マーラー「復活」 by インバル&東京都響@サントリーホール 2010.6.19
それも楽しみにしていたインバル指揮のマーラーの交響曲です。
マーラーのなかでも好きな第2番「復活」です。
今日は土曜日だし(もう平日でも同じことですが・・・)、早めにサントリーホールのあるアークヒルズに向かい、早めに夕食。3階のカレー屋さん。これで3階のレストランもほとんど食べました。結構、ユニークなレストランが多いですね。
ともあれ、サントリーホールに入館。いつものステージに向かって左手の前方の席につきます。
今日はさすがにステージにあふれんばかりの大編成オーケストラ。
それにステージ裏の客席が合唱団席のようです。
今日のコンサートマスターはソロコンサートマスターの矢部達哉。ヴァイオリンソロがはいりますから、彼の登場は期待できます。
で、いよいよマエストロ、インバルの登場です。初めて生で聴きます。
巨体をゆすらせながら、貫祿です。
「復活」は5楽章構成。
独唱は
ソプラノ:ノエミ・ナーデルマン
メゾソプラノ:イリス・フェルミリオン
合唱は
2期会合唱団
第1楽章、ものものしい低弦の出だしが印象的ですが、やはり、都響のストリングセクションは今日も素晴らしい響きに満ちています。ちょうど、席が第1ヴァイオリンのど真ん前のせいもありますが、第1ヴァイオリンの演奏の充実していることがこの曲の劇的さを引き出しています。ただ、以前、この都響の「復活」を故ベルティーニ指揮で聴いたときに比べると、細部の磨き上げという点では少し物足りない感じはあります。これは指揮者の個性でしょう。
ただ、さすがに曲の構成力はきっちりしており、なかなか感動的な演奏です。
第2楽章はやはり弦セクションの活躍で美しい響きが気持ちよく聴けます。
この楽章の終わったところで、指揮者がいったん退場し、合唱団がステージ裏の客席に並びます。
そして、最後に最前列の席に2人の女声独唱がつきました。てっきり、ステージの一番前で歌うと思っていたので、遠くて、大丈夫かなって思いました。
で、再び、インバルが登場し、第3楽章から再開。
まずは穏やかな弦の合奏から始まり、指揮者も弦の奏者も軽く笑みを浮かべ、なごんだ感じでリスナーも気持ちの落ち着くところです。
最後は厳しい楽想になって、すぐに次楽章に突入。
第4楽章はメゾソプラノの独唱からはじまりますが、フェルミリオンは豊かな声量でホールに美声が響きます。もう少し、強弱をつけて、哀感があればとも思いますが、感情のこもった歌唱で好感を持ちました。
この短い楽章に続いて、最後の楽章です。
第5楽章はいつ聴いても、この「復活」はこの楽章がすべてだと思ってしまいます。それまでの4つの楽章はこの第5楽章への序奏に過ぎないという感が否めません。それほど、この楽章は圧倒的です。
オーケストラだけで徐々に盛り上げ、途中からは、狂ったように走り出します。
そして、金管で吹かれ始める復活のテーマは印象的で感動的でさえあり、その先の素晴らしい展開を予感させます。
で、合唱団が立ち上がり、いよいよクライマックスが近づきます。
まず、低い音量の歌唱が始まりますが、潜在的な熱情・パワーは十分伝わります。
合唱部とオーケストラ部が繰り返されながら、最後はそれらが一体となり、パイプオルガンも加わり、復活のテーマが大音量でホール全体を包み込みます。
まさにマーラーワールド。この圧倒的な音楽の力に誰しも感動なしにはいられません。
saraiの目からも熱いものが溢れ出てきます。頭は真っ白です、
そして、フィナーレ。
もう少し、静寂を味わいたかった。みんな頭が真っ白になるほど感銘を受けたのなら、静かに余韻を楽しもうよ!! 拍手も不要な素晴らしい演奏だったじゃないか。
インバルの冷静に曲を構築する力と都響の弦楽セクションをベースとした卓越した演奏力に脱帽のコンサートでした。
saraiの期待を上回る演奏で、退職後初の記念すべきコンサートは涙・涙で幕を閉じました。
明日は大好きな庄司紗矢香のプロコフィエフ。楽しみはつきません。
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