ベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルス②:ハーゲン・カルテット@トッパンホール 2013.2.27
今日は中期2曲と初期1曲、比較的、地味なプログラムではあります。それでも、やはり、期待してしまいます。
さて、今日のプログラムは以下です。
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調Op.95《セリオーソ》
弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74《ハープ》
《休憩》
弦楽四重奏曲第6番変ロ長調Op.18-6
今日、出かける前に予習したのは、ブダペスト四重奏団の演奏です。ブッシュ・カルテットは残念ながら、今日のプログラムでは第11番(1932年、1933年)しか録音がありません。もちろん、それも聴きました。1933年の録音は不鮮明ですが、1932年の録音のほうは聴きやすく、素晴らしい演奏です。
今日のハーゲン・カルテットの演奏はまず、第11番《セリオーソ》です。第1楽章の冒頭から、気迫の伝わってくる迫力たっぷりの演奏です。いかにもハーゲン・カルテットらしい思い切って踏み込んだアクセル全開の演奏で、中期の概念を超えたような感じに思えます。圧巻だったのは第4楽章。コーダに向かって、熱い思いになりました。
続いて、第10番《ハープ》。基本的には、前の第11番と同じようなスタイルの演奏です。ただ、曲の違いでしょうか、さらに迫力を増した演奏です。それにしても、第2楽章の永遠とも思える美しさはうっとりというレベルを超えています。そして、またしても第4楽章の凄まじい演奏には、言葉を失います。
まるで双子にも思えるような第11番と第10番のハーゲン・カルテットならではの激しく、そして、美しい演奏を聴いて、もう、今日のコンサートが終わっても満足という感じです。
休憩を挟んで、後半の第6番は言わば、アンコールのような気持ちで聴きましょう。
作品18の最後を飾る、この曲をハーゲン・カルテットは華麗に演奏してくれました。中期の芳醇な響きが感じられます。これでこそ、ハーゲン・カルテットの作品18でしょう。こうなると、昨日の第1番は響きが不足していたことが明らかです。作品18の残りの4曲もさらに精度を高めた演奏を期待しましょう。それは今年の秋のシリーズになります。
1日置いて、明後日はいよいよ、名曲中の名曲、第15番が登場します。期待するなと言っても無理です。それにラズモフスキー第2番とくれば、贅沢過ぎますね。
ところで今日は当ブログにコメントを頂いているmichelangeloさんと開演前と休憩時間に楽しい語らいを持ちました。自分の娘くらいの若い女性と音楽の話題を語り合うのも不思議な感じですが、まあ、同好の士ということですね。芸術、美を語り合うのに年齢・性別は関係ないでしょう。楽しい時間を持てて、感謝しています。
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この記事へのコメント
sarai様
ハーゲン・カルテットの演奏会、心から感動致しました。ベートーヴェンの知られざる姿を拝見できた晩となり、幸せな気分になりました。スギ花粉症など、どこかへ飛んでいました。
憧れのブロガー様であるsarai様とお話が出来ると分かった日から、いつもの倍は予習に取り組んだつもりです。短い時間でしたが、お目にかかれて本当に嬉しかったです。
室内楽は大勢では鑑賞するものでは無い為、限られた人数となりますが、この日は皆様紙音一つ立てず、静まり返った無音さえ美しかったですね。
貴重な演奏会を共有させて頂き、ありがとう御座いました。
2, saraiさん 2013/03/01 00:54
michelangeloさん、コメントありがとうございます。
そうでした、シーンと静まり返ったホールがハーゲン・カルテットの美しく、そして、激しい響きに満たされましたね。やはり、弦楽四重奏曲はいいですね。ベートーヴェンはその最高峰のひとつですものね。
よい演奏を聴いた後、語り合える仲間がいることは楽しいです。幸せな時間、ありがとうございました。
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