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ブダペストの2日間:ブダペスト西洋美術館~スペイン絵画コレクション

2013年5月31日金曜日@ブダペスト/7回目

ブダペスト西洋美術館Szépművészeti Múzeum(ブダペスト国立美術館)の充実したコレクションの紹介を続けます。
エル・グレコ以外にもスペイン絵画コレクションは充実しています。

これはベラスケスの《食事をする農夫たち》です。1618年頃、ベラスケス19歳のときの作品です。カラヴァッジョの影響を受けたのか、光と陰の明暗表現が印象的です。


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これはフアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソの《緑のドレスのマルガリータ王女の肖像》です。作成年不詳の作品です。この作品はてっきりベラスケスの有名なマルガリータ王女のシリーズと思いましたが、考えてみれば、ウィーンの美術史美術館とマドリッドのプラド美術館にしか、ベラスケスのマルガリータ王女の作品はある筈がありません。よく見ると、知らない画家の作品です。でも、それにしてもベラスケスの作品そっくりでよく描けています。後で調べてみたら、この画家デル・マーソはベラスケスの長女フランシスカと1633年に結婚した人でした。結婚したときには娘のフランシスカは14歳だったというのですから、ベラスケスがよほど見込んだ娘婿だったんでしょう。この作品はベラスケスの《青いドレスのマルガリータ王女の肖像》(1659年)の模写です。《青いドレスのマルガリータ王女の肖像》はウィーン美術史美術館に所蔵されています。このデル・マーソの《緑のドレスのマルガリータ王女の肖像》もウィーンにあったようですが、同じハプスブルグ家の都だったブダペストに移されたようです。同じような作品をウィーンに2枚置いておく必要がなかったのでしょう。なお、ベラスケスの絶筆になった《赤いドレスのマルガリータ王女の肖像》は《青いドレスのマルガリータ王女の肖像》の描かれた翌年1660年に描かれますが、弟子にして娘婿のデル・マーソが最後に筆を加えて完成させたそうです。これはプラド美術館に所蔵されているので、5月に訪問予定のプラド美術館でよく鑑賞させてもらいましょう。また、マルガリータは1666年、14歳でウィーンの神聖ローマ皇帝レオポルド1世に嫁ぎますがそれに先立って、喪服姿で肖像画を描かれています。喪服姿なのはその前年1665年に父親のフェリペ4世が亡くなったためです。この肖像画を描いたのは、時既にベラスケスは亡くなっているので、その後を継いだ形のデル・マーソです。これはデル・マーソのオリジナルですが、ベラスケスそっくりの描き方です。ベラスケス様式とでも言えるのかもしれません。この作品もプラド美術館に所蔵されています。長くなりましたが、これがデル・マーソの《緑のドレスのマルガリータ王女の肖像》です。


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なお、この《緑のドレスのマルガリータ王女の肖像》の元になった《青いドレスのマルガリータ王女の肖像》も参考のためにご紹介します。ウィーン美術史美術館に所蔵されています。こちらは正真正銘のベラスケスの作品です。ウィーンにある3枚のマルガリータ王女のシリーズの最後を飾る傑作です。


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これはムリーリョの《エジプトへの逃避行》です。1668年から1670年頃の作品です。エステルハージイ・コレクションより所蔵替えになったものです。幼児キリストを慈しむマリアの優しさが滲み出るような美しい作品です。


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これはムリーリョの《巡礼者にパンを配る幼児キリスト》です。1678年頃の作品です。これもエステルハージイ・コレクションより所蔵替えになったものです。ムリーリョ晩年の作品で幼児とは言え、キリストのきりっとした荘厳さが表現されています。


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これはムリーリョの《幼き洗礼者聖ヨハネのいる聖家族》です。1668年から1670年頃の作品です。これもエステルハージイ・コレクションより所蔵替えになったものです。この作品は引き締まった画面構成とマリアの美しさが際立った作品です。ムリーリョの描くマリアはいずれも美しいですね。


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これはスルバランの描いた《聖アンデレ》です。1635年から1640年頃の作品です。12使徒の一人、聖アンデレは茶色の衣をまとっています。エル・グレコには及ばないものの、精神性の高い表現が素晴らしいと思います。エル・グレコの強い影響が感じられます。


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これはスルバランの《無原罪の御宿り》です。1661年頃の作品です。スルバランはベラスケスと同時代を生きたセビーリャ派のスペイン・バロックを代表する画家の一人ですが、この作品はその事実を認識させられる素晴らしいものです。白い衣で空中を浮遊するマリアの清らかさは作品のテーマを見事に表現しています。一度見たら忘れられない印象的な作品です。


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これはスルバランの《聖家族》です。1659年頃の作品です。敬虔さに基づいていますが、同時に普通の家族の親密さも感じさせる作品になっています。


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これはゴヤの《ベルムーデス夫人の肖像》です。1790年頃の作品です。モデルは著名な美術批評家ベルムーデスの夫人です。黒の背景色と対照的に華やかなドレスを見事に描き切っています。もっとも、この派手な色彩感覚はsaraiの趣味とは程遠いものです。


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これはゴヤの《ホセ・アントニオの肖像、マルケスカバレロ》です。1807年頃の作品です。肖像画家としてのゴヤの実力を遺憾なく示した作品。ただ、あまり、面白味には欠けるかな。


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これはゴヤの《みがき屋》です。1808年から1810年頃の作品です。一心にナイフを磨く職人の姿が描かれています。市井の名もなき人の姿を描く画家の眼は曇りがありません。


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これでスペイン絵画コレクションは完了。エル・グレコを中心とした素晴らしいコレクションに感嘆しました。次からはお気に入りの画家の作品にスポットをあてて、ご紹介していきます。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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