fc2ブログ
 
  

20年ぶりのベルリン:旧ナショナル・ギャラリーにあるフランス印象派の絵画-その2

2012年4月15日日曜日@ベルリン/8回目

旧ナショナル・ギャラリーAlte Nationalgalerieにあるフランス印象派の作品をルノワール、ドガ、セザンヌ、マネとご紹介してきましたが、今回は残りのピサロとモネです。

これはカミーユ・ピサロの《背景にモン・ヴァレリアンのあるルーヴシエンヌ》です。ピサロは印象派のまとめ役的存在ですが、イル=ド=フランスのポントワーズの街を主な活動拠点としていた時期がありました。この時期、同じくイル=ド=フランスのルーヴシエンヌも活動拠点の一つでした。ルーヴシエンヌは、パリのセーヌ河流域の街で、西郊約25キロのところにある当時は静かな村だったそうです。
ピサロは1868年秋にポントワーズからここルーヴシエンヌに移り、普仏戦争が始まる1870年までと、その後の1871~72年の間、ここで生活したと言われています。
この作品はその最初の時期、1870年に描かれました。モン・ヴァレリアンは近くのシュレーヌの街の高台にあった修道院跡にモン=ヴァレリアン要塞が築かれたところです。この絵が描かれた後、第1次世界大戦でドイツ軍に占領され、この要塞で1000人以上の捕虜が処刑されたことで知られています。
ルーヴシエンヌでは、ピサロは何枚も絵を描いていますが、シスレーも有名な絵を残しています。印象派の初期の中心的な地でした。


6kLiL6y3KM2396.jpg



これはクロード・モネの《草原の夏》です。この作品で座っているのはモネの最初の妻カミーユ・ドンシユで、真ん中の子供が長男のジャンのようです。この時代、モネはカミーユとジャンの屋外風景の傑作を何点も描いています。この作品でも、楽しげな妻子の姿が明るい風景に溶け込んで、モネ独特の人物入り風景画の名作に仕上がっています。
この作品は1874年に描かれましたが、その5年後、1879年、妻カミーユは次男のミッシェルを生んで間もなく、32歳の若さで死の床につきます。


c1xQU_i1Trd562.jpg



これはクロード・モネの《アルジャントゥイユの家々》です。1872年から、モネはアルジャントゥイユに6年間住みました。この作品は移り住んで2年目の1873年に描かれました。よい季節になると、ルノアールがアルジャントゥイユにやってきて、一緒にカンバスを立てて、絵を描いていました。この作品を描いた翌年の1874年が第1回印象派展ですから、初期のモネを代表する作品の一つです。


iIv4kQIZsh41c6.jpg



これはクロード・モネの《ヴェトイユ・シュル・セーヌの眺め》です。モネはアルジャントゥイユからヴェトイユに引っ越し、さらにジヴェルニーに移りますが、この作品はヴェトイユ時代の1880年に描かれました。セーヌ川と緑が光あふれるタッチで描かれた見事な作品です。


1pmQa_kbQta7d1.jpg



これはクロード・モネの《サンジェルマン・ロクセロワ教会》です。この作品はルーヴル美術館の3階の東側の窓から描いた作品です。1867年という印象派という言葉もない印象派黎明期の作品です。そもそも、何故、ルーヴル美術館で描いたかと言えば、印象派の仲間たちと勉強のためにルーヴル美術館の名画の模写に通っていましたが、モネは名画よりも窓からの風景に惹かれてしまったようです。モネの面目躍如という感じです。ただ、この絵を見ると、実に素直に教会を写し取っており、後のルーアン大聖堂のような光そのものの表現とは程遠い作品です。イギリスに渡り、ターナーの作品の洗礼を受けるのはまだ、この後になります。この後、急速に光の表現を身に着けて、傑作群を産み出していきますが、この作品はスタート点の前に位置づけられるものです。画家の成長過程が分かる貴重な一枚です。


kyprn_EUp_3272.jpg



旧ナショナル・ギャラリーには、まだまだ、膨大なコレクションが展示されていますが、これぐらい見れば十分でしょう。今日もたっぷりと美術鑑賞でき、満足です。このあたりで美術館を出ます。
まだ、旧ナショナル・ギャラリーの建物をご紹介していなかったので、美術館の外観をご覧ください。堂々たるギリシャ様式の建物です。


L45LbYZVQCd595.jpg



これでsaraiは満足し、次は配偶者の要望のシャルロッテンブルク宮殿Schloss Charlottenburgに向かいます。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR