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庄司紗矢香のパーフェクトな響き《ブリテン:ヴァイオリン協奏曲》・・・インキネン&日本フィル@サントリーホール 2016.4.22

今日はあまりよい席が取れず、1階席の後方席でステージが遠くて、庄司紗矢香の繊細なヴァイオリンの響きが聴き取れるか、不安でしたが、それは危惧に終わりました。素晴らしい響きが強音はもちろん弱音まで空間に沁み渡ります。特に超高音(ハーモニクスでしょうか)の素晴らしいこと。もちろん、ブリテンの音楽の表現も実に繊細極まりないものでしたが、ヴァイオリンという楽器の持つ響きの美しさだけ取っても、今日の庄司紗矢香の演奏はパーフェクトです。このところ、彼女の演奏でまったくはずれがないのに驚かされます。何という芸術的な高みに達したのでしょう。

ブリテンのヴァイオリン協奏曲って、このコンサートのチラシを見るまでは存在すら知りませんでした。このコンサートに向けて、以下の2枚のCDで予習しました。

 ヴェンゲロフ、ロストロポーヴィチ指揮ロンドン交響楽団
 ツィマーマン、ホーネック指揮スウェーデン放送交響楽団

何故、もっと演奏されないのか、不思議に思うほど、素晴らしい音楽です。ブリテンが若干25歳でこんなに成熟した音楽を作っていたとは驚きです。CDはいずれもよい演奏です。ヴェンゲロフは完璧と思えるような素晴らしい響きの演奏。一方、ツィマーマンは音楽表現の素晴らしさに魅了されます。特に第3楽章のパッサカリアの瑞々しく、哀感に満ちた音楽にはとても惹きつけられます。

今日の庄司紗矢香は楽譜を置いての演奏だったので、彼女自身もそれほど弾き込んだ曲ではなさそうですが、とてもライブとは思えない完成度の高い演奏です。第1楽章の美しい響きの主題でぐっと心惹かれてしまいます。日本フィルとの駆け合いも見事なものです。圧巻だったのは第2楽章のカデンツァ。響きも音楽表現も最高です。そして、第3楽章のパッサカリア。庄司紗矢香の高いレベルの演奏に呼応するようにインキネンの指揮する日本フィルも美しい響きを聴かせてくれます。この長い楽章は次第に心が高揚していきます。ショスタコーヴィチの音楽に似たようで似ていないブリテンのクールな哀愁の音楽を心に焼き付けてくれるような素晴らしい音楽が展開され、しみじみとした哀感のなか、音楽が消えていきます。しばしの静寂に包まれた後、大きな拍手で我に返りました。また、聴いてみたい音楽です。ブリテンの作品も最近は取り上げられることも多くなったような気がします。saraiも少し、ブリテンの音楽を聴いてみようと思わせられました。庄司紗矢香は素敵な音楽をプレゼントしてくれたようです。

庄司紗矢香のアンコール曲は哀愁を帯びたハンガリーの音楽のように思えましたが、実際はスペイン内戦時の軍歌だったようです。本当に庄司紗矢香のアンコールは凝っていて、いつも楽しませてくれます。彼女もアンコール曲の発掘で楽しんでいるんでしょう。一体、どこから探してくるんでしょうね。

休憩後、ホルストの組曲『惑星』です。ポピュラーな名曲ですが、実はsaraiは全曲を生で聴くのは多分、初めてです。以下のCDで予習しました。

 マリナー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 ガーディナー指揮フィルハーモニア管弦楽団

いずれも素晴らしい演奏ですが、特にガーディナーのCDは本命盤と言われているほど、完成度の高い演奏。

今日のインキネン指揮の演奏はダイナミックで強烈な演奏。やはり、第4曲の木星の中間部は美しいですね。平原綾香が歌いたくなったのも分かります。これこそブリティッシュ音楽の真髄という感じです。最後の海王星は女声合唱の姿が見えないのが不思議でしたが、バックステージで歌うものなんでしょうか。確かにちょうどよい音量で合唱が聴こえていたので、そういうものなんですね。満足の演奏ではありました。

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ピエタリ・インキネン
  ヴァイオリン:庄司紗矢香
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

  ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
   《アンコール》スペイン内戦時軍歌:アヴィレスへの道

   《休憩》

  ホルスト:組曲『惑星』

庄司紗矢香は次に5月末に無伴奏のリサイタルを聴く予定です。きっと素晴らしい演奏を聴かせてくれるでしょう。確信しています。とても楽しみです。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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