ウィーンの路地散策:ジンガー通りからグリュナンガー小路へ
ドイツ騎士団教会Deutschordenskircheの内部に入ります。ゴシック様式の内部は意外に簡素な佇まいです。ゴシック様式らしく高い天井が印象的です。

主祭壇の前に進みます。祭壇画は、聖母マリアの膝の上のイエスに聖エリザベート、聖ゲオルク、聖ヘレーネが礼拝している構図です。イエスがエリザベートに王冠を授けています。聖エリザベートはドイツ騎士団の守護聖人です。

祭壇前から後ろを振り返ります。質実剛健といった感じですね。

壁面には丸いワッペンがずらっと並びます。80個以上あるそうです。この教会で刀礼(騎士叙任式)を受けた騎士たちが自分のワッペンを飾った習慣によるものです。ワッペンwappenとは武器(主に盾)を意味するドイツ語で、実際は紋章を意味します。紋章が個人に普及しはじめたのは、12世紀初めの第1次十字軍遠征のころからです。従軍した騎士たちは鎧・冑を身に着け面部を隠していたので、戦場で敵味方を識別するために紋章を用いるようになりました。ドイツ騎士団の歴史も十字軍まで遡りますから、ちょうど紋章の歴史と重なります。

十字架のキリストに祈りを捧げる騎士のレリーフも飾られています。

ドイツ騎士団教会の見学を切り上げて、ドイツ騎士団の館Deutschordenshausの外に出ます。ジンガー通りをまた歩き始めます。左手にブルート小路Blutgasseが現れます。白亜の建物が続く美しい石畳の路地です。ちょっと心をそそられますが、この路地には入らずにそのままジンガー通りを進みます。

ジンガー通りには美しいバロックの館が並んでいます。16番地にはバロック様式のノイパウアー・ブロイナー宮殿Palais Neupauer-Breunerがあります。美しいファサードですね。ここにもパヴラッチェンの中庭があるようです。

左手に路地があります。グリュナンガー小路Grünangergasseです。

角に建つ17番地のバロックの館はロッタル宮殿Palais Rottalです。

グリュナンガー小路の入口の向かいの角は薬局(Apotheke Zum goldenen Reichsapfel)。

このグリュナンガー小路に入ってみましょう。綺麗な石畳が続きます。

路地を進むと、左手にニコライ小路Nikolaigasseが現れ、路地の先には聖シュテファン大聖堂の尖塔が目に入ってきます。結局、聖シュテファン大聖堂のまわりをぐるぐる周っているだけなんですね。

さらにグリュナンガー小路を進んでいきます。

左手に名もない狭い路地が現れます。何か気になります。

ちょっと入ってみましょう。狭い路地の先から妙齢の美女がやってきます。

美女とすれ違うと、路地の先はちょっと下り坂。下った所はちょっとした広場にはなっていますが、何にもなさそうです。あきらめて元のグリュナンガー小路に戻ります。

グリュナンガー小路を進むと、4番地の角にとっても古くて、いわくありげな建物があります。

建物の入口の装飾が凄いです。入口の上には2頭の猟犬の石像があります。

建物の角を回り込んでドーム小路Domgasseに出ると、建物の銘板があります。フュルステンベルク宮殿Palais Fürstenbergです。歴史ある建物のようですが、現在は民間の所有になっているようです。

それにしても、この宮殿は悪く言うと今や幽霊屋敷のようです。

このまま、フュルステンベルク宮殿に沿ってドーム小路を進んでいくことにします。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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