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束の間のアントワープ:中世の小道・・・16世紀にワープ

2015年6月29日月曜日@アムステルダム~アントワープ~ゲント/13回目

アントワープAntwerpenの《中世の小道》(フラーイケンスガングVlaeykensgang)と呼ばれる路地に足を踏み入れます。
ここはアウデ・コールンマルクト通りOude Koornmarktの16番地の入口から入ったところにあるスペースです。なかなかそそられる雰囲気が漂っています。

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ここはもともと1591年に、アウデ・コールンマルクト通りとペルグリム通りPelgrimstraatをつなぐ路地として建設されました。当時は靴づくり職人たちの住居になっていました。19世紀末には、こういう路地が町の中心に多く存在していました。現在はこういう路地は牧歌的な風景に見えますが、当時は貧しい人たちの家が密集する不衛生な環境の路地だったそうです。20世紀にはいり、これらの路地の多くは取り壊されて再開発されていきました。1960年代に荒廃したフラーイケンスガングVlaeykensgangも取り壊される予定でしたが、幸いにして地元のアンティークディーラーが路地にある家々を購入し、複合施設として再生したそうです。
この狭い路地の先には3軒のカフェやレストランがあるそうです。ゆっくりと歩いてみましょう。

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今は使われていないような蛇口があります。昔は路地全体で1つのポンプで水を供給し、かなり衛生状態が悪かったそうです。これはその名残りなのでしょうが、かえって古い雰囲気を醸し出していますね。

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路地に建つ建物はかっての貧しさを感じさせません。中世からの背の高い建物が立派にも見えます。

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建物の下のアーチに立ちます。煉瓦造りのしっかりした構造です。

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ここで振り返ると、アウデ・コールンマルクト通りの入り口から入ってきた路地が見えます。緑の蔦が白い壁に美しく映えています。赤いゼラニウムの花も綺麗です。

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建物のアーチをくぐると、左手に小さな中庭があります。

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中庭に入って、今アーチをくぐってきた高い建物を見上げます。鉄のアンカーで壁に数字が描かれています。1591という数字。このフラーイケンスガングVlaeykensgangが建設された年号ですね。

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こちらはその右隣の建物。壁の色が白いのは、煉瓦の上を修復したためでしょうか。同じ時に造られた建物だと思われます。

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中庭からはまた、建物の下をくぐって進む路地が右手にあります。カップルの後について進みましょう。

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白い壁に挟まれた狭い路地を進むと、前方には鉄柵が見えます。行き止まりなのでしょうか。

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鉄柵の手前には左側にちょっと広い路地があり、路地の両側はテラス席になっています。ちょっとお洒落なレストランです。

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レストランの反対側、すなわち鉄柵の右手の方には、扉の先に建物の中の通路が続いています。

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どちらに進むかちょっと迷ったところで、レストランの路地の先に進むことにします。実はこれが正解だったんです。こちらが中世の路地のルートなんです。レストランの先の建物の中を抜けて左に出ると、また中庭があります。中庭への出口には大きな蔦が伸びています。

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中庭に出て右手に進むと、また建物の中を突き抜ける通路が見えます。その通路の先はペルグリム通りです。中世の小道、すなわちフラーイケンスガングのもう一方の入り口です。

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ここで元来た道を戻ります。建物の通路の先には、先ほどのレストランのテラス席が見えます。

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観光客らしき老夫婦がこの路地でうろうろしています。迷っているのか路地歩きを楽しんでいるのか判然としませんが、いずれにせよ中世の雰囲気に浸ってゆったりしているようです。

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レストランの路地を抜けて、先ほどの鉄柵の前に来ました。鉄柵の向こうも美しい景色が広がっています。

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さっきはレストランの路地に進むか建物の中の通路を進むか迷いましたが、今度は建物の中の通路を進んでみましょう。

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建物の中の通路を抜けると、いきなり賑やかな現代の路地に出ます。ホーフ通りHoogstraatです。ペルグリム通りと並行する路地です。

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これが中世の小道から抜け出てきた扉です。中世の小道には3つの入り口があるんですね。でも、どの入り口も小さくて、通りを歩いていると見逃しそうです。

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本当に狭い小道でした。ちょっと中世にタイムトリップした感覚が味わえたかな・・・。アントワープ見物はこれにて終了。アントワープ中央駅に戻ることにします。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

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