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イザベル・ファウスト・ヴァイオリン・リサイタル:バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲@ザルツブルク音楽祭(コレギエン教会) 2016.7.31

夜の8時半に始まり、深夜12時までのコンサート。たった一人で演奏したイザベル・ファウストの体力も凄いですが、聴く側のsaraiもへとへとになりました。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲を生で聴くのは初めてですが、これは大変なものです。会場はコレギエン教会。祝祭大劇場、モーツァルト劇場の目の前ですが、入口は反対側の大学広場です。モーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》を見終わって、1時間半少しの時間があったので急いで夕食をいただき、8時過ぎに会場へ。教会内にはいると、バロック様式の美しい空間が広がっています。ちょうど真ん中がクロッシングになっていて、そこに仮設の高い舞台が作られています。客席はクロッシングから4方に設置されています。4方向から聴く形式です。心配なのは残響が長すぎて、ヴァイオリンの響きがクリアーに聴き取れないことです。配偶者にそれを言うと、演奏者はプロなのだから、大丈夫よと一笑に付されてしまいます。それもそうでしょう。saraiの席は前から3列目。もっとも4方向に席がありますから、3列目は4つあります。スタッフに場所を訊いて、席に着きます。譜面台の置き方から、こちらが正面で演奏するようです。

イザベル・ファウストが出てきます。意外に気の張らないさりげない衣装です。実は演奏もそうだったんです。お人柄そのものなんでしょう。にこやかに笑みを浮かべて、挨拶。さあ、聴きましょう。おっ、意外に小さな音量で繊細な響きです。響きは実にクリアー。教会なのに残響が感じられません。演奏はごく自然なスタイルでまったく力みが感じられません。ノン・ヴィブラートなのは予習した彼女のCDの通りですが、CDと違って、ゆったりとした演奏です。特にソナタはしみじみと真摯に素晴らしい音楽です。どうやらパルティータとは雰囲気を変えて演奏しているようです。なるほどね。弓を弦にあまり強く押し付けないで軽く弾いているような感じがします。それでもストラディヴァリウスはよく響きます。前半3曲を聴き終えたところで、イザベル・ファウストがCD録音時よりも熟成した音楽を聴かせてくれるようになった感じを抱きます。今日は録音も録画もしているようですから、ライブのCD、あるいはテレビ放送があるのかもしれません。CDでこの演奏をじっくりと聴けば、また、その素晴らしさがさらに味わえそうな感じです。

長い休憩後、残りの3曲の演奏が始まります。今度は反対側を向いての演奏なので、背中しか見えません。イザベル・ファウストのヴァイオリンの響きは実に安定していて、一貫性のある表現を保ち続けます。前半と違って、今度は響きが直接的に聴こえてくるのではなく、少し教会の建物の残響を伴って聴こえてきます。クリアーではあり、前半よりも響きという点ではこちらのほうが好ましく感じます。前半はソナタ、パルティータ、ソナタの順でしたが、今度はパルティータ、ソナタ、パルティータの順です。前半と同様にソナタが素晴らしかったのですが、パルティータ2曲も素晴らしい演奏。最後に置かれたシャコンヌで終わるパルティータ第2番は素晴らしい演奏でCDで聴いたちょっと違和感のある演奏を脱却したものです。長大なシャコンヌで見事な演奏の締め。saraiの体力切れで終始、集中できなかったのが残念ではありました。でも、美しい演奏に耳を傾けていると、つい、ふらっとくるのは素晴らしい演奏の証拠かなと強がったりします。よいものを聴かせてもらいました。教会の外に出ると軽く雨が降っています。眠い目をこすりながら、ホテルへ歩きます。今日はモーツァルト、バッハの充実した音楽を楽しめました。

プログラムは以下です。

  バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲

   ソナタ第1番ト短調 BWV1001
   パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
   ソナタ第2番イ短調 BWV1003

    《休憩》

   パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
   ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
   パルティータ第2番ニ短調 BWV1004


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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