マーラーはやっぱりウィーン・フィルで聴かないとね@ザルツブルク音楽祭(祝祭大劇場) 2016.8.6
最初に演奏されたペルトの《白鳥の歌》は一定のリズムと旋律が繰り返される一種のミニマル・ミュージックですが、静かな抒情性に満ちた魅力的な音楽でした。
後半のブルックナーの交響曲第4番はメータに触発されたかのようにウィーン・フィルが激しい響きを立てます。いつもはそれでも柔らかい響きに満ちていますが、今日は狂奔するがごとき響きに少々、辟易とします。それでも段々とその響きに耳慣れしたのか、第4楽章ではそのダイナミックかつ大胆な演奏に魅了されます。いささか芝居がかったような音楽にも思えますが、意外にそれがいいんです。ブルックナーの交響曲第4番はこういう演奏が分かりやすくていいのかもしれません。この祝祭大劇場ではやたらに響き過ぎの感もありますが、ウィーン楽友協会だったら響き過ぎでももっと感じが違ったかもしれませんね。まあ、退屈の対極にあるような演奏で結構でした。
プログラムは以下です。
指揮:ズビン・メータ
バリトン:マティアス・ゲルネ
管弦楽:ウィーン・フィル
ペルト:白鳥の歌
マーラー:亡き子をしのぶ歌
《休憩》
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』
結局、最初も素晴らしいマーラーで始まり、最後も素晴らしいマーラーで終わったザルツブルグ音楽祭でした。昨日のR・シュトラウスの《ダナエの愛》が白眉。アデスの《皆殺しの天使》もよかったし、《コジ・ファン・トゥッテ》は最高でした。多分、これが最初で最後のザルツブルグ音楽祭になるかと思うと寂しさもあります。
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