上原彩子、魂ゆさぶるチャイコフスキー@みなとみらいホール 2016.1.6
皮切りは上原彩子です。いきなり、凄い演奏を聴かされて、本当に感動しました。音楽の持つ力をすべてぶつけてくれる上原彩子の鬼気迫る演奏でした。
彼女の演奏するロシアものは素晴らしいです。ラフマニノフ、プロコフィエフ、そして、チャイコフスキーは最高です。
今日はチャイコフスキーの《ピアノ協奏曲第1番》。出だしは輝くような音色のピアノの響きですが、なんだか、乗り切れない感じです。しかし、彼女がだんだんと集中力を高めていっていることが伝わってきます。すぐに切れのよいピアノのタッチになります。こちらも思わず、力を入れて、聴き入ってしまいます。音楽を超えた音楽・・・心と心がつながる究極の芸術です。
第2楽章はゆったりとした音楽ですが、なぜか、心に沁みてきます。そして、途中からはテンポが早い音楽になって、またまた、大変な気魄が感じられます。そのまま、第3楽章へ。徐々に興奮が高まっていきます。終盤はもう凄まじい勢いです。チャイコフスキーの《ピアノ協奏曲第1番》って、こんなに凄い音楽だったっけ? saraiはもう感動で涙腺がゆるんできます。圧倒的な高みに上り詰めて、感動のフィナーレです。いやはや、素晴らしい演奏でした。上原彩子がフォルテッシモで思い切り鍵盤を叩くと、その凄い響きで大編成のオーケストラの音がかき消されるほどでした。
お正月早々、圧巻の音楽を聴けて、とても幸せでした。今年も上原彩子のピアノ、たくさん、聴かせてもらいましょう。
今日のプログラムは以下です。
指揮:秋山和慶
ピアノ:上原彩子
管弦楽:東京交響楽団
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィーンの森の物語」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
《アンコール》チャイコフスキー:〈四季〉より 1月「炉端にて」
《休憩》
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」Op.95
《アンコール》
J.シュトラウス:ラデツキー行進曲
ところでじっくりと東京交響楽団を聴いて、素晴らしい響きにびっくりです。こんなに綺麗な響きのオーケストラだったんですね。ちょっと真面目過ぎて、固い感じもありますが、なかなかです。かなり、評価が高まりました。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」も素晴らしいアンサンブルで楽しく聴けました。さすがにボヘミアの響きは感じられませんが、インターナショナルな音楽としては素晴らしい演奏でした。第4楽章の迫力は聴きものでした。
今日はニューイヤーコンサートと銘打っているだけあって、最初の曲と最後のアンコール曲はウィンナーワルツです。ラデツキー行進曲はジルヴェスターコンサートに引き続き、楽しめました。定番ではありますが、なかなか、いいものです。
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