第1番 Op.29
        ワルツ 第12番 Op.70-2
        マズルカ 第34番 Op.56-2 / 第38番 Op.59-3
              第26番 Op.41-1 / 第40番 Op.63-2
              第41番 Op.63-3
        ワルツ 第8番 Op.64-3 / 第5番 Op.42

   《アンコール》

  ショパン:夜想曲 第16番 Op.55-2 / 第15番 Op.55-1


トータルには期待通りの演奏だったと言えます。満足のリサイタルでした。

なお、このコンサートシリーズを主催している横浜楽友会にホームページができたとのことです。アドレスはここです。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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