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マタイ受難曲、トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団@サントリーホール 2016.3.9

4日前にクイケン&ラ・プティット・バンドの素晴らしい《マタイ受難曲》を聴いたばかりですが、今日も素晴らしい《マタイ受難曲》を聴きました。クイケン&ラ・プティット・バンドの《マタイ受難曲》はピリオド奏法&OVPP(One Voice per Part)という時代の最先端をいくものですが、今日のトーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団は伝統的な演奏の代表格です。何といっても、バッハゆかりの聖トーマス教会の合唱団とマタイ復活上演を行ったメンデルスゾーンが常任指揮者だったゲヴァントハウス管弦楽団という老舗中の老舗の組み合わせです。クイケン&ラ・プティット・バンドは8人の独唱者の重唱による合唱のピュアーな美しさに魅了されました。で、今日のトーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団は独唱者の歌唱が最高に素晴らしかったんです。意外なことにピリオド奏法&OVPPは団体の総合力が決め手で、モダンオーケストラ+合唱団は個人個人の個性的な表現力が決め手という違いにびっくりです。ともあれ、今日の演奏では、エヴァンゲリストを歌ったベンジャミン・ブルンスとイエスを歌ったクラウス・ヘーガーが傑出した出来でした。まあ、これまでもエヴァンゲリストが素晴らしかったことはよくありましたが、イエスのこんなに素晴らしい歌唱は聴いたことがありません。強いて言えば、CDではフィッシャー・ディースカウの歌唱は別格ですけどね。今日のヘーガーの歌唱はイエスらしい高貴さと厳粛さに満ちていて、エヴァンゲリストとイエスが交互に歌う第1部では、その迫力に圧倒されました。フローリアン・ベッシュの柔らかい歌唱もさすがでした。最後のバス独唱(旧版全集の番号の第75曲)の清々しさはそこまでの劇的な物語からのカタルシスを感じるものでした。大活躍したアルトのマリー=クロード・シャピュイもよい歌唱でした。一番の聴きものであるエルバルメ・ディッヒ、マイン・ゴット(憐れみたまえ、我が神よ)は最高とまでは言えませんが、気持ちよく聴けましたし、むしろ、その後に歌われた名曲「わが頬の涙」はケンネン・トレーネン、マイナー・ヴァンゲン・・・としみじみとした歌唱が素晴らしかったです。saraiの趣味で言えば、ソプラノのシビッラ・ルーベンスの繊細さを極めた歌唱のほうがアルトよりも好みだったでしょうか。旧版全集の番号の第58曲の「アウス・リーベ」(愛故に)と繰り返し歌われるところではうっとりとさせられました。
もちろん、聖トーマス教会合唱団の合唱も美しかったんですが、こればかりは4日前のラ・プティット・バンドのピュアーな重唱が耳に残っていて、あのコラールの素晴らしさをつい思い出してしまいます。
ゲヴァントハウス管弦楽団の強力なアンサンブルはさすがです。最初はモダンオーケストラ故のうるささも感じないではありませんでしたが、耳慣れするにつれ、その響きに魅了されました。

ということで、今日の《マタイ受難曲》はエヴァンゲリストとイエス、そして、独唱者のアリアの素晴らしさに満足しました。ピリオド奏法もモダンオーケストラもそれぞれの良さがあり、バッハの音楽の楽趣は尽きるところがありません。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:ゴットホルト・シュヴァルツ
  ソプラノ:シビッラ・ルーベンス
  アルト:マリー=クロード・シャピュイ
  エヴァンゲリスト:ベンジャミン・ブルンス
  テノール:マルティン・ペッツォルト
  イエス:クラウス・ヘーガー
  バス:フローリアン・ベッシュ
  合唱:聖トーマス教会合唱団
  管弦楽:ゲヴァントハウス管弦楽団

  J.S.バッハ:マタイ受難曲BWV244

   《休憩》:1部と2部の間



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