fc2ブログ
 
  

抑制と熟成、そして精妙さ・・・ハーゲン・カルテットのモーツァルト・ツィクルス③@トッパンホール 2015.10.3

怒涛の10日間連続の音楽三昧は後半3日間のハーゲン・カルテットのモーツァルト・ツィクルスを聴いているところです。

今日はモーツァルト・ツィクルスの2回目(本当は3回目、初回を聴いていません)でプロシア王・セットの3曲です。

プロシア王・セットの3曲はハイドン・セットに比べると、地味な印象の曲ですが、ハーゲン・カルテットは抑制した表現で滋味深い演奏を聴かせてくれました。ハーゲン・カルテットも今や熟成のときを迎えつつあると感じます。それにしても、昨日聴いたハイドン・セット、とりわけ、《不協和音》はモーツァルトが天からの啓示を受けて作曲した傑作ですが、それをハーゲン・カルテットは完成度の高い天国的な演奏で味わわせてくれました。対して、今日は風合いの異なるプロシア王・セットをその延長線上の演奏でありながらも品格の高い演奏で晩年のモーツァルトの人間的な温かみを感じさせてくれました。天才モーツァルトも創作力に陰りがあることを思わせるプロシア王・セットですが、そこには人間モーツァルトの熟成も感じられます。そのあたりをハーゲン・カルテットは抑制された表現で見事に演奏してくれたと思います。演奏の精妙さは熟成の極に達しつつあります。

特に素晴らしかったのは後半で弾かれた《プロシア王第3番》です。第2楽章の主題が変奏曲風に様々に表現されていく、密度の高い演奏には耳をそばだてるだけです。そこにはモーツァルトの音楽を愉悦する特別のものがありました。モーツァルトの最後の弦楽四重奏曲をしっかりと受け止めることができました。

予習したCDは以下です。

  ハーゲン・カルテット(モーツァルト弦楽四重奏曲全集)
  バリリ四重奏団(弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K.575《プロシア王第1番》及び弦楽四重奏曲第22番 変ロ長調 K.589《プロシア王第2番》)

なかなか聴くべきCDがありません。エマーソン四重奏団も録音してほしいですね。バリリ四重奏団も最高の演奏というわけではありません。そういうなかでハーゲン・カルテットのCDは貴重です。ですが、今日の演奏を聴くと、そろそろ、プロシア王・セットだけでも再録音してほしいとも思いました。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:ハーゲン・カルテット


  モーツァルト プロシア王 セット

  弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K.575《プロシア王第1番》
  弦楽四重奏曲第22番 変ロ長調 K.589《プロシア王第2番》

   《休憩》

  弦楽四重奏曲第23番 ヘ長調 K.590《プロシア王第3番》

   《アンコール》

   弦楽四重奏曲第20番 ニ長調 K499《ホフマイスター》第2楽章 メヌエット アレグレット


明日もハーゲン・カルテットのモーツァルト・ツィクルスは続きます。クラリネット五重奏曲つながりでブラームスも聴けます。楽しみは尽きません。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハーゲン・カルテット,

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR