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心温まるドヴォルザーク、クーベリック・トリオ・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 2015.10.25

ほのぼのとしたコンサートでした。インティメットな室内楽の響きでどこまでも力みのない平常心の演奏。こういう演奏もたまにはいいものです。それもドヴォルザークの音楽ですから尚更です。
今回のコンサートに向けての予習でドヴォルザークのピアノ三重奏曲第1番を初めて聴きましたが、リラックスして聴ける美しい曲です。その前に聴いたベートーヴェンのピアノ三重奏曲とはあまりに音色が異なることに驚かされます。ベートーヴェンはひたすら精神性を追求する古典楽曲ですが、ドヴォルザークはボヘミアの民俗的な心を素直に表現した親しみやすさに満ちた音楽です。同じジャンルの音楽とは信じられないくらいです。聴く者としても音楽への向き合い方が違ってきます。ドヴォルザークの場合は心をおおらかにして、その音楽の美しさをただただ受容すれば、それでよさそうです。

予習したドヴォルザークのピアノ三重奏曲第1番は次の2つ。

 グァルネリ・トリオ
 スメタナ・トリオ

いずれもチェコのピアノ・トリオですが、特にグァルネリ・トリオの歌いくちの美しさには魅了されました。スメタナ・トリオの清新な演奏もなかなかのものです。

今日の演奏は同じくチェコのピアノ・トリオですから、同傾向の響きを感じます。特に第2楽章の懐かしい響きで心が休まります。まさにボヘミアの響きですね。ヴァイオリンの石川静の美しい響きも見事です。このドヴォルザークのピアノ三重奏曲第1番は後半のプログラムでしたが、これなら、前半のベートーヴェンもチェコもののドヴォルザークか、マルチヌーでも聴きたかったところです。

前半のベートーヴェンの有名な大公トリオも悪い演奏ではありませんでしたが、やはり、もっと沈潜した精神性の音楽が聴きたかったのが正直なところです。特に大好きな第3楽章でベートーヴェンの高邁な精神性が感じられなかったのが残念でした。予習で聴いた演奏が素晴らし過ぎたのかもしれませんが・・・。
予習したのは以下です。

 コルトー、ティボー、カザルス
 ケンプ、シェリング、フルニエ
 メルニコフ、ファウスト、ケラス

コルトー、ティボー、カザルスの気品のある演奏は別格として、ケンプ、シェリング、フルニエは素晴らしい演奏。ケンプの格調高いピアノを聴いているだけでも素晴らしいのに、さらにシェリング、フルニエの贅沢な響きがさらに重なってくるのですからたまりません。しかし、一番感銘を受けたのはメルニコフ、ファウスト、ケラスの演奏でした。個々の自己主張とか響きを強調するとか、演奏家なら必ず持つであろう欲望をすべて捨て去り、ひたすら、ベートーヴェンの音楽の真髄に迫ろうとする3人の奉仕は驚くべきものです。こんな大公トリオの演奏がありうるとは思いもしませんでした。常設のピアノ・トリオでもこんなに室内楽に徹した演奏って、なかなかできないでしょう。

まあ、今日のコンサートはドヴォルザークの素晴らしさがすべてでした。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ・トリオ:クーベリック・トリオ

  ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第7番 「大公」

   《休憩》

  ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第1番

   《アンコール》

  メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49 第2楽章 アンダンテ・コン・モート・トランクィロ


アンコールのメンデルスゾーンはとても美しい演奏でした。このクーベリック・トリオの最新のCDの中の1曲だそうです。

なお、このコンサートシリーズを主催している横浜楽友会のアドレスはここです。


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ジャンル : 音楽

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