人生の厳しい冬、壮麗な死・・・ハイティンク+RSOのブルックナー:交響曲第8番@コンセルトヘボウ 2013.4.7
今日のプログラムは一昨日と同じく以下です。
指揮:ベルナルト・ハイティンク
管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)
言い訳になりますが、座席が一昨日よりもかなり前のほうになったため、オーケストラの響きがよくなり、逆に聴き方が甘くなり、散漫な状態で聴いてしまいました。演奏の出来は隣の配偶者によると、ずい分、よかったとの意見です。多分、そうなんでしょう。第3楽章の後半くらいから、侘しさを感じ始めましたが、本当に目が覚めたのは、第4楽章冒頭の激しく、熱い大強奏からです。本当に凄まじい第4楽章でした。めくるめく・・・というのが感じた一言です。強く熱いメッセージ、一転して、美しく、やるせない抒情、贖罪の心の痛み、天上からふりそそぐ明るい光・・・ここには、人生の冬に向かう人間の深い思いのすべてが包み込まれています。一節、一節がこころに突き刺さります。人生の心の痛みに耐えかねる自分、そして、すべてを優しく許される自分、究極の死はマーラーの甘美な死ではなく、天に昇華する壮麗な死です。素晴らしいメッセージをもらい、歓喜の涙にくれるのみです。
今日も聴衆総立ちのスタンディングオベーション・・・もう、これ以上のブルックナーは聴けないかも知れませんが、その寂しさはsaraiにはありません。このブルックナーを胸に抱きつつ、生きていける幸福感に喜びだけがあります。感謝の拍手を送るのみです。
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