ブダペストの2日間:ブダペスト西洋美術館~クラナッハ
ブダペスト西洋美術館Szépművészeti Múzeum(ブダペスト国立美術館)の充実したコレクションの紹介の続きです。
今回はクラナッハの作品ほかを見ていきます。
これはクラナッハの《キリストと姦淫の女》です。1532年頃、クラナッハ60歳のときの作品です。
絵のテーマは以下の通りです。
律法学者たちやファリサイ派の人々が、
姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、イエスに言った。
「この女は姦通をしているときに捕まりました。
こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。
ところであなたはどうお考えになりますか。」
イエスは言われた。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
これを聞いた者は年長者から始まって、一人また一人と立ち去ってしまいました。
ヨハネ福音書より

同じテーマの作品は多く、saraiもミュンヘンのアルテ・ピナコテークで見ています。そのときの記事はここです。
これはクラナッハの《洗礼者ヨハネの首を持つサロメ》です。1530年頃、クラナッハ58歳のときの作品です。同じような構図の作品としては《ユディット》がありますね。衝撃的な絵画ですが、何故か、惹きつけられる魅力があります。とても好きな作品です。サロメの物語は後にオスカー・ワイルドが書き、R・シュトラウスが傑作のオペラを完成させました。

これはクラナッハの《幼子に授乳する聖母》です。1512-16年頃、クラナッハ40-44歳のときの作品です。クラナッハの聖母子像も多いですが、この作品は聖母マリアの表情が沈んでいます。キリストの受難を予感しているのでしょうか。クラナッハにはマリアを美しく描いてほしいですね。

これはメムリンクの《十字架磔刑》です。1491年以降の作品です。キリストの磔刑を中央に描いた最後の大祭壇画。メムリンクはドイツ生まれでベルギーのブルージュで活躍した画家です。来年あたり、ブルージュを訪れ、メムリンクの作品群を鑑賞することを現在、目論んでいます。

これはヴェロネーゼの《十字架のキリスト》です。制作年不詳です。エステルハージイ・コレクションから移された作品です。ヴェロネーゼはヴェネツィア派の画家で、迫力のある大作を描いています。

ブダペスト西洋美術館(ブダペスト国立美術館)のコレクションの紹介はさらに続きます。
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