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圧倒的なコダーイに感動! タマーシュ・ヴァルガ・無伴奏チェロ・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 2015.11.15

タマーシュ・ヴァルガはウィーン・フィルの首席チェロ奏者。オーケストラではいつも演奏する姿を見ていますが、ソロを聴くのは初めてです。

前半はバッハの名曲、無伴奏チェロ組曲です。これはCDで聴いたどの演奏ともまったく異なる演奏。インティメットな表現の柔らかい響きの演奏です。これが俺の弾くバッハなんだ、どうだ、聴いてみろという演奏とはまったく正反対の音楽です。自宅の居間で優しく弾いてくれるようなバッハ・・・これこそが本当のバッハの無伴奏チェロ組曲ではないかと思ってしまうような実に自然な演奏です。もちろん、こういう演奏をCDで聴き比べすると、多分、もの足りない感じがあるのかもしれませんが、目の前でそれこそ上品とも思える雰囲気で演奏されるとしみじみと聴き入るばかりです。こういうバッハの無伴奏チェロ組曲もあるんですね。ウィーン・フィルの柔らかい弦の響きで演奏されるバッハを聴いて、すっかりと満足しました。しかし、こういう演奏で後半のコダーイはどうなるんだろうという疑問もふつふつと湧きあがります。

そういう気持ちで後半のコダーイの無伴奏チェロ・ソナタの演奏を待ちます。そして、いよいよ始まった演奏の第1音を聴いただけで、すべてが分かります。バッハの静謐な演奏とは異なり、強いアタックの響きです。コダーイの音楽にふさわしい雄大な演奏が繰り広げられます。それに超絶技巧の凄い演奏です。この曲を有名にしたシュタルケルの演奏とはちょっと異質で、どちらかと言えば、ヨー・ヨー・マのような路線の演奏です。あまり突っ込み過ぎず、朗々とした響きの音楽ですが、胸に迫ってくる感動的な演奏です。少なくとも実演の迫力の分だけでも、ヨー・ヨー・マの演奏を超えています。たっぷり30分ほどの演奏ですが、ぐいぐいとその演奏に引き込まれて、束の間のような時間が過ぎ去りました。圧巻の演奏でした。こんな音楽が聴けるとは予想していませんでした。素晴らしいとしか表現できません。

名人揃いのウィーン・フィルの中でも、首席奏者は流石にこれほどの実力があることを実感させられました。素晴らしい演奏にとても大きな感銘を受けました。

今日のプログラムは以下です。

  チェロ:タマーシュ・ヴァルガ

  バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番
      無伴奏チェロ組曲 第3番

   《休憩》

  コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ

   《アンコール》

  ドビュッシー:シランクス(チェロ編曲版)
  バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番より、サラバンド


ところで、この日に向けて、集中的にバッハの無伴奏チェロ組曲の予習をしました。これまで、あまり、ちゃんと聴いていませんでしたからね。
予習したCDは以下のものです。

 パブロ・カザルス(1936~39年録音) EMI(ART処理によるリマスター盤)、opus蔵の復刻盤、Documents盤
  バッハの無伴奏チェロ組曲と言えば、この演奏を聴かないわけにはいかないでしょう。確かに素晴らしい演奏。いろいろな復刻CDも出ていますが、EMIのARTリマスター盤を聴けば、十分なようです。現在はほかにも素晴らしい演奏があるので、この演奏が絶対という感じではありませんが、気魄に満ちた演奏は一度は耳にする価値があります。

 ピエール・フルニエ(1960年録音)、ポール・トルトゥリエ (1982年録音:新盤)、モーリス・ジャンドロン (1964年録音)、ヤーノシュ・シュタルケル (1992年録音:4回目)
  いずれも納得の素晴らしい演奏。どれを聴いても最高の音楽に聴こえます。バッハの音楽の奥深さがうかがい知れます。

 アンナー・ビルスマ(1979年録音:旧盤、1992年録音:新盤)、鈴木秀美 (1995年録音:旧盤)、ピーター・ウィスペルウェイ (1998年録音:旧盤)、ヴィーラント・クイケン(2001/2002年)
  オリジナル楽器の演奏家たちの演奏。ただし、クイケン、ビルスマ(新盤)はモダン楽器を使用。彼らの演奏も聴き応えがあります。ビルスマだけは別次元の演奏に思えます。いいとか、悪いとかではありません。要するに個性ということでしょう。クイケンも説得力のある演奏です。

 ヨー・ヨー・マ(1982年録音:旧盤、1996年録音:新盤)
  旧盤、新盤ともに素晴らしい演奏。特に新盤はベスト盤に推したい演奏です。こういう演奏には文句のつけようがありません。脱帽です。

 ミッシャ・マイスキー(1984年録音:旧盤、1999年録音:新盤)
  これも旧盤、新盤ともに素晴らしい演奏。これは両方ともヨー・ヨー・マの新盤と並んでベストに推したい演奏です。全体的は新盤がいいかもしれません。最高の演奏です。

合計16ものCDを聴き、頭の中はチェロの響きでいっぱいになりました。こんなに素晴らしいCDがあるとは驚きです。でも、まだ、聴くべきCDは残されているようです。

コダーイの無伴奏チェロ・ソナタは以下を予習。

 ヤーノシュ・シュタルケル(1948年録音、1950年録音、1970年録音)
  特に1950年録音のものが有名なものですが、現在では、1970年録音のステレオ録音を聴けば十分でしょう。さすがにこの曲を世界的に広めたシュタルケルの演奏は鬼気迫るものです。

 ヨー・ヨー・マ(1999年録音)
  シュタルケルとは別のアプローチですが、これも凄い演奏です。やはり、彼は天才チェリストですね。

この素晴らしいコンサートシリーズを主催しているのは横浜楽友会のプロデューサーの平井さんですが、今回もこんなよいものを聴かせてもらって感謝です。

その横浜楽友会のホームページのアドレスはここです。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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