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20年ぶりのベルリン:ベルリン絵画館の珠玉のフランドル絵画

2012年4月13日金曜日@ベルリン/7回目

ベルリン絵画館Gemäldegalerieのクラナッハの作品群に続いて、14世紀から16世紀のフランドルあるいはネーデルランド絵画を見ていきましょう。

これはヤン・ファン・エイク作の《教会の聖母》です。とても小さな絵(32×14cm)なので、あやうく見逃すところです。実に貴重なヤン・ファン・エイクの作品です。ヤン・ファン・エイクの作品は大きな美術館でも見かけることがあまりありません。いずれはベルギーにヤン・ファン・エイク詣でをしたいと思っています。ゲントの祭壇画は聖バーフ大聖堂自体がしばらくは工事中ですが、祭壇画は公開されているようなので、そのうちに行きたいと思っています。
この絵は小さいとは言え、ヤン・ファン・エイクらしく、とても緻密に描かれており、小さな画面を通して、教会の広大な空間のなかに引き込まれそうです。教会の内部空間に対して、聖母マリアが巨大に描かれていますが、これは描き方が素朴なのではなく、瞑想のなかで見えた聖母の姿だということです。この小さな絵は持ち歩くためのものだそうで、出先でもこの絵の聖母に祈りを捧げていたようです。


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これはメムリンクの《聖母子》です。楚々とした聖母がなんともいえず、いいですね。いかにもメムリンクらしい作品です。メムリンクもベルギーを訪れて、ブリュージュでたっぷりと鑑賞したい画家です。


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これはメムリンクの《年老いた夫妻の肖像(夫)》です。これは本来、妻の肖像と一対になる作品です。妻の肖像は、現在、パリのルーブル美術館に所蔵されています。2枚の肖像画は背景の風景が完全につながりますので、間違いなく1対であることが分かります。当初は合わせ釘で一緒につなぎ合わせてあったそうです。絵画とは言え、夫婦がベルリンとパリに離ればなれというのも寂しいものです。2005年のメムリンクの肖像画展では、特別にこの一対の肖像画が一緒になって、ヨーロッパとニューヨークを巡回したそうです。束の間の再会だったようです。
メムリンクは聖母子などの宗教画も素晴らしいですが、こういう肖像画も深みのある表現で素晴らしいですね。


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これはメムリンクの《天使と玉座の聖母子》です。背景の玉座は素晴らしく緻密に描かれています。


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これもメムリンクの《聖母子》です。いかにもフランドル絵画らしく、人物も背景もとても緻密に描かれています。素晴らしい作品です。


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これはブリューゲルの《十字架を運ぶキリスト》です。画面中央に大きな十字架を背負うキリストが描かれています。画面全体には膨大な数の人々が描かれています。ブリューゲルらしいと言えば、それまでですが、それにしてもここまで描き込むのは凄いとしか言いようがありません。


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これもブリューゲルの《ネーデルラントの諺(ことわざ)》です。とても有名な絵ですね。ブリューゲルらしく、画面のなかに多くの人々が細かく描き込まれています。80人以上の登場人物がいるそうです。そして、絵の中に多くのことわざが描かれています。描かれたことわざは100以上もあるようです。例えば、画面の中央で夫に青いマントを着せている赤い服の妻は、青色が欺瞞を意味する色ということから、妻の裏切りと不貞を暗示しています。
細かく見ていると何時間あっても足りません。残念ながら、ざっと全体の絵模様を楽しむだけに留めます。


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これはボッス(ボス、ボッシュとか表記が色々ありますね)の《パトモス島の聖ヨハネ》です。この絵もあやうく見逃すところでした。まさか、ボッスの絵とは気付きませんでした。配偶者の指摘でボッスの絵だと気付いたんです。ボッスらしい、おどろおどろしいところがなく、爽やかな絵です。しかし、よく見ると画面右下に奇妙な生物がうづくまっています。やっぱり、これはボッスの世界です。ところで、題名のパトモス島はエーゲ海の小さな島で、この島で聖ヨハネがイエスから啓示を受けたということになっています。この島は世界遺産だそうです。


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これはヤン・ファン・エイクの《ジョヴァンニ・アルノルフィーニ(Giovanni Arnolfini)の肖像》です。ベルリン絵画館には、さすがにヤン・ファン・エイクが2作品もあります。描かれている人物のジョヴァンニ・アルノルフィーニはロンドンのナショナル・ギャラリーにある有名な『アルノルフィーニ夫妻像』でも妻とともに描かれています。アルノルフィーニはイタリアのルッカ出身の商人でブルージュで生活していたことがわかっており、ヤン・ファン・エイクが2枚も彼をモデルとして描いているのは2人が友人だったのではないかとされています。


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これはヤン・ファン・エイクの《ボードワン・ド・ラノワ(Baudouin de Lannoy)の肖像》 です。これもまさかヤン・ファン・エイクとは気付かずに通り過ぎようとしてしまいました。2作品どころか、3作品もヤン・ファン・エイクの作品がベルリン絵画館に所蔵されています。これが15世紀の作品とは信じられません。板の上に描いた油彩画です。既に完璧な油彩技法が確立されています。ボードワン・ド・ラノワはブルゴーニュの貴族で、1428年のポルトガル派遣使節団にヤンとともに参加していました。


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いやはや、ヤン・ファン・エイク、メムリンク、ボッス、ブリューゲルの傑作の数々があります。クラナッハも凄かったですが、これも凄い。ベルリン絵画館の実力は底知れぬものがあります。しかし、この先、まだ、フェルメールも待っています。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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